JP5053660B2 - 金属材料の押出成形用ダイス - Google Patents

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Description

この発明は、金属材料の押出加工に用いられる金属材料の押出成形用ダイスおよびその関連技術に関する。
カーエアコン用熱交換器におけるアルミニウム製熱交換チューブなどの金属製中空押出品を製造する際に用いられる押出成形用ダイスは、図18(a)に示すポートホールダイス、同図(b)に示すスパイダダイス、同図(c)に示すブリッジダイスと称されるものがある。
これらの押出成形用ダイスは、オス型ダイス(1)とメス型ダイス(2)とが組み合わされて構成され、オス型ダイス(1)のマンドレル(1a)が、メス型ダイス(2)のダイス孔(2a)に対応して配置されて、マンドレル(1a)およびダイス孔(2a)によって環状の押出孔が形成される。そしてオス型ダイス(1)のビレット受圧面(金属材料受圧面1b)に押圧された金属ビレット(金属材料)が、材料導入部(1c)を通って両ダイス(1)(2)内に流入されて、上記押出孔を塑性変形しつつ通過することによって、押出孔の形状に対応した断面形状の押出材が成形加工されるよう構成されている。
このような押出成形用ダイスにおいては、オス型ダイス(1)のビレット受圧面(1b)に、金属ビレットの押圧による多大な応力が加わるため、その応力によって、受圧部周辺に亀裂が発生し易く、十分なダイス寿命を得ることが困難になるおそれがある。
そこで従来においては、下記特許文献1,2に示す金属材料の押出成形用ダイスが提案されている。このダイスは、オス型ダイスのビレット受圧面がビレットの押出方向に対し反対側(後側)に突出する凸面形状に形成されており、このビレット受圧面に加わる金属ビレットの押圧力をオス型ダイスのブリッジ部によって受け止めるように構成されている。
実開昭53−102938号(請求の範囲、第3−5図) 特公平6−81644号(請求の範囲、図面)
上記特許文献1,2に示す従来の押出成形用ダイスは、ビレット受圧面を凸面形状に形成しているため、金属ビレットに対する耐圧性など、オス型ダイスの強度をある程度向上させることができるものの、依然としてブリッジ部に強度的に不安を抱えている。このためブリッジ部の強度を十分に確保するには、オス型ダイスにおけるブリッジ部の肉厚などのサイズを大きくせざるを得ず、大型化および高重量化を来すばかりか、コストの増大も招くという問題が発生する。
また押出成形用ダイスにおいて、特に複雑な形状に押出加工するような場合には、金属材料をオス型ダイスの材料導入部から押出孔にかけて安定状態にスムーズに導入する必要があるが、上記従来の押出成形用ダイスにおいては、オス型ダイスの材料導入部からオス型ダイスおよびメス型ダイス間に流入される金属材料がオス型ダイスのブリッジ部によって乱されて、金属材料のスムーズな導入が妨げられ、押出成形品の寸法精度が低下して、高い品質を得ることが困難になるおそれがあった。
この発明の主たる目的は、上記従来技術の問題を解消し、十分な強度および耐久性を確保しつつ、コストの削減および小型軽量化を図ることができるとともに、高い品質の押出成形品を得ることができる金属材料の押出成形用ダイスを提供することである。
この発明の他の目的は、上記目的を達成可能な押出成形品の製造方法、押出チューブ材の製造方法、多孔中空材の製造方法、押出成形用ダイスのダイスケース、金属材料の押出成形方法および金属材料の押出成形機などの関連技術を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明は以下の構成を要旨とするものである。
[1] 外表面を金属材料受圧面とする受圧部を有し、その受圧部を金属材料の押出方向に対向させるように後方に向けて配置されるオス型ダイスケースと、
オス型ダイスケースの前側に設けられるメス型ダイスケースと、
オス型ダイスケース内に設けられるオス型ダイスと、
メス型ダイスケース内に設けられ、かつオス型ダイスとにより押出孔を形成するメス型ダイスと、を備え、
受圧部における金属材料受圧面が後方に向けて突出する凸面形状であるとともに、受圧部の外周に、金属材料導入用のポート孔が設けられ、
オス型ダイスケースの前面側外周に圧入連結部が設けられるとともに、メス型ダイスケースの後面側外周に圧入用凹部が設けられ、
圧入連結部が圧入用凹部に圧入されることにより、オス型ダイスケースがメス型ダイスケースにより周囲から拘束された状態で両ダイスケースが連結されることを特徴とする金属材料の押出成形用ダイス。
[2] ポート孔の軸心が下流側に向かうに従ってオス型ダイスケースの軸心に近づくように、オス型ダイスケースの軸心に対し傾斜するように配置されることを特徴とする前項1に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
[3] 圧入連結部の圧入用凹部に対する径方向の圧縮率(圧入代)が、1〜8%に設定される前項1または2に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
[4] オス型ダイスケースとオス型ダイスとが別体に設けられ、オス型ダイスがオス型ダイスケースに保持される前項1〜3のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
[5] オス型ダイスケースにオス型ダイスが一体に形成される前項1〜3のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
[6] メス型ダイスケースにメス型ダイスが一体に形成される前項1〜5のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
[7] メス型ダイスケースに、金属材料の流動を制御するための流動制御板が一体に形成される前項1〜6のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
[8] 受圧部が半球体形状に形成されることを特徴とする前項1〜7のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
[9] 金属材料受圧面が、1/6〜4/6球体の凸球面によって構成されたことを特徴とする前項1〜7のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
[10] 受圧部が、その受圧面に多数の面が配置された多面体形状に形成されることを特徴とする前項1〜7のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
[11] 受圧部が、その軸心方向から見た状態で楕円形ないし長円形に形成されることを特徴とする前項1〜7のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
[12] 受圧部が、軸心方向に沿う突出寸法が、軸心方向に直交する径方向に沿う半径寸法よりも長く設定されて、径方向から見た状態で半楕円形ないし半長円形に形成されることを特徴とする前項1〜7のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
[13] ポート孔は、オス型ダイスケースの軸心回りに周方向に等間隔おきに複数形成されたことを特徴とする前項1〜12のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
[14] ポート孔の軸心が、オス型ダイスケースの軸心に対し3〜35°の傾斜角度に設定されたことを特徴とする前項2に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
