JP4938505B2 - 金属材料の押出成形用ダイス - Google Patents

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Description

この発明は、金属材料の押出加工に用いられる金属材料の押出成形用ダイスおよびその関連技術に関する。
カーエアコン用熱交換器におけるアルミニウム製熱交換チューブなどの金属製中空押出品を製造する際に用いられる押出成形用ダイスは、図19(a)に示すポートホールダイス、同図(b)に示すスパイダダイス、同図(c)に示すブリッジダイスと称されるものがある。
これらの押出成形用ダイスは、オス型ダイス(1)とメス型ダイス(2)とが組み合わされて構成され、オス型ダイス(1)のマンドレル(1a)が、メス型ダイス(2)のダイス孔(2a)に対応して配置されて、マンドレル(1a)およびダイス孔(2a)によって環状の押出孔が形成される。そしてオス型ダイス(1)のビレット受圧面(金属材料受圧面1b)に押圧された金属ビレット(金属材料)が、材料導入部(1c)を通って両ダイス(1)(2)内に流入されて、上記押出孔を塑性変形しつつ通過することによって、押出孔の形状に対応した断面形状の押出材が成形加工されるよう構成されている。
このような押出成形用ダイスにおいては、オス型ダイス(1)のビレット受圧面(1b)に、金属ビレットの押圧による多大な応力が加わるため、その応力によって、受圧部周辺に亀裂が発生し易く、十分なダイス寿命を得ることが困難になるおそれがある。
そこで従来においては、下記特許文献1,2に示す金属材料の押出成形用ダイスが提案されている。このダイスは、オス型ダイスのビレット受圧面がビレットの押出方向に対し反対側(後側)に突出する凸面形状に形成されており、このビレット受圧面に加わる金属ビレットの押圧力をオス型ダイスのブリッジ部によって受け止めるように構成されている。
実開昭53−102938号(請求の範囲、第3−5図) 特公平6−81644号(請求の範囲、図面)
上記特許文献1,2に示す従来の押出成形用ダイスは、ビレット受圧面を凸面形状に形成しているため、金属ビレットに対する耐圧性など、オス型ダイスの強度をある程度向上させることができるものの、依然としてブリッジ部に強度的に不安を抱えている。このためブリッジ部の強度を十分に確保するには、オス型ダイスにおけるブリッジ部の肉厚などのサイズを大きくせざるを得ず、大型化および高重量化を来すばかりか、コストの増大も招くという問題が発生する。
また押出成形用ダイスにおいて、特に複雑な形状に押出加工するような場合には、金属材料をオス型ダイスの材料導入部から押出孔にかけて安定状態にスムーズに導入する必要があるが、上記従来の押出成形用ダイスにおいては、オス型ダイスの材料導入部からオス型ダイスおよびメス型ダイス間に流入される金属材料がオス型ダイスのブリッジ部によって乱されて、金属材料のスムーズな導入が妨げられ、押出成形品(押出加工品)の寸法精度が低下して、高い品質を得ることが困難になるおそれがあった。
この発明の主たる目的は、上記従来技術の問題を解消し、十分な強度および耐久性を確保しつつ、コストの削減および小型軽量化を図ることができるとともに、高い品質の押出成形品を得ることができる金属材料の押出成形用ダイスを提供することである。
この発明の他の目的は、上記目的を達成可能な押出成形品の製造方法、押出チューブ材の製造方法、多孔中空材の製造方法、押出成形用ダイスのダイス保持ケース、金属材料の押出成形方法および金属材料の押出成形機などの関連技術を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明は以下の構成を要旨とするものである。
[1] 外表面を金属材料受圧面とする受圧部を有し、その受圧部の金属材料受圧面を金属材料の押出方向に対向させるように後方に向けて配置されるダイス保持ケースと、
ダイス保持ケースの内部に保持され、かつダイス保持ケースの軸心に対応して配置されるマンドレルを有するオス型ダイスと、
ダイス保持ケース内の前部に保持され、かつマンドレルとの間で押出孔を形成するダイス孔が設けられたメス型ダイスと、を備え、
受圧部における金属材料受圧面が後方に向けて突出する凸面形状に形成されるとともに、その金属材料受圧面が多面体によって構成される一方、
受圧部の外周に、金属材料導入用のポート孔が設けられるとともに、そのポート孔の軸心が下流側に向かうに従ってダイス保持ケースの軸心に近づくように、ダイス保持ケースの軸心に対し傾斜するように配置され、
金属材料受圧面に押圧された金属材料が、ポート孔を通ってダイス保持ケース内に導かれて、押出孔を通過するよう構成されたことを特徴とする金属材料の押出成形用ダイス。
[2] 金属材料受圧面が、周方向に複数の面が並んで配置される周方向多面体に形成されたことを特徴とする前項1に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
[3] 金属材料受圧面が、軸方向に複数の面が並んで配置される軸方向多面体に形成されたことを特徴とする前項1または2に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
[4] 受圧部の外周縁位置での横断面における外接円の半径に対し、受圧部の後方への突出高さが0.3〜1.5倍に設定されたことを特徴とする前項1〜3のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
[5] ポート孔は、ダイス保持ケースの軸心回りに周方向に等間隔おきに複数形成されたことを特徴とする前項1〜4のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
[6] ポート孔は、押出孔に向けて配置されたことを特徴とする前項1〜5のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
[7] ポート孔の軸心が、ダイス保持ケースの軸心に対し10〜35°の傾斜角度に設定されたことを特徴とする前項1〜6のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
[8] ダイス保持ケースは、その前部に受圧部と一体に環状ベース部が設けられたことを特徴とする前項1〜7のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
[9] 受圧部が、多角錐形状に形成されたことを特徴とする前項1〜8のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
[10] 金属材料が、アルミニウムまたはその合金によって構成されたことを特徴とする前項1〜9のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
[11] オス型ダイスのマンドレルと、メス型ダイスのダイス孔との間によって、円環状の押出孔が形成され、
金属材料が押出孔を通過することによって、断面円環状のチューブ材が押出加工されるよう構成されたことを特徴とする前項1〜10のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
[12] オス型ダイスのマンドレルと、メス型ダイスのダイス孔との間によって、高さ(厚さ)が幅に対し小さい偏平な環状の押出孔が形成されるとともに、
マンドレルにおけるダイス孔に対応する部分が、幅方向に併設された複数の通路形成用凸部を有する櫛歯状に形成されて、
金属材料が押出孔を通過することによって、複数の通路が幅方向に併設された多孔中空材が押出加工されるよう構成されたことを特徴とする前項1〜10のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
