JP4835893B2 - 筒状成形体の成形方法、筒状成形体の成形装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は筒状成形体の成形方法、筒状成形体の成形装置に関する。本発明は、例えば、金属系、セラミックス系等の成形材料を押出成形または引抜成形して筒状成形体を形成する場合に適用できる。
【0002】
【従来の技術】
従来技術について、筒状成形体を押出成形で形成する場合について説明する。特開平8ー252628号公報には、図19に示すように、収容室801をもつ基部800と、収容室801内の成形材料を加圧する加圧体802と、先端に向かうにつれて縮径する傾斜面803を有するマンドレル804と、吐出方向である矢印Y1方向と交差する方向に沿って移動可能に設けられ吐出開口805を形成する2個一組の主ダイス806とを有する成形装置を用い、筒状成形体809を成形する技術が開示されている。
【0003】
この技術によれば、収容室801に高温の成形材料807を収容した状態で、加圧体802で成形材料807を加圧して成形材料807を吐出開口805から筒状成形体809として矢印Y1方向に吐出させる。この技術によれば、マンドレル804をこれの長さ方向に矢印Y1方向に沿って移動させれば、マンドレル804の傾斜面803と主ダイス806との間に隙間の大きさを調整することができる。この結果、吐出開口805から吐出される筒状成形体809の内壁面809mの位置を、筒状成形体809の吐出方向(矢印Y1方向)と交差する方向(矢印X1,X2方向)に沿って可変とすることができる。
【0004】
また、筒状成形体809の吐出方向(矢印Y1方向)と交差する方向(矢印X1,X2方向)に沿って主ダイス806を適宜移動させれば、吐出開口805から吐出される筒状成形体809の外壁面809pの位置を、筒状成形体809の吐出方向と交差する方向(矢印X1,X2方向)に沿って可変とすることができる。これにより筒状成形体809の横断面形状、筒状成形体の肉厚を可変とすることができる。
【0005】
また特開平10ー286619号公報には、図20に示すように、収容室901をもつ基部900と、収容室901内の成形材料907を加圧する加圧体902と、吐出方向(矢印Y1方向)と交差する方向(矢印X1,X2方向)に沿って移動可能に設けられ吐出開口905を形成する2個一組の主ダイス906,908とを有する成形装置を用い、筒状成形体909を成形する技術が開示されている。一方の主ダイス906はコア906aを有する。他方の主ダイス908はコア908aを有する。
【0006】
この技術によれば、収容室901に高温の成形材料907を収容した状態で、加圧体902で成形材料907を矢印Y1方向に加圧して成形材料907を吐出開口905から筒状成形体909として矢印Y1方向に吐出させる。この技術によれば、主ダイス906を矢印X1,X2方向に移動させれば、吐出開口905から吐出される筒状成形体909の外壁面909pの位置を、筒状成形体909の吐出方向(矢印Y1方向)と交差する方向(矢印X1,X2方向)に沿って可変とすることができる。
【0007】
また、一方の主ダイス906を矢印X1,X2方向に移動させれば、これと一体的なコア906aも同方向に移動するため、筒状成形体909の内壁面909mの位置を、筒状成形体909の吐出方向と交差する方向(矢印X1,X2方向)に沿って可変とすることができる。なお特開平10ー286619号公報に係る技術によれば、筒状成形体909の肉厚は一定であり、任意に可変とすることができない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記した公報技術と異なる方式を採用したものであり、回動可能な回動ダイスを採用することにより、従来技術に対して新規な構成を有する筒状成形体の成形方法、筒状成形体の成形装置を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る筒状成形体の成形方法は、基部の吐出開口から成形材料を連続的に吐出させることにより内壁面および外壁面を有する筒状成形体を成形する成形方法において、
成形材料を基部の吐出開口から吐出させて筒状成形体を連続的に形成するにあたり、吐出開口側に回動可能に設けられ且つ成形初期の筒状成形体の内部に位置する回動ダイスを回動させることにより、回動ダイスで筒状成形体の内壁面を成形させつつ、筒状成形体の内壁面の位置を、筒状成形体の吐出方向と交差する方向に沿って可変とすることを特徴とするものである。
【0010】
本発明に係る筒状成形体の成形装置は、前記した本発明に係る筒状成形体の成形方法の実施に使用できるものであり、成形材料を筒状成形体として吐出する吐出開口を有する基部と、基部の吐出開口側に回動可能に設けられ且つ成形初期の筒状成形体の内部に位置すると共に筒状成形体の内壁面を成形する回動ダイスとを具備しており、
回動ダイスを回動させることにより、吐出開口から吐出される筒状成形体の内壁面の位置を、筒状成形体の吐出方向と交差する方向に沿って可変とすることを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
・基部は、成形材料を収容する収容室を有するコンテナと、収容室内の成形材料を加圧して吐出開口から筒状成形体として吐出させる加圧体とを有する実施形態を採用することができる。成形材料としては塑性変形できるものであれば良く、金属材料、焼結前のセラミックス材料、ゴム材料、樹脂材料等を例示することができる。金属材料としては、アルミニウム、アルミニウム系合金、マグネシウム、マグネシウム系合金、鉄、鉄系合金、チタン、チタン系合金等を例示できる。成形材料としてはバルク材料でも良いし、多数の粉末粒子とバインダとを混合した混合物でも良い。収容室内に収容される成形材料としては温間、熱間、冷間のいずれの状態でも良いが、塑性変形能を確保するため、成形材料を温間または熱間とすることができる。この場合、予め加熱した成形材料を収容室に収容しても良いし、あるいは、基部にヒータを装備し、ヒータで成形材料を加熱することにしても良い。
