JP3343226B2 - 建築物の外装構造 - Google Patents

建築物の外装構造

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JP3343226B2 JP28099199A JP28099199A JP3343226B2 JP 3343226 B2 JP3343226 B2 JP 3343226B2 JP 28099199 A JP28099199 A JP 28099199A JP 28099199 A JP28099199 A JP 28099199A JP 3343226 B2 JP3343226 B2 JP 3343226B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱橋(冷熱橋)に
よる断熱性能の低下を極限まで軽減し、かつ外装材の取
付強度に優れ、また段葺き状の屋根意匠を呈しながら急
激な滑雪を起こさない建築物の外装構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、建築物の屋根や壁等の壁体の躯体
に、下地材を取り付けてその壁体表面に外装を施す外装
構造は数多く提案されているが、このうち、比較的大型
の下地材(パネル)を取り付ける構造として、軽量気泡
コンクリート(ALC)パネルを用いる特開平5−13
3068号公報や特公平7−107311号公報等に開
示される構成がある。これらに用いられるALCパネル
には、局部的な荷重を受けた場合や裸使用した場合に、
脆いというマイナスの特性がある反面、合板や木毛セメ
ント板といった木質系の下地パネルに比べて耐火性や壁
面としての面強度に優れ、また独立気泡を有することか
ら相応の断熱性も有するという総合的に優れた特徴があ
る。前記の公知技術は、これらの特徴を利用して外装構
造を提供しようとするものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記の公知技
術には、以下のような問題があった。躯体から外装材を
支持する外装材支持部材までがパネルを貫通して一連に
接触する構成であるため、接続ボルト等の固着具が熱橋
(冷熱橋)となり、実質的な壁体の断熱性が低下するも
のであった。また、前記熱橋の影響により、固着具の周
囲には結露を生じ易いので、この固着具の周囲が脆弱化
してパネル固定強度が低下するものであった。さらに、
パネルの端面同士を突き合わせ、この突き合わせ端面間
(目地部)にモルタルやシーリングを充填して接続する
構成であるため、地震等による荷重を繰り返し受ける
と、目地部のモルタル等が破損して隙間が生じ易かっ
た。また、ALCパネルと外装材間に、外装材保持部材
の他に帯板状の支持部材を必要とするので、構造が複雑
となって施工性が悪いものであった。
【0004】他方、近年、屋根構造として横葺きや段葺
きの屋根材を葺いたものが普及しており、これらは滑雪
性に優れ、また段効果により雪が細分化するので、滑雪
による事故の危険性が低いという評価を得ている反面、
市街地では、滑雪すること自体が近隣住民との問題にな
りかねないという問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、建築物の躯体
にパネル状の下地材を取り付け、前記下地材上に外装材
を取り付ける建築物の外装構造であって、前記下地材を
階段状に重合取り付けすると共に、前記外装材を第1の
固定手段により下地材に取り付け、下地材を前記第1の
固定手段と非接触状の第2の固定手段により躯体に取り
付けるようにしたことを特徴とする建築物の外装構造に
関するものである。
【0006】具体的に、前記第1の固定手段としては、 A.下地材の重合部に、外装材の棟側固定部又は外装材
保持部材の固定部を挟持する、という方法が採られる
が、 C.外装材と下地材とを接着剤で接着する、という方法
を併用しても良い。
【0007】また、具体的に前記第2の固定手段として
は、 D.下地材表面に形成した凹部を、固定具により下地受
け部材の取付フランジに対して固定して下地材を躯体に
固定する、 E.下地受け部材の取付フランジを、固定具により下地
材の裏面を通して下地材の内部に埋設したインサート金
具に対して固定して下地材を躯体に固定する、 F.下地材の裏面に配したフック金具を、固定具により
下地材の内部に埋設したインサート金具に対して固定
し、このフック金具を下地受け部材に係合させて下地材
を躯体に固定する、という方法があり、何れにしても固
定具などが下地材の表面に到達せず、前記第1の固定手
段と接触しない方法が採られる。
【0008】
【発明の実施の形態】図1,2に示すように本発明の外
