JP2565631Y2 - 選果コンベアの青果物取出装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は青果物を選別仕分けする
選果コンベアにおいて、この選果コンベアから仕分け排
出される青果物を取り出す選果コンベアの青果物取出装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、下方へ回動可能なバケットを多数
備えた選果コンベアにおいて、該選果コンベアの所定位
置から仕分け排出される青果物の取り出しは、選果コン
ベアの所定の仕分位置の下方で該選果コンベアを横断す
る方向に引き出しコンベアを設け、該引き出しコンベア
上に、バケット上の青果物を該バケットを下方へ回動さ
せて直接放出させ取り出す方式や、回動するバケット
（カップ）をシュートに摺接させて徐々に傾倒せしめる
ように構成したもの（実公昭５５ー３２１３１号公報）
が公知である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】上記従来の、青果物を
引き出しコンベア上に直接放出する方式は、小形軽量又
は傷がつきにくい青果物の取り出しに好ましく適用され
ている。

【０００４】一方、上記実公昭５５ー３２１３１号公報
のものは、回動するカップを前傾したシュートに摺接さ
せながら傾倒せしめることによって、カップ上の果実を
シュート上に放出すると共に該シュート上を転動させな
がら引き出しコンベア上に流下するようになっている。

【０００５】このため、上記従来の実公昭５５ー３２１
３１号公報のものは、シュート上を転動するような比較
的球形に近いもの及び転動させても傷のつきにくい果実
には適しているが、例えばキュウリ、ナス等のように比
較的転がりにくいものや、又は転動することが好ましく
ない軟弱な青果物の取り扱いには適していない欠点があ
った。

【０００６】更に、上記従来のいずれのものも、選果コ
ンベアの各バケットに青果物の向き（姿勢）を揃えて供
給しても排出時の転動によってその向きが変わるため、
後工程において青果物の向き（姿勢）修正等の手間がか
かり箱詰めの能率が上がらないという問題を抱えてい
た。

【０００７】この考案が解決しようとする課題は、選果
コンベアの所定の仕分位置から排出される青果物を、転
動移送することなく選果コンベアに載せられたままの向
き（姿勢）で取り出すことのできる選果コンベアの青果
物取出装置を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本考案の選果コンベアの青果物取出装置は、青果物
を載せるためのバケットを多数備え、所定の仕分位置で
該バケットを下方へ回動させてバケット上の青果物を排
出する選果コンベアにおいて、該選果コンベアの所定の
仕分位置の下方に設けられ、搬送面が進行方向に下り傾
斜して選果コンベアの移送速度と略同一速度で走行し且
つ回動するバケットの後端部に該搬送面が接触してこの
バケットの下方への回動を案内すると共に回動途中に排
出される青果物を受けてこれを移送する搬出コンベアを
具備することを特徴とするものである。

【０００９】

【作用】以上のように構成された本考案によれば、選果
コンベアの所定の仕分位置において下方へ回動するバケ
ットは、その後端部が搬出コンベアの搬送面に接触して
移送されることにより徐々に回動角度が増加する。これ
によりバケット上の青果物は、搬出コンベア上に滑らか
に排出されると共にその搬送面上で転動することなく移
送されて取り出すことができる。

【００１０】

【実施例】以下本考案の好ましい一実施例を図面を参照
して説明する。

【００１１】図１は本考案の正面図であり、図２は同平
面図である。図３はバケット１０の動作説明図である。
尚、実施例の青果物はキュウリＳを用いる。

【００１２】図において、１は選果コンベアであり、青
果物を１個ずつ載せるためのバケット１０を、エンドレ
スに走行回転するコンベアチェン１１に、取付部材１２
により進行方向に定間隔で多数回動可能に取り付け、所
定の仕分位置で下方へ回動するようになっている。

