JP2567145B2 - 複合電流ミラー回路 - Google Patents

複合電流ミラー回路

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JP2567145B2
JP2567145B2 JP2252670A JP25267090A JP2567145B2 JP 2567145 B2 JP2567145 B2 JP 2567145B2 JP 2252670 A JP2252670 A JP 2252670A JP 25267090 A JP25267090 A JP 25267090A JP 2567145 B2 JP2567145 B2 JP 2567145B2
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敏雄 工藤
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は複合電流ミラー回路に関し、特にバイポーラ
・トランジスタのhFEの影響に対しても高精度が得ら
れ、かつ複数の出力(並列出力)が得られ、さらに入出
力の電流比の設定範囲を広げた回路に関する。
〔従来の技術〕
従来から用いられている電流ミラー回路の一例を、第
4図に示す。第4図において、ベースをトランジスタQ1
と共通接続し、コレクタ・ベース間を短絡したトランジ
スタQ2のコレクタ側へトランジスタQ4のエミッタを接続
し、トランジスタQ4のベースをトランジスタQ1のコレク
タへ接続して電流入力端子2とし、トランジスタQ4のコ
レクタを電流出力端子3とする構成である。トランジス
タQ1,Q2のエミッタは、短絡するか各々抵抗を介して電
流供給端子1へ接続される。電流入力端子2に印加する
電流をI1として、電流出力端子3に流出する電流をI2
すると、それらの関係は以下のように表わされる。但し
トランジスタQ1,Q2の特性は同一であるとし、エミッタ
接地電流増幅率をβ,各々のコレクタ電流をIC1,IC2
する。
式(1),式(2)より、次式が得られる。
従って、次式となる。
よって、前記(3)式より電流増幅率βが充分に大き
ければ、出力電流I2は入力電流I1にほぼ等しくなり、β
=100では0.02%の誤差であり、βが50まで低下しても
誤差0.08%と、hFEの影響による電流比の変動が抑えら
れ、高精度の電流ミラー回路が得られる。
〔発明が解決しようとする課題〕
前述した従来の電流ミラー回路は、入出力電流比が1
対1で、更に出力電流の1つとした場合に限り、前述の
効果が得られ、出力電流数を複数得られない、つまり並
列接続が出来ないという欠点があり、使用範囲が限定さ
れてしまう。
第4図において、トランジスタQ1に並列にトランジス
タN個接続して各トランジスタのコレクタを出力とした
N個の電流出力型の電流ミラー回路とした場合、前記
(3)式は次式となる。
ここで、Nの値が例(1出力型)以外ではベース電流
の補償効果がなくなり、(−N)のβ倍された成分が電
流比の誤差として現われる。例えば、β=100でもN=
2で出力電流I2は2.0%,INは1.0%,N=3でI2ひ2.9%,I
Nは1.0%もの誤差が生じてしまうことになる。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の構成は、ベース同士およびエミッタ同士を互
いに共通接続してその共通エミッタを電流供給源に接続
し、電流比を1対1対N(N>0)に設定されたそれぞ
れ第1のトランジスタ,第2のトランジスタ,第3のト
ランジスタを設け、前記第2のトランジスタのコレクタ
にエミッタを接続した第4のトランジスタを設け、第4
のトランジスタのベースと前記第1のトランジスタのコ
レクタとの接続点を電流入力端子とし、前記第4のトラ
ンジスタのコレクタを第1の電流出力端子として入出力
電流比1対1とし、前記第3のトランジスタのコレクタ
を第2の電流出力端子として入出力電流比1対Nとする
複合電流ミラー回路において、前記第1,第2,第3のトラ
ンジスタの共通ベースを、2対Nの分配比を有する電流
分配手段を介して、前記第2のトランジスタのコレクタ
及び前記第3のトランジスタのコレクタに接続し、前記
第2のトランジスタのコレクタには前記共通ベースから
の2/(N+2)倍の電流を、前記第3のトランジスタの
コレクタには前記共通ベースからのN/(N+2)倍の電
流をそれぞれ共通するようになしたことを特徴とする。
〔実施例〕
次に本発明について図面を参照して説明する。
第1図は本発明の一実施例の複合電流ミラー回路を示
す回路図である。
第1図において、本実施例の複合電流ミラー回路は、
pnpトランジスタQ1,Q2,Q3,Q4と、電流分配手段5と、電
流供給端子1と、電流入力端子2と、電流出力端子3,4
と、定電流源I1とを備え、負荷回路7,8にそれぞれ電流I
2,I3が供給されるようになっている。
本実施例は、第4図の回路に、トランジスタQ3,電流
分配手段5,第2の電流出力端子4が付加されたような回
路となっている。
本実施例は、入力電流I1に対して、前記従来回路同様
の高精度の出力電流I2と従来回路同等の高精度のN倍の
出力電流I3とを得ようとするもので、前記従来回路に対
しトランジスタQ2のコレクタ・ベース間の短絡を開放と
し、トランジスタQ1のエミッタ面積のN倍のトランジス
タQ3が追加されており、このトランジスタQ3のエミッタ
を電流供給端子1に接続し、ベースをトランジスタQ1,Q
2のベースと共通接続し、コレクタを第2の電流出力端
子4として出力電流I3が出力される。共通ベースには、
ベース電流を2対Nに分配する電流分配手段5が接続さ
れ、トランジスタQ2のコレクタに〔2〕,トランジスタ
Q3のコレクタに〔N〕の電流を分配する経路となる構成
となっている。
従来例と同様に、トランジスタQ1,Q2,Q3の特性は同一
