JP2564154B2 - 防食構造体 - Google Patents

防食構造体

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JP2564154B2 JP62281984A JP28198487A JP2564154B2 JP 2564154 B2 JP2564154 B2 JP 2564154B2 JP 62281984 A JP62281984 A JP 62281984A JP 28198487 A JP28198487 A JP 28198487A JP 2564154 B2 JP2564154 B2 JP 2564154B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、水中に打設される鋼管杭または鉄筋コンク
リート杭等の水中構造物の腐食を防止するために、該水
中構造物の水と接触する周面に取付けられる防食構造体
に関する。
従来技術 港湾等において海底に打設された鋼管杭または鉄筋コ
ンクリート杭等は、その海水と接触する表面が海水によ
り腐食し易い。従ってこのような水中構造物の腐食を防
止するために従来種々の手段が講じられているが、その
1つとして、半割りにした円筒体の各半部を形成する1
対の防食構造体を、杭の周面に両側から当てがい、各防
食構造体の側部に突出させたフランジどうしをボルトで
締付けて該構造体を杭の周面に密着させ、これにより海
水を杭の表面から遮断する防食手段が知られている。上
記防食構造体は、半割り円筒体状のカバー本体の内周面
に膨潤材層と粘着材層とが順次積層されて内張りされて
おり、杭に取付けられた後膨潤材層に海水が進入するこ
とにより該膨潤材層が膨潤し、これによって前記粘着材
層が杭周面に押し付けられ密着するようになっている。
1対のカバー本体にはそれぞれ前記のようなフランジが
設けられており、これらのフランジ間にガスケットを介
在させて両者を締付けることにより防食構造体が杭に取
付けられる。上記ガスケットは、締付けにより圧縮され
て杭の外径のバラツキを補償し、防食構造体を杭の周面
に密接させる機能を果す。
考案が解決しようとする問題点 このような従来の防食構造体においては、1対のカバ
ー本体を突合わせた時に、各カバー本体に内張りされた
膨潤材層と粘着材層との端面どうしが互いに当接し、特
に膨潤材層は比較的硬く、円周方向に充分収縮できない
ので、ボルトによって両方のカバー本体を充分に近接さ
せて防食構造体を杭に固定し、かつ粘着材層を杭周面に
完全に密着させることが困難な場合があった。
また、第6図(a)に示すように従来は、各カバー本
体01、01のフランジ02、02間に介挿されるガスケット0
3、03は、その外端縁03aをフランジ02の外縁02aに揃え
てあったので、ボルトで締付けた時圧縮されてフランシ
外端縁02aから外にはみ出したガスケット部分が、第6
図(b)に示すように締付力と水圧とによってそれえぞ
れ対応するフランジ02上に押し付けられ、この結果両方
のフランジ外端縁02a、02aを結ぶ線より内側に隙間04を
生じ、この隙間に海中生物が付着するという不具合があ
った。
問題点を解決するための手段および作用 本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであ
り、本発明においては、水中に打設される杭等の水中構
造物の表面に嵌着させて該水中構造物の腐食を防止する
防食構造体であって、それぞれ半割り状の円筒体から成
る1対のカバー本体の各内周面に膨潤材層と粘着材層と
を順次設け、かつ前記1対のカバー本体の互いに対向す
る側縁部にそれぞれ半径方向外方へ突出したフランジを
設け、これらのフランジ間にガスケットを介在させて両
者を締付けることにより、前記水中構造物の周面に密着
させるようにしたものにおいて、前記フランジを互いに
締付ける前に、一方のカバー本体の前記膨潤材層の側縁
と他方のカバー本体の側縁との間にはすくなくとも前記
ガスケットの締代に見合う周方向の間隙が存在するが、
該一方のカバー本体の前記粘着材層は前記膨潤材層の側
縁を超えて前記他方のカバー本体の側縁まで達するよう
に構成する。
かかる本発明によれば一方のカバー本体の膨潤材層の
側縁と他方のカバー本体の側縁との間に締代に見合った
充分な間隙が存在するので、1対のカバー本体を締付け
る時両カバー本体の近接が膨潤材層によって妨げられる
ことがなく、従って、防食構造体を充分な締付力によっ
て水中構造物の周面に嵌着させ粘着材層を水中構造物の
周面にその全周を水密に覆って密着させることができ
る。
