JP2003293508A - 屋根パネル、屋根の施工方法及び耐火屋根の構造並びに耐火建築構造 - Google Patents

屋根パネル、屋根の施工方法及び耐火屋根の構造並びに耐火建築構造

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JP2003293508A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 施工を短時間で容易に行える屋根パネル、屋
根の施工法を提供し、鉄骨に対する耐火被覆を少なくで
きる耐火屋根等の耐火建築構造を提供する。 【解決手段】 鉄骨からなるパネルフレーム3の上にデ
ッキプレート4が設置され、その上に断熱ボード5が設
置され、その上に防水シート6が張られ、これらが一体
化された屋根パネル1を用い、これを建物躯体に据え付
ける。屋根パネルにおける鉄骨フレーム3の側部に支承
金物8と接合金物7とが混在状態に間隔的に備えられ、
この鉄骨フレーム3が躯体の鉄骨梁2に沿わされ、支承
金物8は建物躯体の鉄骨梁2に支承されると共に、接合
金物7は建物躯体の鉄骨梁2に接合され、建物躯体の前
記鉄骨梁2に対して耐火被覆がなされている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、屋根パネル、屋根
の施工方法及び耐火屋根の構造に関する。
【0002】
【従来の技術及び課題】屋根の施工方法として、従来よ
り、ALC下地やコンクリート下地を建物躯体に据え付
け、これに断熱防水を施すというものや、あるいは、鉄
骨の母屋の上に現地でデッキプレートを張り、その上に
ロックウールボードを張り、その上より防水シートを張
って防水施工を行うというものがある。
【0003】しかしながら、前者は、下地の施工に湿式
工程があるため施工に時間を要すると共に、下地が重量
のあるものであるため施工が大変である。
【0004】後者は、各部材が軽量でありその面では施
工をしやすいという利点を有するものの、その一方で、
現場においてデッキや断熱ボード、防水シートの張り付
けを個々に行っていかなければならず施工に時間を要す
る。また、デッキ下の母屋をはじめとする鉄骨のすべて
に耐火被覆をしておく必要があり手間である。
【0005】本発明は、上記のような従来の問題点に鑑
み、施工を短時間で容易に行うことができる屋根パネ
ル、屋根の施工方法を提供することを課題とする。ま
た、鉄骨に対する耐火被覆を少なくすることができる耐
火屋根の構造を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、鉄骨から
なるパネルフレームの上にデッキプレートが設置され、
その上に断熱ボードが設置され、その上に防水シートが
張られ、これらが一体化されていることを特徴とする屋
根パネル、並びに、この屋根パネルを用い、これを建物
躯体に据え付けることを特徴とする屋根の施工方法によ
って解決される。
【0007】上記の屋根パネル及び屋根の施工方法で
は、この屋根パネルにデッキプレートや断熱ボード、防
水シートが一体的に備えられているので、この屋根パネ
ルを建物躯体に据え付けることで、それらの施工を一度
に済ませることができ、施工を短時間で容易に行うこと
ができる。しかも、屋根パネルの各構成部材は軽量であ
り、従って、これら部材で構成される屋根パネルも軽量
であるから、この面からの施工容易性も得られる。
【0008】また、上記の課題は、屋根パネルにおける
鉄骨フレームの側部に支承金物と接合金物とが混在状態
に間隔的に備えられ、この鉄骨フレームが躯体の鉄骨梁
に沿わされて、支承金物は建物躯体の鉄骨梁に支承され
ると共に、接合金物は建物躯体の鉄骨梁に接合され、建
物躯体の前記鉄骨梁に対して耐火被覆がなされているこ
とを特徴とする屋根の構造によって解決される。
【0009】この屋根構造では、本来なら、躯体の鉄骨
梁のほか、屋根パネルの鉄骨フレームも耐火被覆を行わ
なければならないところであるが、屋根パネルの鉄骨フ
レームに対する耐火被覆は省略することができる。即
ち、鉄骨フレームは建物躯体の鉄骨梁に接合されるが、
接合金物で接合されているだけでなく、支承金物で躯体
の鉄骨梁に支承されている。従って、躯体の鉄骨梁との
接合箇所を無用に多くすることなく、屋根パネルのパネ
ルフレームを多くの箇所で躯体の鉄骨梁に支えさせるこ
とができ、これによって、火災時のパネルフレームの撓
みを、建物躯体の耐火被覆のなされた鉄骨梁で防いで、
