JP2609800B2 - 中空材の押出用ダイス - Google Patents

中空材の押出用ダイス

Info

Publication number
JP2609800B2
JP2609800B2 JP23185093A JP23185093A JP2609800B2 JP 2609800 B2 JP2609800 B2 JP 2609800B2 JP 23185093 A JP23185093 A JP 23185093A JP 23185093 A JP23185093 A JP 23185093A JP 2609800 B2 JP2609800 B2 JP 2609800B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
core
hole
holding
extrusion
male
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP23185093A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0788543A (ja
Inventor
定英 矢野
Original Assignee
有限会社矢野エンジニアリング
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 有限会社矢野エンジニアリング filed Critical 有限会社矢野エンジニアリング
Priority to JP23185093A priority Critical patent/JP2609800B2/ja
Publication of JPH0788543A publication Critical patent/JPH0788543A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2609800B2 publication Critical patent/JP2609800B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Extrusion Of Metal (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、アルミニウム等の金
属製中空材の押出用ダイスに関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム製中空材、例えば円形パイ
プ材の押出には、従来より、ポートホールダイスが広く
使用されている。
【0003】このポートホールダイスは、図22に示さ
れるように、雄型(101 )と雌型(102 )とからなる組
合わせダイスで、雄型(101 )は、円形の環状ベース部
(103 )内の軸芯部に、ブリッジ部(104 )にて、中子
(105 )が前方突出状に保持された一体構造をなしてい
る。また、雌型(102 )は、円形のベース部(110 )の
軸芯部に、成形孔(106 )が設けられたものとなされて
いる。
【0004】そして、上記雄型(101 )と雌型(102 )
とは、これら両型(101 )(102 )の対向面周縁部にそ
れぞれ設けられている環状凸段部(107 )と環状凹段部
(108 )とが嵌合されることにより、芯合わせ状態にさ
れ、雄型中子(105 )と雌型成形孔(106 )とが芯合わ
せ状態となり、それらの間に成形隙間(109 )が形成さ
れるようになされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ポートホールダイスでは、雄型中子(105 )と雌型成形
孔(106 )との芯合わせのための嵌合位置が、環状凹段
部(108 )と環状凸段部(107 )の存在する雌雄各ベー
ス部(103 )(110 )の外周縁部の位置であるため、芯
合わせ嵌合位置が成形隙間(109 )の位置から遠く、そ
のため、押出中にダイス後方から作用する押出圧力によ
ってダイスに撓みを生じたような場合、中子(105 )と
成形孔(106 )との芯合わせ精度に狂いを生じてしま
い、偏肉を生じるなどして寸法精度の高い中空材が得ら
れない場合があるという問題があった。
【0006】また、上記のポートホールダイスにおい
て、雄型(101 )は、環状ベース部(103 )とブリッジ
部(104 )と中子(105 )とが一体の構造であるから、
中子(105 )の先端ベアリング部(105a)が押出によっ
て摩耗し、その交換をする場合に、雄型(101 )の全体
を新たなものに交換しなければならず、交換コストが高
いものになるという問題があった。
【0007】上記のような従来の問題点に鑑み、この発
明は、偏肉等のない高い寸法精度の中空材を押出加工す
ることができ、しかも、摩耗等によるダイス交換コスト
の低減を図ることができる押出ダイスを提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的において、第1
発明は、中空材の中空部を成形する雄型ベアリング部を
先端側に有する中子と、環状ベース部と、中子保持用の
孔部が押出方向前方に開口される態様において設けられ
た中子保持部と、該中子保持部を環状ベース部に保持せ
しめるブリッジ部とを一体に有する雄型ホルダーと、中
空材の外周部を成形するベアリング孔を有する小雌型
と、が備えられ、中子の基端側が、雄型ホルダーの中子
保持部の保持用孔部内に嵌合されて、焼嵌めにより中子
が中子保持部と一体化されると共に、押出中における中
子の押出方向への抜けを阻止する中子抜止め手段が備え
られ、かつ、小雌型が環状ベース部内に嵌合されて組み
込まれ、焼嵌めにより小雌型が環状ベース部と一体化さ
れてなることを特徴とする中空材の押出用ダイスを要旨
とする。
【0009】また、第2発明は、上記第1発明におい
て、中子抜止め手段として、前記中子保持部の押出方向
前端部がブリッジ部よりも押出方向前方に突出されて、
該中子保持部の前端部に筒状突出部が形成され、該筒状
突出部に押出方向に指向してスリットが形成されること
により、該筒状突出部が半径線方向内方に変形しうるよ
うになされ、かつ、該筒状突出部の内面と、中子保持用
孔部に嵌合されて筒状突出部の内面と対向する中子の外
周面とにそれぞれ、凹凸による抜止め用係合部が設けら
れ、押出中に筒状突出部の外周面に作用する押出材料か
らの圧力により筒状突出部が半径線方向内方に変形され
ることによって、抜止め用係合部同士が係合され、中子
の押出方向への抜けが阻止されるものとなされているも
のが採用されている中空材の押出用ダイスを要旨とす
る。
【0010】第3発明は、上記第1発明において、中子
抜止め手段として、中子がボルト等の締結部材により中