【0012】
・吐出開口には、基部に設けられた主ダイスが配置されている実施形態を採用することができる。主ダイスは移動可能とすることができる。この場合、主ダイスは、筒状成形体の吐出方向と交差する方向に沿って移動可能であり、移動に伴い、吐出開口から吐出される筒状成形体の外壁面の位置を、吐出方向と交差する方向に沿って可変とする実施形態を採用することができる。この場合、筒状成形体の周壁の肉厚を可変にしたり、筒状成形体の横断面形状を可変にしたりするのに有利である。筒状成形体の吐出方向と交差する方向とは、筒状成形体の吐出方向と直交する方向とすることができる。
【0013】
・成形された筒状成形体の横断面形状としては、ロの字形状、日の字形状、目の字形状、ロの字に近似した形状、日の字に近似した形状、目の字に近似した形状の少なくとも一方である実施形態を採用することができる。成形は押出成形が一般的であるが、場合によっては引抜成形としても良い。なお、押出成形の場合には、収容室内の成形材料を加圧して押し出す押出手段が設けられている。引抜成形の場合には、収容室内の成形材料を引き抜く引抜手段が設けられている。
【0014】
・主ダイスが設けられている場合には、主ダイスは互いに対向するように少なくも2個設けられている実施形態を採用することができる。この場合、少なくとも一方の主ダイスは、筒状成形体の吐出方向と交差する方向に沿って移動可能に設けられており、移動に伴い、吐出開口から吐出される筒状成形体の外壁面の位置を、吐出方向と交差する方向に沿って可変とする実施形態を採用することができる。主ダイスの移動により、筒状成形体の周壁の肉厚を可変にしたり、筒状成形体の横断面形状を可変にしたりするのに有利である。
【0015】
・回動ダイスは、基部の吐出開口側に回動可能に設けられており、且つ、成形初期の筒状成形体の内部に位置すると共に筒状成形体の内壁面を成形するように設けられている。回動ダイスを回動させることにより、吐出開口から吐出される筒状成形体の内壁面の位置を、筒状成形体の吐出方向と交差する方向に沿って可変とすることができる。回動ダイスの回動方向は特に限定されず、筒状成形体の内壁面の位置を筒状成形体の吐出方向と交差する方向に沿って可変にできるならば、どの方向でも良い。
【0016】
・回動ダイスの断面形状は特に限定されず、必要に応じて、断面羽根形状、断面円形状、断面楕円形状、断面視覚形状、断面△形状、断面逆V字形状などを採用できる。成形材料と回動ダイスとの間の摩擦抵抗を低減するため、固体潤滑膜等の潤滑膜を回動ダイスに積層することもできる。
【0017】
・回動ダイスを回動させる駆動部が設けられている実施形態を採用することができる。駆動部としては、回動ダイスを回動させるものであれば良く、モータ機構、流体圧シリンダ機構を例示することができる。流体圧シリンダ機構としては、油圧シリンダ機構または空気圧シリンダ機構を例示することができる。
【0018】
・回動ダイスと主ダイスとを連結手段を介して連結して互いに連動する実施形態とすることができる。この場合、駆動部を共用駆動部とし、回動ダイスと主ダイスとで共用することができる。
【0019】
【実施例】
(第1実施例)
以下、本発明の第1実施例について説明する。本実施例は、塑性変形能を有する成形材料6を押出成形して筒状成形体60を形成する場合に適用したものである。本実施例に係る成形装置は、成形材料6を筒状成形体60として吐出する吐出開口12を有する基部1と、基部1の吐出開口12側に回動可能に設けられた回動ダイス4とを具備している。図1において、矢印Y1方向は、筒状成形体60の吐出方向を意味し、本実施例では下方向を示す。矢印X1,X2方向は、筒状成形体60の吐出方向と交差する方向を意味する。
【0020】
基部1は、成形材料6を収容する収容室10を形成するコンテナ11と、収容室10内の成形材料6を加圧して吐出開口12から筒状成形体60として吐出させる押圧手段としての加圧体13と、第1プレートとしてのアッパプレート14と、第2プレートとしてのロアプレート15と、互いに対向する第3プレートとしてのサイドプレート16とを有する。加圧体13は図略の加圧機構により作動される。なお図2においてサイドプレート16,16間の寸法はB1として示されている。
【0021】
アッパプレート14、ロアプレート15、サイドプレート16は、2個のスライド通路17を形成している。2個のスライド通路17は、基部1の吐出開口12を介して互いに対面すると共に、筒状成形体60の吐出方向と交差する方向、つまり矢印X1,X2方向に沿って延設されている。
【0022】
一方のスライド通路17には、第1主ダイス21が矢印X1,X2方向に沿って移動可能に潤滑部材としての転動体17wを介して配置されている。他方のスライド通路17には、第2主ダイス31が矢印X1,X2方向に沿って移動可能に潤滑部材としての転動体17wを介して配置されている。なお転動体17wに代えて潤滑膜とすることもできる。
【0023】
図1に示すように、基部1の吐出開口12に、第1主ダイス21の先端部、第2主ダイス31の先端部が対面している。第1主ダイス21は、矢印Y1方向に沿って延設された延設面22と、矢印X1,X2方向に沿って延設された延設面23と、矢印X1,X2方向に沿って延設された延設面24とを有する。
【0024】
第2主ダイス31は、矢印Y1方向及び矢印X1,X2方向にそれぞれ傾斜すると共に収容室10に対面可能な傾斜案内面32と、傾斜案内面32の突出端33から矢印Y1,Y2方向に沿って延設された延設面34と、矢印X1,X2方向に沿って延設された延設面35と、矢印X1,X2方向に沿って延設された延設面36とを有する。傾斜案内面32の上方には、回動ダイス4の回動ダイス本体42の回動を許容する回動空間10mが形成されている。
【0025】
