JP2564088B2 - 中空材複数本同時押出用の押出工具 - Google Patents

中空材複数本同時押出用の押出工具

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JP2564088B2
JP2564088B2 JP5104292A JP10429293A JP2564088B2 JP 2564088 B2 JP2564088 B2 JP 2564088B2 JP 5104292 A JP5104292 A JP 5104292A JP 10429293 A JP10429293 A JP 10429293A JP 2564088 B2 JP2564088 B2 JP 2564088B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、アルミニウム等の金
属製中空材を複数本同時押出するのに用いられる押出工
具に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、図8(イ)に示されるような熱
交換器用のアルミニウム製多孔チューブ材(T)の押出
加工においては、その生産性向上のため、同時に複数本
のチューブ材(T)を押出加工しうる構造の押出工具が
使用される傾向にある。
【0003】このような押出工具として、従来、図9
(イ)(ロ)に示されるような押出工具(51)が用いら
れていた。
【0004】この押出工具(51)は、雌型(52)、雄型
(53)、流れ制御用金型部材(54)、バッカー(55)等
を備えている。
【0005】雌型(52)は、チューブ材(T)の外周形
状を成形する偏平な成形孔(56)(56)を、複数個、雌
型(52)の中心軸線から側方に偏心した状態に有してい
る。
【0006】また、雄型(53)は、複数個の中子(57)
(57)と、該中子(57)(57)を保持する保持用金型部
材(58)とを備えている。各中子(57)は、その先端部
に櫛歯状の中空成形部(59)を有し、かつ、基端部両側
縁に側方に突出する支承用耳(60)(60)が一体に設け
られたものとなされている。また、中子保持用金型部材
(58)は、そのブリッジ部(61)に、前後方向に貫通す
る偏平な中子保持孔(62)(62)を、複数個、雄型(5
3)の中心軸線から側方に偏心した状態に有するものと
なされている。そして、各中子(57)(57)は、中子保
持用金型部材(58)の中子保持孔(62)(62)のそれぞ
れに挿入され、その耳(60)(60)が中子保持孔(62)
内の段部(63)(63)に支承されることにより、その中
空成形部(59)が、前方に突出され成形凸部を構成した
状態に、保持用金型部材(58)に保持されている。
【0007】そして、上記雌型(52)と雄型(53)とが
組み合わされ、各中子(57)(57)の中空成形部(59)
(59)と、雌型(52)の各成形孔(56)(56)との間
に、チューブ材(T)の横断面形状に対応する、複数個
の成形隙間(64)(64)が形成されるものとなされてい
る。
【0008】なお、流れ制御用金型部材(54)は、押出
方向において、雄型(53)の後部に組み合わされ、バッ
カー(55)は、雌型(52)の前部に組み合わされる。
【0009】この押出工具(51)は、押出機の、例えば
コンテナの前部にセットされ、ビレット金属等の押出材
料が、流れ制御用金型部材(54)内を通過し、雄型(5
3)内に入り、そして、各成形隙間(64)(64)を通過
することにより、チューブ材(T)(T)となって、複
数本同時に、前方に押出されていく。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の押出工具(51)では、押出中、押出工具
(51)の後部に図9(イ)に矢印で示されるような押出
材料からの圧力を受け、そのため、押出工具(51)に同
図に仮想線にて示されるように撓みを生じ、その結果、
中子(57)の中空成形部(59)と雌型成形孔(56)との
間で芯ずれを生じて、押出加工されたチューブ材(T)
(T)に、図8(ロ)に示されるように、偏肉を生じ、
寸法精度の良好なチューブ材(T)(T)が得られない
という問題があった。しかも、この撓みは、押出時の押
出材料の種類、温度等によって、様々に変化し、一定し
たものではなかった。
【0011】この発明は、上記のような従来の問題点に
鑑み、押出中、各雄型成形凸部と各雌型成形孔とを高精