装構造は、概略すると建築物の躯体1にパネル状の下地
材2を取り付け、前記下地材2上に外装材3を取り付け
る構成であって、前記下地材2を階段状に重合取り付け
すると共に、外装材3を下地材2に取り付ける第1の固
定手段と、下地材2を躯体1に取り付ける第2の固定手
段とを、非接触状にした。
【0009】前記躯体1は、鉄骨軸組の梁や柱であっ
て、通常H型鋼で構成されるが、特にこれらに限定され
るものではない。
【0010】また、前記下地材2は、ALCパネルであ
るが、このALCパネルに代えてラス入り(補強)木繊
維セメント板や、木片セメント板と断熱ボードの複合板
等のようにALCパネルと同等又はこれに準じる性能が
期待される下地パネルを用いてもよい。この下地材2は
基本的に1スパンで支持されるものが用いられ、その標
準寸法は、ALCパネルの場合、その標準サイズより厚
さ100mm×幅600mm×長さ2000〜3000
mmであるが、最小寸法としては、厚さ75mm×幅3
00mm×長さ1800mm、最大寸法としては、厚さ
150mm×幅600mm×長さ5000mm程度のも
のが用いられる。尚、図1,2の外装構造に用いられる
下地材2は、棟軒両端の裏面側が段差状に欠切(棟側欠
切部24,軒側欠切部25)されている。また、やや軒
側寄りの表面にザグリ孔である凹部21が形成され、棟
側端部付近の表面には後述する外装材保持部材4の固定
部41の厚さとほぼ等しい深さの浅溝22が形成され、
該浅溝22の棟端に係合溝23が形成されている。これ
ら浅溝22と係合溝23とは、上段となる下地材2の裏
面に形成してもよい。また、下地材2の重合部20への
挟持深さ(係合溝23)は、重合部20のほぼ中間位置
で、裏面側に抜けていないものであればどのように形成
してもよい。
【0011】さらに、上記外装材3は、従来の公知の横
葺(段葺)屋根板や横張りサイディングの大型サイズの
ものであり、素材を特に限定するものではないが、代表
的には概ね0.4乃至1.6mm程度の表面化粧鋼板、
ラミネート鋼板、メッキ鋼板、ステンレス鋼板、アルミ
合金板、チタン合金板、銅板等の公知の金属素材をロー
ル成形その他の手段で所定の形状に成形する。尚、硬質
樹脂板や炭素繊維積層板等によっても同様の形状に成形
することができ、全てをそれらで施工することもできる
し、前記金属素材のものと組み合わせて施工することも
できる。また、外装材3の裏面には、結露防止、防音、
防火対策上の理由により、必要に応じてポリエチレンフ
ォーム(PEF)、グラスウールシート等の裏貼り材3
0を添装しても良い。尚、図1,2の外装構造に用いら
れる外装材3は、面板部31の棟側に段状に立ち上げた
棟側端部32と、面板部31の軒側に下方に屈曲した軒
側端部33とが設けられ、裏面にはほぼ全面に亙って裏
貼り材(PEF)30が添装されている。また、前記棟
側端部32には、下地材2への固定部41を有する外装
材保持部材4が予め、或いは現場施工に際して一体的に
固定される。この外装材保持部材4は、所謂吊子であっ
て、長尺材としても或いはピース材としてもよいが、前
記棟側端部32と断面形状がほぼ等しい起立部42を有
し、後述する下地材2の重合部20の長さの半分程度に
作製される固定部41の先端に下方へ折曲した係合片4
11を有する構成である。尤も、後述する他の実施例に
示すように、外装材保持部材4を設けることなく、外装
材3自体に下地材2への固定部(34)を設けるように
してもよい。
【0012】図1,2に示す外装構造において、下段の
下地材2の棟側端部に上段の下地材2の軒側端部を積層
(重合)することにより、下地材2,2を階段状に重合
取り付けする。尚、重合部20の長さは下地材2の厚み
とほぼ同じにした。
【0013】この外装構造では、外装材3を下地材2に
取り付ける第1の固定手段は、前記Aの方法のみを採用
した。即ち、下地材2の重合部20に、外装材保持部材
4の固定部41を挟持することにより、外装材3と外装
材保持部材4とは現場施工に際して一体に固定されるの
で、外装材3を下地材2に取り付けることができる。
尚、外装材保持部材4の固定部41及び係合片411
は、下地材2の表面に形成した浅溝22,係合溝23に
係合するので、抜け防止がなされる。
【0014】また、この外装構造では、下地材2を躯体
1に取り付ける第2の固定手段は、前記Dの方法を採用
した。即ち、下地材2の表面に形成した凹部21から、
座金を介してボルト・ナット又はドリリングビス等(図
中、61はドリリングビス、62は座金)で下地受け部
材5の取付フランジ51に固定することにより、下地受
け部材5と躯体1とは一体に固定されるので、下地材2
を躯体1に固定することができる。尚、この下地受け部
