JPH07150710A - 建築物の屋根下地構造とその下地構造を利用した屋根構造並びにその屋根葺き工法 - Google Patents

建築物の屋根下地構造とその下地構造を利用した屋根構造並びにその屋根葺き工法

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JPH07150710A
JPH07150710A JP30030993A JP30030993A JPH07150710A JP H07150710 A JPH07150710 A JP H07150710A JP 30030993 A JP30030993 A JP 30030993A JP 30030993 A JP30030993 A JP 30030993A JP H07150710 A JPH07150710 A JP H07150710A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 屋根葺き作業の能率化と安全化、屋根側の断
熱性の改善等を企図する。 【構成】 建築物Bの骨組1を構成しているたる木1-1
上に波板2で防水野地板3を構成する。その防水野地板
上に面板4を取付けて空気の流通する断熱層5を形成す
る。上記防水野地板3を足場にしながら、その防水野地
板上に面板を取付ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建築物の屋根下地、そ
の下地を利用した屋根等の改良に関すると共に、その屋
根を葺くための改良された工法に関する。
【0002】
【従来技術と問題点】建築物の骨組を構成しているたる
木に取付けた屋根下地材(木質野地板)の全上面に面板
を配設し、両方を直接重ね合わせて屋根を構成してい
た。
【0003】従って、屋根下地材と面板との間に通気層
による断熱層、空気層による断熱層などを構成するため
には、屋根下地材上にその下地材とは別の部材(たとえ
ば、たる木、もや様の角材など)を配設した後で面板を
取付けなければならなかった。
【0004】また、上記した屋根構造の屋根葺き工法
は、建築物の骨組を構成しているたる木に取付けた屋根
下地材(木質野地板)を雨,雪などから保護しながら施
工するため、該下地材の全上面をしばしばテントで被覆
することがあった。
【0005】従って、テントかけ作業を必要とする煩雑
さ、そのテントかけ作業中の滑落事故,転落事故等発生
の危険があった。
【0006】本発明は、上述した事情に着目してなした
もので、屋根下地材上にこれと別の部材を配設しなくて
も、面板と屋根下地材との間に通気層による断熱層、空
気層による断熱層を容易に構成し得、かつ上記屋根下地
材にテントかけすることなく、その下地材を足場にしな
がら屋根葺き工事を施工することを特徴とする。
【0007】
【問題点解決のための手段】叙上の目的達成のため、本
発明がなした手段は、建築物の骨組を構成しているたる
木上にわたって、波板で防水野地板を構成したというこ
と、その野地板上に面板を取付け、防水野地板と面板と
の間に空気の流通する断熱層を形成したということ、上
記防水野地板を足場にしながら、防水野地板上に面板を
取付けるということである。
【0008】
【作用】建築物の骨組上に波板で防水野地板が構成され
ているから、該野地板を雨,雪などから保護するための
テントかけ作業が必要なくなる。
【0009】上記防水野地板上に面板を取付けること
で、空気の流通する断熱層が形成されるから、該野地板
と別の部材を該野地板上に配設しないですむ。
【0010】前記面板は、前記防水野地板を足場にしな
がら、該野地板上に取付けられるから、面板を取付ける
ための足場をわざわざつくらないですむ。
【0011】
【実施例】請求項1の屋根下地構造のいくつかの例を図
面参照のもとに説明する。
【0012】図1〜図3は、第1例を示すもので、防水
野地板3を構成する波板2は、建築物Bの骨組1を構成
しているたる木1-1上に取付ける。上記波板2は、角波
板の例を図示したが、これに制約されるわけでなく、丸
波板であっても差支えない。
【0013】前記波板2は、建築物Bに屋根下地材とし
て取付ける部材であるから、必ずしも新品の長尺部材で
ある必要はなく、波形部の成形数が少い端材を使用し、
省資源化を企図することが可能である。ここで波板2の
端材というのは、既使用の中古部材の使用可能な部位、
新品長尺部材の従来捨棄していた余剰部位など、従来捨
棄されていた波板の一部、再利用が顧慮されずに放置さ