鉄骨に対する耐火被覆を少なくすることができる。
【0010】この耐火屋根の構造は、例えば、本欄で最
初に述べた屋根パネルを用いて形成された屋根構造など
に適用することができる。
【0011】なお、基本的には、パネルにおける鉄骨フ
レームの側部に支承金物と接合金物とが混在状態に間隔
的に備えられ、この鉄骨フレームが躯体の鉄骨梁に沿わ
されて、支承金物は建物躯体の鉄骨梁に支承されると共
に、接合金物は建物躯体の鉄骨梁に接合され、建物躯体
の前記鉄骨梁に対して耐火被覆がなされていることを特
徴とする耐火建築構造によって解決される。即ち、パネ
ルは、上記のような屋根パネルのほか、階上の床パネル
なとであってもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0013】図2において、1,1は屋根パネルであ
り、2…は建物躯体の梁である。屋根パネル1は、図1
に示すように、鉄骨からなるパネルフレーム3の上に波
形のデッキプレート4が設置され、その上に断熱ボード
5,5が設置され、その上に防水シート6が張られ、こ
れらが一体化されているものである。断熱ボード5は、
例えば、30mm厚のロックウールボードからなり、こ
の断熱ボードを二枚重ねて断熱層を形成している。ま
た、防水シート6は、その側縁部が外方に張り出すよう
にして備えられており、この張出し部分を利用すること
で、後述するように、隣り合う屋根パネル間における防
水連続性を確保する施工を容易に行いうるようになされ
ている。
【0014】そして、上記の屋根パネル1において、パ
ネルフレーム3は、平面視はしご形をしており、左右の
枠材3a,3aの外面側にはそれぞれ、アングル材から
なる接合金物7と、同じくアングル材からなる支承金物
8とが、例えば図示するように交互配置などによって混
在するようにして、間隔的に取り付けられている。
【0015】屋根の施工は、図2に示すように、この屋
根パネル1をクレーンなどに吊り、屋外の側から建物躯
体の梁2…に据え付けることによって行う。この据付け
において、屋根パネル1は、そのパネルフレーム3の左
右の枠材3a,3aを躯体の鉄骨梁2に沿わせように
し、そして、この枠材3aに備えられている接合金物7
…と支承金物8…を躯体の鉄骨梁2の上にのせる。そし
て、図3(イ)に示すように、支承金物8は、これを躯
体の鉄骨梁2に支承させるだけとし、接合金物7は、接
合具9で躯体の鉄骨梁2に接合する。本実施形態では、
接合具9として、上からのワンサイドのみのアクセスで
接合を行うことのできるフック形ワンサイド接合具を使
用して接合を行っている。なお、接合をボルトやボルト
ナットで行うようにしてもよいことはいうまでもない。
【0016】なお、図4(イ)(ロ)に示すように、躯
体の鉄骨梁2を挟んで隣り合う屋根パネル1,1の断熱
性と防水性を確保するため、断熱材の詰め物10,10
をし、その上面側で、隣り合う屋根パネル1,1の防水
シート6,6同士を重ね合わせ、溶着11する。
【0017】こうして、デッキプレート4と断熱ボード
5,5、防水シート6の備えられた屋根部が形成され
る。このように、上記の施工方法によれば、デッキプレ
ート4や断熱ボード5,5、防水シート6が一体的に備
えられた屋根パネル1を用い、これを建物躯体に据え付
けることで屋根の施工を行うものであるから、デッキプ
レート4や断熱ボード5,5、防水シート6の施工を一
度に済ませることができ、施工を短時間で容易に行うこ
とができる。しかも、屋根パネル1の各構成部材は軽量
であり、従って、これら部材で構成される屋根パネル1
も軽量であるから、この面からも施工を容易に行うこと
ができる。
【0018】そして、これらと相前後として、図4
(ロ)に示すように、躯体の鉄骨梁2には耐火被覆12
を施し、屋根パネル1のパネルフレーム3に対する耐火
被覆は省略してもよい。
【0019】即ち、屋根パネル1における左右の枠材3
aは建物躯体の鉄骨梁2に沿うように設置されており、
そこには、接合金物7のほか、支承金物8も、互いに混
在状態に間隔的に備えられているので、火災の際の熱で
左右の枠材3aが撓むのを、耐火被覆のなされた躯体鉄
骨梁2が接合金物7と支承金物8を介して防ぐ作用を行
い、それによって、パネルフレーム3の耐火被覆の必要
性をなくすことができる。こうして、断熱防水耐火の各
性能の備えられた屋根が形成される。
【0020】以上に、本発明の実施形態を示したが、本
発明はこれに限られるものではなく、発明思想を逸脱し
