JP2567537Y2 - コンクリート二次製品製造用型枠の鉄筋挿入装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】本考案は、コンクリ−ト二次
製品製造用型枠内に鉄筋を挿入する鉄筋挿入装置に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】コンクリ−ト二次製品、例えば側溝ブロ
ックや暗渠ブロックの製造には、図２または図３に示す
ような型枠１，２がそれぞれ使用されている。図２に示
した型枠１は側溝ブロック製造用のもので、台板１ａ
と、台板１ａの４辺に回動自在に枢着された各一対の側
板１ｂ及び妻板１ｃと、台板１ａ上に固定された中子１
ｄと、型締め機構１ｅとから構成されている。また、図
３に示した型枠２は暗渠ブロック製造用のもので、台板
２ａと、台板２ａの３辺に回動自在に枢着された一対の
側板２ｂ及び妻板２ｃと、台板２ａの残りの辺に立設さ
れた固定妻板２ｄと、固定妻板２ｄの内壁に支持された
径伸縮可能な中子２ｅと、型締め機構２ｆと、図示省略
の中子伸縮機構とから構成されている。

【０００３】上記の型枠１，２を使用した側溝ブロック
または暗渠ブロックの製造工程では、コンクリ−トを打
設する前段階でその内部に図３または図４に示すような
鉄筋３，４をそれぞれ挿入している。図４に示した鉄筋
３は側溝ブロック用のもので、多数の鉄線を逆Ｕ字形に
連結して構成されており、中子１ｄとの位置間隔を調整
するためのリング状のスペ−サ３ａを有している。ま
た、図５に示した鉄筋４は暗渠ブロック用のもので、多
数の鉄線をロ字形に連結して構成されており、中子２ｅ
との位置間隔を調整するためのリング状のスペ−サ４ａ
を有している。

【０００４】側溝ブロックまたは暗渠ブロックの製造に
は上記以外の型枠及び鉄筋も存在し、且つ使用される
が、何れも場合も型枠内への鉄筋挿入は手作業にて行な
われている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】しかし、従来の手作業
による鉄筋挿入では、挿入作業に手間と時間を要するた
めに作業効率が極めて悪く生産力が低下する難点があ
り、また大型で重量のある鉄筋を移動させる関係から作
業上危険が多く、また鉄線の鋭利な端面で指先や衣服等
に損傷を受け易い問題があった。

【０００６】また、近年における多品種少量生産では、
同種の型枠でも全長等の寸法が異なるものや種類の異な
る型枠が同時にライン上に流されるため、それだけ鉄筋
の挿入が煩雑になって上記の作業効率が格段低下する問
題がある。

【０００７】本考案は上記問題点に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、型枠内への鉄筋挿入を効
率よく行なえるコンクリート二次製品製造用型枠の鉄筋
挿入装置を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本考案は、請求項１に記載のように、コンクリート
二次製品製造用型枠内の所定位置に鉄筋を挿入する鉄筋
挿入装置であって、鉄筋を所定の取出し位置に搬送する
鉄筋搬送手段と、取り出し位置に搬送された鉄筋を保持
して鉄筋挿入位置に移動しこれを型枠内に挿入する鉄筋
移送手段とを備え、型枠に対する鉄筋挿入位置を規定す
る位置検知手段を上記鉄筋移送手段に設けた、ことをそ
の主たる特徴としている。

【０００９】上記コンクリート二次製品製造用型枠の鉄
筋挿入装置によれば、鉄筋搬送手段によって取り出し位
置に搬送された鉄筋を、鉄筋移送手段によって保持して
鉄筋挿入位置に移動しこれを型枠内に挿入することがで
きる。また、位置検知手段によって、型枠に対する鉄筋
挿入位置を規定することができる。

【００１０】

【考案の実施の形態】図１は本考案を適用した鉄筋挿入
装置の側面図を示すもので、図１中の１は図２に示した
側溝ブロック製造用型枠、３は図４に示した鉄筋であ
る。

【００１１】この鉄筋挿入装置は、鉄筋搬送用のコンベ
ア１１と、フレ−ム１２と、フレ−ム１２に移動可能に
配置された走行台１３と、走行台１３に上下動可能に配
置された昇降台１４と、昇降台１４に設けられた鉄筋保
持用の電磁マグネット１５，降下位置検知手段１６及び
高さ検知手段１７と、型枠搬送用のコンベア１８と、型
枠識別手段１９とから構成されている。