子保持部に保持された構造が採用されている押出用ダイ
スを要旨とする。
【0011】第4発明は、上記第1発明において、中子
抜止め手段として、中子の基端側の周側面に支承片嵌合
孔又は凹部が設けられ、該支承片嵌合孔又は凹部に支承
片の一部が嵌合され、該支承片の側方突出部が中子保持
部に支承された構造が採用されている押出用ダイスを要
旨とする。
【0012】第5発明は、上記第1発明において、中子
保持部に押出方向に指向した貫通孔が設けられ、該貫通
孔内に押出方向前方に面した中間段が設けられて該中間
段を挾んで押出方向前方側に中子保持用の大孔部が設け
られると共に、該中間段を挾んで押出方向後方に小孔部
が設けられ、中子の後端面が中間段に当接された状態
で、中子の後端面の一部がポンチ等の打ち面として小孔
内に面するようになされている中空材の押出用ダイスを
要旨とする。
【0013】
【作用】上記第1発明では、雄型は、中子と雄型ホルダ
ーとに分割構成されていることにより、摩耗等によるダ
イス交換に際しては、中子のみを交換して雄型ホルダー
はそのまま使用でき、従って、ダイス交換コストが低減
される。
【0014】また、小雌型が雄型ホルダーの環状ベース
部内に嵌合されて組み込まれた構造であることにより、
中子と成形孔との芯合わせのための嵌合位置が、雄型ホ
ルダーの環状ベース部の内周面位置となって、芯合わせ
嵌合位置が成形隙間の位置に近くなり、そのため、押出
中にダイス後方から作用する押出圧力によってダイスに
撓みを生じたような場合でも、中子と成形孔との芯合い
状態のずれが抑制され、偏肉等の少ない寸法精度の高い
中空材が押出加工される。
【0015】しかも、環状ベース部とブリッジ部と中子
保持部とを一体に有する雄型ホルダーにおいて、その中
子保持部に中子が嵌合されると共に、同雄型ホルダーの
環状ベース部に小雌型が嵌合された構造、即ち、一体成
形品に中子と小雌型のための両保持嵌合部が設けられた
構造であることにより、両嵌合部を、高い芯合い精度に
おいて加工形成することができ、従って、このような各
嵌合部のそれぞれに中子、小雌型が嵌合されることで、
中子と小雌型とが芯合わせ精度高く雄型ホルダーに嵌合
され、偏肉等の少ない高い寸法精度の中空材が押出加工
される。
【0016】加えて、中子と小雌型とはそれぞれ雄型ホ
ルダーの各保持部に嵌合され焼嵌めにより一体化されて
いることにより、中子と小雌型とがそれぞれ雄型ホルダ
ーと芯合い精度高く組合わされ、中子と成形孔との芯合
い精度が向上されて、偏肉等の少ない寸法精度の高い中
空材が押出加工される。
【0017】更に、中子抜止め手段が備えられているこ
とにより、押出中に押出材料の付勢作用により中子が抜
けてしまうのも確実に防止される。いわば、焼嵌めの主
たる目的は、中子と小雌型との芯合わせのためのもので
あり、そのため、焼嵌めだけでは十分な抜止め効果が確
保できない場合があり、中子抜止め効果を十分なものに
すべく、焼嵌めと併せて中子抜止め手段が採用されてい
る。
【0018】第2発明では、この中子抜止め手段とし
て、押圧・係合作用による抜止め構造が採用されている
ことにより、押出中における中子の抜けは次のようにし
て防止される。即ち、中子を雄型ホルダーの中子保持部
の保持用孔部に嵌合し焼嵌めした状態で、これを押出に
使用すれば、筒状突出部が押出材料からの圧力を受け
て、スリットの作用により、該筒状突出部が内方に変形
され、これによって筒状突出部側の係合部と中子側の係
合部とが係合される。この抜止め用係合部同士の係合作
用により、押出方向前方への中子の抜けが確実に防止さ
れる。
【0019】このような押圧・係合作用による中子抜止
め手段の採用により、中子を雄型ホルダーの中子保持部
の保持用孔部に嵌合するだけで、あとはこれを押出に使
用すれば、押出材料からの圧力によって自動的に中子抜
止め状態が形成され、中子の組付け作業も簡易かつ容易
である。
【0020】しかも、このような押圧・係合作用による
中子抜止め手段の採用により、ダイスへの加工は、筒状
突出部周壁へのスリットの加工と、筒状突出部内周部及
び中子への係合部の加工のみでよく、製作容易にかつコ
スト的にも有利に、中子抜止め手段が形成される。
【0021】第3発明では、中子抜止め手段として、中
子がボルト等の締結部材により中子保持部に保持された
構造が採用されていることにより、中子のしっかりとし
た確実な抜止め状態が形成される。しかも、締付け量の
調整なども可能で、中子が、非常に安定した抜止め状態
に保持される。また、コスト的に有利に製作される。
【0022】第4発明では、中子抜止め手段として、中
子の基端側の周側面に支承片嵌合孔又は凹部が設けら
れ、該支承片嵌合孔又は凹部に支承片の一部が嵌合さ
れ、該支承片の側方突出部が中子保持部に支承された構
造が採用されていることにより、しっかりとした確実な
抜止め状態に中子が保持される。
【0023】しかも、支承片の一部を中子の支承片嵌合
孔又は凹部に嵌合し、該支承片の側方突出部を中子保持
部に支承させた状態にするだけで中子抜止め状態が形成
され、中子の組付け作業も簡易かつ容易である。
【0024】加えて、中子の基端側の周側面に支承片嵌
合孔又は凹部を加工すること、及び支承片を製作するこ
とで、中子抜止め機能をもったダイスが得られ、このよ
うなダイスの加工製作が容易にかつコスト的に有利に遂
行される。
【0025】第5発明では、中子保持部に押出方向に指
向した貫通孔が設けられ、該貫通孔内に押出方向前方に
面した中間段が設けられて該中間段を挾んで押出方向前
方側に中子保持用の大孔部が設けられると共に、該中間
段を挾んで押出方向後方に小孔部が設けられ、中子の後
端面が中間段に当接された状態で、中子の後端面の一部
がポンチ等の打ち面として小孔内に面するようになされ
ていることにより、中子組付け時には、中子の後端面を
中間段に当接せしめて中子の位置決めがなされると共
に、中子の取出し時には、貫通孔内に後方からポンチ等
の工具を差し込み、該工具をたたく等することで、容易
に中子が取り出される。
【0026】
【実施例】次に、この発明の実施例を説明する。
【0027】本実施例ダイスは、中空材を複数本同時に
押出する複数本同士押出タイプのダイスに構成されてい
る。そして、押出の対象は、アルミニウム製の円形パイ
プ材である。なお、ダイスは、複数本同時押出タイプで
なく通常の1本押出タイプに構成されてよい。また、押
出の対象も、円形パイプ材に限らず、その他各種横断面
形状、各種金属製の中空材であってよい。
【0028】図1〜図8には第1実施例にかかるダイス
を示す。本実施例ダイスにおいて、(1)はホルダー用
金型部材、(2)は流れ制御用金型部材、(3)はバッ
カー、(4)(4)は雄型、(5)(5)は小雌型であ