[13] 前項1〜10のいずれかに記載された押出成形用ダイスを用いて押出成形品を成形する押出成形品の製造方法。
[14] 前項11に記載された押出成形用ダイスを用いて押出チューブ材を成形する押出チューブ材の製造方法。
[15] 前項12に記載された押出成形用ダイスを用いて多孔中空材を成形する多孔中空材の製造方法。
[16] 外表面を金属材料受圧面とする受圧部を有し、その受圧部の金属材料受圧面を金属材料の押出方向に対向させるように後方に向けて配置される一方、内部にオス型ダイスおよびメス型ダイスが保持される押出成形用ダイスのダイス保持ケースであって、
受圧部における金属材料受圧面が後方に向けて突出する凸面形状に形成されるとともに、その金属材料受圧面が多面体によって構成される一方、
受圧部の外周に、金属材料導入用のポート孔が設けられるとともに、そのポート孔の軸心が下流側に向かうに従ってダイス保持ケースの軸心に近づくように、ダイス保持ケースの軸心に対し傾斜するように配置され、
金属材料受圧面に押圧された金属材料が、ポート孔を通ってダイス保持ケース内に導かれて、オス型ダイスおよびメス型ダイス間の押出孔を通過するよう構成されたことを特徴とする押出成形用ダイスのダイス保持ケース。
[17] 受圧部の外周縁位置での横断面における外接円の半径に対し、受圧部の後方への突出高さが0.3〜1.5倍に設定されたことを特徴とする前項16に記載の押出成形用ダイスのダイス保持ケース。
[18] 金属材料の押出成形方法であって、
外表面を金属材料受圧面とする受圧部を有し、その受圧部の金属材料受圧面を金属材料の押出方向に対向させるように後方に向けて配置されるダイス保持ケースと、
ダイス保持ケースの内部に保持され、かつダイス保持ケースの軸心に対応して配置されるマンドレルを有するオス型ダイスと、
ダイス保持ケース内の前部に保持され、かつマンドレルとの間で押出孔を形成するダイス孔が設けられたメス型ダイスと、を準備しさらに、
受圧部における金属材料受圧面を後方に向けて突出する凸面形状に形成するとともに、その金属材料受圧面を多面体によって構成する一方、
受圧部の外周に、金属材料導入用のポート孔を設けるとともに、そのポート孔の軸心を下流側に向かうに従ってダイス保持ケースの軸心に近づくように、ダイス保持ケースの軸心に対し傾斜するように配置しておき、
金属材料受圧面に押圧させた金属材料を、ポート孔に通してダイス保持ケース内に導いて、押出孔に通過させることを特徴とする金属材料の押出成形方法。
[19] コンテナと、そのコンテナにセットされる押出成形用ダイスと、を備え、コンテナ内の金属材料を押出成形用ダイスに供給するようにした金属材料の押出成形機であって、
押出成形用ダイスは、
外表面を金属材料受圧面とする受圧部を有し、その受圧部の金属材料受圧面を金属材料の押出方向に対向させるように後方に向けて配置されるダイス保持ケースと、
ダイス保持ケースの内部に保持され、かつダイス保持ケースの軸心に対応して配置されるマンドレルを有するオス型ダイスと、
ダイス保持ケース内の前部に保持され、かつマンドレルとの間で押出孔を形成するダイス孔が設けられたメス型ダイスと、を備え、
受圧部における金属材料受圧面が後方に向けて突出する凸面形状に形成されるとともに、その金属材料受圧面が多面体によって構成される一方、
受圧部の外周に、金属材料導入用のポート孔が設けられるとともに、そのポート孔の軸心が下流側に向かうに従ってダイス保持ケースの軸心に近づくように、ダイス保持ケースの軸心に対し傾斜するように配置され、
金属材料受圧面に押圧された金属材料が、ポート孔を通ってダイス保持ケース内に導かれて、押出孔を通過するよう構成されたことを特徴とする金属材料の押出成形機。
発明[1]の金属材料の押出成形用ダイスによれば、金属材料受圧面を多面体からなる凸面形状に形成しているため、金属材料が受圧面に押圧された際に、金属材料の押圧力を多面体の各面によって分散させて受け止めることができて、受圧面の各部分での法線方向の押圧力を低減することができる。このため金属材料の押圧力に対する強度を向上できて、十分な耐久性を得ることができる。
さらに本発明においては、オス型ダイスおよびメス型ダイスを覆うダイス保持ケースの受圧部に、材料流入用のポート孔を形成するものであるため、つまり受圧部の前端(下流側)壁部が周方向に連続して一体に形成されるため、この連続周壁部の存在によって、ダイス保持ケース、ひいては押出成形用ダイス全体の強度を一段と向上させることができる。このように本発明のダイスは、従来におけるブリッジ部などの強度的に弱い部分が存在せず、強度向上のために必要以上に肉厚などのサイズを大きく形成する必要もないため、小型軽量化を図ることができるとともに、コストも削減することができる。
また本発明においては、ポート孔を受圧部の外周に設けるとともに、そのポート孔の軸心を下流側に向かうに従ってダイス保持ケースの軸心に近づくように、ダイス保持ケースの軸心に対し傾斜するように配置しているため、ポート孔を流通する金属材料がダイス保持ケース内の軸心、つまり押出孔にスムーズに導かれて、安定状態で押出加工することができ、高品質の押出成形品を得ることができる。
発明[2]の金属材料の押出成形用ダイスによれば、金属材料受圧面を、周方向に複数の面が並んで配置される周方向多面体に形成しているため、金属材料の受圧面への押圧力をバランス良く分散できて、金属材料に対する強度を一層向上させることができる。すなわち、金属材料が周方向多面体に形成された受圧面に押圧された場合、受圧面の各部位には受圧部の軸心に向かう方向の圧縮力が加わるため、押出成形時にダイス保持ケースに生じる剪断力が一層低減される。その結果、このダイス保持ケースにおいて最も剪断力が大きく生じる部位である、ダイス保持ケースの中空部に露出した部位について、該部位に生じる剪断力を一層低減でき、もって金属材料の押圧力に対するダイスの強度を一層向上させることができる。
発明[3]の金属材料の押出成形用ダイスによれば、金属材料受圧面を、軸方向に複数の面が並んで配置される軸方向多面体に形成しているため、金属材料の受圧面への押圧力をより確実にバランス良く分散できて、金属材料に対する強度をより確実に向上させることができる。すなわち、金属材料が軸方向多面体に形成された受圧面に押圧された場合、受圧面の各部位には受圧部の中心に向かう方向ないしそれに近い方向の圧縮力が加わるため、押出成形時にダイス保持ケースに生じる剪断力がより確実に低減される。その結果、このダイス保持ケースにおいて最も剪断力が大きく生じる部位である、ダイス保持ケースの中空部に露出した部位について、該部位に生じる剪断力をより確実に低減でき、もって金属材料の押圧力に対するダイスの強度をより確実に向上させることができる。
発明[4]の金属材料の押出成形用ダイスによれば、受圧部の外周縁位置での横断面における外接円の半径に対し、受圧部の後方への突出高さを所定の倍率に設定しているため、金属材料の受圧面への押圧力をより確実にバランス良く分散できて、金属材料に対する強度をより一層確実に向上させることができ、もってダイス寿命をより一層確実に向上させることができる。
発明[5]の金属材料の押出成形用ダイスによれば、ポート孔を周方向に複数形成しているため、金属材料をダイス保持ケース内に周方向から均等に導入でき、押出孔へとスムーズに供給でき、より安定状態に押出加工することができる。
発明[6]の金属材料の押出成形用ダイスによれば、ポート孔を押出孔に向けて配置しているため、ポート孔に流入された金属材料を、よりスムーズに押出孔へと供給することができる。
発明[7]の金属材料の押出成形用ダイスによれば、ポート孔の軸心を、特定の傾斜角度に設定しているため、金属材料をポート孔から押出孔に、より安定した状態で供給することができる。