図1に示すように、基部1の吐出開口12の側には、回動ダイス4が設けられている。回動ダイス4は、第1主ダイス21の先端部と第2主ダイス31の先端部との間に位置している。図2に示すように、回動ダイス4は、サイドプレート16の軸孔19に保持された回動軸41と、回動軸41に保持された羽根状の回動ダイス本体42とを有する。回動軸41は、矢印Y1方向、矢印X1,X2方向に対してそれぞれ交差する方向(矢印Z方向)に沿って延設されている。
【0026】
回動ダイス本体42は、収容室10に対面可能な受圧面42aと、受圧面42aに背向する背向面42bと、受圧面42a及び背向面42bに連設された第1円弧面42cと、受圧面42a及び背向面42bに連設された第2円弧面42dと、一方のサイドプレート16との間に隙間(通路18c)を隔てて対面する端面42eと、他方のサイドプレート16との間に隙間(通路18d)を隔てて対面する端面42fとを有する。図2に示すように、回動ダイス本体42の幅寸法はb1として示されている。
【0027】
上記したように吐出開口12に回動ダイス4が配置されているため、図2に示すように、吐出開口12には、成形材料6を吐出するための『ロ』の字形状の成形通路18が形成されている。この成形通路18は、通路18a,18b,18c,18dからなり、『ロ』の字形状を形成している。
【0028】
図2に示すように、回動軸41の軸長方向の端部41eは、サイドプレート16を貫通してサイドプレート16の外方に突出しており、駆動アーム50を介して第1駆動部51に接続されている。第1駆動部51としては、モータ機構または流体圧シリンダ機構(油圧シリンダ機構または空気圧シリンダ機構)により形成することができる。第1駆動部51により駆動アーム50が駆動すると、回動軸41を介して回動ダイス本体42が矢印A1,A2方向に回動する。矢印A1,A2方向は、第1主ダイス21、第2主ダイス31の前進後退方向、つまり矢印X1,X2方向に沿っている方向である。
【0029】
図1に示すように、回動軸41は、回動ダイス本体42の中央域ではなく、第1主ダイス21に寄せて設けられている。その理由は、筒状成形体60の肉厚t1を一定として成形する場合、第1主ダイス21を移動させる必要がなくなるためである。第1主ダイス21、第2主ダイス31の双方は、それぞれ第2駆動部52の駆動により矢印X1,X2方向に移動可能とされている。第2駆動部52はモータ機構または流体圧シリンダ機構により形成することができる。場合によっては、第1主ダイス21及び第2主ダイス31のうちの一方のみに第2駆動部52を接続する構成にしても良い。
【0030】
さて使用の際には、温間または熱間状態に加熱された成形材料6(例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金。但しこれらに限定されるものではない。)を基部1の収容室10に収容する。この状態で加圧機構が駆動すると、加圧体13が矢印Y1方向に移動する。すると、収容室10内の成形材料6は加圧体13により加圧され、吐出開口12から外方につまり矢印Y1方向に押し出される、このように押出成形が行われるとき、吐出開口12から吐出される成形材料6は、第1主ダイス21、第2主ダイス31により制約されるが、更に、回動ダイス4によっても制約される。
【0031】
この結果、成形材料6は筒形状となり、長さ方向に連続する筒状成形体60として連続的に矢印Y1方向に沿って吐出される。吐出された筒状成形体60は、下流側に配置された2個1組の第1案内ローラ80,2個1組の第2案内ローラ81により案内される。これにより押出成形された筒状成形体60の曲走が抑えられる。なお第1案内ローラ80の軸芯は、前記したZ方向に沿っている。第2案内ローラ81の軸芯は、前記した矢印X1,X2方向に沿っている。
【0032】
上記したように押出成形により成形材料6を筒状成形体60として連続的に吐出する場合には、回動ダイス4を矢印A1,A2方向に適宜回動させることにより、吐出開口12から吐出される筒状成形体60の内壁面60mの位置を矢印X1,X2方向に沿って可変とすることができる。
【0033】
更に本実施例によれば、上記した押出成形の際に、第1主ダイス21及び第2主ダイス31を矢印X1,X2に適宜移動させることにより、吐出開口12から吐出される筒状成形体60の外壁面60pの位置を矢印X1,X2方向に沿って可変とすることができる。従って、押出成形により吐出開口12から吐出される筒状成形体60の横断面形状、肉厚t1,t2を筒状成形体60の長さ方向にわたり変更することができる。
【0034】
なお、成形材料6が回動軸41を通過する際には、成形材料6の押出成形に対して障害となるため、回動軸41を通過した直後では、回動軸41に相当する部分に空隙が形成されるが、押出成形が進行するにつれて、この空隙は次第に消失する。
【0035】
図3は、上記したように押出成形で形成した筒状成形体60の代表例を模式的に示す。図3に示すように、筒状成形体60にはこれの長さ方向に沿って成形孔61が形成されている。筒状成形体60の横断面形状は、筒状成形体60の長さ方向にわたり『ロ』の字形状とされている。成形孔61は回動ダイス4の回動ダイス本体42で形成されたものである。
【0036】
図3に示すように、筒状成形体60の成形孔61の孔幅については、筒状成形体60の一端60h側では長方形(a1×b1,a1<b1)であるが、筒状成形体60の他端60k側では正方形(a2×b1,a2≒b1)に近い形状とされている。筒状成形体60の外幅については、筒状成形体60の一端60h側では長方形(A1×B1,A1<B1)であるが、筒状成形体60の他端60k側では正方形(A2×B1,A2≒B1)に近い形状とされている。
【0037】
本実施例によれば、上記した押出成形の際に回動ダイス4の回動ダイス本体42が矢印A1,A2方向に沿って回動するため、成形孔61の寸法a1を可変とすることができる。成形孔61の寸法b1は回動ダイス4の回動ダイス本体42の幅寸法b1と対応する。筒状成形体60の寸法B1はサイドプレート16,16間の寸法B1に対応する。