度の芯合わせ状態に保つことができ、寸法精度に優れた
複数本の中空材を同時押出することができる押出工具を
提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的において、第1
発明は、中空材の外周部を成形する複数個の成形孔が設
けられた雌型が備えられると共に、該雌型の押出方向後
端面に、各成形孔と同芯状に、雄型取付け用の凹部が設
けられ、かつ、各凹部のそれぞれに、中空材の内周部を
成形する成形凸部を備えた小雄型が緊密状態に嵌合され
て、各小雄型が雌型と一体化されてなることを特徴とす
る中空材複数本同時押出用の押出工具を要旨とする。
【0013】また、第2発明は、上記第1の発明におい
て、雌型の後部に、流れ制御用の金型部材が、各小雄型
との間にクリアランスをおいて非接触状態となる態様に
おいて、配置されてなる中空材複数本同時押出用の押出
工具を要旨とする。
【0014】また、第3発明は、上記第1の発明におい
て、ノックピンが、小雄型と雌型とにわたる態様におい
て、緊密状態に通され、同小雄型及び雌型に一体化され
ている中空材複数本同時押出用の押出工具を要旨とす
る。
【0015】また、第4発明は、上記第1の発明におい
て、小雄型が、先端に成形凸部となる中空成形部を有す
ると共に、側面部に支承孔又は支承凹部が設けられた中
子と、該中子の支承孔又は支承凹部に外方突出状態に配
置される支承ピン等による支承片と、ブリッジ部に中子
保持孔が設けられ、該中子保持孔がその内部に押出方向
後方側に面した支承用段部を有する中子保持用金型部材
と、を備え、前記中子が、その支承孔又は支承凹部に挿
入配置された中子支承用の支承片の外方突出部を保持用
金型部材の保持孔内支承段部に支承せしめた状態に、同
金型部材の保持孔に挿入配置されてなる中空材複数本同
時押出用の押出工具を要旨とする。
【0016】また、第5発明は、上記第1の発明におい
て、雌型が、前記成形孔を有するベアリングチップと、
該ベアリングチップを保持する保持用金型部材とに分割
構成され、該ベアリングチップが成形孔のベアリング長
さに対応する、ないしは略対応する肉厚の薄肉平板材か
らなる中空材複数本同時押出用の押出工具を要旨とす
る。
【0017】
【作用】上記第1発明では、雌型の押出方向後端面に、
その各成形孔と同芯状に、雄型取付け用の凹部が設けら
れ、かつ、各凹部のそれぞれに、成形凸部を備えた小雄
型が緊密状態に嵌合されて、各小雄型が雌型と一体化さ
れているものであることにより、各小雄型と雌型とが、
成形凸部と成形孔とによって形成される成形隙間の近く
で一体化されることとなり、押出中に押出材料からの圧
力が押出工具に作用して押出工具に撓みを生じても、成
形凸部と成形孔とが高精度の芯合わせ状態に保たれ、寸
法精度良好な複数本の中空材が同時押出される。
【0018】また、第2発明では、雌型の後部に、流れ
制御用の金型部材が、各小雄型との間にクリアランスを
おいて非接触状態となる態様において、配置されてなる
ものであることにより、流れ制御用の金型部材を使用す
る場合に、押出中における同流れ制御用の金型部材と小
雄型との干渉も排除されて、いよいよ、成形凸部と成形
孔とが高精度の芯合わせ状態に保たれ、寸法精度良好な
複数本の中空材が同時押出される。
【0019】また、第3発明では、ノックピンが、小雄
型と雌型とにわたる態様において、緊密状態に通され、
同小雄型及び雌型に一体化されていることにより、小雄
型と雌型とが更に一層強固に一体化され、押出中に押出
材料からの圧力によって押出工具に撓みを生じても、成
形凸部と成形孔とが一層高精度の芯合わせ状態に保た
れ、寸法精度良好な複数本の中空材が同時押出される。
【0020】また、第4発明では、小雄型を、中子と中
子保持用金型部材とに分割構成した場合において、該中
子を同保持用金型部材にいわゆるピン支持構造により支
承保持したものであることにより、保持用金型部材への
中子の保持のため、中子には、支承孔又は支承凹部を加
工するだけでよく、中子に対する加工が容易となり、ま
た、保持強度も十分高いものとなる。
【0021】また、第5発明では、雌型が、成形孔を有
するベアリングチップと、該ベアリングチップを保持す
る保持用金型部材とに分割構成され、該ベアリングチッ
プが成形孔のベアリング長さに対応する、ないしは略対
応する肉厚の薄肉平板材からなるものであることによ
り、該ベアリングチップの製作にあたっては、平板素材
に対して所定の加工を施すだけでよく、その製作が容易