発明[8]の金属材料の押出成形用ダイスによれば、受圧部と一体に環状ベース部が設けられるため、その環状ベース部により補強されて、ダイス保持ケース、ひいては押出成形用ダイス全体の強度をより一層向上させることができる。
発明[9]の金属材料の押出成形用ダイスによれば、金属材料受圧面を、多角錐形状の多面体に形成しているため、金属材料の受圧面への押圧力をより一層バランス良く分散できて、金属材料に対する強度をより一層向上させることができる。
発明[10]の金属材料の押出成形用ダイスによれば、アルミニウムまたはアルミニウム合金製の押出成形品を製造することができる。
発明[11]の金属材料の押出成形用ダイスによれば、断面円環状のチューブ材を確実に形成することができる。
発明[12]の金属材料の押出成形用ダイスによれば、幅方向に複数の通路が並列に配置された多孔中空材を確実に形成することができる。
発明[13]によれば、上記と同様の効果を奏する押出成形品の製造方法を提供することができる。
発明[14]によれば、上記と同様の効果を奏する押出チューブ材の製造方法を提供することができる。
発明[15]によれば、上記と同様の効果を奏する多孔中空材の製造方法を提供することができる。
発明[16]によれば、上記と同様の効果を奏する押出成形用ダイスのダイス保持ケースを提供することができる。
発明[17]によれば、上記発明[4]と同様の理由により、金属材料の受圧面への押圧力をより確実にバランス良く分散できて、金属材料に対する強度をより一層確実に向上させることができ、もってダイス寿命をより一層確実に向上させることができる。
発明[18]によれば、上記と同様の効果を奏する金属材料の押出成形方法を提供することができる。
発明[19]によれば、上記と同様の効果を奏する金属材料の押出成形機を提供することができる。
図1〜7はこの発明の実施形態の一例とする押出成形用ダイス(10)を示す図である。これらの図に示すように本実施形態の押出成形用ダイス(10)は、ダイス保持ケース(20)と、オス型ダイス(30)と、メス型ダイス(40)と、流動制御板(50)と、を備えている。なお本実施形態では、ダイス(10)により成形される押出製品を基準にして、押出方向の「上流側」を「後側」とし、「下流側」を「前側」として説明する。
ダイス保持ケース(20)は、中空構造を有しており、金属材料としての金属ビレットの押出方向に対し、上流側(後側)に設けられる受圧部(21)と、下流側(前側)に設けられるベース部(25)とを有している。
受圧部(21)は、金属ビレットの押出方向に対向する面(後面)が、金属材料受圧面としてのビレット受圧面(22)に形成されている。このビレット受圧面(22)は、押出方向に対向する方向(後方向)に突出する凸面形状として形成されている。この受圧面(22)は、凸多面体として多角錐面形状(詳述すると正多角錐面形状)に形成され、一例として、16個の三角形状の平坦面(平面)が周方向に並んで均等に配置された十六角錐面形状(詳述すると正十六角錐面形状)に形成されている。
受圧部(21)の周壁中央には、内部の中空部(ウェルドチャンバ12)に連通するオス型ダイス保持孔(23)が軸心(A1)に沿って設けられている。このオス型ダイス保持孔(23)は、オス型ダイス(30)の断面形状に対応して、円形に形成されている。さらに図2,4に示すようにオス型ダイス保持孔(23)の後端側内周面には、後述するオス型ダイス(30)を係合するための係合段部(23a)が設けられている。
受圧部(21)の周壁両側には、軸心(A1)を挟んで両側に一対のポート孔(24)(24)がそれぞれ形成されている。各ポート孔(24)は、周方向に沿って延びる長孔形状を有しており、互いに周方向に等間隔をおくように配置されている。さらにポート孔(24)は下流側(前方)に向かうに従って受圧部(21)の軸心(A1)に近づくように、ポート孔(24)の軸心(A2)が受圧部(21)の軸心(A1)に対し交差し、かつ傾斜して配置されている。このポート孔(24)の傾斜角度(θ)などの詳細な構成については、後に詳述する。
なお言うまでもなく本実施形態において、ダイス保持ケース(20)の軸心と受圧部(21)の軸心とは一致するよう構成されている。
ベース部(25)は、受圧部(21)に対し一体に形成されており、外周面が受圧部(21)の他端側外周よりも外側に張り出すように形成されている。
ベース部(25)の内側には、内部のウェルドチャンバ(12)に連通し、かつメス型ダイス(40)の断面形状に対応する円筒形のメス型ダイス保持孔(26)が形成されている。このメス型ダイス保持孔(26)の軸心は、ダイス保持ケース(20)の軸心(A1)に一致するように構成されている。
またメス型ダイス保持孔(26)の内周面における後端側には図2,4などに示すように、後述するメス型ダイス(40)を流動制御板(50)を介して係合する係合段部(26a)が形成されている。
オス型ダイス(30)は、その前端部がマンドレル(31)として構成されている。図2〜4に示すようにマンドレル(31)は、押出製品としての中空材の中空部を成形するもので、中空材の中空部形状に対応する形状、すなわち円形に形成されている。
オス型ダイス(30)の後端部における外周縁部には、ダイス保持ケース(20)におけるオス型ダイス保持孔(23)の上記係合段部(23a)に対応して、係合凸部(33a)が外方突出状に一体に形成されている。
このオス型ダイス(30)が、上記ダイス保持ケース(20)のオス型ダイス保持孔(23)に、そのビレット受圧面(22)側から挿入されて固定される。このときオス型ダイス(30)の係合凸部(33a)が、オス型ダイス保持孔(23)内の係合段部(23a)に係合されて、オス型ダイス(30)の位置決めが図られることにより、オス型ダイス(30)のマンドレル(31)が、ダイス保持ケース(20)の内部におけるオス型ダイス保持孔(23)から内部に所定量突出した状態に保持される。
なおオス型ダイス(30)の基端面(後端面)は、ダイス保持ケース(20)のビレット受圧面(22)に倣う角錐面の一部(先端部)に形成されており、オス型ダイス(30)の基端面(後端面)と、ビレット受圧面(22)とにより所望の連続する多角錐面形状が形成されるよう構成されている。
ここで本発明では、上記実施形態のように、オス型ダイス(30)の基端面(後端面)は、ビレット受圧面(22)に倣う角錐面の一部に形成されており、オス型ダイス(30)の基端面とビレット受圧面(22)とにより所望の連続する多角錐面形状に形成されるよう構成されていることが望ましいが、本発明では、オス型ダイス(30)の基端面(後端面)はこのように形成されることに限定されるものではなく、その他に、例えば次のように形成されていても良い。すなわち、本発明では、オス型ダイス(30)の基端面の表面積がビレット受圧面(22)の表面積に対して例えば1/3以下である場合には、オス型ダイス(30)の基端面を円柱の外周面の一部によって構成するようにしても良い。オス型ダイス(30)の基端面の表面積がこの程度に小さい場合には、オス型ダイス(30)の基端面が角錐面の一部ではなく円柱の外周面の一部に形成されることによるダイス寿命、押出荷重への影響が少ない一方で、オス型ダイス(30)の基端面の加工コストを下げることができるからである。
メス型ダイス(40)は、円柱形状を有しており、図3に示すように外周面の両側部には、軸心と平行にキー突起(47)(47)が形成されている。
メス型ダイス(40)には、後端面側に開放し、かつオス型ダイス(30)のマンドレル(31)に対応して形成されるダイス孔(ベアリング孔41)と、ダイス孔(41)に連通し、かつ前端面側に開放するレリーフ孔(42)とが設けられている。
ダイス孔(41)は、その内周縁部に沿って内方突出部が設けられて、押出製品の外周部を成形できるよう構成されている。さらにレリーフ孔(42)は、前端側(下流側)に向かうに従って次第に径寸法が大きくなるように末広がりのテーパ状に形成されて、下流側に開放されている。