【0038】
上記した押出成形の際には、回動ダイス4の回動ダイス本体42を矢印A1,A2方向に回動させたり、第1主ダイス21及び第2主ダイス31を矢印X1,X2に適宜移動させたりするため、図3に示すように、成形孔61の横断面形状は筒状成形体60の長さ方向にわたり変化している。なお、図3に示す筒状成形体60においては、筒状成形体60の肉厚は筒状成形体60の長さ方向にわたりほぼ均厚化されているが、これに限られるものではない。
【0039】
(第2実施例)
以下、本発明の第2実施例について図4及び図5を参照して説明する。第2実施例は第1実施例と基本的には同様の構成であり、基本的には同様の作用効果を奏する。従って、第1実施例と共通する部位には共通の符号を付する。本実施例に係る成形装置は、第1実施例と同様に、回動可能に設けられた回動ダイス4を具備している。
【0040】
本実施例では、サイドプレート16には、案内手段として機能できる案内凹部58が第2主ダイス31の移動方向(矢印X1,X2方向)に沿って設けられている。連結手段として機能する連結アーム55の一端部には枢支軸56が設けられている。枢支軸56は、サイドプレート16の案内凹部58に沿って移動可能とされている。連結アーム55の他端部と駆動アーム50の他端部とは連結軸57により回動可能に枢支されている。第2駆動部52により第2主ダイス31が矢印X1方向に移動すると、枢支軸56が案内凹部58を矢印X1方向に沿って移動し、連結アーム55が枢支軸56を中心として矢印C1方向(下方向)に沿って回動し、これにより駆動アーム50と共に回動ダイス4の回動ダイス本体42が回動軸41を中心として矢印A1方向(下方向)に回動する。逆に、第2駆動部52が逆動して第2主ダイス31が矢印X2方向に移動すると、枢支軸56が案内凹部58に矢印X2方向に沿って移動し、連結アーム55が枢支軸56を中心として矢印C2方向(上方向)に沿って回動し、これにより回動ダイス4の回動ダイス本体42が回動軸41を中心として矢印A2方向(上方向)に回動する。
【0041】
上記のように本実施例によれば、第2主ダイス31の移動に連動して、回動ダイス4の回動ダイス本体42が回動軸41を中心として自動的に回動する。このため、回動ダイス4の回動ダイス本体42を矢印A1,A2方向に回動させるための駆動部は、第2主ダイス31を移動させる第2駆動部52に兼用される。即ち、第2駆動部52は、回動ダイス4の回動ダイス本体42と第2主ダイス31との双方の駆動源として共用されている。本実施例によれば、駆動アーム50の長さと連結アーム55の長さとの比率の設定により、筒状成形体60の肉厚、筒状成形体60の横断面形状、肉厚を調整することができる。
【0042】
(第3実施例)
以下、本発明の第3実施例について図6を参照して説明する。第3実施例は第2実施例と基本的には同様の構成であり、同様の作用効果を奏する。従って、第2実施例と共通する部位には共通の符号を付する。以下、第2実施例と相違する部分を中心として説明する。本実施例によれば、連結手段として機能する連結アーム55は長さ調整可能な構成とされている。即ち、連結アーム55は、枢支軸56側の第1アーム部55aと、連結軸57側の第2アーム部55bと、第1アーム55a及び第2アーム55bとを長さ調節可能に接続する調整部55cとを有する。調整部55cの調整機能により、連結アーム55の長さを調整することができる。このため、駆動アーム50の長さと連結アーム55の長さとの比率を無段階にまたは段階的に変更することができ、ひいては筒状成形体60の肉厚、筒状成形体60の横断面形状の調整に有利である。
【0043】
(第4実施例)
以下、本発明の第4実施例について図7,図8を参照して説明する。第4実施例は第1実施例と基本的には同様の構成であり、同様の作用効果を奏する。従って、第1実施例と共通する部位には共通の符号を付する。以下、第1実施例と相違する部分を中心として説明する。本実施例によれば、図7,図8に示すように、回動ダイス4Nは、サイドプレート16の軸孔19に保持された回動軸41と、回動軸41に回動軸41の長さ方向に沿って2個並設された回動ダイス本体42P,42Rとを有する。2個の回動ダイス本体42P,42Rは、回動軸41と共に一体回動する。即ち、2個の回動ダイス本体42P,42Rは共に、共通する回動軸41に保持されているため、互いに同期して同方向に回動する。
【0044】
図7に示すように、回動ダイス4Nの回動ダイス本体42P,42Rはそれぞれ、受圧面42aと、受圧面42aに背向する背向面42bと、受圧面42a及び背向面42bに連設された第1円弧面42cと、受圧面42a及び背向面42bに連設された第2円弧面42dと、サイドプレート16との間に隙間(通路18c,18d)を隔てて対面する端面42eと、2個の回動ダイス本体42P,42Rの間に隙間(通路18e)を形成する端面42fを有する。図8に示すように、回動ダイス本体42Pの幅寸法はb1として示されている。回動ダイス本体42Rの幅寸法はd1として示されている。
【0045】
上記のような回動ダイス4Nが設けられている本実施例によれば、図8に示すように、吐出開口12に、成形材料6を吐出するための『日』の字形状の成形通路18Xが形成されている。この成形通路18Xは、通路18a,18b,18c,18d,18eから『日』の字形状に形成されている。
【0046】
本実施例においても、回動軸41は、サイドプレート16を貫通してサイドプレート16の外方に突出しており、駆動アーム50を介して第1駆動部51に接続されている。第1駆動部51により駆動アーム50が駆動すると、回動軸41を介して2個の回動ダイス本体42P,42Rが互いに同期して矢印A1,A2方向に連動して回動する。
【0047】