ない範囲で、各種の変更が可能である。例えば、上記の
実施形態では、デッキプレート4と断熱ボード5,5と
防水シート6を備えさせた屋根パネル1において、その
パネルフレーム3に接合金物7と支承金物8とを備えさ
せ、パネルフレーム3の耐火被覆を省略する場合を示し
ているが、パネルフレームの耐火被覆を省略するための
上記の構造は、上記のような屋根パネル1に限らず、パ
ネルフレームの備えられた各種の屋根パネルに広く用い
ることができるものである。
【0021】
【発明の効果】本発明は、以上のとおりのものであるか
ら、屋根の施工を短時間で容易に行うことができ、ま
た、鉄骨に対する耐火被覆を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】屋根パネルの一部切欠き斜視図である。
【図2】屋根パネルの施工方法を示す斜視図である。
【図3】屋根パネルの設置状態を示すもので、図(イ)
は支承金物部分の一部断面正面図、図(ロ)は接合金物
部分の一部断面正面図である。
【図4】図(イ)は隣り合う屋根パネル間における断熱
の連続性を確保した状態の一部断面正面図、図(ロ)は
同部分における防水の連続性を確保した状態の一部断面
正面図である。
【符号の説明】
1…屋根パネル(パネル) 2…躯体の鉄骨梁 3…パネルフレーム 4…デッキプレート 5…断熱ボード 6…防水シート 7…接合金物 8…支承金物 12…耐火被覆
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西村 元吾 大阪府大阪市北区梅田3丁目3番5号 大 和ハウス工業株式会社内 Fターム(参考) 2E001 DE01 EA05 FA16 GA42 HF12 2E108 AA02 BB04 BN01 GG01 GG08 GG09 2E162 CA35

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄骨からなるパネルフレームの上にデッ
    キプレートが設置され、その上に断熱ボードが設置さ
    れ、その上に防水シートが張られ、これらが一体化され
    ていることを特徴とする屋根パネル。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の屋根パネルを用い、こ
    れを建物躯体に据え付けることを特徴とする屋根の施工
    方法。
  3. 【請求項3】 屋根パネルにおける鉄骨フレームの側部
    に支承金物と接合金物とが混在状態に間隔的に備えら
    れ、この鉄骨フレームが躯体の鉄骨梁に沿わされて、支
    承金物は建物躯体の鉄骨梁に支承されると共に、接合金
    物は建物躯体の鉄骨梁に接合され、建物躯体の前記鉄骨
    梁に対して耐火被覆がなされていることを特徴とする屋
    根の構造。
  4. 【請求項4】 前記屋根パネルが請求項1に記載の屋根
    パネルからなる請求項3に記載の耐火屋根の構造。
  5. 【請求項5】 パネルにおける鉄骨フレームの側部に支
    承金物と接合金物とが混在状態に間隔的に備えられ、こ
    の鉄骨フレームが躯体の鉄骨梁に沿わされて、支承金物
    は建物躯体の鉄骨梁に支承されると共に、接合金物は建
    物躯体の鉄骨梁に接合され、建物躯体の前記鉄骨梁に対
    して耐火被覆がなされていることを特徴とする耐火建築
    構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007070957A (ja) * 2005-09-09 2007-03-22 Fuji Electric Retail Systems Co Ltd 屋根・天井一体化パネル
JP2007197949A (ja) * 2006-01-25 2007-08-09 Daiwa House Ind Co Ltd 屋根構造およびその施工方法
WO2008113207A1 (fr) * 2007-03-20 2008-09-25 Daiwa House Industry Co., Ltd. Panneau mural extérieur et son procédé de montage
JP2011127275A (ja) * 2009-12-15 2011-06-30 Daiwa House Industry Co Ltd 屋根パネルと屋根梁との接合部構造

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