材5は、通常1.0乃至3.2mm程度のステンレス鋼
板やメッキ鋼板等をプレス加工する等して成型され、取
付フランジ51と躯体1への定着部(52,53)とを
有する構成であるが、図示実施例では長尺材であって、
取付フランジ51の棟側と軒側のそれぞれに定着部(棟
側定着部52,軒側定着部53)が形成され、軒側定着
部53の軒側に下地材2の裏面に当接して支持する第1
支持部54が、軒側定着部53の棟側に下地材2の棟側
欠切部24に当接して支持する第2支持部55が形成さ
れている。
【0015】次に、この外装構造を施工する手順の一例
を示す。まず、予め躯体1に固定された下地受け部材
5,5に下地材2を支持させる。その際、棟側に配置さ
せた下地受け部材5の第1及び第2支持部54,55
に、下地材2の棟側裏面(棟側裏面及び欠切部24)を
支持させ、軒側に配置させた下地受け部材5の取付フラ
ンジ51に下地材2の軒側裏面を支持させる。この時、
下地材2の表面は、その表面に取り付ける外装材3の面
板部31を水勾配程度の緩勾配とするために、水平面に
対して5/1000(約0.29度)〜1/10(約
5.71度)程度の勾配を付けるようにする(図示実施
例の勾配αは3度とした)。次に、この状態で、下地材
2を下段の下地材2に対して階段状に重合させると共
に、前記Dの方法による第2の固定手段により下地材2
を躯体1に固定する。即ち、下地材2の凹部21を固定
具により下地受け部材5の取付フランジ51に対して固
定する。その後、この凹部21には、適宜断熱材、断熱
性のモルタル、シーリング等を充填して断熱性能上の欠
陥とならないように処理する(図中、26は断熱性モル
タル)。そして、前記Aの方法による第1の固定手段に
より外装材3を下地材2に取り付ける。即ち、下地材2
の重合部20に、外装材保持部材4の固定部41を挟持
する。したがって、前記Dの方法(第2の固定手段)と
この前記Aの方法(第1の固定手段)は、同時に行われ
る。また、外装材3の棟側端部32には、上段の外装材
3の軒側端部33を被着して固定する。この外装材3,
3の上下方向の接続は、係合又はビス、リベット止めに
より行い、それらを併用してもよいが、図示実施例のよ
うにビス、リベット等で止め付けを行なう場合、頭部を
シーリング処理することが好ましい。尚、防水座金付き
のシーリングビスを用いることにより、上記シーリング
処理を省略してもよい。
【0016】このように施工される外装構造は、第1の
固定手段と第2の固定手段とが非接触状であるため、熱
橋(冷熱橋)問題を解消することができ、壁体の断熱性
が高いものとなる。この効果は、例えば各固定手段がそ
れぞれ表裏に貫通しないものであれば果たされる。した
がって、前記凹部21の深さは、固定具の頭部を露出さ
せないものであれば例えば浅い溝状であってもよい。ま
た、下地材2が重合取り付けされているので、地震等に
よる荷重を受けても端面同士を突き合わせる場合のよう
に接続部分に隙間が生ずることがない。さらに、下地材
2と外装材3との間に従来技術のように別途支持部材を
必要としないので、構成が簡単で、施工性が向上する。
また、面強度に優れるALCパネル等を下地材2として
用いるので、従来にない大型の段葺き屋根、段張り外壁
の意匠を提供することができる。
【0017】加えて前記外装構造では、第1の固定手段
として前記Aの方法、即ち下地材2の重合部20に外装
材保持部材4の固定部41を挟持する方法で固定するた
め、ALCパネル等の脆い下地材2であっても面として
挟持するので、外装材3を下地材2に対して安定に高強
度で取り付けることができる。また、アンカープラグ等
の後付用アンカーで、比較的高価な固着具(固定具)を
用いる必要がないので、施工コストを抑制することがで
きる。
【0018】その他にも、前記外装構造では、外装材3
の面板部31を水勾配程度の緩勾配としたので、滑雪を
起こしにくい屋根となる。また、滑雪が起きても、緩勾
配であるために緩やかな動きの滑雪となるため、滑雪事
故の危険を軽減することができる。万一、不可避の滑雪
事故が生じたとしても、大型の段による滑雪過程で積雪
は細分化されるので、大事故には至りにくいものとな
る。
【0019】尚、前記Dの方法は、図3に示すように下
地材2の表面に凹溝である凹部21を形成し、取付フラ
ンジ51に予め取り付けたスタッドボルト63に押え金
具・プレート67等を介してナット64を取り付けるも
のであってもよい。
【0020】図4に示す外装構造は、長尺材である下地
受け部材5に代えてピース材であって断面形状が異なる
下地受け部材5を用いた以外は前記図1,2の外装構造
と同様であるから、図面に同じ符号を付して説明を省略
する。上記下地受け部材5は、取付フランジ51の軒側
