JP2572938B2 - 建築物の屋根下地構造とその下地構造を利用した屋根構造並びにその屋根葺き工法 - Google Patents

建築物の屋根下地構造とその下地構造を利用した屋根構造並びにその屋根葺き工法

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JP2572938B2
JP2572938B2 JP5300309A JP30030993A JP2572938B2 JP 2572938 B2 JP2572938 B2 JP 2572938B2 JP 5300309 A JP5300309 A JP 5300309A JP 30030993 A JP30030993 A JP 30030993A JP 2572938 B2 JP2572938 B2 JP 2572938B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建築物の屋根下地、そ
の下地を利用した屋根等の改良に関すると共に、その屋
根を葺くための改良された工法に関する。
【0002】
【従来の技術】建築物の骨組を構成している垂木に取付
けた屋根下地材(木質野地板)の全上面に面板を配設
し、両方を直接重ね合わせて屋根を構成していた。従っ
て、屋根下地材と面板との間に通気層による断熱層、空
気層による断熱層などを構成するためには、屋根下地材
上にその下地材とは別の部材(たとえば、垂木、もや様
の角材など)を配設した後で面板を取付けなければなら
なかった。また、上記した屋根構造の屋根葺き工法は、
建築物の骨組を構成している垂木に取付けた屋根下地材
(木質野地板)を雨,雪などから保護しながら施工する
ため、該下地材の全上面をしばしばテントで被覆するこ
とがあった。従って、テントかけ作業を必要とする煩雑
さ、そのテントかけ作業中の滑落事故,転落事故等発生
の危険があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した事
情に着目してなしたもので、屋根下地材上にこれと別の
部材を配設しなくても、面板と屋根下地材との間に通気
層による断熱層、空気層による断熱層を容易に構成し得
ると共に構造強固であり、且つ上記屋根下地材にテント
かけすることなく、その下地材を足場にしながら屋根葺
き工事を施工することを特徴とする。
【0004】
【課題を解決のための手段】叙上の目的達成のため、本
発明の建築物の屋根下地構造では、建築物の骨組を構成
している垂木上にわたって、波板で防水野地板を構成す
ると共に、この垂木と波板との間にキャップを配設し、
且つ、このキャップは前記垂木に固定される底部と前記
波板の山形部を内側から受支する他側立上部とを有して
いることを特徴とする。そして屋根構造では、建築物の
骨組を構成している垂木上にわたって波板で防水野地板
を設けると共に、この垂木と波板との間に、前記垂木に
固定される底部と前記波板の山形部を内側から受支する
他側立上部とを有するキャップを配設し、その防水野地
板上に面板を取付け、防水野地板と面板との間に空気の
流通する断熱層を形成したことを特徴とする。屋根葺き
工法では、建築物の骨組を構成している垂木上に、この
垂木に固定される底部と波板の山形部を内側からを受支
可能な他側立上部とを有するキャップを取付け、このキ
ャップを経て垂木上にわたって波板で防水野地板を構成
し、その防水野地板を足場にしながら、防水野地板上に
面板を取付けるようにしたことを特徴とする。
【0005】
【作用】屋根下地構造では、建築物の骨組上に波板で防
水野地板が構成されているから、該野地板を雨,雪など
から保護するためのテントかけ作業が必要なくなる。そ
して、垂木と波板との間に配設されているキャップが、
波板の山形部を内側から受支しているから構造強固であ
る。屋根構造では、上記防水野地板上に面板を取付ける
ことで、空気の流通する断熱層が形成されるから、該野
地板と別の部材を該野地板上に配設しないですむ。そし
て、垂木と波板との間に配設してあるキャップが、波板
の山形部を内側から受支しているから構造強固である。
屋根葺き工法では、前記面板は、前記防水野地板を足場