[15] 金属材料が、アルミニウムまたはその合金によって構成されたことを特徴とする前項1〜14のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
[16] オス型ダイスと、メス型ダイスとによって、環状の押出孔が形成され、
金属材料が押出孔を通過することによって、断面環状のチューブ材が押出成形されるよう構成されたことを特徴とする前項1〜15のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
[17] オス型ダイスと、メス型ダイスとによって、高さ(厚さ)が幅に対し小さい偏平な環状の押出孔が形成されるとともに、
オス型ダイスの押出孔に対応する部分が、幅方向に併設された複数の通路成形用凸部を有する櫛歯状に形成されて、
金属材料が押出孔を通過することによって、複数の通路が幅方向に併設された多孔中空材が押出成形されるよう構成されたことを特徴とする前項1〜15のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
[18] 前項1〜15のいずれかに記載された押出成形用ダイスを用いて押出成形品を成形する押出成形品の製造方法。
[19] 前項16に記載された押出成形用ダイスを用いて押出チューブ材を成形する押出チューブ材の製造方法。
[20] 前項17に記載された押出成形用ダイスを用いて多孔中空材を成形する多孔中空材の製造方法。
[21] 外表面を金属材料受圧面とする受圧部を有し、その受圧部を金属材料の押出方向に対向させるように後方に向けて配置され、かつ内部にオス型ダイスが設けられるオス型ダイスケースと、
オス型ダイスケースの前側に設けられ、かつ内部にメス型ダイスが設けられるメス型ダイスケースと、を備え、
受圧部における金属材料受圧面が後方に向けて突出する凸面形状であるとともに、受圧部の外周に、金属材料導入用のポート孔が設けられ、
オス型ダイスケースの前面側外周に圧入連結部が設けられるとともに、メス型ダイスケースの後面側外周に圧入用凹部が設けられ、
圧入連結部が圧入用凹部に圧入されることにより、オス型ダイスケースがメス型ダイスケースにより周囲から拘束された状態で両ダイスケースが連結されることを特徴とする押出成形用ダイスのダイスケース。
[22] 金属材料受圧面が、1/6〜4/6球体の凸球面によって構成されたことを特徴とする前項21に記載の押出成形用ダイスのダイスケース。
[23] 金属材料の押出成形方法であって、
外表面を金属材料受圧面とする受圧部を有し、その受圧部を金属材料の押出方向に対向させるように後方に向けて配置されるオス型ダイスケースと、
オス型ダイスケースの前側に設けられるメス型ダイスケースと、
オス型ダイスケース内に設けられるオス型ダイスと、
メス型ダイスケース内に設けられ、かつオス型ダイスとにより押出孔を形成するメス型ダイスと、を準備しさらに、
受圧部における金属材料受圧面が後方に向けて突出する凸面形状であるとともに、受圧部の外周に、金属材料導入用のポート孔を設け、
オス型ダイスケースの前面側外周に圧入連結部を設けるとともに、メス型ダイスケースの後面側外周に圧入用凹部を設け、
圧入連結部を圧入用凹部に圧入することにより、オス型ダイスケースをメス型ダイスケースにより周囲から拘束した状態で両ダイスケースを連結し、
その連結状態で、金属材料受圧面に押圧させた金属材料を、ポート孔に通して両ダイスケース内に導いて、押出孔に通過させることを特徴とする金属材料の押出成形方法。
[24] コンテナと、そのコンテナにセットされる押出成形用ダイスと、を備え、コンテナ内の金属材料を押出成形用ダイスに供給するようにした金属材料の押出成形機であって、
押出成形用ダイスは、
外表面を金属材料受圧面とする受圧部を有し、その受圧部を金属材料の押出方向に対向させるように後方に向けて配置されるオス型ダイスケースと、
オス型ダイスケースの前側に設けられるメス型ダイスケースと、
オス型ダイスケース内に設けられるオス型ダイスと、
メス型ダイスケース内に設けられ、かつオス型ダイスとにより押出孔を形成するメス型ダイスと、を備え、
受圧部における金属材料受圧面が後方に向けて突出する凸面形状であるとともに、受圧部の外周に、金属材料導入用のポート孔が設けられ、
オス型ダイスケースの前面側外周に圧入連結部が設けられるとともに、メス型ダイスケースの後面側外周に圧入用凹部が設けられ、
圧入連結部が圧入用凹部に圧入されることにより、オス型ダイスケースがメス型ダイスケースにより周囲から拘束された状態で両ダイスケースが連結される一方、
金属材料受圧面に押圧された金属材料が、ポート孔を通って両ダイスケース内に導かれて、押出孔を通過するよう構成されたことを特徴とする金属材料の押出成形機。
発明[1]の金属材料の押出成形用ダイスによれば、金属材料受圧面を有するオス型ダイスケースを、メス型ダイスケースによって周囲から拘束した状態に連結するものであるため、オス型ダイスケースの強度、ひいてはダイス全体の強度を向上できて、耐久性を向上させることができる。さらに所定の強度を確保できるため、肉厚などのサイズを必要以上に大きく形成する必要がなく、その分、小型軽量化を図ることができるとともに、コストも削減することができる。
さらに、この押出成形用ダイスによれば、金属材料受圧面を凸面形状に形成しているため、金属材料が受圧面に押圧された際に、金属材料の押圧力を凸面によって分散させて受け止めることができて、受圧面の各部分での法線方向の押圧力を低減することができる。このため金属材料の押圧力に対する強度を向上できて、十分な耐久性を得ることができる。すなわち、金属材料が凸面形状に形成された受圧面に押圧された場合、受圧面の各部位には受圧部の軸心に向かう方向の圧縮力が加わるため、押出成形時にダイスケースに生じる剪断力が低減される。その結果、このダイスケースにおいて最も剪断力が大きく生じる部位である、ダイスケースの中空部に露出した部位について、該部位に生じる剪断力を低減でき、もって金属材料の押圧力に対するダイスの強度を向上させることができる。
発明[2]の金属材料の押出成形用ダイスによれば、ポート孔の軸心を下流側に向かうに従ってオス型ダイスケースの軸心に近づくように、オス型ダイスケースの軸心に対し傾斜するように配置しているため、ポート孔を流通する金属材料がオス型ダイスケース内の軸心、つまり押出孔にスムーズに導かれて、安定状態で押出加工することができ、高品質の押出成形品を得ることができる。
発明[3]の金属材料の押出成形用ダイスによれば、オス型ダイスケースをメス型ダイスケースによって、適度な強度で拘束することができ、ダイス強度を一層向上させることができる。
発明[4]の金属材料の押出成形用ダイスによれば、オス型ダイスケースとオス型ダイスとが別体であるため、これらの構造の簡素化を図ることができる。
発明[5]〜[7]の金属材料の押出成形用ダイスによれば、オス型ダイスケースにオス型ダイスが一体に形成されているため、部品点数の削減を図ることができる。
発明[8]〜[12]の金属材料の押出成形用ダイスによれば、金属材料受圧面を所定の凸面形状に形成しているため、金属材料が受圧面に押圧された際に、金属材料の押圧力を凸面体によって分散させて受け止めることができて、受圧面の各部分での法線方向の押圧力を低減することができる。このため金属材料の押圧力に対する強度を向上できて、十分な耐久性を確実に得ることができる。
特に発明[9]の金属材料の押出成形用ダイスによれば、金属材料の受圧面への押圧力をより確実にバランス良く分散できて、金属材料の押圧力に対する強度をより確実に向上させることができる。すなわち、金属材料が特定の凸球面によって構成された受圧面に押圧された場合、受圧面の各部位には受圧部の中心に向かう方向の圧縮力がより確実に加わるため、押出成形時にダイスケースに生じる剪断力がより確実に低減される。その結果、このダイスケースにおいて最も剪断力が大きく生じる部位である、ダイスケースの中空部に露出した部位について、該部位に生じる剪断力をより確実に低減でき、もって金属材料の押圧力に対するダイスの強度をより確実に向上させることができる。