のみに躯体1への定着部(軒側定着部53)が形成さ
れ、軒側定着部53の軒側のみに下地材2の裏面に当接
して支持する支持部(第1支持部54)が形成される構
成である。前記長尺材である下地受け部材5は母屋に相
当するが、下地材2がALCパネルのように一般的に積
雪荷重等の積載荷重に対して十分な強度を有する場合に
はこの実施例のように下地受け部材5はピース材であっ
てもよい。尚、下地材2の選択は、設計の要求性能に応
じて載置スパン間隔や断面仕様と合わせて設定されるべ
きであるから、下地受け部材を長尺材とするかピース材
とするかもそれによって適宜に選択すればよい。
【0021】尚、前記4の外装構造には、前記図1,2
の実施例や図3と同様に第2の固定手段として前記Dの
方法を採用してもよいが、図5に示すような前記Eの方
法を採用してもよい。図5に示す第2の固定手段では、
下地材2の内部には予め配筋81と一体化されたインサ
ート金具(アンカープレート)82が埋設されている。
下地材2の表面側からこのインサート金具82までザグ
リ孔である凹部21を形成し、ボルト65及びナット6
4で下地受け部材5の取付フランジ51に固定すること
により、下地材2を躯体1に固定する。ところで、同図
の方法は凹部21を形成した前記Eの方法であるが、イ
ンサート金具82を利用する前記Dの方法と見做すこと
もできる。尚、凹部21を必要としない前記Eの方法と
しては、下地受け部材5の取付フランジ51側からドリ
リングビス等で前記インサート金具82に固定すればよ
い。
【0022】図6〜8に示す各外装構造は、何れも外装
材3を下地材2に取り付ける第1の固定手段として前記
Aの方法を採用した点では前記図1,2、図4の各外装
構造と共通するが、下地材2を躯体1に取り付ける第2
の固定手段として前記Fの方法を採用した。尚、以下に
説明しない部位については前記の外装構造と同様であ
り、図面に同一符号を付して説明を省略する。このFの
方法は、下地材2の裏面に配したフック金具66を、固
定具により下地材2の内部に埋設したインサート金具に
対して固定し、このフック金具66を下地受け部材5に
係合させて下地材2を躯体1に固定する。具体的には図
9(a),(b)に示すように、下地材2の内部に予め
インサート金具として配筋と一体化されたアンカープレ
ート82やアンカーナット(高ナット)83を埋設して
おき、下地材2の裏面に配したフック金具66をドリリ
ングビス61やボルト65等により前記インサート金具
(82,83)に取り付ける。下地受け部材5には、取
付フランジ51の棟端を僅かに傾斜させた係合受部51
1が形成されているので、該係合受部511にフック金
具66の軒端に形成した係合部661を係合させればよ
い。尚、図示実施例のように、係合ストロークの関係で
生じる下地材2と下地受け部材5との空隙はスペーサー
71等を挿入して取り付け後のがたつきやズレが生じな
いようにした。
【0023】また、図6の外装構造では、前記図1,
2、図4の各外装構造と同様に下地材2に設けた軒側欠
切部25に外装材保持部材4の起立部42及び外装材3
の棟側端部32のそれぞれ段状に形成した下半部分を嵌
合状に位置させたが、図7,8の各外装構造では、欠切
部を形成しない下地材2、起立部42が略直立状の外装
材保持部材4を用いた。したがって、部材の製造性が向
上する。また、図8の外装構造では、外装材保持部材4
の起立部42の中央付近に第1嵌合片421、起立部4
2の先端に第2嵌合片422を設け、ビス等を用いるこ
となく各嵌合片421,422により外装材3の棟側端
部32(第1被保持部321,第2被保持部322)を
保持するものである。したがって、施工性が向上する。
さらに、第2嵌合片422は、外装材3の棟側端部32
の折返し状の下端よりさらに下方まで延在し、そこでビ
ス等の固着具により上段の外装材3の棟側端部33と固
定されているので、その固着具の箇所から雨水が侵入し
ても外装材3の内部に雨水が侵入することがない。
【0024】図10に示す外装構造は、外装材3と下地
材2間に発泡ポリスチレン、発泡ポリエチレン、発泡ウ
レタン、発泡フェノール等の合成樹脂系の発泡断熱材7
2を介装した以外は、前記図4の外装構造と同様である
から、同一符号を付して説明を省略する。この外装構造
に用いられる外装材保持部材4の固定部41と起立部4
2との間には、発泡断熱材72の厚さ分の段部43が形
成され、外装材3の面板部31と下地材2の表面、外装
材3の軒側端部33と下地材2の軒端面、にそれぞれ発
泡断熱材72の介装空間を確保している。この外装構造
では、前記発泡断熱材72によりその外断熱性能が向上
する。
【0025】図11に示す外装構造は、外装材保持部材