流動制御板(50)は、その外周形状が、上記ダイス保持ケース(20)におけるメス型ダイス保持孔(26)の断面形状に対応して円形に形成されている。さらに流動制御板(50)の中央には、オス型ダイス(30)のマンドレル(31)およびメス型ダイス(40)のダイス孔(41)に対応して、中央貫通孔(51)が形成されている。
なお図3に示すように流動制御板(50)における外周縁部の両側部には、上記メス型ダイス(40)のキー突起(47)に対応して、キー突起(57)(57)が形成されている。
そして上記メス型ダイス(40)が、ダイス保持ケース(20)のメス型ダイス保持孔(26)に、流動制御板(50)を介して収容されて固定される。このときメス型ダイス(40)の一端面(後端面)外周が流動制御板(50)の外周縁部を介してメス型ダイス保持孔(26)の係合段部(26a)に係合されることにより、メス型ダイス(40)の軸心方向の位置決めが図られる。
さらにダイス保持ケース(20)におけるメス型ダイス保持孔(26)の内周面両側部には、上記メス型ダイス(40)のキー突起(47)(47)および流動制御板(50)のキー突起(57)(57)に対応して、軸心と平行なキー溝(図示省略)が設けられており、このキー溝内に、キー突起(47)(47)(57)(57)が適合状態に収容されている。このキー突起(47)(57)が、メス型ダイス保持孔(26)のキー溝に係合されることにより、メス型ダイス(40)および流動制御板(50)における軸心回り方向の位置決めが図られている。
こうしてメス型ダイス(40)および流動制御板(50)が組み付けられることによって、オス型ダイス(30)のマンドレル(31)およびメス型ダイス(40)のダイス孔(41)が流動制御板(50)の中央貫通孔(51)内に対応して配置される。この状態においては図2,4に示すように、オス型ダイス(30)のマンドレル(31)が、メス型ダイス(40)のダイス孔(41)の内側に配置されて、マンドレル(31)およびダイス孔(41)間で円環状の押出孔(11)が形成される。
ここで本実施形態において、ダイス保持ケース(20)のポート孔(24)の詳細な構成について説明する。まず、一対のポート孔(24)(24)の流出側端部(前端部)が、押出孔(11)に対応して配置されている。
また既述したようにポート孔(24)(24)はその軸心(A2)が、ダイス保持ケース(20)の軸心(A1)に対し傾斜するように設定されている。図4に示すように本実施形態において、ダイス保持ケース(20)の軸心(A1)に対するポート孔(24)の軸心(A2)の傾斜角度(θ)は、10〜35°に設定するのが良く、好ましくは15〜30°に設定するのが良い。すなわちこの傾斜角度(θ)を上記特定の範囲内に設定する場合には、金属材料がポート孔(24)(24)およびウェルドチャンバ(12)を安定した状態で流通して、さらに金属材料が押出孔(11)をその全周にわたってバランス良くスムーズに通過して、寸法精度に優れた高品質の押出成形品(押出加工品)を形成することができる。換言すれば、上記傾斜角度(θ)が小さ過ぎる場合には、ポート孔(24)(24)およびウェルドチャンバ(12)を流通した金属材料が、押出孔(11)にスムーズに導入されず、高品質の押出成形品を安定して得ることが困難になるおそれがある。逆に傾斜角度(θ)が大き過ぎる場合には、材料押出方向に対し、ポート孔(24)の材料流通方向が大きく傾斜するため、金属材料の押出荷重が大きくなるので、好ましくない。
なお本実施形態において図4に示すように、ポート孔(24)の内周面のうち内側面(24a)および外側面(24b)は、互いにほぼ平行に配置されるとともに、ポート孔(24)の軸心(A2)に対しほぼ平行に配置されている。さらにポート孔内周面の内側面(24a)および外側面(24b)は、ダイス保持ケース(20)の軸心(A1)に対し傾斜する傾斜面(テーパ面)としてそれぞれ構成されている。
以上の構成の押出成形用ダイス(10)は、図5〜7に示すように押出成形機にセットされる。すなわち本実施形態の押出成形用ダイス(10)が、プレート(5)の中央に設けられたダイス設置孔(5a)に取り付けられた状態で、コンテナ(6)にセットされる。なお押出成形用ダイス(10)は、プレート(5)によって押出方向に対し直交する方向に対し固定されるとともに、図示しないバッカーによって押出方向に対し固定されている。
そしてコンテナ(6)内に挿入されたアルミニウムビレットなどの金属ビレット(金属材料)を、ダミーブロック(7)を介して図5の右方向(押出方向)に押し込む。これにより金属ビレットは、押出成形用ダイス(10)におけるダイス保持ケース(20)のビレット受圧面(22)に押し付けられて塑性変形する。こうして金属材料が塑性変形しつつ、一対のポート孔(24)(24)を流通してダイス保持ケース(20)のウェルドチャンバ(12)に導入されさらに、押出孔(11)を通って前方へ押し出されることにより、金属材料が押出孔(11)の開口形状に対応した断面形状に成形されて、金属製押出成形品(円形チューブ材)が製造される。
本実施形態の押出成形用ダイス(10)によれば、ビレット受圧面(22)を正多角錐面形状(即ち周方向正多面体)に形成しているため、金属ビレットがビレット受圧面(22)に押圧された際に、その押圧力を多角錐面の各面によってバランス良く分散させて受け止めることができる。従ってビレット受圧面(22)の各部分での法線方向の押圧力を一層低減することができ、金属材料の押圧力に対する強度を一層向上できて、十分な耐久性を得ることができる。すなわち、金属材料が正多角錐面形状に形成された受圧面に押圧された場合、受圧面の各部位には受圧部の軸心に向かう方向の圧縮力が加わるため、押出成形時にダイス保持ケースに生じる剪断力が一層低減される。その結果、このダイス保持ケース(20)において最も剪断力が大きく生じる部位である、ダイス保持ケース(20)の中空部に露出した部位について、該部位に生じる剪断力を一層低減でき、もって金属材料の押圧力に対するダイスの強度を一層向上させることができる。
ここで本実施形態において、受圧部(21)の外周縁位置での横断面における外接円(C)の半径(r)に対し、受圧部(21)の後方への突出高さ(h)を0.3〜1.5倍に設定するのが良く、特に0.6〜1.2倍に設定するのが良い(図3,4参照)。こうすることにより、ビレットの受圧面(22)への押圧力をより確実にバランス良く分散できて、ビレットに対する強度をより一層確実に向上させることができ、もってダイス寿命をより一層確実に向上させることができる。
さらに本実施形態においては、オス型ダイス(30)およびメス型ダイス(40)を覆うダイス保持ケース(20)の受圧部(21)に、材料流入用のポート孔(24)を形成するものであるため、つまり受圧部(21)の前端壁部や、ベース部(25)の壁部が周方向に連続して一体に形成されるため、この連続周壁部の存在によって、ダイス保持ケース(20)、ひいては押出成形用ダイス全体の強度を一段と向上させることができる。従って、従来におけるブリッジ部などの強度的に弱い部分が存在せず、強度向上のために肉厚などのサイズを必要以上に大きく形成しなくとも良いため、小型軽量化を図ることができるとともに、コストも削減することができる。
なお参考までに本発明者によるダイス寿命に関連した実験結果によると、本発明の押出成形用ダイスにおいては、従来品に比べて、3倍程度もダイス寿命を延ばすことができた。
また本発明においては、十分な耐圧性(強度)を有しているため、押出限界速度もかなり向上させることができる。たとえば従来の押出成形用ダイスでは、押出速度の上限値が20m/minであったのに対し、本発明の押出成形用ダイスにおいては、押出速度の上限値を50m/minまで高めることができ、2.5倍程度も押出限界速度を高めることができ、生産効率の向上をさらに期待することができる。