発明[13]の金属材料の押出成形用ダイスによれば、ポート孔を周方向に複数形成しているため、金属材料を両ダイスケース内に周方向から均等に導入でき、押出孔へとスムーズに供給でき、より安定状態に押出加工することができる。
発明[14]の金属材料の押出成形用ダイスによれば、ポート孔の軸心を、特定の傾斜角度に設定しているため、金属材料をポート孔から押出孔に、安定した状態で供給することができる。
発明[15]の金属材料の押出成形用ダイスによれば、アルミニウムまたはアルミニウム合金製の押出成形品を製造することができる。
発明[16]の金属材料の押出成形用ダイスによれば、断面円環状のチューブ材を確実に形成することができる。
発明[17]の金属材料の押出成形用ダイスによれば、幅方向に複数の通路が並列に配置された多孔中空材を確実に形成することができる。
発明[18]によれば、上記と同様の効果を奏する押出成形品の製造方法を提供することができる。
発明[19]によれば、上記と同様の効果を奏する押出チューブ材の製造方法を提供することができる。
発明[20]によれば、上記と同様の効果を奏する多孔中空材の製造方法を提供することができる。
発明[21]および[22]によれば、上記と同様の効果を奏する押出成形用ダイスのダイスケースを提供することができる。
特に発明[22]の押出成形用ダイスのダイスケースによれば、上記発明[9]と同様の理由により、金属材料の受圧面への押圧力をより確実にバランス良く分散できて、金属材料の押圧力に対する強度をより確実に向上させることができる。
発明[23]によれば、上記と同様の効果を奏する金属材料の押出成形方法を提供することができる。
発明[24]によれば、上記と同様の効果を奏する金属材料の押出成形機を提供することができる。
<第1実施形態>
図1〜5はこの発明の第1実施形態の一例とする押出成形用ダイス(10)を示す図である。これらの図に示すように本実施形態の押出成形用ダイス(10)は、図10,11に示す多孔中空材(60)を押出成形するものである。
中空材(60)は、金属製のもので、本実施形態において、アルミニウムまたはアルミニウム合金製の熱交換チューブの一例を示している。
この中空材(60)は、カーエアコン用のコンデンサなどの熱交換器に採用されるものであり、偏平な形状を有している。さらにこの中空材(60)の中空部(61)は、チューブ長さ方向に延び、かつ互いに平行に配置された複数の隔壁(62)によって、複数の熱交換用通路(63)に仕切られている。これらの通路(63)は、チューブ長さ方向に延び、かつ互いに平行に配置されている。
なお本実施形態においては、チューブ長さ方向に対し直交し、かつ通路(63)が並列される方向を「幅方向」とし、チューブ長さ方向に対し直交し、かつ幅方向に対し直交する方向を「高さ方向(厚さ方向)」として説明する。さらに本実施形態では、ダイス(10)により成形される押出製品を基準にして、金属材料としての金属ビレットの押出方向対し「上流側」を「後側」とし、「下流側」を「前側」として説明する。
図1〜5に示すように、本実施形態の押出成形用ダイス(10)は、オス型ダイスケース(20)と、メス型ダイスケース(25)と、オス型ダイス(30)と、メス型ダイス(40)と、流動制御板(50)と、を備えている。なお本実施形態では、オス型ダイスケース(20)と、メス型ダイスケース(25)とによりダイスケースが構成されるものである。
オス型ダイスケース(20)は、メス型ダイスケース(25)に対し、上流側(後側)に配置されている。このオス型ダイスケース(20)は、メス型ダイスケース(25)に対し独立(分割)状態に構成されており、後述するようにして両ダイスケース(20)(25)が連結されている。
オス型ダイスケース(20)は、略ドーム型の形状を有し、ビレットが押圧される受圧部(21)と、受圧部(21)の前面側(詳述すると前面側外周)に一体に形成された環状の圧入連結部(21a)とを有している。さらにオス型ダイスケース(20)は、受圧部(21)の外周面(後面)が、金属材料受圧面としてのビレット受圧面(22)に形成されている。
オス型ダイスケース(20)のビレット受圧面(22)は、押出方向に対向する方向(後方向)に突出する凸面形状として形成されている。この受圧面(22)は、半球凸面形状によって構成されている(球形状以外は後記の<変形例>にて言及する)。
オス型ダイスケース(20)の受圧部(21)の周壁中央には、内部の中空部(ウェルドチャンバ12)に連通するオス型ダイス保持孔(23)が軸心(A1)に沿って設けられている。このオス型ダイス保持孔(23)は、オス型ダイス(30)の断面形状に対応して、偏平な矩形状に形成されている。さらに図5などに示すようにオス型ダイス保持孔(23)の後端側における両側部には、後述するオス型ダイス(30)を係合するための係合段部(23a)(23a)が設けられている。
オス型ダイスケース(20)の受圧部(21)の外周、詳述すると受圧部(21)の周壁における軸心(A1)を挟んだ両側には、一対のポート孔(24)(24)がそれぞれ形成されている。各ポート孔(24)(24)は、周方向に沿って延びる長孔形状を有しており、周方向に等間隔をおくように対向して配置されている。さらにポート孔(24)は下流側(前方)に向かうに従ってオス型ダイスケース(20)の軸心(A1)に近づくように、ポート孔(24)の軸心(A2)がオス型ダイスケース(20)の軸心(A1)に対し交差し、かつ傾斜して配置されている。このポート孔(24)の傾斜角度(θ)などの詳細な構成については、後に詳述する。
また図2に示すようにオス型ダイスケース(20)における圧入連結部(21a)の前面外周部には、2つの連結軸取付孔(22a)が形成されている。
一方、メス型ダイスケース(25)は、オス型ダイスケース(20)に対し独立して形成されており、径寸法がオス型ダイスケース(20)の径寸法よりも一回り大きく形成されている。
メス型ダイスケース(25)の後面側外周、詳述するとメス型ダイスケース(25)のオス型ダイスケース(20)との対応面(即ちメス型ダイスケース(25)の後面)外周には、オス型ダイスケース(20)の圧入連結部(21a)を圧入可能な圧入用凹部(25a)が設けられている。この圧入用凹部(25a)はその内直径寸法が圧入連結部(21a)の外直径寸法よりも少し小さく設定されており、深さが圧入連結部(21a)の突出長さに対応して形成されている。なお圧入用凹部(25a)および圧入連結部(21)の直径差などの詳細については、後に説明する。
また圧入用凹部(25a)の底面外周には、上記オス型ダイスケース(20)の連結軸取付孔(22a)に対応して、2つの連結軸取付孔(27a)が形成されている。
メス型ダイスケース(25)の圧入用凹部(25a)における中央部には、メス型ダイス保持凹部(26)が形成されるとともに、その保持凹部(26)の底壁中央には、連通孔(26b)が形成されている。
さらに図4に示すようにメス型ダイス保持凹部(26)の内周側面には、軸心方向に沿って2本のキー溝(27)が形成されている。
オス型ダイス(30)は、その前端部がマンドレル(31)として構成されている。図4〜6に示すようにマンドレル(31)の前端部は、中空材(60)の中空部(61)を形成するもので、中空材(60)の各通路(63)に対応した複数個の通路成形用凸部(33)を有している。これら複数の通路成形用凸部(33)は、マンドレル(31)の幅方向に所定の間隔おきに並んで配置されている。さらにこれらの通路成形用凸部(33)の各間に設けられた隙間は、中空材(60)の隔壁(62)を形成する隔壁成形用溝(32)として構成されている。