4を用いずに外装材3自体に下地材2への固定部(棟側
固定部34)を形成する構成であって、さらに前記図1
0の外装構造と同様に外装材3と下地材2間に発泡断熱
材72を介装する以外は、前記図4の外装構造と同様で
あるから、同一符号を付して説明を省略する。この外装
構造に用いられる外装材3の棟側端部32の棟側には、
発泡断熱材72の厚さ分の段部35、固定部34(係合
片341)が延設されている。この外装構造では、外断
熱性能が向上し、外装材保持部材4を用いない分だけ部
材管理が容易となる。
【0026】図12〜14に示す外装構造は、下地材2
の棟端表面側、軒端裏面側が段差状に欠切(棟側重合部
27,軒側重合部28)され、これらを接合することに
より階段状に重合取り付けている。また、第1の固定手
段として前記Aの方法とCの方法を併用した。即ち、外
装材保持部材4の固定部41を下地材2の階段状の重合
部20に挟持させると共に、下地材2と外装材3との間
には接着剤29を介在させている。尚、ここで用いる接
着剤29としては、アクリル系、エポキシ系、ウレタン
系、アルキド系などの種々の組成のものを用いることが
できるが、特にアクリル系樹脂水性エマルジョン、酸化
チタン、酸化鉄及び炭酸カルシウムを含有する組成物、
ガーネット、水硬性セメント、合成樹脂水性エマルジョ
ンを含有する組成物を用いることが望ましい。さらに、
第2の固定手段として前記Dの方法を採用した。即ち、
下地材2の側端表面に棟軒方向に亙って形成した凹部2
1から、座金62を介してドリリングビス61で下地受
け部材5の取付フランジ51に固定することにより、下
地材2を躯体1に固定する。尚、ここでは前記他の外装
構造と同様に下地材2の軒側寄りから下地受け部材5へ
ドリリングビス61を打ち込むと共に、下地材2の棟側
寄りからもドリリングビス61を打ち込んで固定した。
上記以外の構成は、前記図1の外装構造と同様であるか
ら、同一符号を付して説明を省略する。図14における
300は横方向に隣接する外装材3,3の接続部材であ
る。この外装構造では、第1の固定手段及び第2の固定
手段が何れも2重に施されているので、極めて強固な一
体性を有するものとなる。特に前記Cの方法を採用した
ので、強風等が作用しても外装材3のバタつきを防止す
ることができる。尚、このような外装材3のバタつき防
止を目的として、前記図1〜11の各外装構造に前記C
の方法を併用しても同様の効果がもたらされる。
【0027】以上本発明を図面の実施の形態に基づいて
説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるもの
ではなく、特許請求の範囲に記載の構成を変更しない限
りどのようにでも実施することができる。例えば躯体の
不陸等により、下地材の重合箇所に隙間が生じた場合、
或いはその可能性が高い場合などには、その重合箇所に
ポリエチレンフォームやグラスウールのシート等を介装
してもよい。
【0028】
【発明の効果】以上要するに本発明の外装構造は、第1
の固定手段と第2の固定手段とが非接触状であるため、
熱橋(冷熱橋)問題を解消することができ、壁体の断熱
性が高いものとなる。また、下地材が重合取り付けされ
ているので、地震等による荷重を受けても端面同士を突
き合わせる場合のように接続部分に隙間が生ずることが
ない。さらに、下地材と外装材の間に従来技術のように
別途支持部材を必要としないので、構成が簡単で、施工
性が向上する。また、面強度に優れるALCパネル等を
下地材として用いるので、従来にない大型の段葺き屋
根、段張り外壁の意匠を提供することができる。特に、
第1の固定手段として、下地材の重合部に、外装材の棟
側固定部又は外装材保持部材の固定部を挟持するので、
下地材がALCパネルのように脆くても、面として挟持
するので、外装材を下地材に対して安定に高強度で取り
付けることができる。
【0029】第2の固定手段として、下地材の裏面に配
したフック金具を、固定具により下地材の内部に埋設し
たインサート金具に対して固定し、このフック金具を下
地受け部材に係合させて下地材を躯体に固定する場合、
躯体に対する下地材の取付が容易であるため、施工性が
高いものとなる。また、その場合、屋根や高層ALC壁
面等の高所作業における安全性も高いものとなる。
【0030】下地材としてALCパネルを用いた場合、
防火性、断熱性、面強度の相対バランスに優れたものと
なる。
【0031】下地材と外装材間に断熱材を介装した場
合、外断熱性能が向上する。
【0032】また、外装材の面板部を水勾配程度の緩勾
配とした場合、滑雪を起こしにくい屋根となる。また、
滑雪が起きても、緩勾配であるために緩やかな動きの滑