にしながら、該野地板上に取付けられるから、面板を取
付けるための足場をわざわざつくらないですむ。そし
て、垂木に波板をキャップを経て取付けるから、取付け
た状態で、キャップが波板の山形部を内側から受支する
ことになって構造強固に施工される。
【0006】
【実施例】請求項1の屋根下地構造のいくつかの例を図
面参照のもとに説明する。図1〜図3は、第1例を示す
もので、防水野地板3を構成する波板2は、建築物Bの
骨組1を構成している垂木1-1上にキャップ6を経て取
付ける。このキャップ6は、2つの目的を達成するため
に使用する部材であり、そのひとつは、波板2の山形部
内を建築物Bの内部と遮断し、防水野地板3上に面板4
を取付けると、防水野地板3と面板4との間及び防水野
地板3の内部に空気の流通する断熱層5が各々形成さ
れ、それらの断熱層が面板4の下側において、波板2の
波形部長手方向と交差する方向(図示例では、図4で棟
から軒先に向う方向)に連続状に形成され、面板4の下
側全域に断熱層5を形成して、屋根側からの断熱性を向
上せしめることである。もうひとつの目的は、防水野地
板3を下側から補強し、面板4上にかかる負荷、防水野
地板3に下側からかかる風圧などに対する抵抗性を向上
せしめることである。
【0007】キャップは、空気流通部形成のために防水
野地板3の波形部長手方向の長さよりも若干短寸の長さ
に形成し、その断面形状を下記のように構成する。即ち
キャップ6の断面形状を図6で説明すると、底部6aの
一側部側に一側折返部6bを形成し、その一側折返部の
一側縁部側を起立して一側立上部6cを形成する。そし
て、底部6aの他側部側に他側折返部6dを形成し、そ
の他側折返部の他側縁部側を一側立上部6cと平行に起
立して他側立上部6eを形成し、その他側立上部の他側
縁部側を一側立上げ部6cの下部へ向って斜に折曲して
傾斜部6fを形成し、その傾斜部の他側縁部側を底部6
aと平行に折曲すると共に、その底部上に当接せしめて
取付部6gを形成することにより、全体を構成する。
【0008】次に、建築物Bの骨組1を構成している垂
木1-1に対するキャップ6の取付け手段、防水野地板3
を構成する波板2とキャップ6との取付け関係、防水野
地板3の構成等を説明する。キャップ6は、垂木1-1上
の予め設定された所定部位に固定して取付けるが、その
取付け手段は、垂木1-1が前記金属製(前記鋼材製)な
らば、取付部6g,底部6aに貫通せしめたボルト(不
図示)を垂木1-1にも貫通せしめてナット(不図示)で
締付け固定する手段、又は取付部6g,底部6aを垂木
1-1に溶接する手段などが考えられ、垂木1-1が木質製
ならば、図示の如く取付部6g,底部6aを垂木1-1に
釘打ちして取付ける。
【0009】垂木1-1にキャップ6が配設されたら、波
板2の波形部における山形部(上向膨設部)をキャップ
6の一側立上部6cと他側立上部6eとにわたって緊密
に被嵌せしめ、波板2の波形部における谷形部(下向凹
設部)の底部をキャップ6の一側折返部6b上及び他側
折返部6d上に密着せしめ、波板2の山形部における下
側開口部にキャップ6が嵌装された形態に構成し、波板
2の山形部内を建築物Bの内部と遮断する。
【0010】上記の如くキャップ6に組込まれた波板2
は、キャップ6の一側立上部6c、他側立上部6e、一
側折返部6b、他側折返部6d等両方が密着している部
位をキャップ6に溶接,ねじ止め又は後述するように面
板4と共に木質製の垂木1-1に釘打ちし固定して取付け
る。かくして、波板2がキャップ6に組込まれ又は波板
2が面板4と共に木質製の垂木1-1に固定されることに
よって、防水野地板3が構成される。
【0011】そして、波板2は、角波板の例を図示した
が、これに制約されるわけでなく、丸波板であっても差
支えない。この波板2は、建築物Bに屋根下地材として
取付ける部材であるから、必ずしも新品の長尺部材であ
る必要はなく、波形部の成形数が少い端材を使用し、省
資源化を企図することが可能である。ここで波板2の端
材というのは、既使用の中古部材の使用可能な部位、新
品長尺部材の従来捨棄していた余剰部位など、従来捨棄
されていた波板の一部、再利用が顧慮されずに放置され
ていた波板の一部などのことである。