また本実施形態においては、受圧部(21)の軸心(A1)から逸脱した位置、つまり外周にポート孔(24)(24)を形成するとともに、そのポート孔(24)(24)の軸心(A2)を下流側に向かうに従ってダイス保持ケース(20)の軸心に次第に近づくように、ダイス保持ケース(20)の軸心(A1)に対し傾斜させているため、ポート孔(24)(24)を流通する金属材料は、ダイス保持ケース(20)の軸心(A1)、つまり押出孔(11)にスムーズに導かれていき、安定状態に押出加工することができる。さらに本実施形態においては、ポート孔(24)(24)の下流側端部(出口)を押出孔(11)に向けて配置しているため、金属材料を一層スムーズに押出孔(11)に導くことができる。
また本実施形態における押出成形用ダイス(10)のビレット受圧面(22)は通常、ワイヤカット放電加工などを用いて製作するものであるが、本実施形態において、ビレット受圧面(22)は、多数の平坦面からなる多角錐面形状に形成しているため、ビレット受圧面(22)をワイヤカット放電加工により製作するに際し、各面を平面仕上げによって加工することができ、たとえばビレット受圧面を凸球面などの湾曲面に形成する場合と比較して、格段に加工性を向上させることができ、ダイス製作を簡単に行うことができる。
もっとも本発明においては、ビレット受圧面(22)を構成する各面を、必ずしも平坦面によって構成する必要はなく、湾曲面によって構成するようにしても良く、当然のことながら、平坦面と湾曲面との組み合わせによって構成するようにしても良い。
なお上記実施形態の押出成形用ダイス(10)においては、受圧部(21)が十六角錐形状のダイス保持ケース(20)を備えるものを例に挙げて説明したが、本発明の押出成形用ダイスにおいて、受圧部(21)の形状はそれだけに限られることはない。
具体的には、ダイス保持ケース(20)の受圧部(21)が上記実施形態以外のもの、たとえば図8に示すように、受圧部(21)が、その受圧面(22)に3個の三角形状の平坦面が周方向に並んで配置された三角錐形状によって構成されたものや、図9に示すように、受圧部(21)が、その受圧面(22)に4個の三角形状の平坦面が周方向に並んで配置された四角錐形状によって構成されたもの、さらには図10に示すように、受圧部(21)が、その受圧面(22)に8個の三角形状の平坦面が周方向に並んで配置された八角錐形状によって構成されものなど、多角錐形状のものを採用することができる。
さらに上記実施形態では、受圧部(21)の頭頂部(後端)を先細の尖鋭形状に形成しているが、それだけに限られず、本発明においては、たとえば図11に示すように、受圧部(21)が、その頭頂部が軸心方向に直交する平坦面に形成された十六角錐台形状などの多角錐台形状に構成されたものも採用することができる。
また受圧部(21)としては、上記の多角錐や多角錐台形状のように周方向に複数の面が並んで配置される周方向多面体だけに限られず、軸方向(径方向)に複数の面が並んで配置される軸方向多面体のものも採用することができる。たとえば図12に示すように、受圧部(21)として、その受圧面(22)が、軸方向に並んで配置された5つの円環状平坦面によって形成されたものも採用することができる。この5つの円環状平坦面は、頭頂部に向かうに従って、径寸法が段階的に小さくなり、傾斜角度も段階的に緩やかになっている。言うまでもなく、受圧部(21)における軸方向の分割数(面数)が5つに限られず、1〜4または6以上に分割されていても良い。
図12に示した受圧部(21)を有する押出成形用ダイス(10)によれば、ビレット受圧面(22)を軸方向に複数の面が並んで配置された軸方向多面体に形成しているため、ビレットの受圧面(22)への押圧力をより確実にバランス良く分散できて、ビレットに対する強度をより確実に向上させることができる。すなわち、ビレットが軸方向多面体に形成された受圧面(22)に押圧された場合、受圧面(22)の各部位には受圧部(21)の中心に向かう方向ないしそれに近い方向の圧縮力が加わるため、押出成形時にダイス保持ケース(20)に生じる剪断力がより確実に低減される。その結果、このダイス保持ケース(20)において最も剪断力が大きく生じる部位である、ダイス保持ケース(22)の中空部に露出した部位について、該部位に生じる剪断力をより確実に低減でき、もってビレットの押圧力に対するダイスの強度をより確実に向上させることができる。
さらに本発明においては、受圧部として、周方向多面体と軸方向多面体とが併用された多面体形状のものも採用することができる。たとえば図13に示すように、受圧部(21)として、その受圧面(22)が、軸方向に並んで配置され、かつ頭頂部に向かうに従って径寸法が段階的に小さくなる5つの多角環状平坦面によって形成されたものも採用することができる。この5つの多角環状平坦面は、頭頂部に向かうに従って、径寸法が段階的に小さくなり、傾斜角度も段階的に緩やかになっている。もちろん、周方向多面体と軸方向多面体とを併用する場合であっても、周方向の分割数および軸方向の分割数は上記のものに限られることはない。
また本発明においては、受圧部(21)を構成する各面は、必ずしも平坦面により構成する必要はなく、円弧状の凸面や凹面などの曲面によって構成するようにしても良い。
さらに本発明の受圧部(21)は、多数の面からなる多面体によって構成されていれば良く、平坦面、曲面の多数の面の組み合わせによる多面体であっても良い。
また上記実施形態においては、ポート孔(24)を2つ設ける場合を例に挙げて説明したが、それだけに限られず、本発明においては、ポート孔(24)を3つ以上設けるようにしても良い。特に図8に示すように、三角錐形状の受圧部(21)のものでは、ポート孔(24)を周方向に均等に配置できるように、各面に1つずつ、計3つのポート孔(24)を設けるのが良い。さらに同様な理由から図9に示す四角錐形状のものでは、計4つのポート孔(24)を設けるようにしても良い。
さらに上記実施形態においては、ダイス保持ケース(20)における前端部にベース部(25)が設けられる場合を例に挙げて説明したが、それだけに限られず、本発明においては、図14に示すようにダイス保持ケース(20)における前端部にベース部(25)が設けられないものや、図15に示すようにダイス保持ケース(20)におけるベース部(25)の外周面が外側に張り出さずに、受圧部(21)の前端外周面に対しほぼ面一に形成されたものも採用することができる。
また上記実施形態においては、コンテナ(6)に押出成形用ダイス(10)を1つセットする場合を例に挙げて説明したが、それだけに限られず、本発明の押出成形機においては、コンテナ(6)に押出成形用ダイス(10)を2つ以上セットするように構成しても良い。
なお上記実施形態では、丸チューブを押出成形する場合を例に挙げて説明したが、それだけに限られず、本発明においては偏平チューブを押出成形するようにしても良い。たとえば図16,17に示すようにカーエアコン用のコンデンサなどの熱交換器に多く採用される多孔中空材として、中空多孔チューブ(熱交換チューブ)(60)を押出成形することも可能である。このチューブ(60)は、その中空部(61)がチューブ長さ方向に延び、かつ互いに平行に配置された複数の隔壁(62)によって、複数の熱交換用通路(63)に仕切られている。
このような偏平多孔チューブ(60)を形成するには、図18に示すようなオス型ダイス(30)およびメス型ダイス(40)が用いられる。すなわちメス型ダイス(40)は、そのダイス孔(41)が偏平多孔チューブ(60)の外周部形状に対応して長孔状に形成されている。またオス型ダイス(30)は、そのマンドレル(31)の先端部(前端部)が、チューブ(60)の中空部に対応して形成されている。さらにこのマンドレル(31)の先端部は、チューブ(60)の各通路(63)に対応した複数個の通路形成用凸部(33)を有する櫛歯状に形成されている。そして、これらの通路形成用凸部(33)の各間に設けられた隙間が、チューブ(60)の隔壁を形成するための隔壁成形用溝(32)として構成されている。
このようなダイスで偏平チューブ(60)を成形する場合には、チューブの厚さ(高さ)方向の両側から押出材料が導入されるように、ダイス保持ケース(20)における受圧部(22)に、チューブ厚さ方向の両側に対応して、ポート孔(24)を2つ形成するのが良い。
Figure 0004938505
<実施例1>
表1に示すように上記図8に示す変形例と同様の押出成形用ダイス(10)を準備した。このダイス(10)のダイス保持ケース(20)は、周方向の面数が「3」、軸方向の面数が「1」、すなわち周方向に3つの三角形状の平坦面が並んで配置され、かつ頭頂部(後端)が尖鋭な三角錐形状(詳述すると正三角錐形状)の受圧部(21)を有している。さらにこの受圧部(21)は、半径(押出方向に対し直交する方向の半径)が30mmに調整されるとともに、高さ(押出方向の長さ)が30mmに調整されている。
ここで詳述すると、受圧部(21)の半径とは、受圧部(21)の外周縁位置での横断面における外接円の半径(r)であり、受圧部(21)の高さとは、受圧部(21)の後方への突出高さ(h)である。以下同様である。
また受圧部(21)の3つの平坦面には、それぞれポート孔(24)が形成されており、各ポート孔(24)の軸心(A2)における受圧部(21)の軸心(A1)に対する傾斜角度(θ)は、10°に調整されている。
またオス型ダイス(30)は、外径が3.0mmの真円形状に形成されており、メス型ダイス(40)のダイス孔(41)は、内径が4.0mmの真円形状に形成されている。
この押出成形用ダイス(10)を図5〜7に示すように上記実施形態と同様な押出成形機にセットして、押出成形を行って円筒パイプを製造した。
そしてダイス寿命(ダイスに亀裂や磨耗が発生するまでの材料導入量(ton))を測定し、さらにダイス寿命の制限要因を調査した。その結果を表1に示す。
なお参考までに表1には各実施例等のダイス保持ケースの制作費(千円)、およびダイス保持ケースの良品率(%)を併せて示す。
<実施例2>
表1に示すように上記図9に示す変形例と同様の押出成形用ダイス(10)を準備した。このダイス(10)のダイス保持ケース(20)は、周方向の面数が「4」、軸方向の面数が「1」、すなわち周方向に4つの三角形状の平坦面が並んで配置された四角錐形状(詳述すると正四角錐形状)の受圧部(21)を有している。さらに受圧部(21)の4つの平坦面には、それぞれポート孔(24)が形成されている。
その他の構成は、上記実施例1と同様の成形用ダイス(10)を、上記と同様に押出成形機にセットして押出製品を製造し、上記と同様の評価を行った。
<実施例3>
表1に示すように上記図10に示す変形例と同様の押出成形用ダイス(10)を準備した。このダイス(10)のダイス保持ケース(20)は、周方向の面数が「8」、軸方向の面数が「1」、すなわち周方向に8個の三角形状の平坦面が並んで配置された八角錐形状(詳述すると正八角錐形状)の受圧部(21)を有している。さらに受圧部(21)には、2つのポート孔(24)が形成されている。
その他の構成は、上記実施例と同様の成形用ダイス(10)を、上記と同様に押出成形機にセットして押出製品を製造し、上記と同様の評価を行った。
<実施例4>
表1に示すように上記図1〜4に示す実施形態と同様の押出成形用ダイス(10)を準備した。このダイス(10)のダイス保持ケース(20)は、周方向の面数が「16」、軸方向の面数が「1」、すなわち周方向に16個の三角形状の平坦面が並んで配置された十六角錐形状(詳述すると正十六角錐形状)の受圧部(21)を有している。さらに受圧部(21)には、2つのポート孔(24)が形成されている。
その他の構成は、上記実施例と同様の成形用ダイス(10)を、上記と同様に押出成形機にセットして押出製品を製造し、上記と同様の評価を行った。
<実施例5>
表1に示すように上記図11に示す変形例と同様の押出成形用ダイス(10)を準備した。このダイス(10)のダイス保持ケース(20)における受圧部(21)は、上記実施例4の受圧部(21)と比較して、頭頂点(後端)から前方へ2mm間隔をおいた位置で、軸心方向に直角にカットすることにより、頭頂部が平坦面に形成されている点で相違している。
すなわち本実施例5の受圧部(21)は、周方向の面数が「16」、軸方向の面数が「1」、つまり周方向に16個の台形状の平坦面が並んで配置された十六角錐台形状(詳述すると正十六角錐台形状)の受圧部(21)を有している。さらに受圧部(21)には、2つのポート孔(24)が形成されている。
その他の構成は、上記実施例と同様の成形用ダイス(10)を、上記と同様に押出成形機にセットして押出製品を製造し、上記と同様の評価を行った。
<実施例6>
表1に示すように上記図12に示す変形例と同様の押出成形用ダイス(10)を準備した。このダイス(10)のダイス保持ケース(20)は、周方向の面数が「1」、軸方向の面数が「5」、すなわち、受圧面(22)が、軸方向に並んで配置された5つの円環状平坦面(円環状面連接型)によって構成されている。さらに受圧部(21)は、2つのポート孔(24)を有し、頭頂部が平坦面に形成されている。
その他の構成は、上記実施例と同様の成形用ダイス(10)を、上記と同様に押出成形機にセットして押出製品を製造し、上記と同様の評価を行った。
<実施例7>
表1に示すように上記図13に示す変形例と同様の押出成形用ダイス(10)を準備した。このダイス(10)のダイス保持ケース(20)は、周方向の面数が「16」、軸方向の面数が「5」、すなわち、受圧面(22)が、軸方向に並んで配置された5つの多角環状面(多角環状面連接型)によって構成されている。さらに受圧部(21)は、2つのポート孔(24)を有し、頭頂部が平坦面形状に形成されている。
その他の構成は、上記実施例と同様の成形用ダイス(10)を、上記と同様に押出成形機にセットして押出製品を製造し、上記と同様の評価を行った。
<参考例>
表1に示すようにこの押出成形ダイスは、受圧部(21)の受圧面(22)が、半径30mmの1/2球体の外表面(凸球面)に形成されている。さらに受圧部(21)には2つのポート孔が形成されている。
その他の構成は、上記実施例と同様の成形用ダイスを、上記と同様に押出成形機にセットして押出製品を製造し、上記と同様の評価を行った。
<比較例>
表1に示すように、半径30mm、高さ(押出方向の長さ)30mmで、受圧面が押出方向に対し直交する平坦面に仕上げられたブリッジタイプの押出成形用ダイスを準備した。なお金属材料導入方向の軸心に対する傾斜角度(θ)は、実質的に0°になっている。
その他の構成は上記実施例と同様である。
この成形用ダイスを、上記と同様に押出成形機にセットして押出製品を製造し、上記と同様の評価を行った。
<評価>
表1に示すように、比較例のものに対し、実施例1〜7および参考例のものでは、ダイス寿命が長く、良好な耐久性を備えているのが判る。
さらに比較例のものは、亀裂がオス型ダイスの寿命要因であり、事前の寿命対策が困難になるおそれがある。
これに対し、実施例および参考例のものは、磨耗がオス型ダイスの寿命要因であるため、事前の寿命対策を比較的容易に行うことができる。
また実施例のものは、比較例のものと比較して、制作費および良品率の面では、顕著な相違点は見出すことはできなかったが、参考例のものと比較すると、制作費が安く、しかも良品率も高くなっており、生産性に優れているのが判る。
特に実施例1〜5のものは、制作費および良品率共に優れており、中でも実施例1〜3のものは、制作費を大幅に削減することができた。
なお、頭頂部が平坦のものと尖鋭のものとでは、今回の評価試験によって数値的に大きく相違することはなかったが、平坦のものはオス型ダイスの挿入作業など、ダイスの組付作業性に優れているものであった。
Figure 0004938505
<実施例8>
表2に示すように上記図1〜4に示す実施形態と同様の押出成形用ダイス(10)を準備した。このダイス(10)のダイス保持ケース(20)は、周方向の面数が「16」、軸方向の面数が「1」、すなわち周方向に16個の三角形状の平坦面が並んで配置され、かつ頭頂部が尖鋭な十六角錐形状(詳述すると正十六角錐形状)の受圧部(21)を有している。さらにこの受圧部(21)は、半径(r)が30mmに調整されるとともに、高さ(h)が6mmに調整されている。したがって、h/r=0.2である。
また受圧部(21)には、2つのポート孔(24)が形成されており、各ポート孔(24)の軸心(A2)における受圧部(21)の軸心(A1)に対する傾斜角度(θ)は、10°に調整されている。
またオス型ダイス(30)は、外径が3.0mmの真円形状に形成されており、メス型ダイス(40)のダイス孔(41)は、内径が4.0mmの真円形状に形成されている。
この押出成形用ダイス(10)を図5〜7に示すように上記実施形態と同様な押出成形機にセットして、押出成形を行って円筒パイプを製造した。
そしてダイス寿命を測定し、さらにダイス寿命の制限要因を調査した。その結果を表2に示す。
<実施例9>
半径(r)が30mmおよび高さ(h)が9mmに調整された受圧部(21)を有する押出成形用ダイス(10)を準備した。したがって、この受圧部(21)は、h/r=0.3である。この押出成形用ダイス(10)の他の構造は実施例8と同じである。
そして、この押出成形用ダイス(10)を、上記実施例8と同様の押出成形機にセットして、同様に押出成形を行って円筒パイプを製造し、実施例8と同様の評価を行った。
<実施例10>
半径(r)が30mmおよび高さ(h)が18mmに調整された受圧部(21)を有する押出成形用ダイス(10)を準備した。したがって、この受圧部(21)は、h/r=0.6である。この押出成形用ダイス(10)の他の構造は実施例8と同じである。
そして、この押出成形用ダイス(10)を、上記実施例8と同様の押出成形機にセットして、同様に押出成形を行って円筒パイプを製造し、実施例8と同様の評価を行った。
<実施例11>
半径(r)が30mmおよび高さ(h)が30mmに調整された受圧部(21)を有する押出成形用ダイス(10)を準備した。したがって、この受圧部(21)は、h/r=1.0である。この押出成形用ダイス(10)の他の構造は実施例8と同じである。
そして、この押出成形用ダイス(10)を、上記実施例8と同様の押出成形機にセットして、同様に押出成形を行って円筒パイプを製造し、実施例8と同様の評価を行った。
<実施例12>
半径(r)が30mmおよび高さ(h)が36mmに調整された受圧部(21)を有する押出成形用ダイス(10)を準備した。したがって、この受圧部(21)は、h/r=1.2である。この押出成形用ダイス(10)の他の構造は実施例8と同じである。
そして、この押出成形用ダイス(10)を、上記実施例8と同様の押出成形機にセットして、同様に押出成形を行って円筒パイプを製造し、実施例8と同様の評価を行った。
<実施例13>
半径(r)が30mmおよび高さ(h)が45mmに調整された受圧部(21)を有する押出成形用ダイス(10)を準備した。したがって、この受圧部(21)は、h/r=1.5である。この押出成形用ダイス(10)の他の構造は実施例8と同じである。
そして、この押出成形用ダイス(10)を、上記実施例8と同様の押出成形機にセットして、同様に押出成形を行って円筒パイプを製造し、実施例8と同様の評価を行った。
<実施例14>
半径(r)が30mmおよび高さ(h)が54mmに調整された受圧部(21)を有する押出成形用ダイス(10)を準備した。したがって、この受圧部(21)は、h/r=1.8である。この押出成形用ダイス(10)の他の構造は実施例8と同じである。
そして、この押出成形用ダイス(10)を、上記実施例8と同様の押出成形機にセットして、同様に押出成形を行って円筒パイプを製造し、実施例8と同様の評価を行った。
<評価>
表2に示すように、実施例9〜13のダイスは、実施例8〜14のダイスの中ではダイス寿命が長かった。これらのうち特に実施例10〜12のダイスはダイス寿命が長かった。
また、実施例8〜14のダイスのうち、実施例8のものは、ダイス寿命が比較的短いが、その理由は、ダイス保持ケース(20)の強度が比較的低いため、押出成形時にダイス保持ケース(20)が変形してオス型ダイス(30)のマンドレル(31)の位置がメス型ダイス(40)のダイス孔(41)の位置よりも前方(下流側)に移動したために、オス型ダイス(30)の摩耗速度が少し速くなった結果、ダイス寿命が短くなったと思われる。
また、実施例8〜14のダイスによれば、h/rの値が大きくなればなるほど、受圧部(21)に設けられたポート孔(24)が押出方向に長くなり、その結果、押出成形時の剪断抵抗が大きくなってオス型ダイス(30)の摩耗が進行し易くなる。そのため、実施例14のダイスは、実施例9〜14のダイスの中ではダイス寿命が比較的短く、実施例13のダイスは、実施例14のものに次いでダイス寿命が短かった。
以上の結果から、h/rの値は、0.3〜1.5の範囲であることが望ましく、特に0.6〜1.2の範囲であることが良いことを確認し得た。
この発明の金属材料の押出成形用ダイスは、金属材料を押出加工して、中空チューブなどの押出製品を製作する際に適用することができる。
この発明の実施形態の一例である押出成形用ダイスを示す斜視図である。 ひとつの実施形態の押出成形用ダイスを切り欠いて示す斜視図である。 ひとつの実施形態の押出成形用ダイスを分解して示す斜視図である。 ひとつの実施形態の押出成形用ダイスを示す一側断面図である。 ひとつの実施形態の押出成形用ダイスが適用された押出成形機の主要部を切り欠いて示す斜視図である。 ひとつの実施形態の押出成形機におけるダイス周辺を示す一側断面図である。 ひとつの実施形態の押出成形機におけるダイス周辺を示す他側断面図である。 この発明の第1変形例である押出成形用ダイスを示す斜視図である。 この発明の第2変形例である押出成形用ダイスを示す斜視図である。 この発明の第3変形例である押出成形用ダイスを示す斜視図である。 この発明の第4変形例である押出成形用ダイスを示す斜視図である。 この発明の第5変形例である押出成形用ダイスを示す斜視図である。 この発明の第6変形例である押出成形用ダイスを示す斜視図である。 この発明の第7変形例である押出成形用ダイスを示す斜視図である。 この発明の第8変形例である押出成形用ダイスを示す斜視図である。 この発明の一例の押出成形用ダイスによって押出成形可能な多孔中空材を示す斜視図である。 この発明の一例の押出成形用ダイスによって押出成形可能な多孔中空材を示す正面断面図である。 この発明において多孔中空材を押出可能な一例の押出成形用ダイスの内部を拡大して示す斜視図である。 従来の押出成形用ダイスを示す斜視図であって、同図(a)はポートホールダイスを分解して示す斜視図、同図(b)はスパイダダイスを分解して示す斜視図、同図(c)はブリッジダイスを示す斜視図である。
符号の説明
6…コンテナ
10…押出成形用ダイス
11…押出孔
20…ダイス保持ケース
21…受圧部
22…ビレット受圧面(金属材料受圧面)
24…ポート孔
25…ベース部
30…オス型ダイス
31…マンドレル
33…通路形成用凸部
40…メス型ダイス
41…ダイス孔
60…中空材
63…通路
A1…ダイス保持ケース(受圧部)の軸心
A2…ポート孔の軸心
θ…傾斜角度
C…外接円

Claims (19)

  1. 外表面を金属材料受圧面とする受圧部を有し、その受圧部の金属材料受圧面を金属材料の押出方向に対向させるように後方に向けて配置されるダイス保持ケースと、
    ダイス保持ケースの内部に保持され、かつダイス保持ケースの軸心に対応して配置されるマンドレルを有するオス型ダイスと、
    ダイス保持ケース内の前部に保持され、かつマンドレルとの間で押出孔を形成するダイス孔が設けられたメス型ダイスと、を備え、
    受圧部における金属材料受圧面が後方に向けて突出する凸面形状に形成されるとともに、その金属材料受圧面が多面体によって構成される一方、
    受圧部の外周に、金属材料導入用のポート孔が設けられるとともに、そのポート孔の軸心が下流側に向かうに従ってダイス保持ケースの軸心に近づくように、ダイス保持ケースの軸心に対し傾斜するように配置され、
    金属材料受圧面に押圧された金属材料が、ポート孔を通ってダイス保持ケース内に導かれて、押出孔を通過するよう構成されたことを特徴とする金属材料の押出成形用ダイス。
  2. 金属材料受圧面が、周方向に複数の面が並んで配置される周方向多面体に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
  3. 金属材料受圧面が、軸方向に複数の面が並んで配置される軸方向多面体に形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
  4. 受圧部の外周縁位置での横断面における外接円の半径に対し、受圧部の後方への突出高さが0.3〜1.5倍に設定されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
  5. ポート孔は、ダイス保持ケースの軸心回りに周方向に等間隔おきに複数形成されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
  6. ポート孔は、押出孔に向けて配置されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
  7. ポート孔の軸心が、ダイス保持ケースの軸心に対し10〜35°の傾斜角度に設定されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
  8. ダイス保持ケースは、その前部に受圧部と一体に環状ベース部が設けられたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
  9. 受圧部が、多角錐形状に形成されたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
  10. 金属材料が、アルミニウムまたはその合金によって構成されたことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
  11. オス型ダイスのマンドレルと、メス型ダイスのダイス孔との間によって、円環状の押出孔が形成され、
    金属材料が押出孔を通過することによって、断面円環状のチューブ材が成形されるよう構成されたことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
  12. オス型ダイスのマンドレルと、メス型ダイスのダイス孔との間によって、高さ(厚さ)が幅に対し小さい偏平な環状の押出孔が形成されるとともに、
    マンドレルにおけるダイス孔に対応する部分が、幅方向に併設された複数の通路形成用凸部を有する櫛歯状に形成されて、
    金属材料が押出孔を通過することによって、複数の通路が幅方向に併設された多孔中空材が成形されるよう構成されたことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
  13. 請求項1〜10のいずれかに記載された押出成形用ダイスを用いて押出成形品を成形する押出成形品の製造方法。
  14. 請求項11に記載された押出成形用ダイスを用いて押出チューブ材を成形する押出チューブ材の製造方法。
  15. 請求項12に記載された押出成形用ダイスを用いて多孔中空材を成形する多孔中空材の製造方法。
  16. 外表面を金属材料受圧面とする受圧部を有し、その受圧部の金属材料受圧面を金属材料の押出方向に対向させるように後方に向けて配置される一方、内部にオス型ダイスおよびメス型ダイスが保持される押出成形用ダイスのダイス保持ケースであって、
    受圧部における金属材料受圧面が後方に向けて突出する凸面形状に形成されるとともに、その金属材料受圧面が多面体によって構成される一方、
    受圧部の外周に、金属材料導入用のポート孔が設けられるとともに、そのポート孔の軸心が下流側に向かうに従ってダイス保持ケースの軸心に近づくように、ダイス保持ケースの軸心に対し傾斜するように配置され、
    金属材料受圧面に押圧された金属材料が、ポート孔を通ってダイス保持ケース内に導かれて、オス型ダイスおよびメス型ダイス間の押出孔を通過するよう構成されたことを特徴とする押出成形用ダイスのダイス保持ケース。
  17. 受圧部の外周縁位置での横断面における外接円の半径に対し、受圧部の後方への突出高さが0.3〜1.5倍に設定されたことを特徴とする請求項16に記載の押出成形用ダイスのダイス保持ケース。
  18. 金属材料の押出成形方法であって、
    外表面を金属材料受圧面とする受圧部を有し、その受圧部の金属材料受圧面を金属材料の押出方向に対向させるように後方に向けて配置されるダイス保持ケースと、
    ダイス保持ケースの内部に保持され、かつダイス保持ケースの軸心に対応して配置されるマンドレルを有するオス型ダイスと、
    ダイス保持ケース内の前部に保持され、かつマンドレルとの間で押出孔を形成するダイス孔が設けられたメス型ダイスと、を準備しさらに、
    受圧部における金属材料受圧面を後方に向けて突出する凸面形状に形成するとともに、その金属材料受圧面を多面体によって構成する一方、
    受圧部の外周に、金属材料導入用のポート孔を設けるとともに、そのポート孔の軸心を下流側に向かうに従ってダイス保持ケースの軸心に近づくように、ダイス保持ケースの軸心に対し傾斜するように配置しておき、
    金属材料受圧面に押圧させた金属材料を、ポート孔に通してダイス保持ケース内に導いて、押出孔に通過させることを特徴とする金属材料の押出成形方法。
  19. コンテナと、そのコンテナにセットされる押出成形用ダイスと、を備え、コンテナ内の金属材料を押出成形用ダイスに供給するようにした金属材料の押出成形機であって、
    押出成形用ダイスは、
    外表面を金属材料受圧面とする受圧部を有し、その受圧部の金属材料受圧面を金属材料の押出方向に対向させるように後方に向けて配置されるダイス保持ケースと、
    ダイス保持ケースの内部に保持され、かつダイス保持ケースの軸心に対応して配置されるマンドレルを有するオス型ダイスと、
    ダイス保持ケース内の前部に保持され、かつマンドレルとの間で押出孔を形成するダイス孔が設けられたメス型ダイスと、を備え、
    受圧部における金属材料受圧面が後方に向けて突出する凸面形状に形成されるとともに、その金属材料受圧面が多面体によって構成される一方、
    受圧部の外周に、金属材料導入用のポート孔が設けられるとともに、そのポート孔の軸心が下流側に向かうに従ってダイス保持ケースの軸心に近づくように、ダイス保持ケースの軸心に対し傾斜するように配置され、
    金属材料受圧面に押圧された金属材料が、ポート孔を通ってダイス保持ケース内に導かれて、押出孔を通過するよう構成されたことを特徴とする金属材料の押出成形機。
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