オス型ダイス(30)の後端部における外周縁部には、オス型ダイスケース(20)におけるオス型ダイス保持孔(23)の上記係合段部(23a)に対応して、係合凸部(33a)が側方突出状に一体に形成されている。
このオス型ダイス(30)が、オス型ダイスケース(20)のオス型ダイス保持孔(23)に、そのビレット受圧面(22)側から挿入されて固定される。このときオス型ダイス(30)の係合凸部(33a)(33a)が、オス型ダイス保持孔(23)内の係合段部(23a)(23a)に係合されて、オス型ダイス(30)の位置決めが図られることにより、オス型ダイス(30)のマンドレル(31)が、オス型ダイスケース(20)の内部におけるオス型ダイス保持孔(23)から内部に所定量突出した状態に保持される。
なおオス型ダイス(30)の基端面(後端面)は、オス型ダイスケース(20)のビレット受圧面(22)に倣う凸球面の一部(先端部)に形成されており、オス型ダイス(30)の基端面(後端面)と、ビレット受圧面(22)とにより所望の連続する円滑な半球凸面形状が形成されるよう構成されている。
メス型ダイス(40)は、円柱形状を有しており、図3に示すように外周面の両側部には、上記メス型ダイスケース(25)における保持凹部(26)のキー溝(27)(27)に対応して、軸心と平行なキー突起(47)(47)が形成されている。
メス型ダイス(40)には、後端面側に開放し、かつオス型ダイス(30)のマンドレル(31)に対応して形成されるダイス孔(ベアリング孔41)と、ダイス孔(41)に連通し、かつ前端面側に開放するレリーフ孔(42)とが設けられている。
ダイス孔(41)は、その内周縁部に沿って内方突出部が設けられて、中空材(60)の外周部を成形できるよう構成されている。さらにレリーフ孔(42)は、前端側(下流側)に向かうに従って次第に厚さ(高さ)が大きくなるように末広がりのテーパ状に形成されて、下流側に開放されている。
このメス型ダイス(40)が、メス型ダイスケース(25)のメス型ダイス保持凹部(26)内に収容される。このとき、メス型ダイス(40)のレリーフ孔(42)の下端開口部が、メス型ダイスケース(25)におけるダイス保持凹部底面の連通孔(26b)に適合状態に配置されて、メス型ダイス(40)のレリーフ孔(42)が、メス型ダイスケース(25)の下方側(下流側)に連通されている。
さらにメス型ダイス(40)のキー突起(47)が、メス型ダイスケース(25)のキー溝(27)に挿入されて係合されることにより、メス型ダイス(40)の軸心周りの位置決めが図られる。
流動制御板(50)は、その外周形状が、上記メス型ダイスケース(25)におけるメス型ダイス保持凹部(26)の断面形状に対応して円形に形成されている。さらに流動制御板(50)の中央には、メス型ダイス(40)のダイス孔(41)に対応して、中央貫通孔(51)が形成されている。
なお図3に示すように流動制御板(50)における外周縁部の両側部には、上記メス型ダイス(40)のキー突起(47)に対応して、キー突起(57)(57)が形成されている。
そしてこの流動制御板(50)が、メス型ダイス保持凹部(26)内におけるメス型ダイス(40)上に収容される。このとき流動制御板(50)のキー突起(57)が、メス型ダイスケース(25)のキー溝(27)内に係合されることにより、流動制御板(50)の軸心周りの位置決めが図られる。
さらにメス型ダイス(40)および流動制御板(50)が組み込まれたメス型ダイスケース(25)に、オス型ダイス(30)が組み込まれたオス型ダイスケース(20)が以下のように組み付けられる。
すなわちメス型ダイスケース(25)の連結軸取付孔(27a)に、連結軸(15)の片側半分を挿入固定して残り半分を突出させた状態で、メス型ダイスケース(25)の圧入用凹部(25a)内に、オス型ダイスケース(20)の圧入連結部(21a)が圧入固定される。このとき、連結軸(15)の突出部がオス型ダイスケース(20)の連結軸取付孔(22a)に挿入固定される。
これによりオス型ダイスケース(20)が、メス型ダイスケース(25)により周囲から拘束される態様に、両ダイスケース(20)(25)が互いの軸心を一致させて連結される。
この連結によって、オス型ダイス(30)のマンドレル(31)およびメス型ダイス(40)のダイス孔(41)が流動制御板(50)の中央貫通孔(51)内に対応して配置される。さらには図4〜6に示すように、オス型ダイス(30)のマンドレル(31)が、メス型ダイス(40)のダイス孔(41)の内側に配置されて、マンドレル(31)およびダイス孔(41)間で偏平環状の押出孔(11)が形成される。さらにこの押出孔(11)は、マンドレル(31)の複数の隔壁成形溝(32)が幅方向に並列に配置されて、上記成形加工される中空材(60)の断面形状に対応して形成される。
ここで本実施形態において、既述したように、圧入連結部(21a)の外直径は圧入用凹部(25a)の内直径よりも少し大きく形成されている。本実施形態では、圧入連結部(21a)の圧入用凹部(25a)に対する直径方向の圧縮率(圧入代)を、以下に示すように特有の範囲に設定するのが好ましい。
なお本実施形態において圧入代(P)は、圧入連結部(21a)の外直径を「L1」、圧入用凹部(25a)の内直径を「L2」としたとき、外直径(L1)と内直径(L2)との直径差(L1−L2)を、内直径(L2)に対する割合(百分率)で表示したものである。具体的には圧入代(P)は、下記(1)式で求められる。
P=(L1−L2)×100/L2…(1)
そして本実施形態では、上記の圧入代(P)を、1〜8%、好ましくは3〜6%に設定するのが良い。すなわち圧入代(P)が上記特有の範囲内に設定される場合には、オス型ダイスケース(20)がメス型ダイスケース(25)に適度な圧縮力で拘束されることにより、オス型ダイスケース(20)、つまりビレット受圧部(21)の強度を向上させることができ、耐亀裂性、耐久性を向上させることができる。換言すれば、圧入代(P)が小さ過ぎる場合には、オス型ダイスケース(20)をメス型ダイスケース(25)によって十分に拘束できず、オス型ダイスケース(20)の強度が低下して、耐久性が低下するおそれがある。逆に圧入代(P)が大き過ぎる場合には、メス型ダイスケース(25)によるオス型ダイスケース(20)の拘束力が強くなり過ぎて、オス型ダイスケース(20)の強度が低下して、耐久性が低下するおそれがある。
ただし本発明では、圧入代(P)は必ずしも全周に亘って均一であることを要せず、例えば、押出成形時に生じるダイスケース(20)(25)の撓みを考慮して圧入代(P)の大きさを上記特有の範囲内において変化させても良い。
なお本発明において、圧入と言う場合、焼きばめや冷却ばめなどの収縮ばめも含まれるものであり、この収縮ばめを用いることもできる。
また本実施形態において、一対のポート孔(24)(24)の流出側端部(前端部)が、押出孔(11)に対応して配置されている。
さらに既述したようにポート孔(24)(24)はその軸心(A2)が、オス型ダイスケース(20)の軸心(A1)に対し傾斜するように設定されている。図4に示すように本実施形態において、オス型ダイスケース(20)の軸心(A1)に対するポート孔(24)の軸心(A2)の傾斜角度(θ)は、3〜35°に設定するのが良く、好ましくは5〜30°、より好ましくは5〜25°に設定するのが良い。すなわちこの傾斜角度(θ)を上記特定の範囲内に設定する場合には、金属材料がポート孔(24)(24)、および両ダイスケース(20)(25)内部のウェルドチャンバ(12)を安定した状態で流通して、さらに金属材料が押出孔(11)をその全周にわたってバランス良くスムーズに通過して、寸法精度に優れた高品質の押出成形品(押出加工品)を形成することができる。換言すれば、上記傾斜角度(θ)が小さ過ぎる場合には、ポート孔(24)(24)およびウェルドチャンバ(12)を流通した金属材料が、押出孔(11)にスムーズに導入されず、高品質の押出成形品を安定して得ることが困難になるおそれがある。逆に傾斜角度(θ)が大き過ぎる場合には、材料押出方向に対し、ポート孔(24)の材料流通方向が大きく傾斜するため、金属材料の押出荷重が大きくなるので、好ましくない。