に遂行されると共に、その材料費がわずかですむ。
【0022】
【実施例】次に、この発明の押出工具の実施例を説明す
る。
【0023】実施例のかかる押出工具は、図8(イ)に
示されるような、空調用熱交換器に用いられるアルミニ
ウム製多孔チューブ材(T)の多数本同時押出用の押出
工具である。なお、本発明における押出工具は、その他
の各種中空材の多数本同時押出用として用いられうるも
のであることはいうまでもない。
【0024】一実施例にかかる、図1ないし図4に示さ
れる押出工具(1)において、(2)は雌型、(3)
(3)は小雄型、(4)は流れ制御用金型部材である。
なお、(5)はバッカーである。
【0025】雌型(2)は、チューブ材(T)の外周部
を成形するもので、(7)は保持用金型部材、(8)
(8)はベアリングチップである。
【0026】保持用金型部材(7)は、ベアリングチッ
プ(8)(8)を保持するもので、収容用金型部材
(9)と、バックアップ用金型部材(10)(10)とから
なる。
【0027】収容用金型部材(7)は、ベアリングチッ
プ(8)(8)及びバックアップ用金型部材(10)(1
0)を収容すると共に、小雄型(3)(3)の取付けの
対象ともなるもので、比較的大きな円盤状の金型部材か
らなり、その軸芯部から側方に偏心した位置において、
左右対象に2個、段付き孔(12)(12)が設けられてい
る。
【0028】これらの段付き孔(12)(12)はそれぞ
れ、内部の段面(13)を介して、押出方向前方側が径小
に形成されて、バックアップ用金型部材(10)及びベア
リングチップ(8)を収容する収容孔(14)として用い
られるものとなされ、また、押出方向後方側が相対的に
径大に形成されて、小雄型(3)を取り付けるための円
形凹部(15)として用いられるものとなされている。
【0029】また、内部段面(13)には、周方向に複数
個のノックピン差込み孔(17)…が設けられている。な
お、収容孔(14)の内周には、回り止め用のキー突起が
設けられている。
【0030】バックアップ用金型(10)は、ベアリング
チップ(8)を押出方向前方側から支持するもので、収
容用金型(9)の収容孔(14)内に、ベアリングチップ
(8)配置スペースを残した状態に、密接状態に収容さ
れ、焼嵌め等により収容用金型(9)と一体化されてい
る。なお、一体化されない場合もある。
【0031】ベアリングチップ(8)は、その軸芯部
に、チューブ材(T)の外周部を成形する長円偏平状の
成形孔(19)を有する、ベアリング長さに対応ないしは
略対応する円形状の超硬合金等による硬質の薄肉平板材
からなり、収容用金型(9)の収容孔(14)内にバック
アップ用金型部材(10)と隣接状態に配置されている。
【0032】一方、小雄型(3)(3)はそれぞれ、チ
ューブ材(T)の中空部を成形するもので、2個、用い
られている。各小雄型(3)において、(20)は中子保
持用金型部材、(21)は中子、(22)は支承片としての
支承ピンである。
【0033】保持用金型部材(20)は、中子(21)を保
持するもので、円形に形成され、内部の材料通路孔を横
断する前方退入、後方突出状のブリッジ部(23)を備
え、該ブリッジ部(23)に、前後方向に貫通する偏平な
中子保持孔(24)が設けられている。そして、該保持孔
(24)の内部には、長辺側の両面中央部に、支承ピン
(22)の端部を支承せしめる押出方向後方に面した支承
段部(25)(25)が設けられたものとなされている。
【0034】そして、各中子保持用金型部材(20)(2
0)は、その外周サイズが、上記雌型(2)側の保持用
金型部材(7)における取付け用円形凹部(15)の内周
サイズに適合するサイズに形成されて、該取付け用円形
凹部(15)内にカチコミにより緊密状態に強制嵌合さ
れ、雌型(2)と一体化されるようになされている。
【0035】また、この中子保持用金型部材(20)に
は、雌型(2)側の収容用金型部材(9)のノックピン
差込み孔(17)…に対応したノックピン差込み孔(26)
…が、その周縁部において、周方向間隔的に設けられて
いる。
【0036】中子(21)は、超硬合金等の硬質材からな
るもので、その先端部が、チューブ材(T)の中空部を
成形する櫛葉状の中空成形部(27)に形成されると共
に、基端側の側面中央部に、支承ピン(22)の貫通を許
容する円形の支承孔(28)が貫通形成されている。
【0037】支承ピン(28)は、中子(21)を保持用金
