JP4938500B2 - 金属材料の押出成形用ダイス - Google Patents

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Description

この発明は、金属材料の押出加工に用いられる金属材料の押出成形用ダイスなどに関する。
カーエアコン用熱交換器におけるアルミニウム(その合金を含む。)製熱交換チューブなどの金属製中空押出品を製造する際に用いられる押出成形用ダイスは、図18(a)に示すポートホールダイス、同図(b)に示すスパイダダイス、同図(c)に示すブリッジダイスと称されるものがある。
これらの押出成形用ダイスは、オス型ダイス(1)とメス型ダイス(2)とが組み合わされて構成され、オス型ダイス(1)のマンドレル(1a)が、メス型ダイス(2)のダイス孔(2a)に対応して配置されて、マンドレル(1a)およびダイス孔(2a)によって環状の押出孔が形成される。そしてオス型ダイス(1)のビレット受圧面(金属材料受圧面1b)に押圧された金属ビレット(金属材料)が、材料導入部(1c)を通って両ダイス(1)(2)内に流入されて、上記押出孔を塑性変形しつつ通過することによって、押出孔の形状に対応した断面形状の押出材が成形されるよう構成されている。
このような押出成形用ダイスにおいては、オス型ダイス(1)のビレット受圧面(1b)に、金属ビレットの押圧による多大な応力が加わるため、その応力によって、ビレット受圧部周辺に亀裂が発生し易く、十分なダイス寿命を得ることが困難になるおそれがある。
そこで従来においては、下記特許文献1,2に示す金属材料の押出成形用ダイスが提案されている。このダイスは、オス型ダイスのブリッジ部がメス型ダイスに取り付けられるブリッジダイスによって構成されるものであり、オス型ダイスのビレット受圧面をビレットの押出方向に対し反対側(後側)に突出する凸面形状に形成して、金属ビレットの押圧力を、凸面によって緩和して受け止めることにより、金属ビレットの押圧による悪影響を回避するようにしている。
また、ポートホールダイスやブリッジダイス等において、オス型ダイスとメス型ダイスの耐摩耗性を向上させてダイス寿命の延長を図ることを目的に、オス型ダイスとメス型ダイスをそれぞれダイスケースとは別体に形成したものが知られている。このようなダイスによれば、オス型ダイスとメス型ダイスを、超硬合金、サーメット、セラミック等の高い耐摩耗性を有する材料で形成することができるし、またオス型ダイスとメス型ダイスの表面に耐摩耗層を容易にコーティングすることができ、これによりダイス寿命の延長を図ることができる。
実開昭53−102938号(請求の範囲、第3−5図) 特開平2−280912号(請求の範囲、第1−3図)
而して、上記特許文献1,2に示す従来の押出成形用ダイスは、ビレット受圧面を凸面形状に形成しているため、金属ビレットに対する耐圧性など、オス型ダイスの強度をある程度向上させることができるものの、依然としてブリッジ部に強度的に不安を抱えている。このためブリッジ部の強度を十分に確保するには、オス型ダイスにおけるブリッジ部の肉厚などのサイズを不必要に大きくせざるを得ず、大型化および高重量化を来すばかりか、コストの増大も招くという問題が発生する。
また押出成形用ダイスにおいて、特に複雑な形状に押出加工するような場合には、金属材料をオス型ダイスの材料導入部から押出孔にかけて安定状態にスムーズに導入する必要があるが、上記従来の押出成形用ダイスにおいては、オス型ダイスの材料導入部からオス型ダイスおよびメス型ダイス間に流入される金属材料がオス型ダイスのブリッジ部によって乱されて、金属材料のスムーズな導入が妨げられ、押出成形品の寸法精度が低下して、高い品質を得ることが困難になるおそれがあった。
この発明の主たる目的は、上記従来技術の問題を解消し、十分な強度および耐久性を確保しつつ、コストの削減および小型軽量化を図ることができるとともに、高い品質の押出成形品を得ることができる金属材料の押出成形用ダイスを提供することである。
この発明の他の目的は、上記目的を達成可能な熱交換チューブの押出成形用ダイス、金属材料の押出成形方法、熱交換チューブの押出成形方法、金属材料の押出成形機および熱交換チューブの押出成形機を提供することである。
本発明は、以下の手段を提供する。
[1] 外表面を金属材料受圧面とする受圧部を有し、その受圧部の金属材料受圧面を金属材料の押出方向に対向させるように後方に向けて配置されるダイスケースと、
前記ダイスケースの内部に保持され、かつ前記ダイスケースの軸心に対応して配置されるマンドレルを有するオス型ダイスと、
前記ダイスケース内の前部に保持され、かつ前記マンドレルとの間で押出孔を形成するダイス孔が設けられたメス型ダイスと、を備えたダイスにおいて、
前記受圧部における金属材料受圧面が後方に向けて突出する凸面形状に形成される一方、
前記受圧部の外周に、金属材料導入用のポート孔が設けられるとともに、そのポート孔の軸心が下流側に向かうに従って前記ダイスケースの軸心に近づくように、前記ダイスケースの軸心に対し傾斜するように配置されており、
前記オス型ダイスを前記ダイスケースの内部に前側から取り付けられるよう構成されるとともに、
前記金属材料受圧面に押圧された金属材料が、前記ポート孔を通ってダイスケース内に導かれて、前記押出孔を通過するよう構成されたことを特徴とする金属材料の押出成形用ダイス。
[2] ダイスケースの内部には、底部を有するオス型ダイス保持凹部がその開口を前方に向けて設けられており、
オス型ダイスの後端部が保持凹部の底部に当接した状態で、オス型ダイスが保持凹部内に挿入保持されたことを特徴とする前項1記載の金属材料の押出成形用ダイス。
[3] オス型ダイスが保持凹部内に焼ばめ固定されたことを特徴とする前項1又は2に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
[4] オス型ダイスの後端側の部分の幅および/または高さ(厚さ)が、その後端側から前端側に向かう方向において徐々に小さくなるように設定されたことを特徴とする前項1〜3のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
[5] 金属材料受圧面が、球面の一部からなる凸球面によって構成されたことを特徴とする前項1〜4のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
[6] 金属材料受圧面が、1/6〜4/6球体の凸球面によって構成されたことを特徴とする前項1〜5のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
[7」 ポート孔は、ダイスケースの軸心回りに周方向に等間隔おきに複数形成されたことを特徴とする前項1〜6のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
[8] ポート孔は、押出孔に向けて配置されたことを特徴とする前項1〜7のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
[9] オス型ダイスのマンドレルと、メス型ダイスのダイス孔との間によって、高さ(厚さ)が幅に対し小さい偏平な環状の押出孔が形成されるとともに、
マンドレルにおけるダイス孔に対応する部分が、幅方向に併設された複数の通路成形用凸部を有する櫛歯状に形成されて、
金属材料が押出孔を通過することによって、複数の通路が幅方向に併設された多孔中空材が押出成形されるよう構成されたことを特徴とする前項1〜9のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
[10] 多孔中空材が、熱交換器の熱交換チューブとして用いられる前項9に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
[11]
オス型ダイスのマンドレルと、メス型ダイスのダイス孔との間によって、高さが幅に対し小さい偏平な環状の押出孔が形成され、
ポート孔が押出孔の高さ方向(厚さ方向)両側に対応する位置に配置されたことを特徴とする前項1〜10のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
[12] ダイスケースは、その前部に受圧部と一体に環状ベース部が設けられたことを特徴とする前項1〜11のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
[13] 金属材料が、アルミニウムまたはその合金によって構成されたことを特徴とする前項1〜12のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
[14] 複数の通路が幅方向に併設された熱交換チューブを押出成形するための熱交換チューブの押出成形用ダイスであって、
外表面を金属材料受圧面とする受圧部を有し、その受圧部の金属材料受圧面を金属材料の押出方向に対向させるように後方に向けて配置されるダイスケースと、
ダイスケースの内部に保持され、かつダイスケースの軸心に対応して配置されるマンドレルを有するオス型ダイスと、
ダイスケース内の前部に保持され、かつマンドレルとの間で押出孔を形成するダイス孔が設けられたメス型ダイスと、を備え、
受圧部における金属材料受圧面が後方に向けて突出する凸面形状に形成される一方、
受圧部の外周に、金属材料導入用のポート孔が設けられるとともに、そのポート孔の軸心が下流側に向かうに従ってダイスケースの軸心に近づくように、ダイスケースの軸心に対し傾斜するように配置されており、
オス型ダイスをダイスケースの内部に前側から取り付けられるよう構成されるとともに、
マンドレルにおけるダイス孔に対応する部分が、複数の通路成形用凸部を有する櫛歯状に形成されて、
金属材料受圧面に押圧された金属材料が、ポート孔を通ってダイスケース内に導かれて、押出孔を通過することによって、複数の通路が幅方向に併設された熱交換チューブが形成されるよう構成されたことを特徴とする熱交換チューブの押出成形用ダイス。
[15] 押出成形用ダイスを用いた金属材料の押出成形方法であって、
押出成形用ダイスは、
外表面を金属材料受圧面とする受圧部を有し、その受圧部の金属材料受圧面を金属材料の押出方向に対向させるように後方に向けて配置されるダイスケースと、
ダイスケースの内部に保持され、かつダイスケースの軸心に対応して配置されるマンドレルを有するオス型ダイスと、
ダイスケース内の前部に保持され、かつマンドレルとの間で押出孔を形成するダイス孔が設けられたメス型ダイスと、を備え、さらに、
受圧部における金属材料受圧面が後方に向けて突出する凸面形状に形成される一方、
受圧部の外周に、金属材料導入用のポート孔が設けられるとともに、そのポート孔の軸心が下流側に向かうに従ってダイスケースの軸心に近づくように、ダイスケースの軸心に対し傾斜するように配置され、
オス型ダイスをダイスケースの内部に前側から取り付けられるよう構成されており、
金属材料受圧面に押圧させた金属材料を、ポート孔に通してダイスケース内に導いて、押出孔に通過させるようにしたことを特徴とする金属材料の押出成形方法。
[16] 複数の通路が幅方向に併設された熱交換チューブを押出成形するための、押出成形用ダイスを用いた熱交換チューブの押出成形方法であって、
押出成形用ダイスは、
外表面を金属材料受圧面とする受圧部を有し、その受圧部の金属材料受圧面を金属材料の押出方向に対向させるように後方に向けて配置されるダイスケースと、
ダイスケースの内部に保持され、かつダイスケースの軸心に対応して配置されるマンドレルを有するオス型ダイスと、
ダイスケース内の前部に保持され、かつマンドレルとの間で押出孔を形成するダイス孔が設けられたメス型ダイスと、を備え、さらに、
受圧部における金属材料受圧面が後方に向けて突出する凸面形状に形成される一方、
受圧部の外周に、金属材料導入用のポート孔が設けられるとともに、そのポート孔の軸心が下流側に向かうに従ってダイスケースの軸心に近づくように、ダイスケースの軸心に対し傾斜するように配置され、
オス型ダイスをダイスケースの内部に前側から取り付けられるよう構成されており、
マンドレルにおけるダイス孔に対応する部分が、複数の通路成形用凸部を有する櫛歯状に形成されており、
金属材料受圧面に押圧させた金属材料を、ポート孔に通してダイスケース内に導いて、押出孔に通過させることによって、複数の通路が幅方向に併設された熱交換チューブを形成するようにしたことを特徴とする熱交換チューブの押出成形方法。
[17] コンテナと、そのコンテナにセットされる押出成形用ダイスと、を備え、コンテナ内の金属材料を押出成形用ダイスに供給するようにした金属材料の押出成形機であって、
押出成形用ダイスは、
外表面を金属材料受圧面とする受圧部を有し、その受圧部の金属材料受圧面を金属材料の押出方向に対向させるように後方に向けて配置されるダイスケースと、
ダイスケースの内部に保持され、かつダイスケースの軸心に対応して配置されるマンドレルを有するオス型ダイスと、
ダイスケース内の前部に保持され、かつマンドレルとの間で押出孔を形成するダイス孔が設けられたメス型ダイスと、を備え、さらに、
受圧部における金属材料受圧面が後方に向けて突出する凸面形状に形成される一方、
受圧部の外周に、金属材料導入用のポート孔が設けられるとともに、そのポート孔の軸心が下流側に向かうに従ってダイスケースの軸心に近づくように、ダイスケースの軸心に対し傾斜するように配置されており、
オス型ダイスをダイスケースの内部に前側から取り付けられるよう構成されるとともに、
金属材料受圧面に押圧された金属材料が、ポート孔を通ってダイスケース内に導かれて、押出孔を通過するよう構成されたことを特徴とする金属材料の押出成形機。
[18] コンテナと、そのコンテナにセットされる押出成形用ダイスと、を備え、コンテナ内の金属材料を押出成形用ダイスに供給するようにした熱交換チューブの押出成形機であって、
押出成形用ダイスは、
外表面を金属材料受圧面とする受圧部を有し、その受圧部の金属材料受圧面を金属材料の押出方向に対向させるように後方に向けて配置されるダイスケースと、
ダイスケースの内部に保持され、かつダイスケースの軸心に対応して配置されるマンドレルを有するオス型ダイスと、
ダイスケース内の前部に保持され、かつマンドレルとの間で押出孔を形成するダイス孔が設けられたメス型ダイスと、を備え、さらに、
受圧部における金属材料受圧面が後方に向けて突出する凸面形状に形成される一方、
受圧部の外周に、金属材料導入用のポート孔が設けられるとともに、そのポート孔の軸心が下流側に向かうに従ってダイスケースの軸心に近づくように、ダイスケースの軸心に対し傾斜するように配置されており、
オス型ダイスをダイスケースの内部に前側から取り付けられるよう構成されるとともに、
マンドレルにおけるダイス孔に対応する部分が、複数の通路成形用凸部を有する櫛歯状に形成されて、
金属材料受圧面に押圧された金属材料が、ポート孔を通ってダイスケース内に導かれて、押出孔を通過することによって、複数の通路が幅方向に併設された熱交換チューブが形成されるよう構成されたことを特徴とする熱交換チューブの押出成形機。
発明[1]の金属材料の押出成形用ダイスによれば、金属材料受圧面を凸面形状に形成しているため、金属材料が受圧面に押圧された際に、金属材料の押圧力を凸面によって分散させて受け止めることができて、受圧面の各部分での法線方向の押圧力を低減することができる。このため金属材料の押圧力に対する強度を向上できて、十分な耐久性を得ることができる。すなわち、金属材料が凸面形状に形成された受圧面に押圧された場合、受圧面の各部位には受圧部の軸心に向かう方向の圧縮力が加わるため、押出成形時にダイスケースに生じる剪断力が低減される。その結果、このダイスケースにおいて最も剪断力が大きく生じる部位である、ダイスケースの中空部に露出した部位について、該部位に生じる剪断力を低減でき、もって金属材料の押圧力に対するダイスの強度を向上させることができる。
さらに本発明においては、オス型ダイスおよびメス型ダイスを覆うダイスケースの受圧部に、材料流入用のポート孔を形成するものであるため、つまり受圧部の前端(下流側)壁部が周方向に連続して一体に形成されるため、この連続周壁部の存在によって、ダイスケース、ひいては押出成形用ダイス全体の強度を一段と向上させることができる。このように本発明のダイスは、従来におけるブリッジ部などの強度的に弱い部分が存在せず、強度向上のために必要以上に肉厚などのサイズを大きく形成する必要もないため、小型軽量化を図ることができるとともに、コストも削減することができる。
また本発明においては、ポート孔を受圧部の外周に設けるとともに、そのポート孔の軸心を下流側に向かうに従ってダイスケースの軸心に近づくように、ダイスケースの軸心に対し傾斜するように配置しているため、ポート孔を流通する金属材料がダイスケース内の軸心、つまり押出孔にスムーズに導かれて、安定状態で押出加工することができ、高品質の押出成形品を得ることができる。
さらに、この押出成形用ダイスは、オス型ダイスをダイスケースの内部に前側から取り付けられるよう構成されている。したがって、ダイスケースの内部にオス型ダイスを保持する部位を形成するための加工と、ダイスケース内の前部にメス型ダイスを保持する部位を形成するための加工とを、ともにダイスケースの前側から行うことができ、即ち両方の加工をダイスケースに対して同じ方向から行うことができる。これにより、押出成形用ダイスの製造工程において段取り替えに伴う同軸度および直角度の精度低下がなく、高い加工精度を確保することができる。
さらに、この押出成形用ダイスでは、金属材料受圧面が凸面形状に形成されているため、ダイスケースにおけるオス型ダイスを保持する部位(例:ダイス保持凹部)が金属材料の押出力よって広がる不具合を抑制することができる。これにより、押出成形の際にオス型ダイスの位置ずれを抑制することができる。
発明[2]の金属材料の押出成形用ダイスによれば、オス型ダイスの後端部が保持凹部の底部に当接した状態で、オス型ダイスが保持凹部内に挿入保持されているので、押出成形時におけるオス型ダイスの後方向への位置ずれを確実に抑制することができるし、さらに、オス型ダイスのダイスケースへの取り付けの際にオス型ダイスの後方向における位置決めを確実に行うことができる。
発明[3]の金属材料の押出成形用ダイスによれば、オス型ダイスが保持凹部内に焼ばめ固定されているので、オス型ダイスを強固に保持することができ、もって押出成形時におけるオス型ダイスの位置ずれを更に確実に抑制することができる。
発明[4]の金属材料の押出成形用ダイスによれば、オス型ダイスの後端側の部分の幅および/または高さ(厚さ)が、その後端側から前端側に向かう方向において徐々に小さくなるように設定されているので、オス型ダイスを更に強固に保持することができ、もって押出成形時におけるオス型ダイスの位置ずれをより一層確実に抑制することができる。
発明[5]の金属材料の押出成形用ダイスによれば、金属材料受圧面を凸球面によって構成しているため、金属材料の受圧面への押圧力をバランス良く分散できて、金属材料の押圧力に対する強度を一層向上させることができる。すなわち、金属材料が凸球面によって構成された受圧面に押圧された場合、受圧面の各部位には受圧部の中心に向かう方向の圧縮力が加わるため、押出成形時にダイスケースに生じる剪断力が一層低減される。その結果、このダイスケースにおいて最も剪断力が大きく生じる部位である、ダイスケースの中空部に露出した部位について、該部位に生じる剪断力を一層低減でき、もって金属材料の押圧力に対するダイスの強度を一層向上させることができる。
発明[6]の金属材料の押出成形用ダイスによれば、金属材料受圧面を、特定の凸球面によって構成しているため、金属材料の受圧面への押圧力をより確実にバランス良く分散できて、金属材料の押圧力に対する強度をより確実に向上させることができる。すなわち、金属材料が特定の凸球面によって構成された受圧面に押圧された場合、受圧面の各部位には受圧部の中心に向かう方向の圧縮力がより確実に加わるため、押出成形時にダイスケースに生じる剪断力がより確実に低減される。その結果、このダイスケースにおいて最も剪断力が大きく生じる部位である、ダイスケースの中空部に露出した部位について、該部位に生じる剪断力をより確実に低減でき、もって金属材料の押圧力に対するダイスの強度をより確実に向上させることができる。
発明[7]の金属材料の押出成形用ダイスによれば、ポート孔を周方向に複数形成しているため、金属材料をダイスケース内に周方向から均等に導入でき、押出孔へとスムーズに供給でき、より安定状態に押出加工することができる。
発明[8]の金属材料の押出成形用ダイスによれば、ポート孔を押出孔に向けて配置しているため、ポート孔に流入された金属材料を、よりスムーズに押出孔へと供給することができる。
発明[9]の金属材料の押出成形用ダイスによれば、幅方向に複数の通路が並列に配置される多孔中空材を確実に成形することができる。
発明[10]の金属材料の押出成形用ダイスによれば、熱交換器用のチューブを確実に得ることができる。
発明[11]の金属材料の押出成形用ダイスによれば、偏平形状の押出孔に、ポート孔から金属材料をより安定した状態で確実に供給することができる。
発明[12]の金属材料の押出成形用ダイスによれば、受圧部と一体に環状ベース部が設けられるため、その環状ベース部により補強されて、ダイスケース、ひいては押出成形用ダイス全体の強度をより一層向上させることができる。
発明[13]の金属材料の押出成形用ダイスによれば、アルミニウムまたはアルミニウム合金製の押出成形品を製造することができる。
発明[14]によれば、上記と同様の効果を奏する熱交換チューブの押出成形用ダイスを提供することができる。
発明[15]によれば、上記と同様の効果を奏する金属材料の押出成形方法を提供することができる。
発明[16]によれば、上記と同様の効果を奏する熱交換チューブの金属材料の押出成形方法を提供することができる。
発明[17]によれば、上記と同様の効果を奏する金属材料の押出成形機を提供することができる。
発明[18]によれば、上記と同様の効果を奏する熱交換チューブの押出成形機を提供することができる。
図1〜7はこの発明の一実施形態に係る金属材料の押出成形用ダイス(10)を説明するための図である。この押出成形用ダイス(10)は、図11,12に示す多孔中空材(扁平多孔チューブ)(60)を押出成形するものである。
中空材(60)は、金属製のもので、本実施形態において具体的には、アルミニウム(その合金を含む。)製の熱交換チューブ(60)を構成している。
この中空材(60)は、カーエアコン用のコンデンサなどの熱交換器に採用されるもので、偏平な形状を有している。中空材(60)の中空部(61)は、チューブ長さ方向に延び、かつ互いに平行に配置された複数の隔壁(62)によって、複数の熱交換用通路(63)に仕切られている。これらの通路(63)は、チューブ長さ方向に延び、かつ互いに平行に配置されている。
なお本実施形態においては、チューブ長さ方向に対し直交し、かつ通路(63)が並列される方向を「幅方向」とし、チューブ長さ方向に対し直交し、かつ幅方向に対し直交する方向を「高さ方向(厚さ方向)」として説明する。さらに本実施形態では、押出方向の「上流側」を「後側」とし、「下流側」を「前側」として説明する。
また本発明の押出成形用ダイス(10)を用いて押出成形される中空材(60)は、熱交換器の熱交換チューブ(60)として用いられるものに限定されるものではなく、他の用途に用いられるものであっても良いし、その断面形状についても特に限定されるものではない。
図1〜7に示すように本実施形態の押出成形用ダイス(10)は、ダイスケース(20)と、オス型ダイス(30)と、メス型ダイス(40)と、流動制御板(50)とを基本的な構成要素として備えている。
ダイスケース(20)は、中空構造を有しており、金属材料としての金属ビレットの押出方向に対し、上流側(後側)に設けられる受圧部(21)と、下流側(前側)に設けられるベース部(25)とを有している。
受圧部(21)は、ドーム状に形成されており、金属ビレットの押出方向に対向する面(後面)が、金属材料受圧面としてのビレット受圧面(22)に形成されている。このビレット受圧面(22)は、押出方向に対向する方向(後方向)に突出する凸面形状として形成されており、具体的には半球面形状の凸球面として形成されている。
受圧部(21)の内部には、底部(23b)を有するオス型ダイス保持凹部(23)がその開口(23a)を前方に向けて且つ受圧部(21)の軸心(A1)に沿って設けられている。この保持凹部(23)は、その軸心がダイスケース(20)の軸心(A1)に一致するように受圧部(21)の内部に配置されている。さらに、図5に示すように、この保持凹部(23)の底部(23b)は、軸心(A1)に対し直交する平坦面からなり、さらに受圧部(21)の中心から軸心(A1)に沿って受圧部(21)の半径の約半分離れた位置に配置されている。さらに、この保持凹部(23)の開口(23a)は、受圧部(21)の内部の中空部(ウェルドチャンバ12)に臨んで配置されている。
受圧部(21)の外周、詳述すると受圧部(21)の周壁における軸心(A1)を挟んだ両側には、一対のポート孔(24)(24)がそれぞれ形成されている。各ポート孔(24)の材料入口部の断面形状は、受圧部(21)の周方向に沿って延びる長孔形状を有しており、両ポート孔(24)(24)の材料入口部は互いに周方向に等間隔をおくように対向して配置されている。さらに、図5に示すように、各ポート孔(24)は下流側(前方)に向かうに従って受圧部(21)の軸心(A1)に近づくように、各ポート孔(24)の軸心(A2)が受圧部(21)の軸心(A1)に対し交差し、かつ傾斜して配置されている。このポート孔(24)の傾斜角度(θ)などの詳細な構成については、後に詳述する。
なお本実施形態において、ダイスケース(20)の軸心と受圧部(21)の軸心とは一致するよう構成されている。
ベース部(25)は、ダイスケース(20)の前部を構成するものであり、受圧部(21)と一体に形成されており、更に、ベース部(25)はその外周面が受圧部(21)の他端側外周よりも外側に張り出すように形成されている。
ベース部(25)の内側には、内部のウェルドチャンバ(12)に連通し、かつメス型ダイス(40)の断面形状に対応する断面形状(即ち断面円形状)のメス型ダイス保持孔(26)が形成されている。そのため、ベース部(25)は円環状(詳述すると円筒状)に形成されている。また、このメス型ダイス保持孔(26)の前側の開口は、ベース部(25)の前端面の中央部、すなわちダイスケース(20)の前端面の中央部に形成されている。また、このメス型ダイス保持孔(26)の軸心は、ダイスケース(20)の軸心(A1)に一致するように構成されている。
またメス型ダイス保持孔(26)の内周面における後端側には図5などに示すように、後述するメス型ダイス(40)を流動制御板(50)を介して係合する係合段部(26a)が形成されている。さらに図3に示すようにメス型ダイス保持孔(26)の内周面における両側部には、軸心(A1)に対し平行なキー溝(27)(27)が形成されている。
オス型ダイス(30)は、その前半の主要部がマンドレル(31)として構成されている。図6,7に示すように、マンドレル(31)は、ダイスケース(20)の軸心(A1)に対応して配置されるものである。また、マンドレル(31)の前端部は、中空材(60)の中空部(61)を成形するもので、中空材(60)の各通路(63)に対応した複数個の通路成形用凸部(33)を有している。これら複数の通路成形用凸部(33)は、マンドレル(31)の幅方向に所定間隔おきに並んで配置されている。さらにこれらの通路成形用凸部(33)の各間に設けられた隙間は、中空材(60)の隔壁(62)を形成する隔壁成形用溝(32)として構成されている。
また、図6に示すように、オス型ダイス(30)の通路成形用凸部(33)よりも後側の部分の幅方向両側面(30a)(30a)は、それぞれ、オス型ダイス(30)の後端側から前端側に向かう方向において内側(即ち、ダイスケース(20)の軸心(A1)に近づく方向)に傾斜した傾斜面(テーパ面)に形成されている。これにより、オス型ダイス(30)の通路成形用凸部(33)よりも後側の部分の幅は、その後端側から前端側に向かう方向において徐々に小さくなるように設定されている。さらに、図5に示すように、オス型ダイス(30)の通路成形用凸部(33)よりも後側の部分の高さ(厚さ)方向両側面(30b)(30b)は、それぞれ、オス型ダイス(30)の後端側から前端側に向かう方向において内側に傾斜した傾斜面(テーパ面)に形成されている。これにより、オス型ダイス(30)の通路成形用凸部(33)よりも後側の部分の高さ(厚さ)は、その後端側から前端側に向かう方向において徐々に小さくなるように設定されている。このようにして、オス型ダイス(30)の通路成形用凸部(33)よりも後側の部分は、オス型ダイス(30)の後端側から前端側に向かう方向において断面積が徐々に小さくなるテーパ状に形成されている。このような形状のオス型ダイス(30)を、説明の便宜上「テーパ付きオス型ダイス」と呼ぶ。一方、テーパ状ではなく、オス型ダイスの幅方向両側面(30a)(30a)および高さ方向両側面(30b)(30b)が傾斜していないオス型ダイスを、説明の便宜上「テーパなしオス型ダイス」と呼ぶ。
本実施形態では、オス型ダイス(30)の通路成形用凸部(33)よりも後側の部分の幅方向各側面(30a)および高さ方向各側面(30b)の、オス型ダイス(30)の後端側から前端側に向かう方向(即ち軸心方向)に対する傾斜角度は、例えば0.03〜1.0°の範囲内に設定されており、具体的には本実施形態では例えば0.25°に設定されている。ただし本発明では、これらの傾斜角度は上記の範囲内であることに限定されるものではない。また本発明では、これらの傾斜角度は、必ずしも互いに等しく設定されていることを要せず、即ちそれぞれ異なっていても良い。なお、これらの図面では、オス型ダイス(30)の各側面(30a)(30b)が傾斜面からなることを分かり易くするため、これらの傾斜角度を大きく誇張して図示している。
また、オス型ダイス(30)の後端面は、軸心(A1)に対し直交する平坦面からなる。さらに、オス型ダイス(30)の幅方向両側面(30a)(30a)と後端面との間の各後角部がそれぞれ面取り加工されている。
また、図4に示すように、オス型ダイス保持凹部(23)の幅方向各内側面および高さ方向各内側面の、軸心方向に対する傾斜角度は、オス型ダイス(30)の対応する側面に対応して傾斜しており、本実施形態では、オス型ダイス(30)の対応する側面と同じ傾斜角度で傾斜している。
オス型ダイス(30)の後端部の最大断面積は、焼ばめ時にオス型ダイス(30)を保持凹部(23)内に挿入できる程度に保持凹部(23)の開口(23a)の面積よりも若干大きく設定されている。本実施形態では、オス型ダイス(30)の後端部の最大幅Aおよび高さ(厚さ)は、焼ばめ時にオス型ダイス(30)を保持凹部(23)内に挿入できる程度に保持凹部(23)の開口(23a)の幅Bおよび高さよりもそれぞれ若干大きく設定されている。
そして、このオス型ダイス(30)は、次のようにしてダイスケース(20)の内部に取り付けられている。
すなわち、オス型ダイス(30)は、ダイスケース(20)のオス型ダイス保持凹部(23)内に前側からその開口(23a)を通ってオス型ダイス(30)の後端部が保持凹部(23)の底部(23b)に当接するまでダイスケース(20)の軸心(A1)に沿って挿入され、そしてこの状態で、オス型ダイス(30)が保持凹部(23)内に焼ばめによって固定されることにより、オス型ダイス(30)が保持凹部(23)内に保持されている。さらに、この状態では、オス型ダイス(30)の後端部は保持凹部(23)の底部(23b)に面接触状態に当接しており、これにより、オス型ダイス(30)を保持凹部(23)内に挿入する際、すなわちオス型ダイス(30)のダイスケース(20)への取り付けの際に、オス型ダイス(30)の後方向における位置決めが図られている。その結果、オス型ダイス(30)のマンドレル(31)が保持凹部(23)の開口(23a)から受圧部(21)の内部に所定量突出した状態に、オス型ダイス(30)が保持凹部(23)内に保持されている。さらに、このようにオス型ダイス(30)が保持凹部(23)内に焼ばめ固定されることにより、保持凹部(23)の各内側面がオス型ダイス(30)の対応する側面に略面接触状態に圧接している。
以上のようにして、押出成形用ダイス(10)は、オス型ダイス(30)をダイスケース(20)の内部に前側から取り付けられるよう構成されている。
オス型ダイス(30)と保持凹部(23)との間の焼ばめ代は、例えば0.3〜0.6%の範囲内に設定される。ただし本発明では、この焼ばめ代は、上記の範囲内であることに限定されるものではなく、オス型ダイス(30)およびダイスケース(20)の材質や、オス型ダイス(30)の寸法などに応じて様々に設定されるものである。
メス型ダイス(40)は、円柱形状を有しており、図4に示すように外周面の両側部には、上記ダイスケース(20)におけるメス型ダイス保持孔(26)のキー溝(27)(27)に対応して、軸心と平行なキー突起(47)(47)が形成されている。
メス型ダイス(40)には、後端面側に開放し、かつオス型ダイス(30)のマンドレル(31)に対応して形成されるダイス孔(ベアリング孔41)と、ダイス孔(41)に連通し、かつ前端面側に開放するレリーフ孔(42)とが設けられている。
ダイス孔(41)は、その内周縁部に沿って内方突出部が設けられて、中空材(60)の外周部を成形できるよう構成されている。さらにレリーフ孔(42)は、前端側(下流側)に向かうに従って次第に厚さ(高さ)が大きくなるように末広がりのテーパ状に形成されて、前側(下流側)に開放されている。
流動制御板(50)は、その外周形状が、上記ダイスケース(20)におけるメス型ダイス保持孔(26)の断面形状に対応して円形に形成されている。さらに流動制御板(50)の中央には、オス型ダイス(30)のマンドレル(31)およびメス型ダイス(40)のダイス孔(41)に対応して、中央貫通孔(51)が形成されている。
なお図4に示すように、流動制御板(50)における外周縁部の両側部には、上記ダイスケース(20)におけるメス型ダイス保持孔(26)のキー溝(27)(27)に対応して、キー突起(57)(57)が形成されている。
そして上記メス型ダイス(40)が、ダイスケース(20)のメス型ダイス保持孔(26)に前側から流動制御板(50)を介して収容されて固定される。このときメス型ダイス(40)の一端面(後端面)外周が流動制御板(50)の外周縁部を介して、メス型ダイス保持孔(26)の係合段部(26a)に係合されることにより、メス型ダイス(40)および流動制御板(50)の軸心方向(押出方向)の位置決めが図られるとともに、メス型ダイス(40)のキー突起(47)(47)および流動制御板(50)のキー突起(57)(57)がメス型ダイス保持孔(26)のキー溝(27)(27)に係合されることにより、軸心回り方向の位置決めが図られる。
以上のようにして、押出成形用ダイス(10)は、メス型ダイス(40)をダイスケース(20)内の前部(即ちベース部(25)の内部)に前側から取り付けられるよう構成されている。
これにより、オス型ダイス(30)のマンドレル(31)およびメス型ダイス(40)のダイス孔(41)が流動制御板(50)の中央貫通孔(51)内に対応して配置される。このときオス型ダイス(30)のマンドレル(31)が、メス型ダイス(40)のダイス孔(41)の内側に配置されて、マンドレル(31)およびダイス孔(41)間で偏平環状の押出孔(11)が形成される。さらにこの押出孔(11)は、マンドレル(31)の複数の隔壁形成溝(32)が幅方向に並列に配置されて、成形加工される上記中空材(60)の断面形状に対応して形成される。
ここで本実施形態において、ダイスケース(20)のポート孔(24)の詳細な構成について説明する。まず、上下一対のポート孔(24)(24)は、押出孔(11)の高さ方向(厚さ方向)両側に対応する位置に配置されて、一対のポート孔(24)(24)の流出側端部(前端部)が、押出孔(11)に対応して配置されている。
また既述したようにポート孔(24)(24)はその軸心(A2)が、ダイスケース(20)の軸心(A1)に対し傾斜するように設定されている。図5に示すように本実施形態において、ダイスケース(20)の軸心(A1)に対するポート孔(24)の軸心(A2)の傾斜角度(θ)は、3〜35°に設定するのが良く、好ましくは5〜30°、特に好ましくは5〜25°に設定するのが良い。すなわちこの傾斜角度(θ)を上記特定の範囲内に設定する場合には、ビレットがポート孔(24)(24)およびウェルドチャンバ(12)を安定した状態で流通して、さらにビレットが押出孔(11)をその全周にわたってバランス良くスムーズに通過して、寸法精度に優れた高品質の押出成形品(押出加工品)を形成することができる。換言すれば、上記傾斜角度(θ)が小さ過ぎる場合には、ポート孔(24)(24)およびウェルドチャンバ(12)を流通したビレットが、押出孔(11)にスムーズに導入されず、高品質の押出成形品を安定して得ることが困難になるおそれがある。逆に傾斜角度(θ)が大き過ぎる場合には、材料押出方向に対し、ポート孔(24)の材料流通方向が大きく傾斜するため、ビレットの押出荷重が大きくなるので、好ましくない。ただし本発明では、ポート孔(24)の軸心(A2)の傾斜角度(θ)は上記の範囲内であることに限定されるものではない。
また本実施形態において、ダイスケース(20)におけるビレット受圧面(22)を、1/6〜4/6球体の凸球面によって構成するのが良い。ビレット受圧面(22)を上記特定の凸球面によって構成する場合には、ビレット受圧面(22)によって金属ビレットの押圧力をより確実にバランス良く分散して受け止めることができ、十分な強度を確保できて、ダイス寿命を向上させることができる。すなわち、ビレットが特定の凸球面によって構成された受圧面(22)に押圧された場合、受圧面(22)の各部位には受圧部(21)の中心(O)に向かう方向の圧縮力がより確実に加わるため、押出成形時にダイスケース(20)に生じる剪断力がより確実に低減される。その結果、このダイスケース(20)において最も剪断力が大きく生じる部位である、ダイスケース(20)の中空部に露出した部位について、該部位に生じる剪断力をより確実に低減でき、もってビレットの押圧力に対するダイス(10)の強度をより確実に向上させることができる。そればかりかダイス形状の簡素化、小型軽量化およびコストの削減を図ることができる。換言すれば、ビレット受圧面(22)の形状を、1/6球体に満たない球体、たとえば1/8球体の凸球面形状によって構成した場合には、ビレットの押圧力に対し十分な強度を得ることができず、亀裂の発生によるダイス寿命の低下を来すおそれがある。逆にビレット受圧面(22)の形状を、4/6球体を超える球体、たとえば5/6球体の凸球面形状によって構成した場合には、形状の複雑化によるコストの増大を来すおそれがある。
ここで本実施形態においてたとえば、1/8球体、1/6球体、4/6球体などの割合付きの球体は、完全球体を軸心に対し直交する方向に切断して切り取った際の部分球体によって構成されるものである。すなわち本実施形態において「n/m球体(ただしm、nは自然数、n<mである)」とは、完全球体の軸心長さ(直径)を「1」として、完全球体の端縁からの軸心(直径)方向の長さがn/mの位置で、その完全球体を、軸心に対し直交する方向に切り取った際の部分球体によって構成されるものである。
なお本実施形態において図5に示すように、ポート孔(24)の内周面のうち内側面(24a)および外側面(24b)は、互いにほぼ平行に配置されるとともに、ポート孔(24)の軸心(A2)に対しほぼ平行に配置されている。さらにポート孔内周面の内側面(24a)および外側面(24b)は、ダイスケース(20)の軸心(A1)に対し傾斜する傾斜面(テーパ面)としてそれぞれ構成されている。
以上の構成の押出成形用ダイス(10)は、図8〜10に示すように押出成形機にセットされる。すなわち本実施形態の押出成形用ダイス(10)が、プレート(5)(ダイスホルダ)の中央に設けられたダイス設置孔(5a)に取り付けられた状態で、コンテナ(6)にセットされる。なお押出成形用ダイス(10)は、プレート(5)によって押出方向に対し直交する方向に対し固定されるとともに、図示しないバッカーによって押出方向に対し固定されている。
そしてコンテナ(6)内に挿入されたアルミニウムビレットなどの金属ビレット(金属材料)を、ダミーブロック(7)を介して図8の右方向(押出方向)にステム(図示せず)で押し込む。これによりビレットは、押出成形用ダイス(10)におけるダイスケース(20)のビレット受圧面(22)に押し付けられて塑性変形する。こうしてビレットが塑性変形しつつ、一対のポート孔(24)(24)を流通してダイスケース(20)のウェルドチャンバ(12)に導入されさらに、押出孔(11)を通って前方へ押し出されることにより、ビレットが押出孔(11)の開口形状に対応した断面形状に成形されて、金属製押出成形品(中空材60)が製造される。
この押出加工において、本実施形態の押出成形用ダイス(10)によれば、ビレット受圧面(22)を凸球面形状に形成しているため、ビレットがビレット受圧面(22)に押圧された際に、その押圧力(F)を凸球面によってバランス良く分散させて受け止めることができる。従ってビレット受圧面(22)の各部分での法線方向の押圧力を低減することができ、ビレット(金属材料)の押圧力に対する強度を一層向上できて、十分な耐久性を得ることができる。
さらに本実施形態においては、オス型ダイス(30)およびメス型ダイス(40)を覆うダイスケース(20)の受圧部(21)の外周に、材料流入用のポート孔(24)を形成するものであり、受圧部(21)の前端壁部とベース部(25)の壁部とがともに周方向に連続して一体に形成されるため、この連続周壁部の存在によって、ダイスケース(20)、ひいては押出成形用ダイス全体の強度を一段と向上させることができる。従って、従来におけるブリッジ部などの強度的に弱い部分が存在せず、強度向上のために必要以上に肉厚などのサイズを大きく形成する必要もないため、小型軽量化を図ることができるとともに、コストも削減することができる。
また本実施形態においては、受圧部(21)の軸心(A1)から逸脱した位置、つまり外周にポート孔(24)(24)を形成するとともに、そのポート孔(24)(24)の軸心(A2)を下流側に向かうに従ってダイスケース(20)の軸心に次第に近づくように、ダイスケース(20)の軸心(A1)に対し傾斜させているため、ポート孔(24)(24)を流通するビレットは、ダイスケース(20)の軸心(A1)、つまり押出孔(11)にスムーズに導かれていき、安定状態に押出加工することができる。さらに本実施形態においては、ポート孔(24)(24)の下流側端部(出口)を押出孔(11)に向けて配置しているため、ビレットを一層スムーズに押出孔(11)に導くことができる。
その上さらに本実施形態においては、ポート孔(24)(24)を、偏平な押出孔(11)の高さ方向(厚さ方向)両側に対応させて配置するものであるため、ビレットを押出孔(11)に対し厚さ方向両側から、一層スムーズに安定した状態で導入することができる。従って押出孔(11)の全域を均等にバランス良くビレットが通過して押し出されることにより、高品質の押出中空材(60)を得ることができる。
特に本実施形態のように、偏平なハモニカチューブ形状のような複雑な形状の中空材(60)を押出成形する場合であっても、ビレットを押出孔(11)の全域にバランス良く導入することができるため、高い品質を確実に維持することができる。
参考までに、高さおよび幅が0.5mmの矩形断面通路(63)を複数並列に形成されたアルミニウム製熱交換チューブ(中空体)を製造する場合、従来の押出成形用ダイスにおいては、強度が不十分あるため、オス型ダイスに発生する亀裂が、ダイス寿命の要因となっていた。これに対し、本発明に準拠した押出成形用ダイス(10)においては、強度が十分であるため、オス型ダイス(30)に亀裂が発生するようなことがなく、オス型ダイス(30)の磨耗が、ダイス寿命の要因となり、飛躍的にダイス寿命を向上させることができる。
たとえば本発明者によるダイス寿命に関連した実験結果によると、本発明の押出成形用ダイスにおいては、従来品に比べて、3倍程度もダイス寿命を延ばすことができた。
また本発明においては、十分な耐圧性(強度)を有しているため、押出限界速度もかなり向上させることができる。たとえば従来の押出成形用ダイスでは、押出速度の上限値が60m/minであったのに対し、本発明の押出成形用ダイスにおいては、押出速度の上限値を150m/minまで高めることができ、2.5倍程度も押出限界速度を高めることができ、生産効率の向上をさらに期待することができる。
さらに、この押出成形用ダイス(10)は、オス型ダイス(30)をダイスケース(20)の内部に前側から取り付けられるよう構成されている。したがって、ダイスケース(20)の内部にオス型ダイス(30)を保持する部位としてのオス型ダイス保持凹部(23)を形成するための加工と、ダイスケース(20)内の前部にメス型ダイス(40)を保持する部位としてのメス型ダイス保持孔(26)を形成するための加工とを、ともにダイスケース(20)の前側から行うことができ、即ち両方の加工をダイスケース(20)に対して同じ方向から行うことができる。これにより、押出成形用ダイス(10)の製造工程において段取り替えに伴う同軸度および直角度の精度低下がなく、高い加工精度を確保することができる。したがって、この押出成形用ダイス(10)を用いて押出成形を行うことにより、高い寸法精度の押出中空材(押出成形品)(60)を得ることができる。しかも、オス型ダイス(30)をダイスケース(20)の内部に後側から取り付ける場合に比較して、オス型ダイス(30)の大きさを相対的に小さくすることができる。
さらに、この押出成形用ダイス(10)では、上述したように、ビレット受圧面(22)が凸球面によって構成されているため、図6に示すように、金属ビレットがビレット受圧面(22)に押圧された際に、その押圧力(F)を凸球面によってバランス良く分散させて受け止めることができる。これにより、ダイスケース(20)におけるオス型ダイス(30)を保持する部位としてのオス型ダイス保持凹部(23)が金属ビレットの押出力(F)よって広がる不具合を抑制することができる。これにより、押出成形の際にオス型ダイス(30)の位置ずれを抑制することができる。
さらに、この押出成形用ダイス(10)によれば、オス型ダイス(30)の後端部が保持凹部(23)の底部(23b)に当接した状態で、オス型ダイス(30)が保持凹部(23)内に挿入保持されているので、押出成形時におけるオス型ダイス(30)の後方向への位置ずれを確実に抑制することができるし、さらに、オス型ダイス(30)のダイスケース(20)への取り付けの際にオス型ダイス(30)の後方向における位置決めを確実に行うことができる。
さらに、この押出成形用ダイス(10)によれば、オス型ダイス(30)が保持凹部(23)内に焼ばめ固定されているので、オス型ダイス(30)を強固に保持することができ、もって押出成形時におけるオス型ダイス(30)の位置ずれを更に確実に抑制することができる。
さらに、この押出成形用ダイス(10)によれば、オス型ダイス(30)の通路成形用凸部(33)よりも後側の部分の幅および高さ(厚さ)は、それぞれ、その後端側から前端側に向かう方向において徐々に小さくなるように設定されているので、オス型ダイス(23)を更に強固に保持することができ、もって押出成形時におけるオス型ダイス(23)の位置ずれをより一層確実に抑制することができる。
なお上記実施形態においては、ポート孔(24)を2つ設ける場合を例に挙げて説明したが、それだけに限れず、本発明においては、図13に示すようにポート孔(24)を3つ設けたり、図14に示すようにポート孔(24)を4つ設けたり、あるいはポート孔を1つまたは5つ以上設けるようにしても良い。
さらに上記実施形態においては、ダイスケース(20)における前端部にベース部(25)が設けられる場合を例に挙げて説明したが、それだけに限られず、本発明においては、図15に示すようにダイスケース(20)における前端部にベース部が設けられないものや、図16に示すようにダイスケース(20)におけるベース部(25)の外周面が外側に張り出さずに、受圧部(21)の前端外周面に対し面一に形成されたものにも、本発明を採用することができる。
また上記実施形態においては、コンテナに押出成形用ダイスを1つセットする場合を例に挙げて説明したが、それだけに限られず、本発明の押出成形機においては、コンテナに押出成形用ダイスを2つ以上セットするように構成しても良い。
また上記実施形態では、オス型ダイス(30)の通路成形用凸部(33)よりも後端側の部分の幅および高さ(厚さ)が、それぞれ、その後端側から前端側に向かう方向において徐々に小さくなるように設定されているが、本発明は、これに限定されず、即ち、オス型ダイス(30)の後端側の部分の幅および/または高さ(厚さ)が、その後端側から前端側に向かう方向において徐々に小さくなるように設定されていれば良い。したがって、本発明では、例えば、上記実施形態のように板状のオス型ダイス(30)の四側面がそれぞれ傾斜面に形成されていても良いし、四側面のうち1〜3つが傾斜面に形成されていても良い。さらに、本発明では、オス型ダイス(30)の断面形状が三角形状や五角形以上の多角形状であっても良く、この場合には、オス型ダイス(30)の全側面のうち少なくとも一つが傾斜面に形成されていれば良い。また、本発明では、オス型ダイス(30)の断面形状が円形状であって良く、この場合には、オス型ダイス(30)の後端側の部分は、オス型ダイス(30)の後端側から前端側に向かう方向において断面積が徐々に小さくなるテーパ状に形成される。もとより本発明は、オス型ダイス(30)の幅および高さがその後端側から前端側に向かう方向において一定に設定されたものを排除するものではない。
また上記実施形態では、押出成形用ダイス(10)は、ダイスケース(20)とは別体の流動制御板(50)を備えているが、本発明では、その他に、例えば、流動制御板(50)とダイスケース(20)とが一体に形成されていても良いし、流動制御板(50)とメス型ダイス(40)とが一体に形成されていても良いし、あるいは押出成形用ダイス(10)は必ずしも流動制御板(50)を備えていなくても良い。
また上記実施形態では、ダイスケース(20)を一体に形成しているが、それだけに限定されず、本発明では、ダイスケース(20)を2つ以上の部材に分割できるように構成しても良い。例えばダイスケース(20)を、オス型ダイス(30)を保持するオス型ダイスケースと、メス型ダイス(40)を保持するメス型ダイスケースとの2つの部材により構成しても良い。
また上記実施形態では、押出成形用ダイス(10)のポート孔(24)は、その入口部の開口面積と内部の通路断面積とが等しく形成されているが、本発明では、その他に、ポート孔(24)の入口部の開口面積が内部の通路断面積よりも大きく形成されていても良いし、更に、ポート孔(24)はその入口部から内部にかけて通路断面積が漸次小さくなるように形成されていても良い。
また上記実施形態では、押出成形用ダイス(10)のダイスケース(20)の受圧部(21)のビレット受圧面(22)は、凸球面状に形成されているが、本発明では、その他に、ビレット受圧面(22)は例えば凸多面体によって構成されていても良い。
また上記実施形態では、受圧部(21)は、軸心方向上流側から見た状態で円形状に形成されているが、本発明では、その他に、受圧部(21)は、例えば、軸心方向上流側から見た状態で楕円形状や長円形状に形成されていても良いし、その他の形状に形成されていても良い。
また上記実施形態では、押出成形用ダイス(10)を用いて押出成形される押出成形品は、熱交換チューブであるが、本発明では、その他に、押出成形品は例えば丸パイプであっても良い。
また、本発明では、上記実施形態のように、ダイス(10)のオス型ダイス(30)の後端面(基端面)は、ダイスケース(20)の受圧部(21)のビレット受圧面(22)に倣う凸面(球面)の一部に形成されており、オス型ダイス(30)の後端面とビレット受圧面(22)とにより協同で所望の円滑な凸面(球面)が形成されるよう構成されていることが望ましいが、本発明では、オス型ダイス(30)の後端面(基端面)はこのように形成されることに限定されるものではなく、その他に、例えば次のように形成されていても良い。すなわち、本発明では、オス型ダイス(30)の後端面の表面積がビレット受圧面(22)の表面積に対して例えば1/3以下である場合には、オス型ダイス(30)の後端面を、その幅方向(長手方向)がビレット受圧面(22)に倣って円弧状に形成され、かつ短手方向(厚さ方向)が直線状に形成された円柱外周面の一部によって構成するようにしても良い。オス型ダイス(30)の後端面の表面積がこの程度に小さい場合には、オス型ダイス(30)の後端面が凸面(球面)の一部ではなく円柱の外周面の一部に形成されることによるダイス寿命、押出荷重への影響が少ない一方で、オス型ダイス(30)の後端面の加工コストを下げることができるからである。
Figure 0004938500
<実施例1>
図1〜図7に示した上記実施形態の押出成形用ダイス(10)を準備した。ただし、この押出成形用ダイス(10)において、オス型ダイス(30)は、テーパ状ではない形状のもの、即ち「テーパなしオス型ダイス」である。そして、このオス型ダイス(30)がダイスケース(20)のオス型ダイス保持凹部(23)内に焼ばめにより固定状態に保持されている。また、オス型ダイス(30)と保持凹部(23)との間の焼ばめ代は0.3%である。
また、この押出成形用ダイス(10)において、ビレット受圧面(22)は、半径30mmの1/2球体の凸球面からなるものである。またオス型ダイス(30)としては、マンドレル(31)の高さ(厚さ)が2.0mm、マンドレル(31)の幅が19.2mm、通路成形用凸部(33)の高さが1.2mm、通路成形用凸部(33)の幅が0.6mm、隔壁成形用溝(32)の幅が0.2mmのものを用いた。メス型ダイス(40)としては、ダイス孔(41)の高さ(厚さ)が1.7mm、ダイス孔(41)の幅が20.0mmのものを用いた。また、ポート孔(24)の個数は2個、各ポート孔(24)の軸心(A2)の傾斜角度(θ)は20°である。
また、ダイスケース(20)の材質はSKD61、オス型ダイス(30)の材質はWC−Co、メス型ダイス(40)の材質はWC−Coである。
そして、この押出成形用ダイス(10)を図8〜10に示すように上記実施形態と同様な押出成形機にセットして、熱間押出成形を行って、上記オス型ダイス(30)およびメス型ダイス(40)間の押出孔(11)に対応する断面形状のアルミニウム合金製中空材(熱交換チューブ60)を製造した。
そして、押出前におけるオス型ダイス(30)の中心位置と、押出後におけるオス型ダイス(30)の中心位置を調べた。その結果を表1に示す。
ここで、オス型ダイス(30)の中心位置とは、図3に示すように、ダイスケース(20)の受圧部(21)の軸心(A1)に対する、オス型ダイス(30)の中心の位置であり、オス型ダイス(30)の幅方向をx方向および高さ方向(厚さ方向)をy方向に設定している。したがって、オス型ダイス(30)の中心位置が軸心(A1)と一致している場合には、オス型ダイス(30)の中心位置(x,y)は(0,0)である。
<実施例2>
オス型ダイス(30)と保持凹部(23)との間の焼ばめ代が0.4%であること以外は、実施例1と同じ条件で押出成形を行って、中空材(60)を製造した。そして、押出前におけるオス型ダイス(30)の中心位置と、押出後におけるオス型ダイス(30)の中心位置を調べた。
<実施例3>
オス型ダイス(30)と保持凹部(23)との間の焼ばめ代が0.5%であること以外は、実施例1と同じ条件で押出成形を行って、中空材(60)を製造した。そして、押出前におけるオス型ダイス(30)の中心位置と、押出後におけるオス型ダイス(30)の中心位置を調べた。
<実施例4>
オス型ダイス(30)と保持凹部(23)との間の焼ばめ代が0.6%であること以外は、実施例1と同じ条件で押出成形を行って、中空材(60)を製造した。そして、押出前におけるオス型ダイス(30)の中心位置と、押出後におけるオス型ダイス(30)の中心位置を調べた。
<実施例5>
オス型ダイス(30)が「テーパ付きオス型ダイス」であってオス型ダイス(30)と保持凹部(23)との間の焼ばめ代が0.4%であること以外は、実施例1と同じ条件で押出成形を行って、中空材(60)を製造した。そして、押出前におけるオス型ダイス(30)の中心位置と、押出後におけるオス型ダイス(30)の中心位置を調べた。
ここで、この実施例5の押出成形用ダイス(10)において、オス型ダイス(30)の後端部の最大幅Aと保持凹部(23)の開口(23a)の幅Bとの比A/Bは、1.005に設定した。
<比較例1>
押出成形用ダイスとして、図17に示したブリッジタイプのダイス(110)を準備した。このブリッジダイス(110)は、直径60mm、高さ(押出方向の長さ)50mmで、上記実施例1の押出成形用ダイス(10)と同一の占有体積を有するとともに、ダイスケース(120)のビレット受圧面(122)が押出方向に対し直交する平坦面に仕上げられている。また、このブリッジダイス(110)のオス型ダイス(130)は「テーパなしオス型ダイス」である。そして、このオス型ダイス(130)がオス型ダイス保持凹部(123)内に焼ばめにより固定状態に保持されている。また、オス型ダイス(130)と保持凹部(23)との間の焼ばめ代は0.5%である。なお、図17において、(125)はベース部、(140)はメス型ダイス、(150)は流動制御板、(126)はメス型ダイス保持孔である。
また、このブリッジダイス(110)において、オス型ダイス(130)のマンドレル(131)の寸法、通路成形用凸部(133)の寸法、隔壁成形用溝(132)の寸法、および押出孔(111)の寸法は、実施例1の押出成形用ダイス(10)と同じである。さらに、ダイスケース(120)の材質およびオス型ダイス(130)の材質は、実施例1の押出成形用ダイス(10)と同じである。
そして、このブリッジダイス(110)を用いて実施例1と同じ条件で押出成形を行って、中空材(60)を製造した。そして、押出前におけるオス型ダイス(130)の中心位置と、押出後におけるオス型ダイス(130)の中心位置を調べた。
<実施例1〜5、比較例1の評価>
表1に示すように、実施例1〜5の押出成形用ダイス(10)において、押出の前と後とで生じたオス型ダイス(30)の位置ずれ量は、測定の誤差程度であり、すなわち押出の前と後とでオス型ダイス(30)の位置ずれは極めて小さいことを確認し得た。特に実施例5の押出成形用ダイス(10)は、オス型ダイス(30)の位置ずれが殆どなく、最も優れていることを確認し得た。
ここで、実施例1の押出成形用ダイス(10)は、焼ばめ代が0.3%であり、この0.3%の焼ばめ代では、熱間押出中において、焼ばめによるオス型ダイス(30)の固定作用が有効に働いていないはずであるが、押出の前と後とでオス型ダイス(30)の位置ずれは極めて小さい。
一方、比較例1のダイス(110)は、焼ばめ代が0.5%であり、この0.5%の焼ばめ代では、熱間押出中において、焼ばめによるオス型ダイス(130)の固定作用が有効に働いているはずにもかかわらず、オス型ダイス(130)の位置が幅方向xおよび高さ(厚さ)方向yに大きくずれており、更に、下流側(前方向)にもオス型ダイス(130)の位置が大きくずれていた。
比較例1のダイス(110)において、オス型ダイス(130)の位置が大きくずれている理由は次のとおりである。
すなわち、図17に示すように、比較例1のダイス(110)のダイスケース(120)のビレット受圧面(122)は、押出方向に対し直交する平坦面に形成されており、ダイスケース(120)の後部の外周面(120a)は押出方向に対し平行な面に形成されている。そのため、押出成形時にビレット受圧面(122)に加わるビレットの押圧力(F)は、ダイスケース(120)の後部の外周面(120a)に加わるビレットの押圧力(F)よりも大きくなる。その結果、ビレット受圧面(122)が一点鎖線に示すように凹面状になるようにダイスケース(120)が撓み変形し、これに伴い、オス型ダイス保持凹部(123)が広がり、もってオス型ダイス(130)の位置がずれ易くなる。
これに対して、実施例1〜5の押出成形用ダイス(10)によれば、図6に示すように、ビレット受圧面(22)は凸球面からなることから、押出成形時にビレット受圧面(22)の各部分に加わるビレットの押圧力(F)の方向は、いずれも、ダイスケース(20)の受圧部(21)の中心(O)に向かう方向となる。その結果、オス型ダイス保持凹部(23)の広がりが抑制され、もってオス型ダイス(30)の位置ずれを抑制することができる。
Figure 0004938500
<実施例6>
表2に示すように上記実施形態に準拠して、ダイスケース(20)として、ビレット受圧面(22)が、1/8球体の凸球面によって構成され、その球面半径が45.4mmに設定されたものを準備した。この受圧部(21)の直径は60mmに調整されている。
さらにダイスケース(20)は、2つのポート孔(24)(24)を有し、ダイスケース(20)の軸心(A1)に対しポート孔(24)の軸心(A2)の傾斜角度(θ)が25°に調整されている。
またオス型ダイス(30)としては、マンドレル(31)の高さ(厚さ)が2.0mm、マンドレル(31)の幅が19.2mm、通路成形用凸部(33)の高さが1.2mm、通路成形用凸部(33)の幅が0.6mm、隔壁成形用溝(32)の幅が0.2mmのものを用いた。さらにメス型ダイス(40)としては、ダイス孔(41)の高さが1.7mm、ダイス孔(41)の幅が20.0mmのものを用いた。
この押出成形用ダイス(10)を図8〜10に示すように上記実施形態と同様な押出成形機にセットして、押出成形を行って、上記オス型ダイス(30)およびメス型ダイス(40)間の押出孔(11)に対応する断面形状のアルミニウム製中空材(熱交換チューブ60)を製造した。
そしてダイス寿命(ダイスに亀裂や磨耗が発生するまでの材料導入量(ton/ダイス))を測定した。その結果を表2に示す。
<実施例7>
表2に示すように、ビレット受圧面(22)を、1/6球体の凸球面によって構成し、かつその球面半径を40.3mmに設定し、それ以外は、上記実施例6と同様の押出成形用ダイス(10)を準備し、同様の押出成形機にセットして、同様に押出成形を行って、中空材を製造した。
<実施例8>
表2に示すように、ビレット受圧面(22)を、1/3球体の凸球面によって構成し、かつその球面半径を32.0mmに設定し、それ以外は、上記実施例6と同様の押出成形用ダイス(10)を準備し、同様の押出成形機にセットして、同様に押出成形を行って、中空材を製造した。
<実施例9>
表2に示すように、ビレット受圧面(22)を、1/2球体の凸球面によって構成し、かつその球面半径を30.0mmに設定し、それ以外は、上記実施例6と同様の押出成形用ダイス(10)を準備し、同様の押出成形機にセットして、同様に押出成形を行って、中空材を製造した。
<実施例10>
表2に示すように、ビレット受圧面(22)を、4/6球体の凸球面によって構成し、かつその球面半径を32.0mmに設定し、それ以外は、上記実施例6と同様の押出成形用ダイス(10)を準備し、同様の押出成形機にセットして、同様に押出成形を行って、中空材を製造した。
<実施例11>
表2に示すように、ビレット受圧面(22)を、5/6球体の凸球面によって構成し、かつその球面半径を40.3mmに設定し、それ以外は、上記実施例6と同様の押出成形用ダイス(10)を準備し、同様の押出成形機にセットして、同様に押出成形を行って、中空材を製造した。
<実施例6〜11の評価>
表2に示すように、ビレット受圧面(22)における球面半径が大きくて突出量が比較的小さいもの(実施例6)では、ダイス寿命が少し短くなっていた。
さらにビレット受圧面(22)における球面半径が小さくて球体の突出量が比較的大きいもの(実施例11)では、ダイス寿命を長く確保できるが、ビレット受圧面の加工が若干困難であると考えられる。
これに対し、ビレット受圧面(22)が、適度な凸面形状に設定されたもの、つまり1/6〜4/6球体の凸球面に設定されたもの(実施例7〜10)では、ダイス寿命を長くできる上さらに、ダイス制作費も抑えることができた。中でも特にビレット受圧面(22)が、1/2球体の凸球面に設定されたもの(実施例9)では、十分なダイス寿命を確保しつつ、ダイス制作費も抑えることができ、優れた結果が得られた。
なお実施例9のものと比較すると、ビレット受圧面(22)が、4/6球体の凸球面に設定されたもの(実施例10)では多少、ダイス制作費が高くなり、実施例7〜10の中では、若干見劣りした結果となった。
この発明の金属材料の押出成形用ダイスは、例えばカーエアコン用コンデンサなどの熱交換器における熱交換チューブを製造する際に採用できる。
この発明の実施形態に係る押出成形用ダイスを示す斜視図である。 同ダイスを切り欠いて示す斜視図である。 同ダイスの正面図である。 同ダイスの分解斜視図である。 同ダイスの一側断面図である。 同ダイスの他側断面図である。 同ダイスの内部を拡大して示す半断面斜視図である。 同ダイスが適用された押出成形機の主要部を切り欠いて示す半断面斜視図である。 同押出成形機におけるダイス周辺を示す一側断面図である。 同押出成形機におけるダイス周辺を示す他側断面図である。 同押出成形機によって押出成形された多孔中空材を示す斜視図である。 同押出成形機によって押出成形された多孔中空材を示す正面断面図である。 この発明の第1変形例の押出成形用ダイスのダイスケースを示す斜視図である。 この発明の第2変形例の押出成形用ダイスのダイスケースを示す斜視図である。 この発明の第3変形例の押出成形用ダイスのダイスケースを示す斜視図である。 この発明の第4変形例の押出成形用ダイスのダイスケースを示す斜視図である。 比較例1のブリッジタイプの押出成形用ダイスの断面図である。 従来の押出成形用ダイスを示す斜視図であって、同図(a)はポートホールダイスを分解して示す斜視図、同図(b)はスパイダダイスを分解して示す斜視図、同図(c)はブリッジダイスを示す斜視図である。
符号の説明
6…コンテナ
10…押出成形用ダイス
11…押出孔
20…ダイスケース
21…受圧部
22…ビレット受圧面(金属材料受圧面)
23…オス型ダイス保持凹部
23a…開口
23b…底部
24…ポート孔
25…ベース部
26…メス型ダイス保持孔
30…オス型ダイス
31…マンドレル
33…通路形成用凸部
40…メス型ダイス
41…ダイス孔
60…中空材
63…通路
A1…ダイスケース(受圧部)の軸心
A2…ポート孔の軸心
θ…ポート孔の軸心の傾斜角度

Claims (18)

  1. 外表面を金属材料受圧面とする受圧部を有し、その受圧部の金属材料受圧面を金属材料の押出方向に対向させるように後方に向けて配置されるダイスケースと、
    前記ダイスケースの内部に保持され、かつ前記ダイスケースの軸心に対応して配置されるマンドレルを有するオス型ダイスと、
    前記ダイスケース内の前部に保持され、かつ前記マンドレルとの間で押出孔を形成するダイス孔が設けられたメス型ダイスと、を備えたダイスにおいて、
    前記受圧部における金属材料受圧面が後方に向けて突出する凸面形状に形成される一方、
    前記受圧部の外周に、金属材料導入用のポート孔が設けられるとともに、そのポート孔の軸心が下流側に向かうに従って前記ダイスケースの軸心に近づくように、前記ダイスケースの軸心に対し傾斜するように配置されており、
    前記オス型ダイスを前記ダイスケースの内部に前側から取り付けられるよう構成されるとともに、
    前記金属材料受圧面に押圧された金属材料が、前記ポート孔を通ってダイスケース内に導かれて、前記押出孔を通過するよう構成されたことを特徴とする金属材料の押出成形用ダイス。
  2. ダイスケースの内部には、底部を有するオス型ダイス保持凹部がその開口を前方に向けて設けられており、
    オス型ダイスの後端部が保持凹部の底部に当接した状態で、オス型ダイスが保持凹部内に挿入保持されたことを特徴とする請求項1記載の金属材料の押出成形用ダイス。
  3. オス型ダイスが保持凹部内に焼ばめ固定されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
  4. オス型ダイスの後端側の部分の幅および/または高さ(厚さ)が、その後端側から前端側に向かう方向において徐々に小さくなるように設定されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
  5. 金属材料受圧面が、球面の一部からなる凸球面によって構成されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
  6. 金属材料受圧面が、1/6〜4/6球体の凸球面によって構成されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
  7. ポート孔は、ダイスケースの軸心回りに周方向に等間隔おきに複数形成されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
  8. ポート孔は、押出孔に向けて配置されたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
  9. オス型ダイスのマンドレルと、メス型ダイスのダイス孔との間によって、高さ(厚さ)が幅に対し小さい偏平な環状の押出孔が形成されるとともに、
    マンドレルにおけるダイス孔に対応する部分が、幅方向に併設された複数の通路成形用凸部を有する櫛歯状に形成されて、
    金属材料が押出孔を通過することによって、複数の通路が幅方向に併設された多孔中空材が押出成形されるよう構成されたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
  10. 多孔中空材が、熱交換器の熱交換チューブとして用いられる請求項9に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
  11. オス型ダイスのマンドレルと、メス型ダイスのダイス孔との間によって、高さが幅に対し小さい偏平な環状の押出孔が形成され、
    ポート孔が押出孔の高さ方向(厚さ方向)両側に対応する位置に配置されたことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
  12. ダイスケースは、その前部に受圧部と一体に環状ベース部が設けられたことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
  13. 金属材料が、アルミニウムまたはその合金によって構成されたことを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
  14. 複数の通路が幅方向に併設された熱交換チューブを押出成形するための熱交換チューブの押出成形用ダイスであって、
    外表面を金属材料受圧面とする受圧部を有し、その受圧部の金属材料受圧面を金属材料の押出方向に対向させるように後方に向けて配置されるダイスケースと、
    ダイスケースの内部に保持され、かつダイスケースの軸心に対応して配置されるマンドレルを有するオス型ダイスと、
    ダイスケース内の前部に保持され、かつマンドレルとの間で押出孔を形成するダイス孔が設けられたメス型ダイスと、を備え、
    受圧部における金属材料受圧面が後方に向けて突出する凸面形状に形成される一方、
    受圧部の外周に、金属材料導入用のポート孔が設けられるとともに、そのポート孔の軸心が下流側に向かうに従ってダイスケースの軸心に近づくように、ダイスケースの軸心に対し傾斜するように配置されており、
    オス型ダイスをダイスケースの内部に前側から取り付けられるよう構成されるとともに、
    マンドレルにおけるダイス孔に対応する部分が、複数の通路成形用凸部を有する櫛歯状に形成されて、
    金属材料受圧面に押圧された金属材料が、ポート孔を通ってダイスケース内に導かれて、押出孔を通過することによって、複数の通路が幅方向に併設された熱交換チューブが形成されるよう構成されたことを特徴とする熱交換チューブの押出成形用ダイス。
  15. 押出成形用ダイスを用いた金属材料の押出成形方法であって、
    押出成形用ダイスは、
    外表面を金属材料受圧面とする受圧部を有し、その受圧部の金属材料受圧面を金属材料の押出方向に対向させるように後方に向けて配置されるダイスケースと、
    ダイスケースの内部に保持され、かつダイスケースの軸心に対応して配置されるマンドレルを有するオス型ダイスと、
    ダイスケース内の前部に保持され、かつマンドレルとの間で押出孔を形成するダイス孔が設けられたメス型ダイスと、を備え、さらに、
    受圧部における金属材料受圧面が後方に向けて突出する凸面形状に形成される一方、
    受圧部の外周に、金属材料導入用のポート孔が設けられるとともに、そのポート孔の軸心が下流側に向かうに従ってダイスケースの軸心に近づくように、ダイスケースの軸心に対し傾斜するように配置され、
    オス型ダイスをダイスケースの内部に前側から取り付けられるよう構成されており、
    金属材料受圧面に押圧させた金属材料を、ポート孔に通してダイスケース内に導いて、押出孔に通過させるようにしたことを特徴とする金属材料の押出成形方法。
  16. 複数の通路が幅方向に併設された熱交換チューブを押出成形するための、押出成形用ダイスを用いた熱交換チューブの押出成形方法であって、
    押出成形用ダイスは、
    外表面を金属材料受圧面とする受圧部を有し、その受圧部の金属材料受圧面を金属材料の押出方向に対向させるように後方に向けて配置されるダイスケースと、
    ダイスケースの内部に保持され、かつダイスケースの軸心に対応して配置されるマンドレルを有するオス型ダイスと、
    ダイスケース内の前部に保持され、かつマンドレルとの間で押出孔を形成するダイス孔が設けられたメス型ダイスと、を備え、さらに、
    受圧部における金属材料受圧面が後方に向けて突出する凸面形状に形成される一方、
    受圧部の外周に、金属材料導入用のポート孔が設けられるとともに、そのポート孔の軸心が下流側に向かうに従ってダイスケースの軸心に近づくように、ダイスケースの軸心に対し傾斜するように配置され、
    オス型ダイスをダイスケースの内部に前側から取り付けられるよう構成されており、
    マンドレルにおけるダイス孔に対応する部分が、複数の通路成形用凸部を有する櫛歯状に形成されており、
    金属材料受圧面に押圧させた金属材料を、ポート孔に通してダイスケース内に導いて、押出孔に通過させることによって、複数の通路が幅方向に併設された熱交換チューブを形成するようにしたことを特徴とする熱交換チューブの押出成形方法。
  17. コンテナと、そのコンテナにセットされる押出成形用ダイスと、を備え、コンテナ内の金属材料を押出成形用ダイスに供給するようにした金属材料の押出成形機であって、
    押出成形用ダイスは、
    外表面を金属材料受圧面とする受圧部を有し、その受圧部の金属材料受圧面を金属材料の押出方向に対向させるように後方に向けて配置されるダイスケースと、
    ダイスケースの内部に保持され、かつダイスケースの軸心に対応して配置されるマンドレルを有するオス型ダイスと、
    ダイスケース内の前部に保持され、かつマンドレルとの間で押出孔を形成するダイス孔が設けられたメス型ダイスと、を備え、さらに、
    受圧部における金属材料受圧面が後方に向けて突出する凸面形状に形成される一方、
    受圧部の外周に、金属材料導入用のポート孔が設けられるとともに、そのポート孔の軸心が下流側に向かうに従ってダイスケースの軸心に近づくように、ダイスケースの軸心に対し傾斜するように配置されており、
    オス型ダイスをダイスケースの内部に前側から取り付けられるよう構成されるとともに、
    金属材料受圧面に押圧された金属材料が、ポート孔を通ってダイスケース内に導かれて、押出孔を通過するよう構成されたことを特徴とする金属材料の押出成形機。
  18. コンテナと、そのコンテナにセットされる押出成形用ダイスと、を備え、コンテナ内の金属材料を押出成形用ダイスに供給するようにした熱交換チューブの押出成形機であって、
    押出成形用ダイスは、
    外表面を金属材料受圧面とする受圧部を有し、その受圧部の金属材料受圧面を金属材料の押出方向に対向させるように後方に向けて配置されるダイスケースと、
    ダイスケースの内部に保持され、かつダイスケースの軸心に対応して配置されるマンドレルを有するオス型ダイスと、
    ダイスケース内の前部に保持され、かつマンドレルとの間で押出孔を形成するダイス孔が設けられたメス型ダイスと、を備え、さらに、
    受圧部における金属材料受圧面が後方に向けて突出する凸面形状に形成される一方、
    受圧部の外周に、金属材料導入用のポート孔が設けられるとともに、そのポート孔の軸心が下流側に向かうに従ってダイスケースの軸心に近づくように、ダイスケースの軸心に対し傾斜するように配置されており、
    オス型ダイスをダイスケースの内部に前側から取り付けられるよう構成されるとともに、
    マンドレルにおけるダイス孔に対応する部分が、複数の通路成形用凸部を有する櫛歯状に形成されて、
    金属材料受圧面に押圧された金属材料が、ポート孔を通ってダイスケース内に導かれて、押出孔を通過することによって、複数の通路が幅方向に併設された熱交換チューブが形成されるよう構成されたことを特徴とする熱交換チューブの押出成形機。
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