れていた波板の一部などのことである。
【0014】骨組1のたる木1-1に対する波板2の取付
け手段は、該波板が屋根下地材として取付けられるか
ら、たる木1-1が金属製(たとえば、C形鋼,H型鋼な
どの鋼材製)であれば、溶接又はボルト・ナット止め、
木質製であれば、釘打ちなどの手段を採用し、周知のタ
イトフレームを使用した取付け手段をなるべく採用せ
ず、施工性の能率アップを企図する。
【0015】波板2の端材を使用する場合は、新品なら
ば単板でも構わないが、中古部材ならば、予め複数枚を
重ねて固定して強度を付与した積層タイプに構成した後
で、新品の長尺部材に又は中古部材相互を接合して防水
野地板3の構成に使用する。なお、波板2が新品長尺部
材の場合であっても、上記積層タイプに構成して使用し
ても構わない。
【0016】前記波板2で防水野地板3を構成する場
合、骨組1のたる木1-1に対する波形部の方向は、図示
例の横向き(横葺き)に限られず、不図示の縦向き(縦
葺き)であっても差支えなく、図示例の横葺きの場合
は、波板2が防水野地板3とたる木とを兼ねことになっ
て、二重たる木が構成されて足場が丈夫になり、不図示
の縦葺きの場合は、骨組1のもや1-2上に直接取付けれ
ば、波板2が防水野地板3と図示のたる木1-1とを兼ね
ることになり、図示のたる木1-1をわざわざ配設しない
ですむ。
【0017】前記波板2の材質は、金属のほか、金属と
同等位の加工性,強度,施工性を有するものならば、複
合材料,硬質合成樹脂,その他の材質であっても差支え
ない。波板2が骨組1のたる木1-1に取付けられれば、
防水野地板3が構成される。
【0018】図4〜図6は、請求項1の下地構造の第2
例を示すもので、上述した第1例と重複する構成につい
ては、第1例と同じ符号を図示して説明を省略し、第1
例と異なる構成を説明する。
【0019】この第2例が第1例と異なる構成は、防水
野地板3を構成する波板2の山形部内にキャップ6が嵌
装された構成である。
【0020】キャップ6は、2つの目的を達成するため
に使用する部材であり、そのひとつは、波板2の山形部
内を建築物Bの内部と遮断し、防水野地板3上に面板4
を取付けると、防水野地板3と面板4との間及び防水野
地板3の内部に空気の流通する断熱層5が各々形成さ
れ、それらの断熱層が面板4の下側において、波板2の
波形部長手方向と交差する方向(図示例では、図4で棟
から軒先に向う方向)に連続形成され、面板4の下側全
域に断熱層5を形成して、屋根側からの断熱性を向上せ
しめることである。もうひとつの目的は、防水野地板3
を下側から補強し、面板4上にかかる負荷、防水野地板
3に下側からかかる風圧などに対する抵抗性を向上せし
めることである。
【0021】キャップは、空気流通部形成のために防水
野地板3の波形部長手方向の長さよりも若干短寸の長さ
に形成し、その断面形状を下記のように構成する。即ち
キャップ6の断面形状を図6で説明すると、底部6aの
一側部側に一側折返部6bを形成し、その一側折返部の
一側縁部側を起立して一側立上部6cを形成する。そし
て、底部6aの他側部側に他側折返部6dを形成し、そ
の他側折返部の他側縁部側を一側立上部6cと平行に起
立して他側立上部6eを形成し、その他側立上部の他側
縁部側を一側立上げ部6cの下部へ向って斜に折曲して
傾斜部6fを形成し、その傾斜部の他側縁部側を底部6
aと平行に折曲すると共に、その底部上に当接せしめて
取付部6gを形成することにより、全体を構成する。
【0022】次に、建築物Bの骨組1を構成しているた
る木1-1に対するキャップ6の取付け手段、防水野地板
3を構成する波板2とキャップ6との取付け関係、防水
野地板3の構成等を説明する。
【0023】キャップ6は、たる木1-1上の予め設定さ
れた所定部位に固定して取付けるが、その取付け手段
は、たる木1-1が前記金属製(前記鋼材製)ならば、取
付部6g,底部6aに貫通せしめたボルト(不図示)を
たる木1-1にも貫通せしめてナット(不図示)で締付け
固定する手段、又は取付部6g,底部6aをたる木1-1
に溶接する手段などが考えられ、たる木1-1が木質製な
らば、図示の如く取付部6g,底部6aをたる木1-1に
釘打ちして取付ける。
【0024】たる木1-1にキャップ6が配設されたら、
波板2の波形部における山形部(上向膨設部)をキャッ
プ6の一側立上部6cと他側立上部6eとにわたって緊
密に被嵌せしめ、波板2の波形部における谷形部(下向
凹設部)の底部をキャップ6の一側折返部6b上及び他