【００１３】バケット１０はキュウリＳの長手を横向き
に載置して移送するため、受載面が進行方向に対して横
方向に長い形状に形成されている。このバケット１０の
形状は載置する青果物の形状、大きさ、重量によって任
意な形状に構成することができる。

【００１４】このバケット１０はその後端部１０ｂの側
部に突出されたピン（不図示）がキャッチ装置（不図
示）により係合されて水平に保持されている。そして、
このバケット１０の水平保持は、排出作動装置１３の作
動によりピン（不図示）の係合を解放されたときに解除
されてバケット１０が自重で下方へ回動するようになっ
ている。

【００１５】前記取付部材１２は丸棒、又は丸パイプを
用いるのが好ましいが、特に限定するものではなく、バ
ケット１０の前端部１０ａを支持してバケット１０が回
動可能に設けられるものであれば他の手段例えばヒンジ
等であってもよい。

【００１６】この選果コンベア１は、移送されるバケッ
ト１０上の青果物の所定の項目を計測する計測装置（不
図示）を備えており、この計測結果に基づいて演算処理
装置（不図示）により仕分信号が該当する排出作動装置
１３へ出力されるようになっている。この仕分信号によ
り排出作動装置１３が作動するとバケット１０が下方へ
回動してバケット１０上の青果物を排出する。以上述べ
たことは従来公知の選果コンベアと同様である。

【００１７】２は選果コンベア１の所定の仕分位置の下
方に設けられた搬出コンベアである。この搬出コンベア
２はその搬送面２１が進行方向に緩やかに下り傾斜する
ように設けられており、選果コンベア１の搬送速度と略
同一速度で走行回転するようになっている。この下り傾
斜の角度は排出されたキュウリＳが搬送面２１上で転動
して自走しない角度に設定することが好ましい。この搬
出コンベア２の傾斜角度は、青果物の種類によって適宜
な角度に設定することが好ましい。

【００１８】そして、この搬出コンベア２の搬送面２１
には、回動するバケット１０の後端部１０ｂが接触する
ようになっており、バケット１０が矢印方向に移送され
るとバケット１０の傾倒角度が搬送面２１上で次第に大
きくなるように作用する。そしてバケット１０上のキュ
ウリＳは、バケット１０の回動の途中で搬出コンベア２
上に滑らかに排出されると共に搬出コンベア２により転
動することなく先方へ移送される。

【００１９】この搬出コンベア２を駆動させるには、モ
ータ（不図示）を単独に設けて行うか又は、選果コンベ
ア１のコンベアチェン１１の駆動力を利用して連動駆動
することもできる。

【００２０】３は搬出コンベア２の先に設けられた９０
度カーブコンベアであり、搬出コンベア２で移送される
キュウリＳを同じ向き（姿勢）で受けて選果コンベア１
の側方へ搬出するようになっている。

【００２１】４は整列コンベアであり、前記９０度カー
ブコンベア３により長手が横向きに移送されるキュウリ
Ｓの端部をガイド４１により揃えて移送するようになっ
ている。

【００２２】５は整列コンベア４の先に設けられた貯留
装置であり、前記整列コンベア４で送られるキュウリＳ
を個別に停留可能な受皿５１に１個ずつ載せて移送する
ようになっている。

【００２３】６は箱詰装置であり、前記貯留装置５上で
待機するキュウリＳを、図示しない真空吸着式のパッド
により所定数取り上げて所定の位置で待機する段ボール
箱６１に箱詰めするようになっている。