る。
【0029】雄型(4)において、(7)は中子、
(8)は雄型ホルダーである。
【0030】中子(7)は、超硬合金、セラミックス等
の硬質材にて製作されたもので、図2等に示されるよう
に、長さ方向中間部先端寄りの位置に、押出方向後方に
面した環状の段(9)が設けられ、該環状段(9)を挾
んで押出方向前側が径大な成形凸部(10)に、同環状段
(9)を挾んで押出方向後側が径小な嵌合部(11)に形
成されている。そして、成形凸部(10)の外周面には、
中空材の中空部を成形するベアリング部(12)が設けら
れている。また、径小な嵌合部(11)の外周面には、環
状段(9)に隣接した位置において、環状の係合凹部
(13)が形成されている。また、この中子(7)の軸芯
部には、貫通孔(14)が形成されている。
【0031】雄型ホルダー(8)は、ダイス鋼等の鋼材
にて製作されたもので、図3等に示されるように、円形
の環状ベース部(15)と、中子保持部(16)と、ブリッ
ジ部(17)…とを一体に有する。
【0032】ブリッジ部(17)…は、環状ベース部(1
5)よりも押出方向後方に突出して備えられ、十字状を
なして環状ベース部(15)にわたされている。そして、
この十字状ブリッジ部(17)の中心部に中子保持部(1
6)が保持されされている。この保持状態において、中
子保持部(16)の先端部は、図2ないし図4に示される
ように、環状ベース部(15)よりも押出方向後方に位置
され、かつ、ブリッジ部(17)よりも前方に突出された
状態にされている。
【0033】この中子保持部(16)は、図2に示される
ように、その軸芯部に貫通孔(19)を有し、この貫通孔
(19)内の中央部には、押出方向前方に面した環状段
(20)が設けられ、この環状段(20)を挾んで押出方向
前側が、径大な中子保持用孔部(21)に形成され、この
中子保持用孔部(21)に中子(7)の嵌合部(11)が適
合状態に嵌合されるようになされている。
【0034】環状段(20)は、中子保持用孔部(21)内
における中子(7)の位置決めに供されるもので、この
環状段(20)に中子(7)の後端面が当接されることに
より、中子(7)のベアリング部(12)が、環状ベース
部(15)の押出方向後端面近傍の所定の位置に位置設定
されるようになされている。
【0035】また、中子保持部(16)に形成されている
上記保持用孔部(21)により、中子保持部(16)の先端
部は、ブリッジ部(17)よりも前方に突出した筒状突出
部(22)に形成されている。
【0036】この筒状突出部(22)の内周面には、図4
及び図5に示されるように、所定幅の環状溝(23)が形
成され、該環状溝(23)の形成により、該筒状突出部
(22)の先端内周部に、環状の係合凸部(24)が形成さ
れている。
【0037】そして、該筒状突出部(22)の周壁には、
その先端から押出方向後方に向かうスリット(25)…が
複数本、例えば4本、周方向に等間隔的に、切込み形成
され、押出中に筒状突出部(22)の外周面に受ける押出
材料からの圧力によって、該筒状突出部(22)の先端部
が内方に変形され、環状係合凸部(24)が内方に変位さ
れるようになされている。
【0038】この筒状突出部(22)の先端面(26)は、
図5に示されるように、中子(7)の組付け状態におい
て、中子(7)の環状段(9)と近接状態に対向される
ようになされており、そのため、内方への筒状突出部
(22)の変形時に、該先端面(26)が中子(7)の環状
段(9)に対しひっかかりを生じることがありうること
から、該筒状突出部(22)の先端面(26)は、半径線方
向外方に向けて押出方向後方に若干角度、傾斜して形成
されている。
【0039】また、図2及び図8に示されるように、中
子保持部(16)の貫通孔(19)において環状段(20)を
挾んで押出方向後側は、ポンチ等の工具を挿入する工具
挿入用孔部(27)であり、その直径が、中子(7)の貫
通孔(14)の直径よりも大きく設計されて、中子(7)
を中子保持用孔部(21)に嵌合配置した状態で、中子
(7)の後端面の内周側の周端部がこの径小なポンチ抜
き孔部(27)内に面するようにされ、この面(28)が、
ポンチ等の工具(29)の打ち面となるようにされてい
る。
【0040】小雌型(5)は、超硬合金、セラミックス
等の硬質材にて製作されたもので、図2及び図3に示さ
れるように、短円柱状をなす。その高さは雄型ホルダー
(8)の環状ベース部(15)と同じ高さで、かつ、環状
ベース部(15)内に適合状態に嵌合される外周サイズを
有するものに形成されている。そして、この小雌型
(5)の軸芯部には、押出方向後端面位置において、中
空材の外周部を成形する成形孔ベアリング部(30)が形
成されると共に、該成形孔ベアリング部(30)に連通し
てレリーフ孔部(31)が形成されている。
【0041】なお、(35)は蓋体であり、雄型ホルダー
(8)の中子保持部(16)の工具挿入孔部(27)内に後
方より挿入配置されて、押出中、押出材料が中子保持部
(16)の貫通孔(19)内に侵入するのを防ぐ。
【0042】ホールド用金型部材(1)は、雌雄両型を
2組保持するもので、ダイス鋼等の鋼材にて大型円盤状
に製作され、図1、図2及び図6(ロ)に示されるよう
に、対応する2つの円形ホールド孔(32)(32)が隣り
合って貫通状態に設けられている。このホールド孔(3
2)の軸線方向中間部には、押出方向前方に面した環状
の段(33)が形成され、該ホールド孔(32)内に配置さ
れる雄型ホルダー(4)の環状ベース部(15)の押出方
向後端面周縁部がこの環状段(33)に当接されて両者間
に材料洩れ防止用のシールが形成されるようになされて
いる。このホールド状態において、雄型ホルダー(8)
の環状ベース部(7)の前端面がホールド用金型部材
(1)の押出方向前端面に略面一になるようなされてい
る一方で、同雄型ホルダー(8)のブリッジ部(17)は
ホールド用金型部材(1)から押出方向後方に突出され
た状態となるようにされている。なお、このホールド用
金型部材(1)の後面周縁部には、流れ制御用金型部材
(2)を芯合わせ状態に嵌合させる環状の凸段部(34)
が形成されている。
【0043】流れ制御用金型部材(2)は、ダイス鋼等
の鋼材によって製作された大型円盤状の金型部材で、コ
ンテナなどからの押出材料の流れを調整する。そして、
図6(イ)に示されるように、片側に4つづつ、合計8
つの相独立した材料流通孔(37)…がブリッジ部(36)
…に分断されて設けられ、これらブリッジ部(36)…が
雄型ホルダー(8)のブリッジ部(17)…と対応して位
置されるようになされている。そして、この流れ制御用
金型部材(2)の押出方向前面には、各雄型ホルダー