型部材(20)に保持せしめるもので、一側面が平面にカ
ットされて半円を越える円形断面に形成されると共に、
中子(21)の保持孔(24)に挿入した状態で、その両端
部が外方に突出しうる長さを有するものとなされてい
る。
【0038】小雄型(3)において、中子(21)は、そ
の支承孔(28)に支承ピン(22)が両端部突出状態に通
され、そして、保持用金型部材(20)の保持孔(24)内
に後方から挿入されて、支承ピン(22)の両端部平面側
側面が、保持孔(24)内の支承段部(25)(25)に支承
された状態にされることで、保持用金型部材(20)に保
持されている。この保持状態において、中子(21)の中
空成形部(27)は、ブリッジ部(23)の前方に突出さ
れ、小雄型(3)における成形凸部を形成している。な
お、(29)は蓋板である。
【0039】そして、上記雌型(2)と、各小雄型
(3)(3)とは、ノックピン(30)…を小雄型(3)
側のノックピン差込み孔(26)…及び雌型(2)側のノ
ックピン差込み孔(17)…に緊密状態にカチコミにより
強制嵌合しつつ、各小雄型(3)(3)を雌型(2)の
取付け用凹部(15)(15)内に同じくカチコミにて強制
嵌合することにより、組み合わせ一体化されている。
【0040】流れ制御用金型部材(4)は、雌雄両型
(2)(3)(3)の後部に組み付けられ、コンテナな
どからの押出材料の流れを調整して、該調整した押出材
料を雌雄両型(2)(3)内に送るもので、内部に材料
流通孔(31)が設けられている。そして、該流れ制御用
金型部材(4)の押出方向前端面には、各小雄型(3)
(3)の後端部を収容する凹部(32)(32)が設けら
れ、各収容凹部(32)(32)は、組付け状態において、
小雄型(3)(3)との間にクリアランス(33)をおい
て非接触状態を保持しうるよう、その内部スペースが広
めに確保されている。
【0041】上記のように構成された押出工具(1)で
は、これを用いて、複数本のチューブ材(T)の同時押
出を行うと、押出中、押出工具(1)の後部から受ける
ビレット金属等の押出材料による圧力を受けて押出工具
(1)に撓みを生じる。
【0042】しかし、この押出工具(1)は、雄型とし
て複数個の小雄型(3)(3)構成を採用し、これら小
雄型(3)(3)を、雌型(2)における各成形孔(1
9)(19)に対応して設けられた取付け用凹部(15)(1
5)に強制嵌合し、雌型(2)に対して緊密状態に一体
化したものとなされているから、各小雄型(3)(3)
が、対応する各成形孔(19)(19)の近傍において雌型
(2)と一体化され、上記のように押出中に押出工具
(1)に撓みを生じたとしても、各小雄型(3)(3)
における中空成形部(27)と、雌型(2)における成形
孔(19)との間の芯合わせ状態は、芯ずれのない良好な
ものに維持され、その結果、偏肉のない図8(イ)に示
されるような寸法形状精度高い複数本のチューブ材
(T)…を、同時押出することができる。
【0043】また、各小雄型(3)(3)と雌型(2)
とは、ノックピン(30)によっても一体化されているか
ら、中空成形部(27)と成形孔(19)との芯合わせ状態
を、押出中、より一層、芯ずれのない適正なものに保持
することができる。
【0044】更に、流れ制御用金型部材(4)が、各小
雄型(3)(3)と非接触状態において組み付けられた
ものとなされているから、押出中の押出工具(1)の撓
みに起因する流れ制御用金型部材(4)と各小雄型
(3)(3)との干渉が回避され、中空成形部(27)と
成形孔(19)との芯合わせ状態を、押出中、更に一層、
芯ずれのない適正なものに保持することができる。
【0045】また、上記押出工具(1)では、小雄型
(3)における中子(21)の支持構造として、支承ピン
(22)によるいわゆるピン支持構造を採用しているか
ら、中子支承のためになされる中子(21)への加工は、
支承孔(28)の加工だけでよく、押出の繰返しに起因し
た摩耗による頻繁な中子(21)(21)の交換の必要性の
もとで、図9に示されるような耳(60)(60)付きの中
子構造による場合に比べて、中子(21)をコスト的に非
常に有利に製作することができると共に、支承強度も非
常に高いものにすることができる。
【0046】更に、上記押出工具(1)では、雌型
(2)におけるベアリングチップ(8)が、ベアリング
長さに対応する薄肉平板材によるものとなされているか
ら、同じく交換頻度の高いベアリングチップにおいて、