【００２４】７は箱詰めされた段ボール箱６１を所定の
方向へ搬出するための製品搬送コンベアである。

【００２５】以上のように構成された実施例の作用につ
いて図３の動作説明図を参照して説明する。

【００２６】選果コンベア１により移送されるキュウリ
Ｓが載せられたバケット１０は、図示しない演算処理装
置から出力される仕分信号により所定の排出作動装置１
３が作動して下方へ回動される。下方へ回動するバケッ
ト１０は、その後端部１０ｂが搬出コンベア２の搬送面
２１上に接触して移送されることにより徐々にその回動
角度が増加するように動作する。これによりバケット１
０上のキュウリＳは、搬送面２１上に滑らかに排出され
ると共にその搬送面２１上で転動すること移送されて９
０度カーブコンベア３上へ搬出される。これによって、
選果コンベア１により進行方向に対して長手が横向きに
移送されるキュウリＳは、そのままの向きで取り出され
て選果コンベア１の側方へ搬出することができる。

【００２７】そして、９０度カーブコンベア３から整列
コンベア４へ供給されたキュウリＳは、その端部がガイ
ド４１により揃えられて貯留装置５の受皿５１上に１個
ずつ供給される。そして、貯留装置５上でキュウリＳが
所定数貯留されると箱詰装置６によりキュウリＳを所定
数取り上げて段ボール箱６１へ箱詰する。箱詰めされた
段ボール箱６１は、製品搬送コンベア７により所定の方
向へ搬送されて箱詰め包装が終了する。

【００２８】尚、実施例では９０度カーブコンベアの先
方に箱詰め装置６を設けて青果物の自動包装システムを
構成したが、限定するものではなく手作業エリアを構成
することもできる。

【００２９】

【考案の効果】以上述べた如く、本考案は、選果コンベ
アの所定の仕分位置の下方に、搬送面が進行方向に下り
傾斜して選果コンベアの移送速度と略同一速度で走行し
且つ回動するバケットの後端部に該移送面が接触してバ
ケットの下方への回動を案内するすると共に回動途中に
排出される青果物を受けてこれを移送する搬出コンベア
を設けたものであるから、バケット上の青果物は搬出コ
ンベア上へ滑らかに排出することができると共に、排出
された青果物は転動させることなく搬出コンベア上で移
送されて取り出すことができる。このため青果物は排出
時の衝撃や移送時による衝撃を受けることがなく、これ
が原因で生じる青果物の損傷を防止することができる。

【００３０】また、バケットから排出された青果物は搬
出コンベアにより転動させることなく移送するので、青
果物はその向き（姿勢）を変えることなく取り出すこと
ができる。更に、搬出コンベアの先に９０度カーブコン
ベアを設けたことにより、搬出コンベアから送り出され
る青果物は、バケット上に載せられたままの向き（姿
勢）で９０度方向を変えて選果コンベアの側方に取り出
すことができる。これにより後工程の箱詰め時における
向き揃え等の修正作業を省くことができて、手作業での
箱詰め能率がアップすることはもちろん箱詰めの自動化
にも貢献することができるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案実施例の正面図。

【図２】同平面図。

【図３】動作説明図。

【符号の説明】

１：選果コンベア ２：搬出コンベア ３：９０度カーブコンベア ４：整列コンベア ５：貯留装置 ６：箱詰装置 ７：製品搬送コンベア Ｓ：キュウリ １０：バケット １１：コンベアチェ
ン １２：取付部材 １３：排出作動装置 ２１：搬送面 ４１：ガイド ５１：受皿 ６１：段ボール箱

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 青果物を載せるためのバケットを多数備
   え、所定の仕分位置で該バケットを下方へ回動させてバ
   ケット上の青果物を排出する選果コンベアにおいて、該
   選果コンベアの所定の仕分位置の下方に設けられ、搬送
   面が進行方向に下り傾斜して選果コンベアの移送速度と
   略同一速度で走行し且つ回動するバケットの後端部に該
   搬送面が接触してこのバケットの下方への回動を案内す
   ると共に回動途中に排出される青果物を受けてこれを移
   送する搬出コンベアを具備することを特徴とする選果コ
   ンベアの青果物取出装置。
2. 【請求項２】 前記搬出コンベアの先に、９０度カーブ
   コンベアを設けたことを特徴とする請求項１記載の選果
   コンベアの青果物取出装置。