側折返部6d上に密着せしめ、波板2の山形部における
下側開口部にキャップ6が嵌装された形態に構成し、波
板2の山形部内を建築物Bの内部と遮断する。
【0025】上記の如くキャップ6に組込まれた波板2
は、キャップ6の一側立上部6c、他側立上部6e、一
側折返部6b、他側折返部6d等両方が密着している部
位をキャップ6に溶接,ねじ止め又は後述するように面
板4と共に木質製のたる木1-1に釘打ちし固定して取付
ける。
【0026】かくして、波板2がキャップ6に組込まれ
又は波板2が面板4と共に木質製のたる木1-1に固定さ
れることによって、防水野地板3が構成される。
【0027】図7〜図9は、請求項1の下地構造の第3
例を表わすもので、上述した第1例,第2例と重複する
構成については、第1例,第2例と同じ符号を図示して
説明を省略し、上述した2つの例と異なる構成を説明す
る。
【0028】この第3例が第1例と異なる構成は、防水
野地板3を構成する波板2の山形部内にキャップ6が嵌
装された構成であり、第2例と異なる構成は、波板2の
断面形状及びキャップ6の断面形状が異なることであ
る。
【0029】キャップ6の使用目的は、第2例と同様で
ある。
【0030】図9で波板2及びキャップ6の断面形状を
説明する。
【0031】上記波板2は、波形部における山形部と谷
形部に共通の両側壁を山形部の頂部側から谷形部の底部
側に向って波形又はジグザグ形に成形する。
【0032】一方キャップ6は、底部6aの一側部側に
一側折返部6bを形成し、その一側折返部の一側縁部側
を起立して高い一側立上部6cを形成し、その立上部を
波板2の両側壁断面形状に適合する波形又はジグザグ形
に成形する。そして、底部6aの他側部側に他側折返部
6dを形成し、その他側折返部の他側縁部側を起立して
高い他側立上部6eを形成し、その立上部を波板2の両
側壁断面形状に適合する波形又はジグザグ形に成形する
ことによって全体を構成する。
【0033】次に、建築物Bの骨組1を構成しているた
る木1-1に対するキャップ6の取付け手段、防水野地板
3を構成する波板2とキャップ6との取付け関係、防水
野地板3の構成等を説明する。
【0034】キャップ6は、たる木1-1上の予め設定さ
れた所定部位に固定して取付けるが、その取付け手段
は、たる木1-1が前記金属製(前記鋼材製)ならば、底
部6aに貫通せしめたボルト(不図示)をたる木1-1に
も貫通せしめてナット(不図示)で締付け固定する手
段、又は底部6aをたる木1-1に溶接する手段などが考
えられ、たる木1-1が木質製ならば、図示の如く底部6
aをたる木1-1に釘打ちして取付ける。
【0035】たる木1-1にキャップ6が配設されたら、
波板2の波形部における山形部(上向膨設部)をキャッ
プ6の一側立上部6cと他側立上部6eとにわたって緊
密に被嵌せしめ、波板2の波形部における谷形部(下向
凹設部)の底部をキャップ6の一側折返部6b上及び他
側折返部6d上に密着せしめ、波板2の山形部における
下側開口部にキャップ6が嵌装された形態に構成し、波
板2の山形部内を建築物Bの内部と遮断する。
【0036】上記の如くキャップ6に組込まれた波板2
は、キャップ6の一側立上部6c、他側立上部6e、一
側折返部6b、他側折返部6d等両方が密着している部
位をキャップ6に溶接,ねじ止め又は後述するように面
板4と共に木質製のたる木1-1に釘打ちし固定して取付
ける。
【0037】かくして、波板2がキャップ6に組込まれ
又は波板2が面板4と共に木質製のたる木1-1に固定さ
れることによって、防水野地板3が構成される。
【0038】図10〜図12は、請求項1の下地構造の
第4例を示すもので、上述した第1例,第2例,第3例
と重複する構成については、同例と同じ符号を図示して
説明を省略し、上述した3つの例と異なる構成を説明す
る。
【0039】この第4例が第1例と異なる構成は、防水
野地板3を構成する波板2の山形部内にキャップ6が嵌
装された構成であり、第2例,第3例と異なる構成は、
通気孔による空気流通部7が構成されることである。
【0040】キャップ6の使用目的は、第2例,第3例
と同じであり、キャップ6の断面形状は、第2例と同じ
形状を例示してある。
【0041】防水野地板3を構成する波板2の両側壁及
びキャップ6の他側立上部6eには、波板2の波形部長
手方向及びキャップ6の長手方向と交差する方向に通気
孔を開穿し、該通気孔を上記長手方向に複数個配列して
空気流通部7を構成する。空気流通部7のたる木1-1と