さらに、本発明の一実施態様においては、前記ガスケ
ットを前記フランジの外端縁を超えて外側まで突出させ
る。このようにすれば、フランジの外端縁から突出した
ガスケット部分にはあらゆる方向から水圧が作用するの
で、たとえガスケットが締付力によって多少外側へ押し
出されても、前記第6図(b)に示すように左右のガス
ケットが水圧によって分離して海中生物の付着し易い隙
間を生ずるようなことはない。
実 施 例 第1図は海中構造物すなわち杭1に取付けられた本発
明による防食構造体2を示す斜視図である。杭1は鋼管
杭でもよいし、あるいは鉄筋コンクリート杭でもよい。
防食構造体2は円筒を軸線方向に半割りにした形状の1
対のカバー本体3を有し、各カバー本体3の内周面には
膨潤材層4および粘着材層5(第2,3図)が順次積層さ
れて設けられている。各カバー本体3の同一直径上にお
いて向かい合っている両側縁部に沿って半径方向外方へ
突出したフランジ6が設けられており、両カバー本体3
の互いに対向するフランジ6、6間に2枚のガスケット
7、7を挟んで、これらのフランジ6、6をボルト8に
よって締付けることにより、防食構造体2が杭1に締着
固定されている。フランジ6は補強部9によって補強さ
れている。
前記粘着材層5を構成する粘着材としては例えば原油
より減圧蒸溜により分離された石油ワックスの一種でゼ
リー状物質であるペトロラタム粘着材が必要に応じて不
織布を基材として用いられる。従って粘着材層5は比較
的変形し易い。一方、膨潤材層4を構成する膨潤材とし
ては、例えば未加硫ゴム、加硫ゴムその他のプラスチッ
クを基材とし、それに吸水性ポリマーを配合したもの
で、体積膨張率が5〜1000%のものが好ましく使用され
る。
カバー本体3にはこれを貫通して膨潤材層4の外面4a
に達する導水孔10が適宜設けられており、かつカバー本
体3の内面には、第2,3図に示すように、この導水孔10
に連通し膨潤材層4の外面4aに沿って延びる導水溝11が
凹設されている。防食構造体2を杭1に取付けた後、周
囲の海水が導水孔10を通ってカバー本体3の内面に達
し、さらに導水溝11に導かれて膨潤材層4の外面4aに行
き渡る。膨潤材層4はこの海水を吸収して膨張するの
で、その力により粘着材層5は杭1の周面に押し付けら
れ、該周面全面に亘って均等に密着して防食効果を発揮
する。
第4図は、上記防食構造体2のフランジ部分の横断面
図で、一方のカバー本体を3Bで示し、他方のカバー本体
を3Aとして示してある。カバー本体3Aとカバー本体3Bと
は前述のようにそれぞれのフランジ6、6間にガスケッ
ト7、7を介在させてボルト8とナット12で締付けるこ
とにより連結されるが、第4図はフランジ6、6がまだ
充分に締付けられていない状態を示す。本実施例におい
てはカバー本体3Aの円筒部分は、フランジ6の位置を超
えてさらに円周方向に延出し、カバー本体3Bの側縁部内
面に嵌合する嵌合部分3aが形成されている。カバー本体
3Aおよびカバー本体3Bの内周面には前述のように、膨潤
材層4と粘着材層5とが内張りされているが、カバー本
体3A側の膨潤材層4aと粘着材層5aの端面は前記嵌合部分
3aの端面と同一面をなすように揃えてある。これに対
し、カバー本体3B側の膨潤材層4bはその周長をカバー本
体3Bの周長より短くして、該膨潤材層4bの端面と嵌合部
分3aの端面との間に、円周方向の隙間Cが存在するよう
にしてある。ただし、この膨潤材層4b上に積層された粘
着材層5bは膨潤材層4bの端面位置を超えて、相手方の3A
の嵌合部分3aの端面位置まで延びている。
両カバー本体3A、3Bを第4図に示す状態からボルト8
により締付けて行くと、ガスケット7、7が圧縮されて
カバー本体3A、3Bは第5図に示すように互いに接近して
行く。この時、膨潤材層4bの端面と嵌合部分3aの端面と
の間に前記したような隙間Cが存在するので、膨潤材層
4bの端面が嵌合部分3aの端面および膨潤材層4aの端面に
衝接して、カバー本体3Aとカバー本体3Bの近接を阻害す
ることはない。粘着材層5は充分な柔軟性を有するので
適宜変形し、カバー本体3Aとカバー本体3Bの近接にほと
んど抵抗を与えない。かくしてカバー本体3Aとカバー本
体3Bは円滑に嵌合し、杭1の外径のバラツキに関係な
く、膨潤材層4、粘着材層5を介して杭1の周面に強固
に締付けられ固定される。そして粘着材層5は、粘着材
層5bの端部が締付力により変形することにより、杭1の
周面をその全周に亘って隙間なく覆いかつ該周面に密着
する。さらに粘着材層5は前述のように膨潤材層4の海
水による膨張によって杭1の周面に圧接されるので、杭