雪となるため、滑雪事故の危険を軽減することができ
る。万一、不可避の滑雪事故が生じたとしても、大型の
段による滑雪過程で積雪は細分化されるので、大事故に
は至りにくいものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の外装構造の一実施例を示す側断面図で
ある。
【図2】図1の要部を拡大した側断面図である。
【図3】図1における第2の固定手段の他の実施態様を
示す側断面図である。
【図4】本発明の外装構造の他の一実施例を示す側断面
図である。
【図5】図4における第2の固定手段を示す側断面図で
ある。
【図6】本発明の外装構造の他の一実施例を示す側断面
図である。
【図7】本発明の外装構造の他の一実施例を示す側断面
図である。
【図8】本発明の外装構造の他の一実施例を示す側断面
図である。
【図9】(a)図6〜8における第2の固定手段のうち
アンカープレートを用いる実施態様を示す側断面図、
(b)アンカーナットを用いる実施態様を示す側断面図
である。
【図10】本発明の外装構造の他の一実施例を示す側断
面図である。
【図11】本発明の外装構造の他の一実施例を示す側断
面図である。
【図12】本発明の外装構造の他の一実施例を示す側断
面図である。
【図13】図12の要部を拡大した側断面図である。
【図14】図12の左右方向の接続構造を示す正面図で
ある。
【符号の説明】
1 躯体 2 下地材 20 重合部 21 凹部 29 接着剤 3 外装材 31 面板部 34 棟側固定部 4 外装材保持部材 41 固定部 5 下地受け部材 51 取付フランジ 61〜65 固定具(第2の固定手段) 66 フック金具(第2の固定手段) 72 断熱材 82,83 インサート金具(第2の固定手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−117069(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04D 1/34 E04D 1/18 E04D 12/00 E04D 3/00 E04D 3/362 E04D 3/35

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建築物の躯体にパネル状の下地材を取り
    付け、前記下地材上に外装材を取り付ける建築物の外装
    構造であって、 前記下地材を階段状に重合取り付けすると共に、前記外
    装材を第1の固定手段により下地材に取り付け、下地材
    を前記第1の固定手段と非接触状の第2の固定手段によ
    り躯体に取り付けるようにし、 前記第1の固定手段は、下地材の重合部に、外装材の棟
    側固定部又は外装材保持部材の固定部を挟持することを
    特徴とする建築物の外装構造。
  2. 【請求項2】 第2の固定手段は、下地材表面に形成し
    た凹部を、固定具により下地受け部材の取付フランジに
    対して固定して下地材を躯体に固定したことを特徴とす
    る請求項1に記載の建築物の外装構造。
  3. 【請求項3】 第2の固定手段は、下地受け部材の取付
    フランジを、固定具により下地材の裏面を通して下地材
    の内部に埋設したインサート金具に対して固定して下地
    材を躯体に固定したことを特徴とする請求項1又は2に
    記載の建築物の外装構造。
  4. 【請求項4】 第2の固定手段は、下地材の裏面に配し
    たフック金具を、固定具により下地材の内部に埋設した
    インサート金具に対して固定し、このフック金具を下地
    受け部材に係合させて下地材を躯体に固定したことを特
    徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の建築物の外
    装構造。
  5. 【請求項5】 下地材は軽量気泡コンクリートパネルで
    あることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載
    の建築物の外装構造。
  6. 【請求項6】 下地材と外装材間には断熱材を介装した
    ことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の建
    築物の外装構造。
  7. 【請求項7】 外装材の面板部を水勾配程度の緩勾配と
    したことを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載
    の建築物の外装構造。
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