平行な方向の配列は、一直線配列,千鳥状配列のいずれ
でもよい。
【0042】上記の空気流通部7は、波板2よりも若干
短寸長のキャップ6の両端部に形成される不図示の空気
流通部と協働して、面板4の下側全域に空気の流通する
断熱層5を形成せしめる。
【0043】建築物Bの骨組1を構成しているたる木1
-1に対するキャップ6の取付け手段,防水野地板3を構
成する波板2とキャップ6との取付け関係、防水野地板
3の構成等は、第2例と同じである。
【0044】従って、波板2がキャップ6に組込まれ又
は波板2が面板4と共に木質製のたる木1-1に固定され
れば、防水野地板3が構成される。
【0045】図13〜図16は、請求項1の下地構造の
第5例を示すもので、上述した第1例,第2例,第3
例,第4例と重複する構成については、同例と同じ符号
を図示して説明を省略し、上述した4つの例と異なる構
成を説明する。
【0046】この第5例が第1例と異なる構成は、防水
野地板3を構成する波板2の山形部内にキャップ6が嵌
装された構成であり、第2例,第3例,第4例と異なる
構成は、通気溝による空気流通部7が構成されることで
ある。
【0047】キャップ6の使用目的は、第2例,第3
例,第4例と同じであり、キャップ6の断面形状は、第
2例と同じ形状を例示してある。
【0048】空気流通部7は、建築物Bの骨組1を構成
しているたる木1-1上において、防水野地板3を構成す
る波板2に通気溝を設けて構成するが、その通気溝は、
波板2の波形部長手方向と交差する方向(たる木と平行
な方向)に設ける。空気流通部7の構成手段は、たる木
1-1の配設間隔寸法と同寸位の長さ寸法の波板2をたる
木1-1上において隙間をあけ、該たる木上にわたって配
設することにより構成する。空気流通部7のたる木1-1
と平行な方向の配列は、図示例の如き一直線配列に限ら
ず、千鳥状配列であっても差支えない。
【0049】上記空気流通部7がキャップ6両端部の空
気流通部と協働することは第4例と同様である。
【0050】建築物Bの骨組1を構成しているたる木1
-1に対するキャップ6の取付け手段,防水野地板3を構
成する波板2とキャップ6との取付け関係、防水野地板
3の構成等は、第2例と同じである。
【0051】従って、波板2がキャップ6に組込まれ又
は波板2が面板4と共に木質製のたる木1-1に固定され
れば、防水野地板3が構成される。
【0052】図17〜図20は、請求項1の下地構造の
第6例を示すもので、上述した第1例,第2例,第3
例,第4例,第5例と重複する構成については、同例と
同じ符号を図示して説明を省略し、上述した5つの例と
異なる構成を説明する。
【0053】この第6例が第1例と共通にする構成は、
キャップ6を使用していないということであり、同例と
異なる構成は、空気流通部7を防水野地板構成部材の波
板2に有することであり、第2例ないし第5例と異なる
構成は、キャップ6を用いずに空気流通部7を構成した
ことである。
【0054】空気流通部7は、防水野地板3を構成する
波板2の山形部において、その山形部長手方向と交差す
る方向に構成する。空気流通部7は、前記波板2の山形
部の一部の高さを低くすることにより、通気溝として構
成し、該通気溝を山形部長手方向に複数箇所構成する。
空気流通部7のたる木1-1と平行な方向の配列は、図示
例の如き一直線配列に限られず、千鳥状配列であっても
よい。
【0055】骨組1のたる木1-1に対して波板2が取付
けられれば、防水野地板3が構成される。
【0056】上述のように屋根下地構造を波板2による
防水野地板3で構成すれば、面板4の下側全域に通気層
又は空気層による断熱層5を形成するのに屋根下地材上
に別の部材を配設し、その別部材上に面板を取付けると
いう手間のかかる面倒な作業をしないですむ。
【0057】また、防水野地板3が構成されるので、屋
根葺き工法の施行中にテントかけ作業を行わないです
む。
【0058】これらのことから、屋根葺き工法の能率
化、作業中の事故防止などに寄与しえる。
【0059】次に請求項2及び同3を図1〜図20に基
づいて説明する。
【0060】面板4は、長尺トタン板を使用する例を示
すもので、防水野地板3上において、立平式,瓦棒式な
ど周知の屋根葺き手段で相互に接合する。相互に接合さ
れた面板4は、建築物Bの骨組1を構成しているたる木
1-1が前記金属製の場合は、防水野地板3の山形部頂部
に溶接又はねじ止めなどの取付け手段で取付け、上記た
る木1-1が木質製の場合は、上述の金属製たる木1-1に