(8)(8)の位置に対応して、収容凹部(38)(38)
が設けられ、流れ制御用金型部材(2)をホールド用金
型部材(1)の後部に組合わせた状態で、各収容凹部
(38)(38)内に雄型ホルダー(8)のブリッジ部(1
7)が所定の隙間をおいて流れ制御用金型部材(2)と
非接触状態を保持して収容されるものとなされている。
【0044】なお、流れ制御用金型部材(2)の前面周
縁部には、その全周にわたって環状の嵌合凹段部(39)
が設けられ、ホールド用金型部材(1)の凸段部(34)
と嵌合されて、両金型部材(1)(2)同士が芯合わせ
状態に組み合わされるようになされている。
【0045】バッカー(3)は、ダイス鋼等の鋼材にて
製作されたもので、小雌型(5)(5)の外周サイズよ
りも小さなレリーフ孔(40)が成形隙間(44)と同芯状
態となるように設けられ、ホールド用金型部材(1)の
押出方向前側に組み付けられた状態で、押出中、中空材
の前方移行を許容しながら、雄型ホルダー(8)と小雌
型(5)とを前方側から支えるように機能する。そし
て、図1、図2及び図7に示されるように、レリーフ孔
(40)(40)の周囲には、雄型ホルダー(8)(8)の
ノックピン孔(41)…と同芯状態にノックピン孔(42)
…が形成され、雄型ホルダー(8)の環状ベース部(1
5)がノックピン(43)にてバッカー(3)に位置決め
状態に連接されるようになされている。
【0046】ダイスは、上記各ダイス構成部材が、次の
ように組み合わされて構成されている。即ち、中子
(7)の嵌合部(11)が、雄型ホルダー(8)の中子保
持部(16)の保持用孔部(21)内に押出方向前方側から
嵌合され、該中子(7)の後端面が環状段(20)に当接
されている。また、小雌型(5)は、その成形孔ベアリ
ング部(30)を押出方向後方側に位置させた状態で、雄
型ホルダー(8)の環状ベース部(15)内に嵌合されて
組み込まれている。そして、焼嵌めにより、中子(7)
と小雌型(5)とが雄型ホルダー(8)と一体化されて
いる。これにより、小雌型(5)の成形孔ベアリング部
(30)は、環状ベース部(15)の押出方向後端面位置に
位置され、中子(7)のベアリング部(12)は、成形孔
ベアリング部(30)内に配置され、中子ベアリング部
(12)と成形孔ベアリング部(30)との間に成形隙間
(44)が、環状ベース部(15)の押出方向後端面位置に
形成される。そして、これがもう一つ組み立てられ、こ
れらがホルダー用金型部材(1)のホールド孔部(32)
(32)内に配置され、該ホルダー用金型部材(1)が、
流れ制御用金型部材(2)、バッカー(3)と組み合わ
されている。
【0047】押出は、このようにして組立てられて構成
されたダイスを、例えば、押出機コンテナの前側にセッ
トし、押出機を作動し、ステムにてコンテナ内のアルミ
ニウムビレットに押出圧力を付与することにより行う。
この押出中、押出材料は、ブリッジ部(17)…にて分断
されてから、該ブリッジ部(17)を通過し合流圧着され
た状態で、雄型ホルダー(8)の筒状突出部(22)の外
周面に沿って流れていき、それから成形隙間(44)を通
過し、円形のパイプ材となって前方に押出されていく。
【0048】この押出時に、筒状突出部(22)は、図5
に示されるように、この押出材料からの圧力を受けて、
スリット(25)…の作用により、半径線方向内方に変位
され、係合凸部(24)が中子(7)の係合凹部(13)内
に突出されて係合状態が形成され、中子(7)は、雄型
ホルダー(8)の中子保持部(16)に抜止め状態に保持
される。
【0049】押出によって中子(7)のベアリング(1
2)に摩耗等を生じてダイス交換を要する場合には、中
子(7)を交換する。即ち、ホルダー用金型部材(1)
から雄型ホルダー(8)を取り出した状態にするなどし
て、該雄型ホルダー(8)から蓋材(35)をとり、図8
に示されるように、ポンチ等の工具(29)を、後方よ
り、雄型ホルダー(8)の工具挿入用孔部(27)に挿入
していき、工具(29)の先端部を中子(7)の後端面の
打ち面(28)に当て、該工具(29)を通じて中子(7)
の後端面を打つ。これにより、中子(7)が前方に取り
出される。
【0050】以上の説明のように、上記実施例ダイスで
は、雄型(4)が、中子(7)と雄型ホルダー(8)と
に分割構成されているから、摩耗等によるダイス交換に
際しては、中子(7)のみを交換して雄型ホルダー
(8)はそのまま使用でき、従って、ダイス交換コスト
を低減することができる。
【0051】しかも、雄型ベアリング部(12)に超硬合
金等の高価な硬質材を使用する場合に、雄型(4)の全
体でなく、中子(7)のみを超硬合金等の高価な硬質材
にすけばよいから、ダイスコストやダイス交換コストの
低減を図ることができる。
【0052】また、小雌型(5)が、雄型ホルダー
(8)の環状ベース部(15)内に嵌合されて組み込まれ
た構造であるから、中子(7)と小雌型成形孔(30)と
の芯合わせのための嵌合位置が、雄型ホルダー(8)の
環状ベース部(15)の内周面位置となって、芯合わせ嵌
合位置が成形隙間(44)の位置に近くなり、そのため、
押出中にダイス後方から作用する押出圧力によってダイ
スに撓みを生じたような場合でも、中子(7)と成形孔
(30)との芯合い状態のずれが抑制され、偏肉等の少な
い寸法精度の高い中空材を押出加工することができる。
【0053】特に、上記のような複数本同時押出タイプ
のように、偏心状態に成形隙間(44)が設けられること
となる場合には、ダイスの撓みによる中子(7)と成形
孔(30)との芯合い状態のずれを効果的に抑制し得て、
偏肉等のない寸法精度の高い中空材を生産性良く押出加
工することができる。
【0054】更に、雌型として小雌型(5)が採用さ
れ、これが雄型ホルダー(8)の環状ベース部(15)内
に組み込まれた構造となされて、成形隙間(44)が環状
ベース部(15)の押出方向後端面位置ないしはその近傍
位置に設定されているから、押出材料との接触面積が上
記した従来のポートホールダイスの場合よりも減少され
て、押出材料とダイスとの摩擦力が減少され、従来より
も低い押出圧力にて押出を遂行することができるなどの
効果も発揮される。
【0055】しかも、環状ベース部(15)とブリッジ部
(17)と中子保持部(16)とを一体に有する雄型ホルダ
ー(8)において、その中子保持部(16)に中子(7)
が嵌合されると共に、同雄型ホルダー(8)の環状ベー
ス部(15)内に小雌型(5)が嵌合された構造、即ち、
一体品(9)に、中子(7)と小雌型(5)のための両
嵌合保持部(21)(15a )が設けられた構造であるか
ら、両嵌合保持部(21)(15a )を、高い芯合い精度に
おいて加工形成することができ、従って、このような各