【0012】骨組1の垂木1-1に対する波板2の取付け
手段は、該波板が屋根下地材として取付けられるから、
垂木1-1が金属製(たとえば、C形鋼,H型鋼などの鋼
材製)であれば、溶接又はボルト・ナット止め、木質製
であれば、釘打ちなどの手段を採用し、周知のタイトフ
レームを使用した取付け手段をなるべく採用せず、施工
性の能率アップを企図する。波板2の端材を使用する場
合は、新品ならば単板でも構わないが、中古部材なら
ば、予め複数枚を重ねて固定して強度を付与した積層タ
イプに構成した後で、新品の長尺部材に又は中古部材相
互を接合して防水野地板3の構成に使用する。なお、波
板2が新品長尺部材の場合であっても、上記積層タイプ
に構成して使用しても構わない。波板2で防水野地板3
を構成する場合、骨組1の垂木1-1に対する波形部の方
向は、図示例の横向き(横葺き)に限られず、不図示の
縦向き(縦葺き)であっても差支えなく、図示例の横葺
きの場合は、波板2が防水野地板3と垂木とを兼ねこと
になって、二重垂木が構成されて足場が丈夫になり、不
図示の縦葺きの場合は、骨組1のもや1-2上に直接取付
ければ、波板2が防水野地板3と図示の垂木1-1とを兼
ねることになり、図示の垂木1-1をわざわざ配設しない
ですむ。波板2の材質は、金属のほか、金属と同等位の
加工性,強度,施工性を有するものならば、複合材料,
硬質合成樹脂,その他の材質であっても差支えない。波
板2が骨組1の垂木1-1に取付けられれば、防水野地板
3が構成される。
【0013】図4〜図6は、請求項1の下地構造の第2
例を示すもので、上述した第1例と重複する構成につい
ては、第1例と同じ符号を図示して説明を省略し、第1
例と異なる構成を説明する。この第2例が第1例と異な
る構成は、波板2の断面形状及びキャップ6の断面形状
が異なることである。キャップ6の使用目的は、第1例
と同様である。図6で波板2及びキャップ6の断面形状
を説明する。上記波板2は、波形部における山形部と谷
形部に共通の両側壁を山形部の頂部側から谷形部の底部
側に向って波形又はジグザグ形に成形する。一方キャッ
プ6は、底部6aの一側部側に一側折返部6bを形成
し、その一側折返部の一側縁部側を起立して高い一側立
上部6cを形成し、その立上部を波板2の両側壁断面形
状に適合する波形又はジグザグ形に成形する。そして、
底部6aの他側部側に他側折返部6dを形成し、その他
側折返部の他側縁部側を起立して高い他側立上部6eを
形成し、その立上部を波板2の両側壁断面形状に適合す
る波形又はジグザグ形に成形することによって全体を構
成する。
【0014】次に、建築物Bの骨組1を構成している垂
木1-1に対するキャップ6の取付け手段、防水野地板3
を構成する波板2とキャップ6との取付け関係、防水野
地板3の構成等を説明する。キャップ6は、垂木1-1上
の予め設定された所定部位に固定して取付けるが、その
取付け手段は、垂木1-1が前記金属製(前記鋼材製)な
らば、底部6aに貫通せしめたボルト(不図示)を垂木
1-1にも貫通せしめてナット(不図示)で締付け固定す
る手段、又は底部6aを垂木1-1に溶接する手段などが
考えられ、垂木1-1が木質製ならば、図示の如く底部6
aを垂木1-1に釘打ちして取付ける。垂木1-1にキャッ
プ6が配設されたら、波板2の波形部における山形部
(上向膨設部)をキャップ6の一側立上部6cと他側立
上部6eとにわたって緊密に被嵌せしめ、波板2の波形
部における谷形部(下向凹設部)の底部をキャップ6の
一側折返部6b上及び他側折返部6d上に密着せしめ、
波板2の山形部における下側開口部にキャップ6が嵌装
された形態に構成し、波板2の山形部内を建築物Bの内
部と遮断する。
【0015】上記の如くキャップ6に組込まれた波板2
は、キャップ6の一側立上部6c、他側立上部6e、一
側折返部6b、他側折返部6d等両方が密着している部
位をキャップ6に溶接,ねじ止め又は後述するように面
板4と共に木質製の垂木1-1に釘打ちし固定して取付け
る。かくして、波板2がキャップ6に組込まれ又は波板
2が面板4と共に木質製の垂木1-1に固定されることに
よって、防水野地板3が構成される。