対する取付け手段と同様になしえるほか、防水野地板3
と共に木質製たる木1-1に釘打ちして取付けることが可
能である。
【0061】かかる面板4の取付け手段が、ねじ止め,
釘打ちなどの場合、周知の立平式,瓦棒式などと同様に
雨漏りしない部位でねじ止め,釘打ちなどを行う。
【0062】面板4を防水野地板3又は該野地板とたる
木1-1とに取付ける屋根葺き工法は、建築物Bの骨組1
に取付けられた防水野地板3を足場にして棟側又は軒先
側行う。
【0063】従来の屋根葺き工法では、野地板が波板で
構成されていなかったため、足を掛ける足場を確保する
ことに困難性があった。そこで、足場確保に代えて、建
築物の骨組(具体的には棟)に命綱の一端部側を固定
し、他端部側を職人の身体に巻付け、命綱を頼りにしな
がら作業していた。
【0064】ところが、本発明の如く防水野地板3を波
板2で構成すれば、図示例の如く波板2を横向(横葺
き)にした場合、山形部に足を掛けて作業できるので、
足場の確保が容易となり、命綱を使用しなくても作業す
ることが可能になる。
【0065】また、本発明において、波板2を縦向(縦
葺き)する場合は、図17〜図20に示す防水野地板3
を使用すれば、可能な限り数多く構成された空気流通部
7に足を掛けて作業することが可能になり、足場の確保
が容易になって、命綱の必要性が低下する。
【0066】しかして、命綱を使用して作業をすすめる
のは、勿論自由である。
【0067】次に面板4が取付けられることによって形
成される断熱層5について説明する。
【0068】図1〜図3に示す屋根構造は、図3示の如
く断熱層が構成されないので、説明を省略する。
【0069】図4〜図6示の屋根構造は、キャップ6の
長さ寸法が防水野地板3の長さ寸法よりも若干短いこと
により、キャップ6の両端部に空気流通部(不図示)が
形成され、防水野地板3の一つの山形部内部の面板側部
とたる木側部とを空気が流通する断熱層5と、防水野地
板3の谷形部に空気の流通しない空気層による断熱層5
とが交互に形成される。
【0070】従って、面板4の下部全域に空気の流通す
る断熱層5と、空気の流通しない空気層による断熱層5
とが形成される。
【0071】図7〜図9示の屋根構造は、防水野地板3
の山形部と谷形部とに夫々空気の流通しない空気層によ
る断熱層5が連続形成される。
【0072】従って、面板4の下部全域に空気の流通し
ない空気層による断熱層5が形成される。
【0073】図10〜図12示の屋根構造は、防水野地
板3の両側壁と、キャップ6の他側立上部6eとに空気
流通部7が設けられているので、防水野地板3の一つの
山形部内部の面板側部と、その山形部内部面板側部に隣
合う谷形部とに空気が流通し、かつ上記一つの山形部内
部のたる木側部と、その山形部内部たる木側部に隣合う
谷形部(上記山形部内部面板側部に隣合う谷形部と共
通)とに空気が流通しえる断熱層5が形成される。
【0074】この断熱層5は、キャップ6が防水野地板
3の長さよりも短寸なることによって、キャップ両端部
に形成される空気流通部(不図示)によって全て連通さ
れ、空気が流通する。
【0075】図13〜図16示及び図17〜図20示の
屋根構造は、いずれも防水野地板3に長さ方向と交差す
る空気流通部7が設けられているので、キャップ6が防
水野地板3よりも短寸長なることによってキャップ6の
両端部に形成される不図示の空気流通部と、上記空気流
通部7とが協働してすべての断熱層5を連通せしめ、空
気を全ての断熱層5に流通させる。
【0076】図示例の断熱層5は、面板4の下部全域に
おいて、棟及び軒先と平行に構成される。
【0077】しかして、防水野地板3を縦向に(縦葺
き)すれば、断熱層5が棟及び軒先と交差する方向に構
成されるのはいうまでもない。
【0078】叙上のように面板4の下部全域に断熱層5
を構成すれば、屋根側からの断熱性が改善される。
【0079】
【発明の効果】本発明は、叙上のように請求項1では、
建築物の骨組を構成しているたる木上にわたって、波板
で防水野地板を構成したから、該野地板を雨,雪などか
ら保護するためのテントかけ作業が必要なくなる。
【0080】従って、屋根葺き作業の能率化を企図し得
るばかりでなく、テントかけ作業に伴う滑落事故,転落
事故などの心配が解消し、安心して屋根葺き作業をすす
めることができ、さらには、防水野地板が雨,雪などで
容易に腐蝕するおそれが解消し、長持ちする野地板とな
し得る。
【0081】また請求項2では、上記の防水野地板上に