さて使用の際には、前記した実施例と同様に、温間または熱間状態に加熱された成形材料6(例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金。但しこれらに限定されるものではない)を基部1の収容室10に収容する。この状態で、加圧体13が矢印Y1方向に移動すると、収容室10内の成形材料6は加圧体13により加圧され、吐出開口12から外方につまり矢印Y1方向に押し出され、この結果、長さ方向に連続する筒状成形体60として連続的に吐出される。
【0048】
上記したように成形材料6を筒状成形体60として連続的に吐出する場合には、回動ダイス4Nの回動ダイス本体42P,42Rを矢印A1,A2方向に適宜回動させることにより、吐出開口12から吐出される筒状成形体60の内壁面60mの位置を矢印X1,X2方向に沿って可変とすることができる。
【0049】
更に、第1主ダイス21及び第2主ダイス31を矢印X1,X2に適宜移動させることにより、吐出開口12から吐出される筒状成形体60の外壁面60pの位置を矢印X1,X2方向に沿って可変とすることができる。従って本実施例においても、押出成形により吐出開口12から吐出される筒状成形体60の横断面形状、筒状成形体60の肉厚t1,t2を、筒状成形体60の長さ方向にわたり変更することができる。
【0050】
図9は、上記したように押出成形で形成した筒状成形体60の代表例を模式的に示す。図9に示すように、筒状成形体60には、第1成形孔61及び第2成形孔62が筒状成形体60の長さ方向に沿って並走されており、筒状成形体60の横断面形状は『日』の字形状とされており、長さ方向に延設された中央リブ60rを有する。図9に示す筒状成形体60の第1成形孔61は一方の回動ダイス本体42Pで形成されていると共に、第2成形孔62は他方の回動ダイス本体42Rで形成されている。
【0051】
図9に示すように、筒状成形体60の第1成形孔61については、筒状成形体60の長さ方向の一端60h側では正方形(a1×b1,a1≒b1)であるが、筒状成形体60の長さ方向の他端60k側では長方形(a2×b1,a2>b1)に近い形状とされている。また、筒状成形体60の第2成形孔62については、筒状成形体60の一端60h側では正方形(c1×d1,c1≒d1)であるが、筒状成形体60の他端60k側では長方形(c2×d1,c2>d1)に近い形状とされている。筒状成形体60の外幅については、筒状成形体60の一端60h側では長方形(A1×B1,A1<B1)であるが、筒状成形体60の他端60k側では正方形(A2×B1,A2≒B1)に近い形状とされている。
【0052】
ここで、図9に示す第1成形孔61の寸法b1は、一方の回動ダイス本体42Pの幅寸法b1と対応する。第2成形孔62の寸法d1は、他方の回動ダイス本体42Rの幅寸法d1と対応する。このため、筒状成形体60の長さ方向にわたり、第1成形孔61の寸法b1を一定とすることができると共に、第2成形孔62の寸法d1を一定とすることができる。筒状成形体60の寸法B1はサイドプレート16,16間の寸法B1に対応する。
【0053】
なお、図9に示す筒状成形体60においては、筒状成形体60の肉厚は筒状成形体60の長さ方向にわたりほぼ均厚化されているが、これに限られるものではない。
【0054】
(第5実施例)
以下、本発明の第5実施例について図10,図11を参照して説明する。第5実施例は第1実施例と基本的には同様の構成であり、同様の作用効果を奏する。従って、第1実施例と共通する部位には共通の符号を付する。以下、第1実施例と相違する部分を中心として説明する。本実施例によれば、図10,図11に示すように、一方の第1回動ダイス4Sは、サイドプレート16の軸孔19に保持された第1回動軸41Sと、第1回動軸41Sに保持された第1回動ダイス本体42Sとを有する。他方の第2回動ダイス4Tは、サイドプレート16の軸孔19に保持された第2回動軸41Tと、第2回動軸41Tに保持された第2回動ダイス本体42Tとを有する。2個の回動ダイス本体42S,42Tとの間に隙間(通路18m)が形成されている。なお、回動ダイス本体42S,42Tの幅寸法はb1として示されている。
【0055】
上記したように第1回動ダイス4S及び第2回動ダイス4Tが設けられている本実施例によれば、図11に示すように、吐出開口12には、成形材料6を吐出するための『日』の字形状の成形通路18Yが形成されている。この成形通路18Yは、通路18h,18i,18j,18k,18mから『日』の字形状に形成されている。
【0056】
第1回動軸41S、第2回動軸41Tは、サイドプレート16を貫通してサイドプレート16の外方に突出しており、それぞれ駆動アーム50が接続されている。駆動アーム50は第1駆動部51に接続されている。第1駆動部51により駆動アーム50が駆動すると、第1回動軸41Sを介して第1回動ダイス本体42Sが矢印A3,A4方向に回動し,第2回動軸41Tを介して第2回動ダイス本体42Tが矢印A5,A6方向に回動する。なお本実施例によれば、第1回動軸41Sと第2回動軸41Tとは互いに独立して回動することができる。
【0057】
図10に示すように、第1主ダイス21は、矢印X1方向に沿って延設された延設面22yと、矢印Y1方向に沿って延設された延設面22xと、矢印Y1方向に沿って延設された延設面22zとを有している。これらにより第1主ダイス21の先端部の上方には、回動ダイス本体42Sの回動を許容する回動空間10mが形成されている。
【0058】
同様に、第2主ダイス31は、矢印X1方向に沿って延設された延設面32yと、矢印Y1方向に沿って延設された延設面32xと、矢印Y1方向に沿って延設された延設面32zとを有している。これらにより第2主ダイス31の先端部の上方には、回動ダイス本体42Tの回動を許容する回動空間10mが形成されている。
【0059】