1の表面に対する海水の侵入、接触を確実に防止するこ
とができ、極めて良好な防食性能が得られる。
ガスケット7としては比較的硬質のスポンジ状ゴム等
から成る板状体を使用するのが望ましいが、このガスケ
ット7は第4図に示すように外端縁7aをフランジ6の外
端縁6aより外側に突出させてフランジ6、6間に2枚介
挿されている。これらのガスケット7、7はフランジ
6、6により左右から締付けられた場合、フランジ6の
外側にはみ出した部分が第5図に示すように多少左右の
開く傾向があるが、各ガスケット7のこの部分には矢印
で示すように両面に均等な水圧が作用しているので、両
ガスケット7、7の開きが水圧によって助長されて前記
第6図(b)に示したような隙間04が生ずることがな
く、従って海中生物の付着が少なくなり、ガスケット7
が破損し難くなり、耐久性も向上する。
上述した防食構造体2は、膨潤材層4および粘着材層
5の内張りを含めすべて工場で製作されるので、充分な
管理の下に精密に製作することができ、また現場施工の
能率、精度が向上し、さらに補修および取替えも容易で
ある。
発明の効果 以上の通り、本発明においては、水中に打設される杭
等の水中構造物の表面に嵌着させて該水中構造物の腐食
を防止する防食構造体であって、それぞれ半割り状の円
筒体から成る1対のカバー本体の各内周面に膨潤材層と
粘着材層とを順次設け、かつ前記1対のカバー本体の互
いに対向する側縁部にそれぞれ半径方向外方へ突出した
フランジを設け、これらのフランジ間にガスケットを介
在させて両者を締付けることにより、前記水中構造物の
周面に密着させるようにしたものにおいて、前記フラン
ジを互いに締付ける前に、一方のカバー本体の前記膨潤
材層の側縁と他方のカバー本体の側縁との間にはすくな
くとも前記ガスケットの締代に見合う周方向の間隙が存
在するが、該一方のカバー本体の前記粘着材層は前記膨
張材層の側縁を超えて前記他方のカバー本体の側縁まで
達するように構成したので、1対のカバー本体を締付け
る時両カバー本体の近接が膨潤材層によって妨げられる
ことがなく、従って防食構造体を充分な締付力によって
水中構造体の周面に嵌着させ、粘着材層を水中構造物の
周面に、その全周を水密に覆って密着させ、優れた防食
効果を発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は海中構造物に取付けられた本発明による防食構
造体を示す斜視図、第2図は同防食構造体の部分的横断
面図、第3図は同縦断面図、第4図は同防食構造体のフ
ランジ部分の横断面図で締付前の状態を示す図面、第5
図は締付後の状態を示す第4図と同様な図面、第6図は
従来の防食構造体におけるガスケットを示す横断面図で
ある。 1……杭、2……防食構造体、3……カバー本体、4…
…膨潤材層、5……粘着材層、6……フランジ、7……
ガスケット、8……ボルト、9……補強部、10……導水
孔、11……導水溝、12……ナット。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水中に打設される杭等の水中構造物の表面
    に嵌着させて該水中構造物の腐食を防止する防食構造体
    であって、それぞれ半割り状の円筒体から成る1対のカ
    バー本体の各内周面に膨潤材層と粘着材層とを順次設
    け、かつ前記1対のカバー本体の互いに対向する側縁部
    にそれぞれ半径方向外方へ突出したフランジを設け、こ
    れらのフランジ間にガスケットを介在させて両者を締付
    けることにより、前記水中構造物の周面に密着させるよ
    うにしたものにおいて、前記フランジを互いに締付ける
    前に、一方のカバー本体の前記膨潤材層の側縁と他方の
    カバー本体の側縁との間にはすくなくとも前記ガスケッ
    トの締代に見合う周方向の間隙が存在するが、該一方の
    カバー本体の前記粘着材層は前記膨潤材層の側縁を超え
    て前記他方のカバー本体の側縁まで達するように構成し
    たことを特徴とする防食構造体。
  2. 【請求項2】前記ガスケットを前記フランジの外端縁を
    超えて外側まで突出させたことを特徴とする特許請求の
    範囲第1項記載の防食構造体。
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CN109837890B (zh) * 2019-03-29 2020-09-29 遵义师范学院 桩基加固防护装置
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