面板を取付け、防水野地板と面板との間に空気の流通す
る断熱層を形成したから、該野地板と別の部材を該野地
板上に配設しないですむ。
【0082】従って、能率よく屋根葺き作業を行いなが
ら、屋根側の断熱性を向上し得ると共に、余計な部材を
使用しないですみ、材料の節約を図ることができる。
【0083】そして、請求項3では、前記防水野地板を
足場にしながら、その防水野地板上に面板を取付けるか
ら、面板を取付けるための足場の組立てと解体とを行わ
ないですむ。
【0084】従って、屋根葺き作業を能率よくすすめえ
る独自の屋根葺き工法となし得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明請求項1の屋根下地構造第1例の概略
及び請求項3の屋根葺き工法の概略を示す斜視図。
【図2】 (a),(b)は図1の一部拡大縦断面図。
【図3】 請求項1の第1例及び防水野地板上に面板を
取付けた状態を示す一部拡大縦断面図。
【図4】 本発明請求項1の屋根下地構造第2例の概
略、請求項2の第1例の概略及び請求項3の概略を示す
斜視図。
【図5】 (a),(b)は請求項2の第1例及び請求
項3を示す図4の一部拡大縦断面図。
【図6】 請求項1の第2例及び請求項2の第1例を示
す一部拡大縦断面図。
【図7】 本発明請求項1の屋根下地構造第3例の概
略、請求項2の第2例の概略及び請求項3の概略を示す
斜視図。
【図8】(a),(b)は請求項2の第2例及び請求項
3を示す図7の一部拡大縦断面図。
【図9】 請求項1の第3例及び請求項2の第2例を示
す一部拡大縦断面図。
【図10】 本発明請求項1の屋根下地構造第4例の概
略、請求項2の第3例の概略及び請求項3の概略を示す
斜視図。
【図11】 (a),(b)は請求項2の第3例及び請
求項3を示す図10の一部拡大縦断面図。
【図12】 請求項1の第4例及び請求項2の第3例を
示す一部拡大縦断面図。
【図13】 本発明請求項1の屋根下地構造第5例の概
略、請求項2の第4例の概略及び請求項3の概略を示す
斜視図。
【図14】 (a),(b)は請求項2の第4例及び請
求項3を示す図13の一部拡大縦断面図。
【図15】 請求項1の第5例及び請求項2の第4例を
示す一部拡大斜視面図。
【図16】 図15の(16)−(16)線に沿える縦
断面図。
【図17】 本発明請求項1の屋根下地構造第6例の概
略、請求項2の第5例の概略及び請求項3の概略を示す
斜視図。
【図18】 (a),(b)は請求項2の第5例及び請
求項3を示す図17の一部拡大縦断面図。
【図19】 請求項1の第6例及び請求項2の第5例を
示す一部拡大縦断面図。
【図20】 図19の(20)−(20)線に沿える一
部断面図。
【符号の説明】
B 建築物 1 骨組 1-1 たる木 2 波板 3 防水野地板 4 面板 5 断熱層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建築物の骨組を構成しているたる木上に
    わたって、波板で防水野地板を構成した建築物の屋根下
    地構造。
  2. 【請求項2】 建築物の骨組を構成しているたる木上に
    わたって波板で防水野地板を設け、その防水野地板上に
    面板を取付け、防水野地板と面板との間に空気の流通す
    る断熱層を形成した建築物の屋根構造。
  3. 【請求項3】 建築物の骨組を構成しているたる木上に
    わたって波板で防水野地板を構成し、その防水野地板を
    足場にしながら、防水野地板上に面板を取付ける建築物
    の屋根葺き工法。
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Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5124811A (ja) * 1974-08-24 1976-02-28 Nippon Electric Co
JPS56159447A (en) * 1980-05-09 1981-12-08 Union Giken Kogyo Kk Moisture removal of wall surface of building and wall surface material used therein
JPS62268451A (ja) * 1986-05-13 1987-11-21 小出 勝夫 屋根用通気板

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