使用の際には、第1実施例と同様に、温間または熱間状態に加熱された成形材料6(例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金。但しこれらに限定されるものではない。)を基部1の収容室10に収容する。この状態で、加圧体13が矢印Y1方向に移動すると、収容室10内の成形材料6は加圧体13により加圧され、吐出開口12から外方につまり矢印Y1方向に押し出される。この結果、成形材料6は、長さ方向に連続する筒状成形体60として連続的に吐出される。
【0060】
上記したように成形材料6を筒状成形体60として連続的に吐出する場合には、第1回動ダイス4Sを矢印A3,A4方向に、第2回動ダイス4Tを矢印A5,A6方向に適宜回動させることにより、吐出開口12から吐出される筒状成形体60の内壁面60m,60nの位置を矢印X1,X2方向に沿って可変とすることができる。更に、第1主ダイス21及び第2主ダイス31を矢印X1,X2に適宜移動させることにより、吐出開口12から吐出される筒状成形体60の外壁面60pの位置を矢印X1,X2方向に沿って可変とすることができる。従って、押出成形により吐出開口12から吐出される筒状成形体60の横断面形状、肉厚を、筒状成形体60の長さ方向にわたり変更することができる。
【0061】
図12は上記したように押出成形で形成した筒状成形体60の代表例を模式的に示す。図12に示すように、筒状成形体60には、第1成形孔61及び第2成形孔62が筒状成形体60の長さ方向に沿って並走されており、筒状成形体60の横断面形状は『日』の字形状であり、長さ方向に延設された中間リブ60rを有する。図12に示す筒状成形体60の第1成形孔61は一方の第1回動ダイス本体42Sで形成されていると共に、第2成形孔62は他方の第2回動ダイス本体42Tで形成されている。
【0062】
図12に示すように、第1成形孔61については、筒状成形体60の一端60h側では長方形(a1×b1,a1<b1)であり、筒状成形体60の他端60k側でも長方形(a2×b1,a2<b1)に近い形状とされている。図12に示すように、第2成形孔62については、筒状成形体60の一端60h側では長方形(c1×b1,c1<b1)であり、筒状成形体60の他端60k側でも長方形(c2×b1,c2<b1)に近い形状とされている。筒状成形体60の外幅については、筒状成形体60の一端60h側では長方形(A1×B1,A1<B1)であるが、筒状成形体60の他端60k側では正方形(A2×B1,A2≒B1)に近い形状とされている。ここで、図12に示す第1成形孔61,第2成形孔61の寸法b1は、回動ダイス本体42S,42Tの幅寸法b1と対応する。このため筒状成形体60の全長にわたり、第1成形孔61の寸法b1、第2成形孔62の寸法b1を一定とすることができる。筒状成形体60の寸法B1はサイドプレート16,16間の寸法B1に対応する。
【0063】
なお、図12に示す筒状成形体60においては、筒状成形体60の肉厚は筒状成形体60の長さ方向にわたりほぼ均厚化されているが、これに限られるものではない。
【0064】
(第6実施例)
以下、本発明の第6実施例について図13を参照して説明する。第6実施例は図7,図8に示す第4実施例と基本的には同様の構成であり、同様の作用効果を奏する。従って、第4実施例と共通する部位には共通の符号を付する。以下、第4実施例と相違する部分を中心として説明する。本実施例によれば、図13に示すように、回動ダイス4Mは、サイドプレート16の軸孔19に保持された回動軸41と、回動軸41に回動軸41の長さ方向に沿って3個並設された回動ダイス本体42P,42Q,42Rとを有する。回動ダイス本体42P,42Q,42Rは、共通する回動軸41に保持されているため、互いに同期して同方向に回動する。なお図13において、回動ダイス本体42Pの幅寸法はb1として示され、回動ダイス本体42Qの幅寸法はd1として示され、回動ダイス本体42Rの幅寸法はe1として示されている。
【0065】
上記したように回動ダイス本体42P,42Q,42Rが設けられている本実施例によれば、図13に示すように、吐出開口12には、成形材料6を吐出するための『目』の字形状の成形通路18Wが形成されている。この成形通路18Wは、通路18o,18p,18q,18r,18s,18tから『目』の字形状に形成されている。
【0066】
本実施例においても、成形材料6を吐出開口12から筒状成形体60として連続的に吐出させる際に、回動ダイス4Mの回動ダイス本体42P,42Q,42Rを適宜回動させたり、第1主ダイス21及び第2主ダイス31を適宜移動させたりすれば、筒状成形体60の横断面形状、筒状成形体60の肉厚を、筒状成形体60の長さ方向にわたり変更することができる。
【0067】
図14は、上記したように押出成形で形成した筒状成形体60の代表例を模式的に示す。図14に示すように、筒状成形体60には、第1成形孔61、第2成形孔62、第3成形孔63が筒状成形体60の長さ方向に沿って並走されており、横断面形状は『目』の字形状であり、筒状成形体60の長さ方向に延設された中間リブ60r,60wを有する。図14に示す第1成形孔61は一方の回動ダイス本体42Pで形成されており、第2成形孔62は別の回動ダイス本体42Qで形成されており、第3成形孔63は更に別の回動ダイス本体42Rで形成されている。
【0068】
ここで、図14に示す第1成形孔61の寸法b1は、回動ダイス本体42Pの幅寸法b1と対応する。第2成形孔61の寸法d1は、回動ダイス本体42Qの幅寸法d1と対応する。第3成形孔62の寸法e1は、回動ダイス本体42Rの幅寸法e1と対応する。このため筒状成形体60の全長にわたり、第1成形孔61の寸法b1、第2成形孔62の寸法d1、第3成形孔63の寸法e1を一定とすることができる。筒状成形体60の寸法B1はサイドプレート16,16間の寸法B1に対応する。なお、図14に示す筒状成形体60においては、筒状成形体60の肉厚は筒状成形体60の長さ方向にわたりほぼ均厚化されているが、これに限られるものではない。
【0069】
(第7実施例)
以下、本発明の第7実施例について図15を参照して説明する。第7実施例は図10に示す第5実施例と基本的には同様の構成であり、基本的には同様の作用効果を奏する。従って、第7実施例と共通する部位には共通の符号を付する。以下、第4実施例と相違する部分を中心として説明する。本実施例によれば、図15に示すように、吐出開口12側には第1回動ダイス4S、第2回動ダイス4T、第3回動ダイス4Uが並設状態に配置されている。
【0070】
第1回動ダイス4Sは、サイドプレート16の軸孔19に保持された第1回動軸41Sと、第1回動軸41Sに保持された第1回動ダイス本体42Sとを有する。また別の第2回動ダイス4Tは、サイドプレート16の軸孔19に保持された第2回動軸41Tと、第2回動軸41Tに保持された第2回動ダイス本体42Tとを有する。また別の第3回動ダイス4Uは、サイドプレート16の軸孔19に保持された第3回動軸41Uと、第3回動軸41Uに保持された第3回動ダイス本体42Uとを有する。
【0071】
第1回動ダイス4S、第2回動ダイス4T、第3回動ダイス4Uはそれぞれ個別に第1駆動部51に接続されているため、互いに独立して駆動することができる。
【0072】
本実施例によれば、図15に示すように、吐出開口12には、成形材料6を吐出するための『目』の字形状の成形通路18Vが形成されている。この成形通路18Vは、通路18h,18i,18j,18k,18m,18nから『目』の字の形状に形成されている。
【0073】
本実施例においても前記した各実施例と同様に、押出成形の際、第1回動ダイス4S、第2回動ダイス4T、第3回動ダイス4Uを適宜回動させる。更に、第1主ダイス21及び第2主ダイス31を矢印X1,X2に適宜移動させる。従って、押出成形により成形される筒状成形体60の横断面形状及び肉厚の双方または一方を、筒状成形体60の長さ方向にわたり変更することができる。
【0074】
(第8実施例)
以下、本発明の第8実施例について図16を参照して説明する。第8実施例は図1,図2に示す第1実施例と基本的には同様の構成であり、基本的には同様の作用効果を奏する。従って、第1実施例と共通する部位には共通の符号を付する。以下、第1実施例と相違する部分を中心として説明する。本実施例によれば、図16に示すように、回動軸41は、回動ダイス本体42の中央域に設けられている。
【0075】
(他の実施例)
図17は他の実施例を示す。図17(A)に示すように回動ダイス4の回動ダイス本体42の断面形状を長円形状にできる。この場合回動ダイス本体42の肉厚を確保し易く、強度の確保に有利である。更に図17(B)に示すように回動ダイス4の回動ダイス本体42の断面形状を逆Vの字形状にできる。更に図17(C)に示すように回動ダイス4の回動ダイス本体42の外壁面に、ガラス質等の固体潤滑膜49を積層することができる。
【0076】
(適用例)
図18は車両の構成部品に適用した適用例を模式的に示す。上記した筒状成形体60は、図18に示す部材として適用することができる。上記した筒状成形体60は、バンパリインフォースメント100、フロントサイドエンド200、リヤサイドエンド300、センターピラー400、ルーフサイドレール500、フレーム600等のうちの1種または2種以上に適用することができる。
【0077】
(その他)
上記した実施例においては、筒状成形体60を下方に向けて吐出させるが、これに限られるものではなく、斜め下方、横方向に吐出させる形態でも良い。上記した実施例においては、第1主ダイス21及び第2主ダイス31の双方が移動可能であるが、これに限定されるものではなく、場合によってはいずれか一方としても良い。上記した実施例においては、スライド通路17には、第1主ダイス21及び第2主ダイス31が転動体17wを介して移動可能に配置されているが、これに限らず、転動体17wが設けられていない場合でも良い。その他、本発明方法及び本発明装置は上記した実施例のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できるものである。発明の実施の形態、実施例に記載の語句は一部であっても、請求項に記載できるものである。
【0078】
(付記)上記した記載から次の技術的思想も把握できる。
(付記項1)各請求項において、回動ダイスは、回動軸と、回動軸に保持された複数の回動ダイス本体とを備えていることを特徴とする筒状成形体の成形方法または筒状成形体の成形装置。
(付記項2)各請求項において、回動ダイスは、回動軸と、回動軸に保持された複数の回動ダイス本体とを備えており、複数の回動ダイス本体は同期して同方向に回動することを特徴とする筒状成形体の成形方法または筒状成形体の成形装置。
(付記項3)各請求項において、回動ダイスは複数個並設されていることを特徴とする筒状成形体の成形方法または筒状成形体の成形装置。
(付記項4)各請求項において、回動ダイスは複数個並設されており、互いに独立して個別に回動できることを特徴とする筒状成形体の成形方法または筒状成形体の成形装置。
(付記項5)各請求項において、車両の構成部品の成形に用いられることを特徴とする筒状成形体の成形方法または筒状成形体の成形装置。
(付記項6)各請求項において、吐出口の出口側に、筒状成形体を案内する案内ローラが設けられていることを特徴とする筒状成形体の成形方法または筒状成形体の成形装置。
(付記項7)各請求項において、筒状成形体はこれの長さ方向に延設された中間リブを有することを特徴とする筒状成形体の成形方法または筒状成形体の成形装置。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る筒状成形体の成形方法によれば、成形材料を前記基部の吐出開口から吐出させて筒状成形体を連続的に形成するにあたり、吐出開口側に回動可能に設けられ且つ成形初期の筒状成形体の内部に位置する回動ダイスを回動させることにより、回動ダイスで筒状成形体の内壁面を成形させつつ、筒状成形体の内壁面の位置を、筒状成形体の吐出方向と交差する方向に沿って可変とすることができる。このため筒状成形体の長さ方向にわたり、筒状成形体の横断面形状を変更させたり、あるいは、肉厚を変更させたりできる。
【0080】
本発明に係る筒状成形体の成形装置によれば、成形材料を筒状成形体として吐出する吐出開口を有する基部と、基部の吐出開口側に回動可能に設けられ且つ成形初期の筒状成形体の内部に位置すると共に筒状成形体の内壁面を成形する回動ダイスとを具備しており、回動ダイスを回動させることにより、吐出開口から吐出される筒状成形体の内壁面の位置を、筒状成形体の吐出方向と交差する方向に沿って可変とすることができる。このため上記した方法を実施することができる。即ち、筒状成形体の長さ方向にわたり、筒状成形体の横断面形状を変更させたり、あるいは、肉厚を変更させたりできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係り、成形装置を用いて成形材料を押出成形して筒状成形体を形成している過程を模式的に示す縦断面図である。
【図2】第1実施例に係り、回動ダイス及び主ダイスを有する成形装置の横断面図である。
【図3】図1に示す成形装置により成形された筒状成形体を示す斜視図である。
【図4】第2実施例に係り、成形装置に組み込まれている回動ダイスの駆動構造を示す側面図である。
【図5】第2実施例に係り、図4の横断面図である。
【図6】第3実施例に係り、成形装置に組み込まれている回動ダイスの駆動構造を示す側面図である。
【図7】第4実施例に係り、成形装置を用いて成形材料を押出成形して筒状成形体を形成している過程を模式的に示す縦断面図である。
【図8】第4実施例に係り、回動ダイス及び主ダイスを有する成形装置の横断面図である。
【図9】図7に示す成形装置により成形された筒状成形体を示す斜視図である。
【図10】第5実施例に係り、成形装置を用いて成形材料を押出成形して筒状成形体を形成している過程を模式的に示す縦断面図である。
【図11】第5実施例に係り、回動ダイス及び主ダイスを有する成形装置の横断面図である。
【図12】図10に示す成形装置により成形された筒状成形体を示す斜視図である。
【図13】第6実施例に係り、回動ダイス及び主ダイスを有する成形装置の横断面図である。
【図14】図13に示す成形装置により成形された筒状成形体を示す斜視図である。
【図15】第7実施例に係り、回動ダイス及び主ダイスを有する成形装置の横断面図である。
【図16】第8実施例に係り、成形装置を用いて成形材料を押出成形して筒状成形体を形成している過程を模式的に示す縦断面図である。
【図17】他の実施例に係り、回動ダイスの変形例を模式的に示す側面図である。
【図18】筒状成形体の適用例を模式的に示す斜視図である。
【図19】従来技術に係る成形装置を示す縦断面図である。
【図20】従来技術に係る成形装置を示す縦断面図である。
【符号の説明】
図中、1は基部、10は収容室、11はコンテナ、12は吐出口、13は加圧体、18は成形通路、21は第1主ダイス、31は第2主ダイス、4は回動ダイス、41は回動軸、42は回動ダイス本体、51は第1駆動部、6は成形材料、60は筒形成形体、60mは内壁面、60pは外壁面、60は成形孔を示す。
Claims (7)
- 基部の吐出開口から成形材料を連続的に吐出させることにより内壁面および外壁面を有する筒状成形体を成形する成形方法において、
前記成形材料を前記基部の吐出開口から吐出させて前記筒状成形体を連続的に形成するにあたり、前記吐出開口側に回動可能に設けられ且つ成形初期の前記筒状成形体の内部に位置する回動ダイスを回動させることにより、前記回動ダイスで前記筒状成形体の前記内壁面を成形させつつ、前記筒状成形体の内壁面の位置を、前記筒状成形体の吐出方向と交差する方向に沿って可変とすることを特徴とする筒状成形体の成形方法。 - 請求項1において、前記基部は、前記成形材料を収容する収容室を有するコンテナと、前記収容室内の成形材料を加圧して前記吐出開口から筒状成形体として吐出させる加圧体とを有することを特徴とする筒状成形体の成形方法。
- 請求項1または2において、前記吐出開口には、前記基部に設けられた主ダイスが配置されており、前記主ダイスは、前記筒状成形体の前記外壁面を成形させる延設面を備えており、互いに対向するように少なくとも2個設けられており、少なくとも一方の前記主ダイスは、前記筒状成形体の吐出方向と交差する方向に沿って移動可能であり、移動に伴い、前記吐出開口から吐出される前記筒状成形体の前記外壁面の位置を、前記吐出方向と交差する方向に沿って可変とすることを特徴とする筒状成形体の成形方法。
- 請求項1〜3のいずれかにおいて、前記筒状成形体の横断面形状は、ロの字形状、日の字形状、目の字形状、ロの字に近似した形状、日の字に近似した形状、目の字に近似した形状の少なくとも一方であることを特徴とする筒状成形体の成形方法。
- 成形材料を筒状成形体として吐出する吐出開口を有する基部と、
前記基部の吐出開口側に回動可能に設けられ且つ成形初期の前記筒状成形体の内部に位置すると共に前記筒状成形体の前記内壁面を成形する回動ダイスとを具備しており、
前記回動ダイスを回動させることにより、前記吐出開口から吐出される筒状成形体の内壁面の位置を、前記筒状成形体の吐出方向と交差する方向に沿って可変とすることを特徴とする筒状成形体の成形装置。 - 請求項5において、前記吐出開口には、前記基部に設けられた主ダイスが配置されており、前記主ダイスは、前記筒状成形体の前記外壁面を成形させる延設面を備えており、互いに対向するように少なくも2個設けられており、少なくとも一方の前記主ダイスは、前記筒状成形体の吐出方向と交差する方向に沿って移動可能に設けられており、移動に伴い、前記吐出開口から吐出される前記筒状成形体の外壁面の位置を、吐出方向と交差する方向に沿って可変とすることを特徴とする筒状成形体の成形装置。
- 請求項5または6において、前記回動ダイスを回動させる駆動部が設けられていることを特徴とする筒状成形体の成形装置。
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