その製作を容易に遂行することができると共に、その材
料費も低減し得て、コスト的に有利にベアリングチップ
(8)の交換を行うことができる。
【0047】図5に示される変形例は、雌型(2)にお
いて、円筒状のガイト兼配置用金型部材(35)が使用さ
れ、これが、バックアップ用金型部材(10)に隣接して
収容用金型部材(9)内に適合状態に配置されたものと
なされている。そして、該ガイト兼位置決め用金型部材
(35)の中心孔は、押出方向後方側において、同後方に
向けてテーパー状に拡げられたガイド孔部(36)に形成
されると共に、押出方向前方側において、長さ方向に径
が一定の配置孔部(37)に形成され、ガイド孔部(36)
を通じて、ベアリングチップ(8)の出入れを行い、配
置孔部(37)内に同チップ(8)が配置されるようにな
されている。このような構成の採用により、ベアリング
チップ(8)を所定の適正配置状態に配置しうると共
に、ベアリングチップ(8)の交換も能率良く、かつ、
スムーズに遂行することができる等の効果を発揮しう
る。
【0048】図6に示される変形例は、同じく雌型
(2)において、ベアリングチップ(8)の、押出方向
後端面に、おさえ用のリング状金型部材(39)を隣接配
置し、これにより、該金型部材(39)にてベアリングチ
ップ(8)の後端面をおさえるようにしたものとなされ
ている。
【0049】図7に示される変形例は、小雄型(3)
(3)の全体が雌型(2)における取付け用凹部(15)
内に収容されるようになされ、流れ制御用金型部材
(4)に対する小雄型収容用凹部の形成を省略しても、
各小雄型(3)(3)と流れ制御用金型部材(4)との
間に、これら両者の非接触状態を保持するクリアランス
(33)が形成されるようになされたとして構成されてい
る。
【0050】以上にこの発明の実施例を説明したが、本
発明の押出工具は、上記実施例のように2本同時押出タ
イプに構成される他、4本同時押出等の複数本同時押出
タイプに構成されてもよいことはいうまでもない。ま
た、上記実施例では、小雄型(3)における中子(21)
の支持のため、該中子(21)に貫通状の支承孔(28)が
設けられたものとなされているが、有底の支承凹部とし
て、形成するようにしてもよい。更に、上記実施例で
は、小雄型(3)における中子(21)の支持用の支承片
として、支承ピン(22)を用いているが、支承球等の各
種構成態様の支承片が用いられてもよい。
【0051】
【発明の効果】上述の次第で、第1発明にかかる押出工
具は、雌型の押出方向後端面に、その各成形孔と同芯状
に、雄型取付け用の凹部が設けられ、かつ、各凹部のそ
れぞれに、成形凸部を備えた小雄型が緊密状態に嵌合さ
れて、各小雄型が雌型と一体化されているものであるか
ら、各小雄型と雌型とが、成形凸部と成形孔とによって
形成される成形隙間の近くで一体化されることとなり、
押出中に押出材料からの圧力が押出工具に作用して押出
工具に撓みを生じても、成形凸部と成形孔とを高精度の
芯合わせ状態に保つことができ、寸法精度良好な中空材
を複数本同時押出することができる。
【0052】また、第2発明にかかる押出工具は、雌型
の後部に、流れ制御用の金型部材が、各小雄型との間に
クリアランスをおいて非接触状態となる態様において、
配置されたものであるから、流れ制御用の金型部材を使
用する場合に、押出中における同流れ制御用の金型部材
と小雄型との干渉も上記クリアランスによって排除さ
れ、いよいよ、成形凸部と成形孔とを高精度の芯合わせ
状態に保つことができ、寸法精度良好な中空材を複数本
同時押出することができる。
【0053】また、第3発明にかかる押出工具は、ノッ
クピンが、小雄型と雌型とにわたる態様において、緊密
状態に通され、同小雄型及び雌型に一体化されているも
のであるから、小雄型と雌型とが更に一層強固に一体化
され、押出中に押出材料からの圧力によって押出工具に
撓みを生じても、成形凸部と成形孔とを一層高精度の芯
合わせ状態に保つことができ、寸法精度良好な中空材を
複数本同時押出することができる。
【0054】また、第4発明にかかる押出工具は、小雄
型を、中子と中子保持用金型部材とに分割構成した場合
において、該中子を同保持用金型部材にいわゆるピン支
持構造により支承保持したものであるから、保持用金型
部材への中子の保持のため、中子には、支承孔又は支承
凹部を加工するだけでよく、摩耗等により交換頻度の高
い中子において、そのような中子に対する加工を容易に
行うことができてコスト的有利性を発揮することができ