保持部(21)(15a )のそれぞれに中子(7)、小雌型
(5)が嵌合されることで、中子(7)と小雌型(5)
とが芯合わせ精度高く雄型ホルダー(8)に嵌合され、
偏肉等のない高い寸法精度の中空材を押出加工すること
ができる。
【0056】加えて、中子(7)と小雌型(5)とはそ
れぞれ雄型ホルダー(8)の各嵌合保持部(21)(15a
)内で焼嵌めにより雄型ホルダー(8)と一体化され
ているから、中子(7)と小雌型(5)とがそれぞれ雄
型ホルダー(8)と芯合い精度高く組合わされ、中子
(7)と成形孔(30)との芯合い精度を向上し得て、偏
肉等の少ない寸法精度の高い中空材を押出加工すること
ができる。
【0057】更に、中子抜止め手段が備えられ、この中
子抜止め手段として、上記のような押圧・係合作用によ
る抜止め構造が採用され、筒状突出部(22)の外周面が
押出材料からの押圧を受けて内方に変形し、係合凸部
(24)が中子(7)側の係合凹部(13)に嵌合されて、
中子(7)が押出中に抜止め状態に保持されるようにな
されているから、押出中における中子(7)の抜けを確
実に防止することができる。
【0058】しかも、このような押圧・係合作用による
中子抜止め構造の採用により、中子(7)を雄型ホルダ
ー(8)の中子保持部(16)の保持用孔部(21)に嵌合
するだけで、あとはこれを押出に使用すれば、押出材料
からの圧力によって自動的に中子抜止め状態が形成さ
れ、雄型ホルダー(8)への中子(7)の組付け作業も
簡易かつ容易に遂行することができる。
【0059】しかも、このような押圧・係合作用による
中子抜止め構造の採用により、そのための加工は、筒状
突出部(22)の周壁へのスリット(25)…の加工と、筒
状突出部(22)の内周部及び中子(7)への係合部(1
3)(24)の加工のみでよく、製作容易にかつコスト的
にも有利に、上記のような中子抜止め構造を形成、付加
することができる。
【0060】特に、上記実施例では、筒状突出部(22)
への環状係合凸部(24)の形成が、該筒状突出部(22)
の内周部への環状溝(23)の加工によってなされている
から、環状係合凸部(24)の形成を容易に行うことがで
きる。
【0061】しかも、いずれも環状に形成された係合部
(13)(24)同士を嵌合して抜止めを行う構造となされ
ているから、しっかりとした安定な抜止め状態を形成す
ることができる。
【0062】更に、中子保持部(16)に押出方向に指向
した貫通孔(19)が形成され、この貫通孔(19)内に押
出方向前方に面した環状の中間段(20)が設けられて、
該環状段(20)を挾んで押出方向前半部が中子保持用孔
部(21)に形成されると共に、押出方向後半部が径小な
孔部(27)に形成され、中子(7)の後端面が環状段
(20)に当接された状態で、中子(7)の後端面の一部
がポンチ等の打ち面(28)として径小孔部(27)内に面
するようになされているから、中子組付け時には、中子
(7)の後端面を環状段(20)に当接させて中子(7)
の位置決めを行うことができると共に、中子(7)の取
出し時には、蓋材(35)をとって後方からポンチ等の工
具(29)を差し込み、該工具(29)をたたく等すること
で、容易に中子(7)を取り出すことができ、中子取出
し作業を効率的に遂行することができる。
【0063】図9〜図11に示される第2実施例にかか
るダイスでは、中子(7)が、複数の部品を組合わせた
分割構造を有するものとなされている。即ち、本実施例
における中子(7)において、(50)は雄型ベアリング
部材、(51)は、このベアリング部材(50)を保持する
保持部材、(52)は取付け部材で、雄型ベアリング部材
(50)を保持部材(51)に取り付けるものである。これ
ら各部材(50)(51)(52)は超硬合金等の硬質材にて
製作されている。
【0064】雄型ベアリング部材(50)は、ベアリング
長さないしはそれよりも幾分長い肉厚のプレート状の円
形部材によるもので、その軸芯部には、貫通孔(53)が
形成されている。
【0065】保持部材(51)は、その長さ方向中間部に
押出方向後方に面した環状段(54)を有し、該環状段
(54)を挾んで押出方向後方側が径小な嵌合部(55)
に、前方側が径大な、ベアリング部材受け部(56)に形
成されている。また、この保持部材(51)の軸芯部には
貫通孔(53)と同径の貫通孔(57)が設けられている。
【0066】取付け部材(52)は、先端部に挟持用の円
板部(58a )を有する軸材(58)と、一対の支承片(5
9)(59)を備えている。この軸材(58)は、保持部材
(51)及び雄型ベアリング部材(50)の貫通孔(53)
(57)に適合状態に嵌合されるように形成され、この適
合状態での嵌合により、保持部材(51)と雄型ベアリン
グ部材(50)とが芯合わせ状態にされるようになされて
いる。また、軸材(58)の後端部外周面には、周方向に
180°位相を異にして一対の支承用凹部(60)(60)
が形成されている。
【0067】そして、保持部材(51)への雄型ベアリン
ク部材(50)の取付けは、取付け部材(52)を構成する
軸材(58)を雄型ベアリング部材(50)と保持部材(5
1)の各貫通孔(53)(57)に通して、挟持用円板部(5
8a )と保持部材(51)の受け部(56)との間に雄型ベ
アリング部材(50)を挾んだ状態となし、保持部材(5
1)の後端面から後方に突出された軸材(58)の後端部
の支承用凹部(60)(60)に支承片(59)(59)を嵌合
し、該支承片(59)(59)の側方突出部を保持部材(5
1)の後端面に支承させた状態にする。これにより、雄
型ベアリング部材(50)が保持部材(51)と軸材円板部
(58a )とに挟持状態に保持されて、全体として中子
(7)を形成する。この中子(7)は、雄型ホルダー
(8)の中子保持部(16)の中子保持用孔部(21)内に
嵌合され、保持用孔部(21)内の周壁に支承片(59)
(59)の外周部が対面されて、支承片(59)(59)が抜
止め状態に保持される。なお、この中子(7)におい
て、保持部材(51)の嵌合部(55)が、中子保持部(1
6)に対し焼嵌めされている。
【0068】このように、中子(7)が、雄型ベアリン
グ部材(50)をその独立した部品として備えた分割構造
に構成されていることにより、中子(7)のベアリング
部(12)に摩耗を生じて交換を要する場合には、この雄
型ベアリング部材(50)のみを交換すればよく、コスト
的に有利にダイス交換を行うことができる。
【0069】なお、この中子(7)の取出しも、図11
に示されるように、蓋材(35)をとり、ポンチ等の工具
(29)にて中子(7)を後方から打つことにより、行い
うる。
【0070】なお、小雌型(5)についても、図示はし