【００１２】鉄筋搬送用のコンベア１１は、型枠搬送用
のコンベア１８と間隔をおいて直交し、外部からフレ−
ム１２の一側部内に向かって延設されている。また、こ
のコンベア１１の一端には、鉄筋３を取出し位置に停止
させるためのストッパ１１ａが設けられている。

【００１３】フレ−ム１２は、コンベア１１の一端部及
びコンベア１８の一部を覆うようにして地面Ｊ等に設立
されており、その上面には、コンベア１１と平行で且つ
水平な一対の走行レ−ル１２ａが設けられている。

【００１４】走行台１３は、走行レ−ル１２ａに係合す
る複数の車輪１３ａを有しており、また車輪１３ａの少
なくとも一つを回転駆動する自走用モ−タ１３ｂを備え
ている。また、この走行台３には、昇降台１４をチェ−
ン１３ｃを介して昇降させる昇降用モ−タ１３ｄが設け
られ、また２つの昇降軸ガイド１３ｅが設けられてい
る。

【００１５】昇降台１４は、上面に突設された一対の昇
降軸１４ａを上記昇降軸ガイド１３ｅに摺動自在に保持
されており、昇降軸１４ａの中間位置に設けられたチェ
−ンブロック１４ｂに上記チェ−ン１３ｃを連結されて
いる。

【００１６】鉄筋保持用の電磁マグネット１５は、鉄筋
３の上面を磁力によって吸着保持するためのもので、昇
降台１４の下面に間隔をおいて２個、それぞれの高さが
同一になるように取付けられている。

【００１７】降下位置検知手段１６は、鉄筋取出し時に
おける昇降台１４の降下位置を規制するためのもので、
電磁マグネット１５の中間位置に配置され、且つ電磁マ
グネット１５よりも下方に突出する検知ピン１６ａと、
該検知ピン１６ａの上下動で作動するリミットスイッチ
１６ｂとから構成されている。

【００１８】高さ検知手段１７は、暗渠ブロック製造用
型枠（図３参照）の中子上面位置を検知するためのもの
で、検知ピン１７ａと、該検知ピン１７ａの上下動で作
動するリミットスイッチ１７ｂと、リミットスイッチ
（図示省略）が取付けられ、且つ昇降台１４の前端に傾
動可能に配置された傾動ア−ム１７ｃと、傾動ア−ム１
７ｃを駆動するエアシリンダ１７ｄとから構成されてい
る。この高さ検知手段１７の検知ピン１７ａは、型枠内
に鉄筋を挿入するとき以外はエアシリンダ１７ｄによる
引き込みで図に示すように上方に回避している。

【００１９】型枠搬送用のコンベア１８は、鉄筋挿入対
象となる型枠を搬送するもので、図示省略のモ−タによ
ってチェ−ン駆動される多数のロ−ラ１８ａと、該ロ−
ラ１８ａを支持する台枠１８ｂとから構成されている。
このコンベア１８は搬送される型枠１を鉄筋挿入位置で
間欠的に停止することができる。

【００２０】型枠識別手段１９は、挿入対象となる型枠
の種類及び寸法を識別するためのもので、型枠１が載置
されるパレットＰの側面に形成された種類及び寸法用の
２つの検知片１９ａと、各検知片１９ａを光学的に読取
る２つの光電スイッチ１９ｂとから構成されている。勿
論、上記各光電スイッチ１９ｂは、各検知片１９ａを電
磁的に読取る磁気センサや機械的に読取るマイクロスイ
ッチのようなものであってもよい。

【００２１】以下に、上記鉄筋挿入装置による鉄筋挿入
動作を型枠別に説明する。

【００２２】まず、図６乃至図９を参照して、図２に示
した側溝ブロック製造用型枠１に図４に示した鉄筋３を
挿入する場合について説明する。

【００２３】型枠１が鉄筋挿入位置で停止した図１の状
態で、型枠識別手段１９によって型枠１の種類及び寸法
の識別が行なわれる。ここでは型枠１が側溝ブロック製
造用のもので、例えば２ｍサイズのものであることが識
別される。