ると共に、保持用金型部材における中子の保持状態も強
固なものにすることができる。
【0055】また、第5発明にかかる押出工具は、雌型
が、成形孔を有するベアリングチップと、該ベアリング
チップを保持する保持用金型部材とに分割構成され、該
ベアリングチップが成形孔のベアリング長さに対応す
る、ないしは略対応する肉厚の薄肉平板材からなるもの
であるから、該ベアリングチップの製作にあたっては、
平板素材に対して所定の加工を施せばよく、交換頻度の
高いベアリングングチップにおいて、その製作を容易に
遂行し得うると共にその材料費を少なく抑えることがで
きて、コスト的に有利にベアリングチップの交換を行う
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例にかかる押出工具の全体断面図である。
【図2】押出工具の要部を分解状態にして示す斜視図で
ある。
【図3】小雄型の取付け状態を示す拡大断面図である。
【図4】図3のIV−IV線断面図である。
【図5】変形例にかかる押出工具の部分断面図である。
【図6】更に他の変形例にかかる押出工具の部分断面図
である。
【図7】更に他の変形例にかかる押出工具の全体断面図
である。
【図8】図(イ)は製造対象である適正なチューブ材の
断面図、図(ロ)は偏肉を生じたチューブ材の断面図で
ある。
【図9】図(イ)は従来の押出工具の全体断面図、図
(ロ)は図(イ)はIX−IX線断面矢視図である。
【符号の説明】
1…押出工具 2…雌型 3…小雄型 15…取付け用凹部 19…成形孔 27…中空成形部(成形凸部) T…チューブ材(中空材)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空材の外周部を成形する複数個の成形
    孔(19)(19)が設けられた雌型(2)が備えられると
    共に、 該雌型(2)の押出方向後端面に、各成形孔(19)(1
    9)と同芯状に、雄型取付け用の凹部(15)(15)が設
    けられ、かつ、 各凹部(15)(15)のそれぞれに、中空材の内周部を成
    形する成形凸部(27)を備えた小雄型(3)(3)が緊
    密状態に嵌合されて、各小雄型(3)(3)が雌型
    (2)と一体化されてなることを特徴とする中空材複数
    本同時押出用の押出工具。
  2. 【請求項2】 前記雌型(2)の後部に、流れ制御用の
    金型部材(4)が、各小雄型(3)(3)との間にクリ
    アランス(33)をおいて非接触状態となる態様におい
    て、配置されてなる請求項1に記載の中空材複数本同時
    押出用の押出工具。
  3. 【請求項3】 ノックピン(30)が、小雄型(3)
    (3)と雌型(2)とにわたる態様において、緊密状態
    に通され、同小雄型(3)(3)及び雌型(2)に一体
    化されている請求項1に記載の中空材複数本同時押出用
    の押出工具。
  4. 【請求項4】 前記小雄型(3)が、 先端に成形凸部となる中空成形部(27)を有すると共
    に、側面部に支承孔(28)又は支承凹部が設けられた中
    子(21)と、 該中子(21)の支承孔(28)又は支承凹部に外方突出状
    態に配置される支承ピン等による支承片(22)と、 ブリッジ部(23)に中子保持孔(24)が設けられ、該中
    子保持孔(24)がその内部に押出方向後方側に面した支
    承用段部(25)を有する中子保持用金型部材(20)と、 を備え、前記中子(21)が、その支承孔(28)又は支承
    凹部に挿入配置された中子支承用の支承片(22)の外方
    突出部を保持用金型部材(20)の保持孔(24)内支承段
    部(25)に支承せしめた状態に、同金型部材(20)の保
    持孔(24)に挿入配置されてなる請求項1に記載の中空
    材複数本同時押出用の押出工具。
  5. 【請求項5】 前記雌型(2)が、前記成形孔(19)を
    有するベアリングチップ(8)と、該ベアリングチップ
    (8)を保持する保持用金型部材(7)とに分割構成さ
    れ、該ベアリングチップ(8)が成形孔(19)のベアリ
    ング長さに対応する、ないしは略対応する肉厚の薄肉平
    板材からなる請求項1に記載の中空材複数本同時押出用
    の押出工具。
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