ないが、雌型ベアリング長さと一致ないしは略これに対
応する厚さのプレート状の雌型ベアリング部材を独立部
材として備えた分割構造に構成されていてもよい。
【0071】その他の構成は、上記第1実施例と同様で
あり、同様の効果を奏する。
【0072】図12〜図14に示される第3実施例にか
かる押出ダイスでは、中子抜止め手段として、ボルト・
ナット締結構造が採用されている。即ち、軸芯部に貫通
孔(14)を有する中子(7)の嵌合部(11)が、雄型ホ
ルダー(8)の中子保持部(16)における貫通孔(19)
内の中子保持孔部(21)に嵌合された状態で、雄型ホル
ダー(8)の貫通孔(19)内に押出方向後方からボルト
(62)が挿入され、中子(7)の先端面から前方に突出
されたボルト(62)の先端ねじ部にナット(63)が螺合
され、これにより、中子(7)が雄型ホルダー(8)に
締結されている。
【0073】このようなボルト・ナット締結構造による
中子抜止め構造の採用により、中子(7)をしっかりと
した確実な抜止め状態に保持することができる。しか
も、締付け量の調整なども可能で、中子(7)を安定し
た抜止め状態に保持することができる。また、このよう
な中子抜止め構造をコスト的に有利に製作構成すること
ができる。更に、中子(7)の抜取り作業も図14に示
されるようにポンチ等の工具(29)にて容易に行うこと
ができる。
【0074】その他の構成は、上記第1実施例と同様で
あり、同様の効果を奏する。
【0075】図15に示される第4実施例にかかる押出
ダイスでは、中子抜止め手段としてボルト締結構造を採
用している。即ち、雄型ホルダー(8)の中子保持部
(16)の軸芯部には、押出方向前方に開口する有底孔
(65)が形成され、この有底孔(65)内の中間環状段
(66)を挾んで中子保持孔部(21)よりも内方の孔部が
ねじ孔部(67)に形成されている。そして、軸芯部に貫
通孔(14)を有する中子(7)の嵌合部(11)が中子保
持部(16)の保持用孔部(21)に嵌合された状態で、押
出方向前方より、ボルト(68)が中子(7)の貫通孔
(14)に挿入され、その先端ねじ部(68a )が雄型ホル
ダー(8)側のねじ孔部(67)に螺合され、これによ
り、中子(7)が雄型ホルダー(8)に締結された構造
となされている。このような締結構造によっても、上記
第3実施例ダイスと同様の効果が奏される。なお、その
他の構成は、上記第1実施例と同様であり、同様の効果
を奏する。
【0076】図16〜図18に示される第5実施例にか
かる押出ダイスでは、中子抜止め手段として、支承片に
よる支承構造が採用されている。即ち、中子(7)の嵌
合部(11)の長さが雄型ホルダー(8)の中子保持部
(16)の長さよりも長く形成され、中子(7)の嵌合部
(11)が、雄型ホルダー(8)の中子保持部(16)の貫
通状の中子保持用孔(21)に嵌合された状態で、該中子
(7)の嵌合部(11)の後端部が雄型ホルダー(8)の
後方に突出されている。そして、この中子(7)の後端
部には支承片嵌合孔としてのピン通し孔(70)が貫通し
て形成され、該ピン通し孔(70)に支承片としての支承
ピン(71)がその両端部が側方に突出させた状態に通さ
れ、該ピン(71)の両端部が雄型ホルダー(8)の中子
保持部(16)の後端面に支承された構造となされてい
る。
【0077】このようなピン支承による中子抜止め構造
の採用により、しっかりとした確実な抜止め状態に中子
(7)を保持することができる。
【0078】しかも、中子(7)の嵌合部(11)を雄型
ホルダー(8)の中子保持用孔(21)に嵌合し、支承ピ
ン(71)を中子嵌合部(11)のピン通し孔(70)に挿入
するだけでよいから、中子(7)の組付け作業も簡易か
つ容易に遂行することができる。
【0079】加えて、中子(7)の嵌合部(11)にピン
通し孔(70)を加工形成すること、及び支承ピン(71)
を製作することで、中子抜止め機能をもったダイスを製
作することができ、このようなダイスの加工製作を容易
にかつコスト的に有利に遂行することができる。
【0080】なお、その他の構成は上記第1実施例と同
様であり、同様の効果を奏する。
【0081】図19及び図20に示される第6実施例に
かかる押出ダイスでは、中子抜止め構造として、次のよ
うな態様の、支承片による抜止め構造が採用されてい
る。即ち、中子(7)の基端部外周面に、周方向に18
0°位相を異にして一対の支承用凹部(73)(73)が形
成され、この支承用凹部(73)(73)に半円状の支承片
(74)(74)が嵌合され、この支承片(74)(74)の側
方突出部を中子保持用孔(21)の後部の径大な環状段
(72)に支承させることにより、中子(7)が抜止め状
態に保持される。このような抜止め構造の採用によって
も、押出中、中子(7)をしっかりとした抜止め状態に
保持することができる。
【0082】なお、その他の構成は上記第1実施例と同
様であり、同様の効果を奏する。
【0083】図21に示される第7実施例では、中子抜
け止め構造として、中子(7)の基端部に円形の径大な
支承部(75)が一体に設けられ、この支承部(75)が、
雄型ホルダー(8)の中子保持部(16)の保持用孔(2
1)の径大な環状段(76)に支承されている構造となさ
れている。このような抜止め構造の採用によっても、押
出中、中子(7)をしっかりとした抜止め状態に保持す
ることができる。
【0084】
【発明の効果】上記第1発明の押出ダイスは、雄型は、
中子と雄型ホルダーとに分割構成されているから、摩耗
等によるダイス交換に際しては、中子のみを交換して雄
型ホルダーはそのまま使用でき、従って、ダイス交換コ
ストを低減することができる。
【0085】また、小雌型が雄型ホルダーの環状ベース
部内に嵌合されて組み込まれた構造であるから、中子と
成形孔との芯合わせのための嵌合位置が、雄型ホルダー
の環状ベース部の内周面位置となって、芯合わせ嵌合位
置が成形隙間の位置に近くなり、そのため、押出中にダ
イス後方から作用する押出圧力によってダイスに撓みを
生じたような場合でも、中子と成形孔との芯合い状態の
ずれが抑制され、偏肉等の少ない寸法精度の高い中空材
を押出加工することができる。
【0086】しかも、環状ベース部とブリッジ部と中子
保持部とを一体に有する雄型ホルダーにおいて、その中
子保持部に中子が嵌合されると共に、同雄型ホルダーの
環状ベース部に小雌型が嵌合された構造、即ち、一体成
形品に中子と小雌型のための両保持嵌合部が設けられた
構造であるから、両嵌合部を、高い芯合い精度において
加工形成することができ、従って、このような各嵌合部
のそれぞれに中子、小雌型が嵌合されることで、中子と
小雌型とが芯合わせ精度高く雄型ホルダーに嵌合され、
偏肉等の少ない高い寸法精度の中空材を押出加工するこ