【００２４】続いてコンベア１１を作動して、上記型枠
１に適応した鉄筋３を取出し位置に搬送する。この搬送
は図示省略のリミットスイッチによって検知される。

【００２５】次いで、図６に示すように昇降用モ−タ１
３ｄを逆回転させて昇降台１４を降下させる。昇降台１
４の降下で電磁マグネット１５が鉄筋１５の上面に当接
すると同時に降下位置検知手段１６の検知ピン１６ａが
上方に押し込まれてリミットスイッチ１６ｂが作動し、
昇降用モ−タ１３ｄの回転が停止されると共に、電磁マ
グネット１５が通電されて鉄筋３が吸着保持される。

【００２６】次いで、図７に示すように昇降用モ−タ１
３ｄを回転させて、昇降台１４を元の位置まで上昇させ
る。この上昇限は図示省略のリミットスイッチによって
検知される。

【００２７】次いで、図８に示すように自走用モ−タ１
３ｂを回転させ、鉄筋３を吸着保持した状態のまま走行
台１３を走行レ−ル１２ａに沿って鉄筋挿入位置の上方
まで移動させる。この移動限は図示省略のリミットスイ
ッチによって検知される。

【００２８】次いで、図９に示すように昇降用モ−タ１
３ｄを逆回転させて、昇降台１４を降下させる。この降
下によって鉄筋３が型枠１内に挿入される。昇降台１４
が所定位置まで降下したところで図示省略のリミットス
イッチが作動し、電磁マグネット１５への通電が停止し
て鉄筋３の吸着保持が解かれ、挿入された鉄筋３は型枠
１内に残留する。

【００２９】鉄筋挿入後は昇降用モ−タ１３ｄを回転さ
せて昇降台１４を上昇限まで上昇させ、走行用モ−タ１
３ｂを逆回転させて走行台１３を元の位置に復帰させ
る。

【００３０】尚、型枠識別手段１９によって型枠１が
１．５ｍサイズのものであることが識別された場合に
は、走行台１３の移動停止位置が該サイズに応じて修正
され上記と同様の挿入動作が行なわれる。

【００３１】次に、図１０乃至図１２を参照して、図３
に示した暗渠ブロック製造用型枠２内に図５に示した鉄
筋４を挿入する場合の動作について説明する。

【００３２】型枠２が鉄筋挿入位置で停止した図１と同
様の状態で、型枠識別手段１９によって型枠２の種類及
び寸法の識別が行なわれる。ここでは型枠２が暗渠ブロ
ック製造用のもので、例えば２ｍサイズのものであるこ
とが識別される。

【００３３】続いてコンベア１１を作動して、上記型枠
２に適応した鉄筋４を取出し位置に搬送する。この搬送
は図示省略のリミットスイッチによって検知される。

【００３４】次いで、図６と同様に昇降用モ−タ１３ｄ
を逆回転させて昇降台１４を降下させる。昇降台１４の
降下で電磁マグネット１５が鉄筋４の上面に当接すると
同時に降下位置検知手段１６の検知ピン１６ａが上方に
押し込まれてリミットスイッチ１６ｂが作動し、昇降用
モ−タ１３ｄの回転が停止されると共に、電磁マグネッ
ト１５が通電されて鉄筋４が吸着保持される。

【００３５】次いで、図７と同様に昇降用モ−タ１３ｄ
を回転させて、昇降台１４を元の位置まで上昇させる。
この上昇限は図示省略のリミットスイッチによって検知
される。

【００３６】次いで、図１０に示すように自走用モ−タ
１３ｂを回転させて、上記の吸着状態のまま走行台１３
を走行レ−ル１２ａに沿って鉄筋挿入位置の手前の上方
まで移動させる。この移動限は図示省略のリミットスイ
ッチによって検知される。また、この移動時には高さ検
知手段１７のエアシリンダ１７ｄが伸長して傾動ア−ム
１７ｃが傾動し、検知ピン１７ａが下方に下がって検知
可能な状態となる。

【００３７】次いで、図１１に示すように昇降用モ−タ
１３ｄを逆回転させて、昇降台１４を降下させる。この
降下によって高さ検知手段１７の検知ピン１７ａが中子
２ｅの上面に当接しリミットスイッチ１７ｂが作動した
ところで、昇降用モ−タ１３ｄの回転を停止させる。