【0016】図7〜図9は、請求項1の下地構造の第3
例を示すもので、上述した第1例,第2例と重複する構
成については、同例と同じ符号を図示して説明を省略
し、上述した2つの例と異なる構成を説明する。この第
3例が第1例,第2例と異なる構成は、通気孔による空
気流通部7が構成されることである。キャップ6の使用
目的は、第1例,第2例と同じであり、キャップ6の断
面形状は、第1例と同じ形状を例示してある。防水野地
板3を構成する波板2の両側壁及びキャップ6の他側立
上部6eには、波板2の波形部長手方向及びキャップ6
の長手方向と交差する方向に通気孔を開穿し、該通気孔
を上記長手方向に複数個配列して空気流通部7を構成す
る。空気流通部7の垂木1-1と平行な方向の配列は、一
直線配列,千鳥状配列のいずれでもよい。
【0017】上記の空気流通部7は、波板2よりも若干
短寸長のキャップ6の両端部に形成される不図示の空気
流通部と協働して、面板4の下側全域に空気の流通する
断熱層5を形成せしめる。建築物Bの骨組1を構成して
いる垂木1-1に対するキャップ6の取付け手段,防水野
地板3を構成する波板2とキャップ6との取付け関係、
防水野地板3の構成等は、第2例と同じである。従っ
て、波板2がキャップ6に組込まれ又は波板2が面板4
と共に木質製の垂木1-1に固定されれば、防水野地板3
が構成される。
【0018】図10〜図13は、請求項1の下地構造の
第4例を示すもので、上述した第1例,第2例,第3例
と重複する構成については、同例と同じ符号を図示して
説明を省略し、上述した3つの例と異なる構成を説明す
る。この第4例が第1例,第2例,第3例と異なる構成
は、通気溝による空気流通部7が構成されることであ
る。キャップ6の使用目的は、第1例,第2例,第3例
と同じであり、キャップ6の断面形状は、第1例と同じ
形状を例示してある。空気流通部7は、建築物Bの骨組
1を構成している垂木1-1上において、防水野地板3を
構成する波板2に通気溝を設けて構成するが、その通気
溝は、波板2の波形部長手方向と交差する方向(垂木と
平行な方向)に設ける。空気流通部7の構成手段は、垂
木1-1の配設間隔寸法と同寸位の長さ寸法の波板2を垂
木1-1上において隙間をあけ、該垂木上にわたって配設
することにより構成する。空気流通部7の垂木1-1と平
行な方向の配列は、図示例の如き一直線配列に限らず、
千鳥状配列であっても差支えない。
【0019】上記空気流通部7がキャップ6両端部の空
気流通部と協働することは第4例と同様である。建築物
Bの骨組1を構成している垂木1-1に対するキャップ6
の取付け手段,防水野地板3を構成する波板2とキャッ
プ6との取付け関係、防水野地板3の構成等は、第2例
と同じである。従って、波板2がキャップ6に組込まれ
又は波板2が面板4と共に木質製の垂木1-1に固定され
れば、防水野地板3が構成される。
【0020】図14は、請求項1の下地構造の第5例を
示すもので、上述した第1例,第2例,第3例,第4例
と重複する構成については、同例と同じ符号を図示して
説明を省略し、上述した4つの例と異なる構成を説明す
る。この第5例が第1例と異なる構成は、空気流通部7
を防水野地板構成部材の波板2にも有する構成にしたこ
とである。空気流通部7は、防水野地板3を構成する波
板2の山形部において、その山形部長手方向と交差する
方向に構成する。空気流通部7は、前記波板2の山形部
の一部の高さを低くすることにより、通気溝として構成
し、該通気溝を山形部長手方向に複数箇所構成する。空
気流通部7の垂木1-1と平行な方向の配列は、図示例の
如き一直線配列に限られず、千鳥状配列であってもよ
い。上述のように屋根下地構造を波板2による防水野地
板3で構成すれば、面板4の下側全域に通気層又は空気
層による断熱層5を形成するのに屋根下地材上に別の部
材を配設し、その別部材上に面板を取付けるという手間
のかかる面倒な作業をしないですむ。また、防水野地板
3が構成されるので、屋根葺き工法の施行中にテントか
け作業を行わないですむ。これらのことから、屋根葺き
工法の能率化、作業中の事故防止などに寄与しえる。
【0021】次に請求項2及び同3を図1〜図14に基
づいて説明する。面板4は、長尺トタン板を使用する例
を示すもので、防水野地板3上において、立平式,瓦棒
式など周知の屋根葺き手段で相互に接合する。相互に接
合された面板4は、建築物Bの骨組1を構成している垂
木1-1が前記金属製の場合は、防水野地板3の山形部頂
部に溶接又はねじ止めなどの取付け手段で取付け、上記
垂木1-1が木質製の場合は、上述の金属製垂木1-1に対
する取付け手段と同様になしえるほか、防水野地板3と
共に木質製垂木1-1に釘打ちして取付けることが可能で
ある。かかる面板4の取付け手段が、ねじ止め,釘打ち
などの場合、周知の立平式,瓦棒式などと同様に雨漏り
しない部位でねじ止め,釘打ちなどを行う。面板4を防
水野地板3又は該野地板と垂木1-1とに取付ける屋根葺
き工法は、建築物Bの骨組1に取付けられた防水野地板
3を足場にして棟側又は軒先側のいずれからでも行え
る。
【0022】従来の屋根葺き工法では、野地板が波板で
構成されていなかったため、足を掛ける足場を確保する
ことに困難性があった。そこで、足場確保に代えて、建
築物の骨組(具体的には棟)に命綱の一端部側を固定
し、他端部側を職人の身体に巻付け、命綱を頼りにしな
がら作業していた。ところが、本発明の如く防水野地板
3を波板2で構成すれば、図示例の如く波板2を横向
(横葺き)にした場合、山形部に足を掛けて作業できる
ので、足場の確保が容易となり、命綱を使用しなくても
作業することが可能になる。また、本発明において、波
板2を縦向(縦葺き)する場合は、図14に示す防水野
地板3を使用すれば、可能な限り数多く構成された空気
流通部7に足を掛けて作業することが可能になり、足場
の確保が容易になって、命綱の必要性が低下する。しか
して、命綱を使用して作業をすすめるのは、勿論自由で
ある。
【0023】次に面板4が取付けられることによって形
成される断熱層5について説明する。図1〜図3に示す
屋根構造は、キャップ6の長さ寸法が防水野地板3の長
さ寸法よりも若干短いことにより、キャップ6の両端部
に空気流通部(不図示)が形成され、防水野地板3の一
つの山形部内部の面板側部と垂木側部とを空気が流通す
る断熱層5と、防水野地板3の谷形部に空気の流通しな
い空気層による断熱層5とが交互に形成される。従っ
て、面板4の下部全域に空気の流通する断熱層5と、空
気の流通しない空気層による断熱層5とが形成される。
【0024】図4〜図6の屋根構造は、防水野地板3の
山形部と谷形部とに夫々空気の流通しない空気層による
断熱層5が連続形成される。従って、面板4の下部全域
に空気の流通しない空気層による断熱層5が形成され
る。
【0025】図7〜図9の屋根構造は、防水野地板3の
両側壁と、キャップ6の他側立上部6eとに空気流通部
7が設けられているので、防水野地板3の一つの山形部
内部の面板側部と、その山形部内部面板側部に隣合う谷
形部とに空気が流通し、且つ上記一つの山形部内部の垂
木側部と、その山形部内部垂木側部に隣合う谷形部(上
記山形部内部面板側部に隣合う谷形部と共通)とに空気
が流通しえる断熱層5が形成される。この断熱層5は、
キャップ6が防水野地板3の長さよりも短寸なることに
よって、キャップ両端部に形成される空気流通部(不図
示)によって全て連通され、空気が流通する。
【0026】図10〜図13及び図14の屋根構造は、
いずれも防水野地板3に長さ方向と交差する空気流通部
7が設けられているので、キャップ6が防水野地板3よ
りも短寸長なることによってキャップ6の両端部に形成
される不図示の空気流通部と、上記空気流通部7とが協
働してすべての断熱層5を連通せしめ、空気を全ての断
熱層5に流通させる。図示例の断熱層5は、面板4の下
部全域において、棟及び軒先と平行に構成される。しか
して、防水野地板3を縦向に(縦葺き)すれば、断熱層
5が棟及び軒先と交差する方向に構成されるのはいうま
でもない。叙上のように面板4の下部全域に断熱層5を
構成すれば、屋根側からの断熱性が改善される。
【0027】
【発明の効果】A.請求項1により、建築物の骨組を構
成している垂木上にわたって、波板で防水野地板を構成
したから、該野地板を雨,雪などから保護するためのテ
ントかけ作業が必要なくなる。従って、屋根葺き作業の
能率化を企図し得るばかりでなく、テントかけ作業に伴
う滑落事故,転落事故などの心配が解消し、安心して屋
根葺き作業をすすめることができ、さらには、防水野地
板が雨,雪などで容易に腐蝕するおそれが解消し、長持
ちする野地板となし得る。そして、垂木と波板との間に
配設されているキャップが、波板の山形部を内側から受
支しているから構造強固である。 B.請求項2により、上記の防水野地板上に面板を取付
け、防水野地板と面板との間に空気の流通する断熱層を
形成したから、該野地板と別の部材を該野地板上に配設
しないですむ。従って、能率よく屋根葺き作業を行いな
がら、屋根側の断熱性を向上し得ると共に、余計な部材
を使用しないですみ、材料の節約を図ることができる。
そして、垂木と波板との間に配設してあるキャップが、
波板の山形部を内側から受支しているから構造強固であ
る。 C.請求項3により、前記防水野地板を足場にしなが
ら、その防水野地板上に面板を取付けるから、面板を取
付けるための足場の組立てと解体とを行わないですむ。
従って、屋根葺き作業を能率よくすすめえる独自の屋根
葺き工法となし得る。そして、垂木に波板をキャップを
経て取付けるから、取付けた状態で、キャップが波板の
山形部を内側から受支することになって構造強固に施工
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明請求項1の屋根下地構造第1例の概
略、請求項2の第1例の概略及び請求項3の概略を示す
斜視図。
【図2】 (a),(b)は図1の一部拡大縦断面図。
【図3】 図1の一部拡大縦断面図。
【図4】 本発明請求項1の屋根下地構造第2例の概
略、請求項2の第2例の概略及び請求項3の概略を示す
斜視図。
【図5】(a),(b)は図4の一部拡大縦断面図。
【図6】 図4の一部拡大縦断面図。
【図7】 本発明請求項1の屋根下地構造第3例の概
略、請求項2の第3例の概略及び請求項3の概略を示す
斜視図。
【図8】 (a),(b)は図7の一部拡大縦断面図。
【図9】 図7の一部拡大縦断面図。
【図10】 本発明請求項1の屋根下地構造第4例の概
略、請求項2の第4例の概略及び請求項3の概略を示す
斜視図。
【図11】 (a),(b)は図10の一部拡大縦断面
図。
【図12】 図10の一部拡大斜視面図。
【図13】 図12の(13)−(13)線に沿える縦
断面図。
【図14】 本発明請求項1の屋根下地構造第5例の概
略、請求項2の第5例の概略及び請求項3の概略を示す
斜視図。
【符号の説明】
B 建築物 1 骨組 1-1 垂木 2 波板 3 防水野地板 4 面板 5 断熱層 6 キャップ 6a 底部 6e 他側立上部

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建築物の骨組を構成している垂木上にわ
    たって、波板で防水野地板を構成すると共に、この垂木
    と波板との間にキャップを配設し、且つ、このキャップ
    は前記垂木に固定される底部と前記波板の山形部を内側
    から受支する他側立上部とを有していることを特徴とす
    る建築物の屋根下地構造。
  2. 【請求項2】 建築物の骨組を構成している垂木上にわ
    たって波板で防水野地板を設けると共に、この垂木と波
    板との間に、前記垂木に固定される底部と前記波板の山
    形部を内側から受支する他側立上部とを有するキャップ
    を配設し、その防水野地板上に面板を取付け、防水野地
    板と面板との間に空気の流通する断熱層を形成したこと
    を特徴とする建築物の屋根構造。
  3. 【請求項3】 建築物の骨組を構成している垂木上に、
    この垂木に固定される底部と波板の山形部を内側からを
    受支可能な他側立上部とを有するキャップを取付け、こ
    のキャップを経て垂木上にわたって波板で防水野地板を
    構成し、その防水野地板を足場にしながら、防水野地板
    上に面板を取付けるようにしたことを特徴とする建築物
    の屋根葺き工法。
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