とができる。
【0087】加えて、中子と小雌型とはそれぞれ雄型ホ
ルダーの各保持部に嵌合され焼嵌めにより一体化されて
いるから、中子と小雌型とがそれぞれ雄型ホルダーと芯
合い精度高く組合わされ、中子と成形孔との芯合い精度
を向上し得て、偏肉等の少ない寸法精度の高い中空材を
押出加工することができる。
【0088】更に、中子抜止め手段が備えられているか
ら、押出中に押出材料の付勢作用により中子が抜けてし
まうのも確実に防止することができる。
【0089】第2発明の押出ダイスは、この中子抜止め
手段として、上記のような押圧・係合作用による抜止め
構造が採用されているから、押出中における中子の抜け
を確実に防止することができる。
【0090】しかも、このような押圧・係合作用による
中子抜止め手段の採用により、中子を雄型ホルダーの中
子保持部の保持孔又は凹部に嵌合するだけで、あとはこ
れを押出に使用すれば、押出材料からの圧力によって自
動的に中子抜止め状態が形成され、中子の組付け作業も
簡易かつ容易に遂行することができる。
【0091】しかも、このような押圧・係合作用による
中子抜止め手段の採用により、ダイスへの加工は、筒状
突出部周壁へのスリットの加工と、筒状突出部内周部及
び中子への係合部の加工のみでよく、製作容易にかつコ
スト的にも有利に、中子抜止め手段を形成することがで
きる。
【0092】第3発明の押出ダイスは、中子抜止め手段
として、中子がボルト等の締結部材により中子保持部に
保持された構造が採用されているから、中子のしっかり
とした確実な抜止め状態を形成することができる。しか
も、締付け量の調整なども可能で、中子を、非常に安定
した抜止め状態に保持することができる。また、コスト
的に有利に製作することができる。
【0093】第4発明の押出ダイスは、中子抜止め手段
として、中子の基端側の周側面に支承片嵌合孔又は凹部
が設けられ、該支承片嵌合孔又は凹部に支承片の一部が
嵌合され、該支承片の側方突出部が中子保持部に支承さ
れた構造が採用されているから、しっかりとした確実な
抜止め状態に中子を保持することができる。
【0094】しかも、支承片の一部を中子の支承片嵌合
孔又は凹部に嵌合し、該支承片の側方突出部を中子保持
部に支承させた状態にするだけで中子抜止め状態を形成
することができ、中子の組付け作業も簡易かつ容易に遂
行することができる。
【0095】加えて、中子の基端側の周側面に支承片嵌
合孔又は凹部を加工すること、及び支承片を製作するこ
とで、中子抜止め機能をもったダイスを製作することが
でき、このようなダイスの加工製作を容易にかつコスト
的に有利に遂行することができる。
【0096】第5発明の押出ダイスは、中子保持部に押
出方向に指向した貫通孔が設けられ、該貫通孔内に押出
方向前方に面した中間段が設けられて該中間段を挾んで
押出方向前方側に中子保持用の大孔部が設けられると共
に、該中間段を挾んで押出方向後方に小孔部が設けら
れ、中子の後端面が中間段に当接された状態で、中子の
後端面の一部がポンチ等の打ち面として小孔内に面する
ようになされているから、中子組付け時には、中子の後
端面を中間段に当接させて中子の位置決めを行うことが
できると共に、中子の取出し時には、貫通孔内に後方か
らポンチ等の工具を差し込み、該工具をたたく等するこ
とで、容易に中子を取り出すことができ、中子取出し作
業の効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例にかかる押出ダイスの全体断面図で
ある。
【図2】同ダイスの要部拡大断面図である。
【図3】雄型ホルダー、中子、小雌型等を分離状態にし
て示す斜視図である。
【図4】雄型ホルダーの筒状突出部から中子を分離状態
に離して示す斜視図である。
【図5】中子と筒状突出部との係合動作を示す拡大断面
図である。
【図6】図(イ)は流れ制御用金型部材を示すもので、
図1のI−I線矢視図、図(ロ)はホルダー用金型部材
を示すもので、図1のII−II線矢視図である。
【図7】バッカーを示すもので、図1のIII−III
線矢視図である。
【図8】中子の取出し方法を示す断面図である。
【図9】第2実施例にかかる押出ダイスの要部拡大断面
図である。
【図10】同ダイスの中子構成部材を分離分解状態にし
て示す斜視図である。
【図11】中子の取出し方法を示す断面図である。
【図12】第3実施例にかかる押出ダイスの要部拡大断
面図である。
【図13】雄型ホルダー、中子、小雌型等を分離状態に
して示す斜視図である。
【図14】中子の取出し方法を示す断面図である。
【図15】第4実施例にかかる押出ダイスの要部拡大断
面図である。
【図16】第5実施例にかかる押出ダイスの要部拡大断
面図である。
【図17】図16のIV−IV線断面図である。
【図18】雄型ホルダー、中子、小雌型等を分離状態に
して示す斜視図である。
【図19】第5実施例にかかる押出ダイスの要部拡大断
面図である。
【図20】雄型ホルダー、中子、小雌型等を分離状態に
して示す斜視図である。
【図21】第6実施例にかかる押出ダイスの要部拡大断
面図である。
【図22】従来の押出ダイスを示すもので、図(イ)は
断面図、図(ロ)は図(イ)のV−V線矢視図である。
【符号の説明】
5…小雌型 7…中子 8…雄型ホルダー 12…ベアリング部 15…環状ベース部 16…中子保持部 17…ブリッジ部 21…中子保持用孔部 30…成形孔ベーアリング部

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空材の中空部を成形する雄型ベアリン
    グ部を先端側に有する中子と、 環状ベース部と、中子保持用の孔部が押出方向前方に開
    口される態様において設けられた中子保持部と、該中子
    保持部を環状ベース部に保持せしめるブリッジ部とを一
    体に有する雄型ホルダーと、 中空材の外周部を成形するベアリング孔を有する小雌型
    と、 が備えられ、 中子の基端側が、雄型ホルダーの中子保持部の保持用孔
    部内に嵌合されて、焼嵌めにより中子が中子保持部と一
    体化されると共に、 押出中における中子の押出方向への抜けを阻止する中子
    抜止め手段が備えられ、かつ、 小雌型が環状ベース部内に嵌合されて組み込まれ、焼嵌
    めにより小雌型が環状ベース部と一体化されてなること
    を特徴とする中空材の押出用ダイス。
  2. 【請求項2】 中子抜止め手段として、 前記中子保持部の押出方向前端部がブリッジ部よりも押
    出方向前方に突出されて、該中子保持部の前端部に筒状
    突出部が形成され、 該筒状突出部に押出方向に指向してスリットが形成され
    ることにより、該筒状突出部が半径線方向内方に変形し