【００３８】次いで、図１２に示すように高さ検知手段
１７のエアシリンダ１７ｄが縮長させて傾動ア−ム１７
ｃを傾動させ、検知ピン１７ａが固定妻板２ｄの上端に
当たらないように上方に回避させる。続いて自走用モ−
タ１３ｂを回転させて、走行台１３を走行レ−ル１２ａ
に沿って鉄筋挿入位置の上方まで移動させる。この移動
限は図示省略のリミットスイッチによって検知される。
この移動によって鉄筋４が型枠２内に挿入される。昇降
台１４が所定位置まで移動したところで、電磁マグネッ
ト１５への通電が停止し鉄筋４の吸着保持が解かれ、挿
入された鉄筋４は型枠２内に残留する。

【００３９】鉄筋挿入後は昇降用モ−タ１３ｄを回転さ
せて昇降台１４を上昇限まで上昇させ、走行用モ−タ１
３ｂを逆回転させて走行台１３を元の位置に復帰させ
る。

【００４０】尚、型枠識別手段１９によって型枠２が
１．５ｍサイズのものであることが識別された場合に
は、走行台１３の移動停止位置が該サイズに応じて若干
修正され上記と同様の挿入動作が行なわれる。

【００４１】このように、上述の鉄筋挿入装置によれ
ば、取出し位置に搬送された鉄筋３，４を鉄筋挿入位置
に置かれた型枠１，２内に自動的に挿入できるので、手
作業による鉄筋挿入と比べて挿入作業を短時間で効率よ
く行なうことができ、また作業に伴う危険性を排除して
省力化と生産力を大幅に向上させることができる。

【００４２】また、型枠１，２に対する鉄筋挿入位置を
リミットスイッチによって検知して挿入動作を停止する
ようにしているので、型枠１，２内の所定位置に鉄筋
３，４を正確に挿入することができる。

【００４３】さらに、型枠の種類及び寸法の識別を鉄筋
挿入の前段階で行っているので、種類及び寸法が異なる
型枠が鉄筋挿入位置に搬送された場合でも型枠の種類に
応じた鉄筋を型枠内に挿入することができ、また、鉄筋
挿入位置を修正することができる。

【００４４】

【考案の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
取出し位置に搬送された鉄筋を型枠内に自動的に挿入で
きるので、手作業による鉄筋挿入と比べて挿入作業を短
時間で効率よく行なうことができ、また作業に伴う危険
性を排除して、省力化と生産力を大幅に向上させること
ができる。また、型枠に対する鉄筋挿入位置を位置検知
手段によって検知して挿入動作を停止するようにしてい
るので、型枠内の所定位置に鉄筋を正確に挿入すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案を適用した鉄筋挿入装置の側面図

【図２】側溝ブロック製造用型枠の斜視図

【図３】暗渠ブロック製造用型枠の斜視図

【図４】側溝ブロック用の鉄筋の斜視図

【図５】暗渠ブロック用の鉄筋の斜視図

【図６】動作説明図

【図７】動作説明図

【図８】動作説明図

【図９】動作説明図

【図１０】動作説明図

【図１１】動作説明図

【図１２】動作説明図

【符号の説明】

１，２…型枠、３，４…鉄筋、１１…コンベア、１２…
フレ−ム、１２ａ…走行レ−ル、１３…走行台、１３ｂ
…走行用モ−タ、１３ｃ…チェ−ン、１３ｄ…昇降用モ
−タ、１４…昇降台、１５…電磁マグネット、１７…高
さ検知手段、１９…型枠識別手段。

Claims (3)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 コンクリート二次製品製造用型枠内の所
   定位置に鉄筋を挿入する鉄筋挿入装置であって、 鉄筋を所定の取出し位置に搬送する鉄筋搬送手段と、 取り出し位置に搬送された鉄筋を保持して鉄筋挿入位置
   に移動しこれを型枠内に挿入する鉄筋移送手段とを備
   え、 型枠に対する鉄筋挿入位置を規定する位置検知手段を上
   記鉄筋移送手段に設けた、 ことを特徴とするコンクリート二次製品製造用型枠の鉄
   筋挿入装置。
2. 【請求項２】 型枠に設けた検知片に基づいて型枠の種
   類を識別する種類識別手段を設けた、 ことを特徴とする請求項１記載のコンクリート二次製品
   製造用型枠の鉄筋挿入装置。
3. 【請求項３】 型枠に設けた検知片に基づいて型枠の寸
   法を識別する寸法識別手段を設けた、 ことを特徴とする請求項１または２記載のコンクリート
   二次製品製造用型枠の鉄筋挿入装置。