であるとし、エミッタ接地電流増幅率をβ,各々のコレ
クタ電流をIC1,IC2,IC3とし、入力電流I1と出力電流I2,
I3の関係は、以下のように表わされる。
IC2=IC1,IC3=N・IC1 IB=(1/β)(IC1+IC2+IC3) =(IC1/β)(N+2) I6=(IC1/β)・N,I7=(IC1/β) I7=(IC1/β)・N IC1=I1−(I2/β) …(6) I2=(β/(1+β))(IC1+I7) …(7) (7)式に(5),(6)式を代入して次式を得る。
これを解くと、次式となる。
従って、出力電流I2は、従来回路と同様の補償効果を
もった高精度の電流となる。また、出力電流I3は、前記
(5),(6)式を(9)式に代入して、次式となる。
I3=N・IC1+I6 …(9) I3=N・(IC1+(IC1/β) =N(1+(1/β))(I1−(I2/β) …(10) 更に、(12)式に(10)式を代入して解くと次式とな
る。
即ち、 の誤差成分しか発生しない。例えば、β=100では、出
力電流I3は0.01%の誤差であり、βが50まで低下して
も、誤差0.04%と従来回路と同等以上の高精度の出力電
流が得られる。
ここで、前述の電流分配手段5の具体的な例を、第2
図,第3図に示す。
第2図は第1図におけるN=1の場合の具体例の回路
図で、電流分配手段5を最も基本的な電流ミラー回路に
より構成し、共通ベースのベース電流を分配している。
(電流分配手段5としては、npnトランジスタQ5からな
り、複数コレクタを有している。)しかし実際には共通
ベース電流を2対1に分配する電流分配手段5の電流ミ
ラー回路は、トランジスタQ5のベース電流の影響を受け
るので厳密に2対1に一致させることは、難しい。そこ
で、第1図において電流分配手段5の電流比を考慮し
て、入力電流I1と出力電流I2,I3の関係を求めると、前
記(5)式は、次のようになる。
従って、ここで第2図の具体例で考えると、β=100
でN=1では出力電流I2,I3の誤差0.01%,0.02%とな
り、ベース電流の影響はほとんど無視できる。
第3図は第1図におけるN=2,3出力の場合の具体例
の回路図であり、前述の(11),(12)式より、高精度
の電流ミラー回路となる。電流分配手段5としては、複
数コレクタを有するnpnトランジスタQ5からなり、npnト
ランジスタQ7,第3の負荷回路11が接続される第3の電
流出力端子10を設けている。
以上本実施例の複合電流ミラー回路は、前述した電流
ミラー回路のベース電流補償効果のある出力電流を複数
得るために、電流ミラー回路を構成するトランジスタの
共通ベースに、ベース電流分配用の電流ミラー回路を接
続してなる複合型の高精度電流ミラー回路である。
ここで、電流ミラー回路を構成するトランジスタのエ
ミッタは、短絡するか各々抵抗を介して、電流供給端子
1へ接続してもよい。
また、PNPトランジスタを用いて説明したが、これをN
PNトランジスタで構成しても、同様の効果が得られる。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明は、電流ミラー回路を構
成するトランジスタのベース電流経路に所定の分配比の
電流分配手段を追加することにより、従来の高精度電流
ミラー回路が、入出力電流比1対1の1出力電流しか得
られないのに対して、入出力電流比1対Nもしくは複数
の出力電流をトランジスタのベース電流の影響による誤
差を軽減した高精度を得ることがでるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の回路図、第2図,第3図は
いずれも第1図の具体例を示す回路図、第4図は従来か
ら用いられている高精度電流ミラー回路の回路図であ
る。 1……電流供給端子、2……電流入力端子、3,4,9,10…
…電流出力端子、5……電流分配手段、7,8,11,12……
負荷回路、Q1〜Q7……トランジスタ。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ベース同士およびエミッタ同士を互いに共
    通接続してその共通エミッタを電流供給源に接続し、電
    流比を1対1対N(N>0)に設定されたそれぞれ第1
    のトランジスタ,第2のトランジスタ,第3のトランジ
    スタを設け、前記第2のトランジスタのコレクタにエミ
    ッタを接続した第4のトランジスタを設け、第4のトラ
    ンジスタのベースと前記第1のトランジスタのコレクタ
    との接続点を電流入力端子とし、前記第4のトランジス
    タのコレクタを第1の電流出力端子として入出力電流比
    1対1とし、前記第3のトランジスタのコレクタを第2
    の電流出力端子として入出力電流比1対Nとする複合電
    流ミラー回路において、前記第1,第2,第3のトランジス
    タの共通ベースを、2対Nの分配比を有する電流分配手
    段を介して、前記第2のトランジスタのコレクタ及び前
    記第3のトランジスタのコレクタに接続し、前記第2の
    トランジスタのコレクタには前記共通ベースからの2/
    (N+2)倍の電流を、前記第3のトランジスタのコレ
    クタには前記共通ベースからのN/(N+2)倍の電流を
    それぞれ共通するようになしたことを特徴とする複合電
    流ミラー回路。
  2. 【請求項2】第3のトランジスタは複数からなり、第2
    の電流出力端子は前記、第3のトランジスタの夫々に接
    続された複数の電流出力端子からなり、2対Nの分配比
    を有する電流分配手段からN/(N+2)倍の電流は、前
    記複数の電流出力端子に夫々の分配比に比例させて供給
    されるようになした請求項1記載の複合電流ミラー回
    路。
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