    うるようになされ、かつ、 該筒状突出部の内面と、中子保持用孔部に嵌合されて筒
    状突出部の内面と対向する中子の外周面とにそれぞれ、
    凹凸による抜止め用係合部が設けられ、 押出中に筒状突出部の外周面に作用する押出材料からの
    圧力により筒状突出部が半径線方向内方に変形されるこ
    とによって、抜止め用係合部同士が係合され、中子の押
    出方向への抜けが阻止されるものとなされているものが
    採用されている請求項1に記載の中空材の押出用ダイ
    ス。
  3. 【請求項3】 前記中子抜止め手段として、中子がボル
    ト等の締結部材により中子保持部に保持された構造が採
    用されている請求項1に記載の押出用ダイス。
  4. 【請求項4】 前記中子抜止め手段として、中子の基端
    側の周側面に支承片嵌合孔又は凹部が設けられ、該支承
    片嵌合孔又は凹部に支承片の一部が嵌合され、該支承片
    の側方突出部が中子保持部に支承された構造が採用され
    ている請求項1に記載の押出用ダイス。
  5. 【請求項5】 前記中子保持部に押出方向に指向した貫
    通孔が設けられ、該貫通孔内に押出方向前方に面した中
    間段が設けられて該中間段を挾んで押出方向前方側に中
    子保持用の大孔部が設けられると共に、該中間段を挾ん
    で押出方向後方に小孔部が設けられ、中子の後端面が中
    間段に当接された状態で、中子の後端面の一部がポンチ
    等の打ち面として小孔内に面するようになされている請
    求項1に記載の中空材の押出用ダイス。
JP23185093A 1993-09-17 1993-09-17 中空材の押出用ダイス Expired - Fee Related JP2609800B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23185093A JP2609800B2 (ja) 1993-09-17 1993-09-17 中空材の押出用ダイス

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23185093A JP2609800B2 (ja) 1993-09-17 1993-09-17 中空材の押出用ダイス

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0788543A JPH0788543A (ja) 1995-04-04
JP2609800B2 true JP2609800B2 (ja) 1997-05-14

Family

ID=16929995

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23185093A Expired - Fee Related JP2609800B2 (ja) 1993-09-17 1993-09-17 中空材の押出用ダイス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2609800B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4502466B2 (ja) * 2000-06-19 2010-07-14 昭和電工株式会社 多孔押出用工具
JP4835893B2 (ja) * 2001-08-03 2011-12-14 株式会社豊田中央研究所 筒状成形体の成形方法、筒状成形体の成形装置
JP4938503B2 (ja) * 2006-07-28 2012-05-23 昭和電工株式会社 金属材料の押出成形用ダイス
JP4938500B2 (ja) * 2007-03-07 2012-05-23 昭和電工株式会社 金属材料の押出成形用ダイス
KR101305161B1 (ko) * 2012-03-05 2013-09-12 주식회사동양강철 마그네슘 합금용 압출장치
CN103551414B (zh) * 2013-11-15 2016-04-06 肇庆亚洲铝厂有限公司 一种挤压模具

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0788543A (ja) 1995-04-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2609800B2 (ja) 中空材の押出用ダイス
JP2677960B2 (ja) 細孔を有する押出材の押出加工用ダイス
JP2602388B2 (ja) 金属製中空押出材の押出用ダイス
JP2564091B2 (ja) 中空材の押出用ダイス
JP2004306124A (ja) 金属製中空材の押出ダイスと押出ダイス用マンドレル
JP3763799B2 (ja) ポートホールダイス
KR20050011676A (ko) 축과 회전체의 체결구
JP2003181525A (ja) 中空材の押出ダイス及びこれを用いた中空材の製造方法
JP3742019B2 (ja) 中空材の押出用ダイス
US6776019B2 (en) Extrusion die for hollow member, mandrel for said extrusion die and male die for said extrusion die
JP2564088B2 (ja) 中空材複数本同時押出用の押出工具
KR100366530B1 (ko) 중공재의 압출다이스
JP2564069B2 (ja) 中空材押出成形用の組合わせダイス
US5832768A (en) Die assembly for extruding hollow articles
US6695549B2 (en) Cutting tool assembly
JP2602403B2 (ja) 中空材複数本同時押出用のダイス
JPH09155438A (ja) 金属製中空材押出用の組み合わせダイス
JP2003200211A (ja) チューブ材の押出用ダイス
JP3763790B2 (ja) 多孔チューブ材の押出用ダイス
JP2003205310A (ja) 中空材の押出ダイス
JP2001191109A (ja) 中空材の押出ダイスならびに押出ダイス用マンドレル
JP2564075B2 (ja) 中空材押出成形用の組合わせダイス
JPH0623426A (ja) 押出用ダイス
JP2003191009A (ja) 多孔チューブ材の押出用ダイス
JP3247223B2 (ja) アルミニウム等の金属製中空材の押出加工用の押出工具

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees