JP2574044Y2 - 付属構造物接合構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、接合金物を介して建築
物の外壁パネルの縦枠材と、付属構造物の袖壁パネルの
縦枠材を接合する付属構造物接合構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のバルコニー等の付属構造物を形成
する袖壁パネル１１の建築物本体への取付けは、外壁パ
ネル２の継ぎ目の隙間にカバー１２を取り付けたのち、
建築物本体の架構体に取り付けた付属構造物の床を支え
る片持ち梁１３の上面に付属構造物の袖壁パネル１１の
下枠材１４をボルト接合する。その付属構造物の袖壁パ
ネル上部１５の建築物本体への接合は、付属構造物の袖
壁パネル１１の上枠材１６と外壁面１７とにアングル材
の接合金物１８をビス止めすることにより行われてい
る。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】従来の接合方法では、
付属構造物の袖壁パネル上部１５の接合は、袖壁パネル
１１の上枠材１６と外壁面１７を接合金物１８を介して
ビス止めで接合していたため接合強度が弱く、外壁パネ
ルの枠材１９と付属構造物の袖壁パネルの枠材を剛接合
できない。また、外壁面に接合金物１８をビス止めして
いたため、接合金物１８がサッシなどに干渉し、接合金
物１８を加工しなければならないことがあった。さら
に、接合金物１８を外壁面に取り付けるため、接合金物
１８が露出し美観を損なっていた。

【課題を解決するための手段】

【０００４】ナット４を固着した垂直片１ａとそれと直
交方向に位置する他方の垂直片１ｂを有する接合金物１
を、外壁パネル２の縦枠材２ａに接合し、接合金物１に
固着したナット４の挿入孔５を設けたカバー６を外壁パ
ネル２の継ぎ目の隙間に取り付けたのち、付属構造物の
袖壁パネル３の縦枠材３ａを接合金物１に固着したナッ
ト４及びボルト９で接合する。

【０００５】

【作用】接合金物１を介して、外壁パネル２の縦枠材２
ａと、付属構造物の袖壁パネル３の縦枠材３ａとを接合
するため、高い接合強度が得られる。接合金物１と外壁
パネル２を外壁パネル２の継ぎ目の隙間で接合し、ナッ
ト４の挿入孔５を設けたカバー６で外壁パネル２の継ぎ
目を塞ぐので、接合金物１が露出せず美観を保つことが
できる。また、接合金物１が外壁面に露出しないため、
外壁パネル２に取り付けるサッシなどと干渉する恐れが
なくなる。

【０００６】

【実施例】以下本考案の実施例を示す図面に基づき説明
する。この考案は、接合金物１を介して建築物の外壁パ
ネル２の縦枠材２ａと、バルコニー等の付属構造物の袖
壁パネル３の縦枠材３ａを接合する付属構造物接合構造
である。

【０００７】本実施例では接合金物１として、直交方向
の二つの垂直片１ａ、１ｂを有し、両垂直片１ａ、１ｂ
にボルト孔１ｃ、１ｃ、袖壁パネル３の縦枠材３ａと接
合される垂直片１ａの外面にナット４を溶接などで固着
した金物を用いている。また、この接合金物１を形成す
る両垂直片１ａ、１ｂは、接合金物１を外壁パネル２の
縦枠材２ａに取り付けた際コーナー部に空間が必要とさ
れるため両垂直片１ａ、１ｂに間隔をあけて、台形の水
平片１ｄ、１ｄを介して二片の上端と下端を接合してい
る。

【０００８】外壁パネル２および、バルコニーの袖壁パ
ネル３の枠材２ａ、３ａは、断面コ字形の鋼材で構成さ
れている。外壁パネル２の縦枠材２ａには、接合金物１
を接合するボルト７を挿通するためのボルト孔が設けら
れ、縦枠材２ａ内側にナット８が溶接などにより固着さ
れている。袖壁パネル３の縦枠材３ａにも接合金物１を
接合するボルト９を挿通するためのボルト孔が設けられ
ている。

【０００９】また、外壁パネル２の継ぎ目の隙間を塞ぐ
ためのカバー６は、ナット４を挿通するための挿入孔５
が設けられている。さらに、カバー６の裏面には、外壁
パネル２にカバー６を沿わせるための断面Ｕ字型の部分
と、外壁パネル２の縦枠材２ａにビス止めで接合するた
めのフランジ部を有する金属製の取付け金物１０が設け
られている。

【００１０】次に、施工順序に従い施工方法について述
べる。まず、ボルト７を垂直片１ｂのボルト孔１ｃに挿
通し、あらかじめ外壁パネル２の縦枠材２ａに固着した
ナット８に螺合することにより外壁パネル２の縦枠材２
ａと接合金物１を接合する。

【００１１】そして、カバー６のナット４の挿入孔５に
接合金物１のナット４が挿入されるように壁パネルの隙
間にカバー６を取り付けておき、外壁パネル２との間に
カバー６を挟んで袖壁パネル３を建て込む。その際、先
に袖壁パネル３下部を接合するが、その接合方法は従来
例に示した通りである。

【００１２】最後に、袖壁パネル３上部の接合部付近の
表面材に切り欠きを設け、それを利用してボルト９を袖
壁パネル３の縦枠材３ａのボルト孔に挿通し、接合金物
１の垂直片１ａのナット４に螺合して緊締する事により
袖壁パネル３の上部を固定する。最後に表面材に設けた
切り欠きを埋め仕上げを行う。

【００１３】本実施例では接合金物１と外壁パネル２の
縦枠材２ａはボルト接合としたが、あらかじめ工場など
で溶接しておいてもよい。

【００１４】

【考案の効果】本考案は以上の通りであり、接合金物１
を介して、外壁パネル２の縦枠材２ａと、付属構造物の
袖壁パネル３の縦枠材３ａとを接合するため、高い接合
強度が得られる。接合金物１と外壁パネル２を外壁パネ
ル２の継ぎ目の隙間で接合し、ナット４の挿入孔５を設
けたカバー６で外壁パネル２の継ぎ目を塞ぐので、接合
金物が露出せず美観を保つことができる。また、接合金
物１が外壁面に露出しないため、外壁パネル２に取り付
けるサッシなどと干渉する恐れがなくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に用いる接合金物の斜視図で
ある。

【図２】本考案の一実施例を示す、接合部の断面図であ
る。

【図３】本考案の一実施例に用いるカバーの斜視図であ
る。

【図４】袖壁パネルの下部接合構造を示す分解斜視図で
ある。

【図５】従来例を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 接合金物 １ａ 垂直片 １ｂ 垂直片 ２ 外壁パネル ２ａ 縦枠材 ３ 袖壁パネル ３ａ 縦枠材 ４ ナット ５ 挿入孔 ６ カバー ９ ボルト

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 外壁パネルと、 該外壁パネルの縦枠材に固着する垂直片と該垂直片の直
   交方向に位置しボルト孔及び外面に固着されたナットを
   有する他方の垂直片を備えた接合金物と、 該ナットの挿入孔が形成された外壁パネルの継ぎ目のカ
   バーと、 縦枠材にボルト孔を有し該ボルト孔にボルトを挿通して
   接合金物に固着したナットと螺合することによりカバー
   を挟んで外壁パネルと接合される袖壁パネルとからなる
   付属構造物接合構造。