また本実施形態において、オス型ダイスケース(20)におけるビレット受圧面(22)を1/6〜4/6球体の凸球面によって構成するのが良い。ビレット受圧面(22)を上記特定の凸球面によって構成する場合には、ビレット受圧面(22)によって金属ビレットの押圧力をより確実にバランス良く分散して受け止めることができ、十分な強度を確保できて、ダイス寿命をより確実に向上させることができる。すなわち、ビレットが特定の凸球面によって構成された受圧面(22)に押圧された場合、受圧面(22)の各部位には受圧部(21)の中心に向かう方向の圧縮力がより確実に加わるため、押出成形時にダイスケース(20)に生じる剪断力がより確実に低減される。その結果、このダイスケース(20)において最も剪断力が大きく生じる部位である、ダイスケース(20)の中空部に露出した部位について、該部位に生じる剪断力をより確実に低減でき、もってビレットの押圧力に対するダイス(10)の強度をより確実に向上させることができる。そればかりかダイス形状の簡素化、小型軽量化およびコストの削減を図ることができる。換言すれば、ビレット受圧面(22)を、1/6球体に満たない球体、たとえば1/8球体の凸球面によって構成した場合には、ビレットの押圧力に対し十分な強度を得ることができず、亀裂の発生によるダイス寿命の低下を来すおそれがある。逆にビレット受圧面(22)を、4/6球体を超える球体、たとえば5/6球体の凸球面によって構成した場合には、形状の複雑化によるコストの増大を来すおそれがある。
ここで本実施形態においてたとえば、1/8球体、1/6球体、4/6球体などの割合付きの球体は、完全球体を軸心に対し直交する方向に切断して切り取った際の部分球体によって構成されるものである。すなわち本実施形態において「n/m球体(ただしm、nは自然数、n<mである)」とは、完全球体の軸心長さ(直径)を「1」として、完全球体の端縁からの軸心(直径)方向の長さがn/mの位置で、その完全球体を、軸心に対し直交する方向に切り取った際の部分球体によって構成されるものである。
なお本実施形態において図4に示すように、ポート孔(24)の内周面のうち内側面(24a)および外側面(24b)は、互いにほぼ平行に配置されるとともに、ポート孔(24)の軸心(A2)に対しほぼ平行に配置されている。さらにポート孔内周面の内側面(24a)および外側面(24b)は、オス型ダイスケース(20)の軸心(A1)に対し傾斜する傾斜面(テーパ面)としてそれぞれ構成されている。
以上の構成の押出成形用ダイス(10)は、図7〜9に示すように押出成形機にセットされる。すなわち本実施形態の押出成形用ダイス(10)が、プレート(5)の中央に設けられたダイス設置孔(5a)に取り付けられた状態で、コンテナ(6)にセットされる。なお押出成形用ダイス(10)は、プレート(5)によって押出方向に対し直交する方向に対し固定されるとともに、図示しないバッカーによって押出方向に対し固定されている。
そしてコンテナ(6)内に挿入されたアルミニウムビレットなどの金属ビレット(金属材料)を、ダミーブロック(7)を介して図7の右方向(押出方向)に押し込む。これにより金属ビレットは、押出成形用ダイス(10)におけるオス型ダイスケース(20)のビレット受圧面(22)に押し付けられて塑性変形する。こうして金属材料が塑性変形しつつ、一対のポート孔(24)(24)を流通して両ダイスケース(20)(25)のウェルドチャンバ(12)に導入されさらに、押出孔(11)を通って前方へ押し出されることにより、金属材料が押出孔(11)の開口形状に対応した断面形状に成形されて、金属製押出成形品(中空材60)が製造される。
本実施形態の押出成形用ダイス(10)によれば、ビレット受圧面(22)を凸球面形状に形成しているため、金属ビレットがビレット受圧面(22)に押圧された際に、その押圧力を凸球面によって分散させて受け止めることができる。従ってビレット受圧面(22)の各部分での法線方向の押圧力を低減することができ、金属材料の押圧力に対する強度を向上できて、十分な耐久性を得ることができる。
さらに本実施形態においては、受圧部(21)の外周に材料流入用のポート孔(24)を形成するものであり、受圧部(21)の前端壁部が周方向に連続して一体に形成されるため、この連続周壁部の存在によって、オス型ダイスケース(20)、ひいては押出成形用ダイス全体の強度を一層向上させることができる。
その上、オス型ダイスケース(20)を、メス型ダイスケース(25)によって周囲から拘束するものであるため、オス型ダイスケース(20)の強度、ひいては押出成形用ダイス全体の強度をより一層向上させることができる。従って従来におけるブリッジ部などの強度的に弱い部分が存在せず、強度向上のために肉厚などのサイズを必要以上に大きく形成しなくとも良いため、小型軽量化を図ることができるとともに、コストも削減することができる。
また本実施形態においては、オス型ダイスケース(20)の軸心(A1)から逸脱した位置、つまり受圧面外周にポート孔(24)(24)を形成するとともに、そのポート孔(24)(24)の軸心(A2)を下流側に向かうに従ってオス型ダイスケース(20)の軸心に次第に近づくように、両ダイスケース(20)(25)の軸心(A1)に対し傾斜させているため、ポート孔(24)(24)を流通する金属材料は、オス型ダイスケース(20)の軸心(A1)、つまり押出孔(11)にスムーズに導かれていき、安定状態に押出加工することができる。さらに本実施形態においては、ポート孔(24)(24)の下流側端部(出口)を押出孔(11)に向けて配置しているため、金属材料を一層スムーズに押出孔(11)に導くことができる。
その上さらに本実施形態においては、ポート孔(24)(24)を、偏平な押出孔(11)の高さ方向(厚さ方向)両側に対応させて配置するものであるため、金属材料を押出孔(11)に対し厚さ方向両側から、一層スムーズに安定した状態で導入することができる。従って押出孔(11)の全域を均等にバランス良く金属材料が通過して押し出されることにより、高品質の押出中空材(60)を得ることができる。
特に本実施形態のように、偏平なハモニカチューブ形状などの複雑な形状の中空材(60)を押出成形する場合であっても、金属材料を押出孔(11)の全域にバランス良く導入することができるため、品質をさらに向上させることができる。
なお参考までに、高さおよび幅が0.5mmの矩形断面通路(63)を複数並列に形成されたアルミニウム製熱交換チューブ(中空体)を製造する場合、ブリッジ型などの従来の押出成形用ダイスにおいては、強度が不十分なため、ダイスに発生する亀裂が、ダイス寿命の要因となっていた。これに対し、本発明に関連した押出成形用ダイス(10)においては、強度が十分であるため、ダイスに亀裂が発生することがなく、ダイスの磨耗が、ダイス寿命の要因となり、飛躍的にダイス寿命を向上させることができる。
具体的には、本発明者によるダイス寿命に関連した実験結果によると、本発明の押出成形用ダイスにおいては、従来品に比べて、3倍程度もダイス寿命を延ばすことができた。
また本発明においては、十分な耐圧性(強度)を有しているため、押出限界速度もかなり向上させることができる。たとえば従来の押出成形用ダイスでは、押出速度の上限値が60m/minであったのに対し、本発明の押出成形用ダイスにおいては、押出速度の上限値を150m/minまで高めることができ、2.5倍程度も押出限界速度を高めることができ、生産効が向上できる。
<第2実施形態>
図12〜14はこの発明の第2実施形態の一例とする押出成形用ダイス(10)を示す図である。これらの図に示すようにこの第2実施形態の押出成形用ダイス(10)は、上記第1実施形態の押出成形用ダイス(10)と大きく相違する点は、上記第1実施形態のものは、偏平な多孔チューブ材を押出成形するものであるのに対し、本第2実施形態のものは、円環状チューブ材を押出成形するものである、という点である。
すなわち本第2実施形態における押出成形用ダイス(10)は、オス型ダイスケース(20)およびメス型ダイスケース(25)からなるダイスケースと、円形のマンドレル(31)を有するオス型ダイス(30)と、円形のダイス孔(41)を有するメス型ダイス(40)と、流動制御板(50)と、を備えている。
またオス型ダイスケース(20)のダイス保持孔(23)は、オス型ダイス(30)に対応して、円柱状に形成されている。さらにオス型ダイスケース(20)に設けられるポート孔(26)は、周方向に等間隔おきに3つ設けられている。
そしてオス型ダイスケース(20)のダイス保持孔(23)内にオス型ダイス(30)が挿入されるとともに、メス型ダイスケース(25)のダイス保持凹部(26)内にメス型ダイス(40)および流動制御板(50)が収容された状態で、両ケース(20)(25)が、連結軸(15)を介して上記と同様に連結固定される。
これによりオス型ダイス(30)のマンドレル(31)がメス型ダイス(40)のダイス孔(41)の内側に配置されて、マンドレル(31)およびダイス孔(41)間で円環状の押出孔(11)が形成される。
本第2実施形態の押出成形用ダイス(10)において他の構成は、上記第1実施形態の押出成形用ダイス(10)の構成と実質的に同様であるため、同一または相当部分に同一または相当符号を付して重複説明は省略する。
この第2実施形態の押出成形用ダイス(10)においても、上記図7に示す第1実施形態と同様の押出成形機にセットされて、同様に押出成形されて、円形チューブ材が製造される。
この第2実施形態においても、上記第1実施形態と同様に同様の作用効果を奏するものである。
<変形例>
上記各実施形態においては、受圧部形状が半球形状のオス型ダイスケース(20)を例に挙げて説明したが、本発明においては、オス型ダイスケース(20)の受圧部(21)の形状は限定されることはない。
たとえば受圧部形状が、1/6〜4/6球体などの部分球体からなるオス型ダイスケース(20)に、本発明を適用することができる。
さらに、オス型ダイスケース(20)の受圧部形状は球体に限られず、本発明においてはたとえば図15に示すようにオス型ダイスケース(20)の受圧部形状を十六角錐形状などの多面体に形成するようにしても良い。なお受圧部(21)を多面体により形成する場合、角錐形状のように周方向に複数の面が並んで配置される周方向多面体の他に、軸方向に複数の面が並んで配置される軸方向多面体、周方向多面体および周方向多面体を組み合わせた多面体なども採用することができる。さらに多面体の各面は、平坦面に限られず、湾曲面によって形成しても良い。
また本発明においては図16に示すようにオス型ダイスケース(20)の受圧部形状を、短軸方向に二分割された半楕円形状であって、軸心方向(押出方向上流側)から見た状態で楕円形ないし長円形に形成するようにしても良い。
さらに本発明においては図17に示すように、オス型ダイスケース(20)の受圧部形状を、長軸方向に二分割された半楕円形状であって、軸心方向に沿う突出寸法が、軸心方向に直交する半径寸法よりも長く設定されて、径方向から見た状態で半楕円形ないし半長円形に形成するようにしても良い。
また上記実施形態などにおいては、ダイスケースをオス型とメス型との2つに分割するようにしたが、それだけに限られず、本発明においては、ダイスケースを3つ以上に分割するようにしても良い。
また上記実施形態などにおいては、ポート孔(24)を2または3つ設ける場合を例に挙げて説明したが、それだけに限られず、本発明においては、ポート孔を4つ以上設けるようにしても良い。
また上記実施形態においては、コンテナに押出成形用ダイスを1つセットする場合を例に挙げて説明したが、それだけに限られず、本発明の押出成形機においては、コンテナに押出成形用ダイスを2つ以上セットするように構成しても良い。
さらに上記実施形態では、偏平多孔チューブや、丸チューブを押出成形する場合を例に挙げて説明したが、本発明においては、押出成形される成形体の形状は特に限定されるものではない。
また上記実施形態においては、オス型ダイスケース(20)とオス型ダイス(30)とが別体に形成されたものを例に挙げて説明したが、それだけに限られず、本発明は、オス型ダイス(30)がオス型ダイスケース(20)に一体に形成されたものにも適用することができる。さらに本発明においては、メス型ダイス(40)とメス型ダイスケース(25)とが一体に形成されていても良いし、流動制御板(50)とメス型ダイスケース(25)とが一体であっても良いし、流動制御板(50)とメス型ダイス(40)とが一体に形成されていても良い。このようにダイスやケースなどを一体形成する場合には、加工費を低減することができる。
また、本発明では、上記実施形態のように、オス型ダイス(30)の後端面(基端面)は、受圧部(21)のビレット受圧面(22)に倣う凸面(球面)の一部に形成されており、オス型ダイス(30)の後端面とビレット受圧面(22)とにより協同で所望の円滑な凸面(球面)が形成されるよう構成されていることが望ましいが、本発明では、オス型ダイス(30)の後端面(基端面)はこのように形成されることに限定されるものではなく、その他に、例えば次のように形成されていても良い。すなわち、本発明では、オス型ダイス(30)の後端面の表面積がダイス(10)のビレット受圧面(22)の表面積に対して例えば1/3以下である場合には、オス型ダイス(30)の後端面を、その幅方向(長手方向)がビレット受圧面(22)に倣って円弧状に形成され、かつ短手方向(厚さ方向)が直線状に形成された円柱外周面の一部によって構成するようにしても良い。オス型ダイス(30)の後端面の表面積がこの程度に小さい場合には、オス型ダイス(30)の後端面が凸面(球面)の一部ではなく円柱の外周面の一部に形成されることによるダイス寿命、押出荷重への影響が少ない一方で、オス型ダイス(30)の後端面の加工コストを下げることができるからである。
なおこの各変形例の押出成形用ダイスにおいても、上記実施形態と同様に、同様の作用効果を得ることができる。
Figure 0005053660
<実施例1>
表1に示すように、上記図1〜6に示す第1実施形態と同様の偏平多孔チューブ成形用ダイス(10)を準備した。このダイス(10)のオス型ダイスケース(20)は、受圧部(21)が半径30mmの1/2球体(半球体)に形成されている。
さらにオス型ダイスケース(20)は、一対のポート孔(24)(24)を有し、各ポート孔(24)の軸心(A2)におけるオス型ダイスケース(20)の軸心(A1)に対する傾斜角度(θ)は、10°に調整されている。
さらにオス型ダイスケース(20)の圧入連結部(21a)とメス型ダイスケース(25)の圧入用凹部(25a)との圧入代(P)は、0.5%に調整されている。
またオス型ダイス(30)は、マンドレル(31)の高さが2.0mm、マンドレルの幅が19.2mm、通路成形用凸部(33)の高さが1.2mm、通路成形用凸部(33)の幅0.6mm、隔壁成形用溝の幅0.2mmに調整されている。
さらにメス型ダイス(40)は、ダイス孔(41)の高さが1.7mm、ダイス孔(41)の幅が20.0mmに調整されている。
この押出成形用ダイス(10)を図7〜9に示すように上記実施形態と同様な押出成形機にセットして、押出成形を行って図10,11に示すような偏平多孔チューブ(熱交換器用チューブ)を製造した。
そしてダイス寿命(ダイスに亀裂や磨耗が発生するまでの材料導入量(ton))を測定し、さらにダイス寿命の制限要因を調査した。その結果と圧入代とを表1に併せて示す。
<実施例2>
表1に示すように、圧入代(P)を1.0%に調整した以外は、上記と同様の押出成形用ダイス(10)を準備した。
そして上記と同様に押出成形を行って同様の評価を行った。
<実施例3>
表1に示すように、圧入代(P)を3.0%に調整した以外は、上記と同様の押出成形用ダイス(10)を準備した。
そして上記と同様に押出成形を行って同様の評価を行った。
<実施例4>
表1に示すように、圧入代(P)を6.0%に調整した以外は、上記と同様の押出成形用ダイス(10)を準備した。
そして上記と同様に押出成形を行って同様の評価を行った。
<実施例5>
表1に示すように、圧入代(P)を8.0%に調整した以外は、上記と同様の押出成形用ダイス(10)を準備した。
そして上記と同様に押出成形を行って同様の評価を行った。
<実施例6>
表1に示すように、圧入代(P)を9.0%に調整した以外は、上記と同様の押出成形用ダイス(10)を準備した。
そして上記と同様に押出成形を行って同様の評価を行った。
<比較例1>
表1に示すように、直径60mm、高さ(押出方向の長さ)30mmで、上記各実施例の押出成形用ダイスと同一占有面積を有し、さらにビレット受圧面が押出方向に対し直交する平坦面に仕上げられたブリッジタイプの押出成形用ダイスを準備した。なお金属材料導入方向の軸心に対する傾斜角度(θ)は、実質的に0°になっている。その他の構成は上記実施例と同様である。
この成形用ダイスを、上記と同様に押出成形機にセットして押出製品を製造し、上記と同様の評価を行った。
<実施例1〜6、比較例1の評価>
表1に示すように、比較例1のものはオス型ダイスの亀裂が寿命制限要因となり、ダイス寿命が短いものであった。実施例1のものは、オス型ダイスの亀裂が寿命制限要因であるものの、少なくとも比較例のものよりは、ダイス寿命が長くなっている。さらに実施例2のものは、オス型ダイスに微小亀裂が生じるものの、主としてオス型ダイスの磨耗が寿命制限要因となり、一層ダイス寿命が長くなっている。さらに実施例3,4のものは、オス型ダイスの磨耗が寿命制限要因であり、十分に長いダイス寿命を有している。また実施例5のものは、ケースに微小亀裂が生じるものの、主としてオス型ダイス磨耗が寿命制限要因となり、所定ダイス寿命を確保できる。なお実施例6のものは、オス型ダイスケースの亀裂が寿命制限要因となっているものの、少なくとも比較例のものよりは、ダイス寿命が長くなっている。
上記の評価結果をさらに検討すると、実施例のうち、圧入代が1〜8%のもの(実施例2〜5)は、十分な強度を確保することができるため、金属材料の押圧力に対するダイスケースの応力値は同じで、ポート孔を大きく形成することができる。このため、実施例2〜5のものは、押出抵抗が小さくなり、加工発熱を低減できて、寿命が延長されている。特に圧入代が3〜6%のもの(実施例3,4)のものは、ダイス剛性の改善効果を顕著に高めることができ、ポート孔をさらに大きく形成できるため、寿命が飛躍的に延長されている。
なお圧入代が比較的小さいもの(実施例1)は、メス型ダイスケースによるオス型ダイスケースの拘束が不十分で若干、ダイス強度が低下しており、好適なもの(実施例2〜5)に比べて、少し磨耗寿命が短くなっている。
さらに圧入代が比較的大きいもの(実施例6)は、メス型ダイスケースによるオス型ダイスケースの拘束力が強くなり過ぎて若干、ダイス強度が低下しており、好適なもの(実施例2〜5)に比べて、少し磨耗寿命が短くなっている。
Figure 0005053660
<実施例7>
表2に示すように、上記図12〜14に示す第2実施形態と同様の円環状チューブ成形用ダイス(10)を準備した。このダイス(10)のオス型ダイスケース(20)は、受圧部(21)が半径50mmの1/2球体(半球体)に形成されている。
さらにオス型ダイスケース(20)は、3つのポート孔(24)が周方向に等間隔おきに設けられており、各ポート孔(24)の対する傾斜角度(θ)は、1.5°に調整されている。
またオス型ダイス(30)のマンドレル(31)は、円形で直径がφ30mm、メス型ダイス(40)のダイス孔(41)は、円形で直径がφ32mmに調整されている。
この押出成形用ダイス(10)を図7〜9に示すように上記実施形態と同様な押出成形機にセットして、押出成形を行って円環状チューブを製造した。なお成形時の押出荷重は、1400×104Nであった。
そして押出荷重(N)と、ダイス寿命とを測定し、さらにダイス寿命の制限要因を調査した。その結果とポート孔傾斜角度(θ)とを表2に併せて示す。
<実施例8>
表1に示すように、ポート孔傾斜角度θを3.0°に調整した以外は、上記と同様の押出成形用ダイス(10)を準備した。
そして上記と同様に押出成形を行って同様の評価を行った。なお成形時の押出荷重は、1450×104Nであった。
<実施例9>
表1に示すように、ポート孔傾斜角度θを6.0°に調整した以外は、上記と同様の押出成形用ダイス(10)を準備した。
そして上記と同様に押出成形を行って同様の評価を行った。なお成形時の押出荷重は、1500×104Nであった。
<実施例10>
表1に示すように、ポート孔傾斜角度θを15.0°に調整した以外は、上記と同様の押出成形用ダイス(10)を準備した。
そして上記と同様に押出成形を行って同様の評価を行った。なお成形時の押出荷重は、1650×104Nであった。
<実施例11>
表1に示すように、ポート孔傾斜角度θを30.0°に調整した以外は、上記と同様の押出成形用ダイス(10)を準備した。
そして上記と同様に押出成形を行って同様の評価を行った。なお成形時の押出荷重は、1700×104Nであった。
<実施例12>
表1に示すように、ポート孔傾斜角度θを35.0°に調整した以外は、上記と同様の押出成形用ダイス(10)を準備した。
そして上記と同様に押出成形を行って同様の評価を行った。なお成形時の押出荷重は、1750×104Nであった。
<実施例13>
表1に示すように、ポート孔傾斜角度θを38.0°に調整した以外は、上記と同様の押出成形用ダイス(10)を準備した。
そして上記と同様に押出成形を行って同様の評価を行った。なお成形時の押出荷重は、1850×104Nであった。
<比較例2>
表2に示すように、直径100mm、高さ(押出方向の長さ)80mmで、上記各実施例の押出成形用ダイスと同一占有面積を有し、さらにビレット受圧面が押出方向に対し直交する平坦面に仕上げられたブリッジタイプの押出成形用ダイスを準備した。なお金属材料導入方向の軸心に対する傾斜角度(θ)は、実質的に0°になっている。その他の構成は上記実施例7〜13と同様である。
この成形用ダイスを、上記と同様に押出成形機にセットして押出製品を製造し、上記と同様の評価を行った。なお成形時の押出荷重は、1600×104Nであった。
<実施例7〜13、比較例2の評価>
表2に示すように、比較例2のものは、オス型ダイスの亀裂が寿命制限要因となり、ダイス寿命が短いものであった。実施例7,13のものは、亀裂が寿命制限要因であるものの、比較例のものよりは、寿命が長くなっている。さらに実施例8,12のものは、微小亀裂が生じるものの、主として磨耗が寿命制限要因となり、一層ダイス寿命が長くなっている。さらに実施例9〜11のものは、オス型ダイスの磨耗が寿命制限要因であり、十分に長いダイス寿命を有している。
要約すると、比較例2のものに比べて、実施例7〜13のものでは、ダイス寿命が長く、さらに実施例のうち特に、ポート孔傾斜角度θが3.0〜35.0°のもの(実施例8〜12)は、寿命が長いものであった。
また実施例のものでは、ポート孔傾斜角度θが小さくなるに従って押出荷重は小さくなっている。従って偏平多孔チューブなどの形状が複雑な押出品を成形する場合以外は、ポート孔傾斜角度θは小さい方が良いと思われる。
Figure 0005053660
<実施例14>
表3に示すように上記実施形態に準拠して、オス型ダイスケース(20)として、ビレット受圧面(22)が、1/8球体の外表面(凸球面)によって構成され、その球面半径が45.4mmに設定されたものを準備した。この受圧部(21)の直径は60mmに調整されている。
さらにオス型ダイスケース(20)は、2つのポート孔(24)(24)を有し、オス型ダイスケース(20)の軸心(A1)に対しポート孔(24)の軸心(A2)の傾斜角度(θ)が25°に調整されている。
またオス型ダイス(30)としては、マンドレル(31)の高さ(厚さ)が2.0mm、マンドレル(31)の幅が19.2mm、通路成形用凸部(33)の高さが1.2mm、通路成形用凸部(33)の幅が0.6mm、隔壁成形用溝(32)の幅が0.2mmのものを用いた。さらにメス型ダイス(40)としては、ダイス孔(41)の高さが1.7mm、ダイス孔(41)の幅が20.0mmのものを用いた。
さらにオス型ダイスケース(20)の圧入連結部(21a)とメス型ダイスケース(25)の圧入用凹部(25a)との圧入代(P)は、1.0%に調整されている。
この押出成形用ダイス(10)を図7〜9に示すように上記実施形態と同様な押出成形機にセットして、押出成形を行って、上記オス型ダイス(30)およびメス型ダイス(40)間の押出孔(11)に対応する断面形状の中空材(熱交換チューブ60)を製造した。
そしてダイス寿命(ton/ダイス)を測定した。その結果を表3に示す。
<実施例15>
表3に示すように、ビレット受圧面(22)を、1/6球体の凸球面によって構成し、かつその球面半径を40.3mmに設定し、それ以外は、上記実施例14と同様の押出成形用ダイス(10)を準備し、同様の押出成形機にセットして、同様に押出成形を行って、中空材を製造した。
<実施例16>
表3に示すように、ビレット受圧面(22)を、1/3球体の凸球面によって構成し、かつその球面半径を32.0mmに設定し、それ以外は、上記実施例14と同様の押出成形用ダイス(10)を準備し、同様の押出成形機にセットして、同様に押出成形を行って、中空材を製造した。
<実施例17>
表3に示すように、ビレット受圧面(22)を、1/2球体の凸球面によって構成し、かつその球面半径を30.0mmに設定し、それ以外は、上記実施例14と同様の押出成形用ダイス(10)を準備し、同様の押出成形機にセットして、同様に押出成形を行って、中空材を製造した。
<実施例18>
表3に示すように、ビレット受圧面(22)を、4/6球体の凸球面によって構成し、かつその球面半径を32.0mmに設定し、それ以外は、上記実施例14と同様の押出成形用ダイス(10)を準備し、同様の押出成形機にセットして、同様に押出成形を行って、中空材を製造した。
<実施例19>
表3に示すように、ビレット受圧面(22)を、5/6球体の凸球面によって構成し、かつその球面半径を40.3mmに設定し、それ以外は、上記実施例14と同様の押出成形用ダイス(10)を準備し、同様の押出成形機にセットして、同様に押出成形を行って、中空材を製造した。
<実施例14〜19の評価>
表3に示すように、ビレット受圧面(22)における球面半径が大きくて突出量が比較的小さいもの(実施例14)では、ダイス寿命が少し短くなっていた。
さらにビレット受圧面(22)における球面半径が小さくて球体の突出量が比較的大きいもの(実施例19)では、ダイス寿命を長く確保できるが、ビレット受圧面の加工が若干困難であると考えられる。
これに対し、ビレット受圧面(22)が、適度な凸面形状に設定されたもの、つまり1/6〜4/6球体の凸球面に設定されたもの(実施例15〜18)では、ダイス寿命を長くできる上さらに、ダイス制作費も抑えることができた。中でも特にビレット受圧面(22)が、1/2球体の凸球面に設定されたもの(実施例17)では、十分なダイス寿命を確保しつつ、ダイス制作費も抑えることができ、優れた結果が得られた。
なお実施例17のものと比較すると、ビレット受圧面(22)が、4/6球体の凸球面に設定されたもの(実施例18)では多少、ダイス制作費が高くなり、実施例15〜18の中では、若干見劣りした結果となった。
この発明の金属材料の押出成形用ダイスは、中空チューブなどの押出製品、たとえば自動車エアコン用ガスクーラー、エバポレーター、家庭用給湯機などの熱交換チューブを製造する際に適用に用いることができる。
この発明の第1実施形態の一例である押出成形用ダイスを示す斜視図である。 第1実施形態の一例である押出成形用ダイスを切り欠いて示す斜視図である。 第1実施形態の一例である押出成形用ダイスを分解して示す斜視図である。 第1実施形態の一例である押出成形用ダイスを示す一側断面図である。 第1実施形態の一例である押出成形用ダイスを示す他側断面図である。 第1実施形態の一例である押出成形用ダイスの内部を拡大して示す斜視図である。 第1実施形態の一例である押出成形用ダイスが適用された押出成形機の主要部を切り欠いて示す斜視図である。 第1実施形態の一例である押出成形機におけるダイス周辺を示す一側断面図である。 第1実施形態の一例である押出成形機におけるダイス周辺を示す他側断面図である。 第1実施形態の一例である押出成形機によって押出成形された多孔中空材を示す斜視図である。 第1実施形態の一例である押出成形機によって押出成形された多孔中空材を示す正面断面図である。 この発明の第2実施形態の一例である押出成形用ダイスを示す斜視図である。 第2実施形態の一例である押出成形用ダイスを切り欠いて示す斜視図である。 第2実施形態の一例である押出成形用ダイスを分解して示す斜視図である。 この発明の第1変形例である押出成形用ダイスを示す斜視図である。 この発明の第2変形例である押出成形用ダイスを示す斜視図である。 この発明の第3変形例である押出成形用ダイスを示す斜視図である。 従来の押出成形用ダイスを示す斜視図であって、同図(a)はポートホールダイスを分解して示す斜視図、同図(b)はスパイダダイスを分解して示す斜視図、同図(c)はブリッジダイスを示す斜視図である。
符号の説明
6…コンテナ
10…押出成形用ダイス
11…押出孔
20…オス型ダイスケース
21…受圧部
21a…圧入連結部
22…ビレット受圧面(金属材料受圧面)
24…ポート孔
25…メス型ダイスケース
25a…圧入用凹部
30…オス型ダイス
33…通路成形用凸部
40…メス型ダイス
60…中空材
63…通路
A1…ダイスケース(受圧部)の軸心
A2…ポート孔の軸心
θ…傾斜角度

Claims (24)

  1. 外表面を金属材料受圧面とする受圧部を有し、その受圧部を金属材料の押出方向に対向させるように後方に向けて配置されるオス型ダイスケースと、
    オス型ダイスケースの前側に設けられるメス型ダイスケースと、
    オス型ダイスケース内に設けられるオス型ダイスと、
    メス型ダイスケース内に設けられ、かつオス型ダイスとにより押出孔を形成するメス型ダイスと、を備え、
    受圧部における金属材料受圧面が後方に向けて突出する凸面形状であるとともに、受圧部の外周に、金属材料導入用のポート孔が設けられ、
    オス型ダイスケースの前面側外周に圧入連結部が設けられるとともに、メス型ダイスケースの後面側外周に圧入用凹部が設けられ、
    圧入連結部が圧入用凹部に圧入されることにより、オス型ダイスケースがメス型ダイスケースにより周囲から拘束された状態で両ダイスケースが連結されることを特徴とする金属材料の押出成形用ダイス。
  2. ポート孔の軸心が下流側に向かうに従ってオス型ダイスケースの軸心に近づくように、オス型ダイスケースの軸心に対し傾斜するように配置されることを特徴とする請求項1に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
  3. 圧入連結部の圧入用凹部に対する径方向の圧縮率(圧入代)が、1〜8%に設定される請求項1または2に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
  4. オス型ダイスケースとオス型ダイスとが別体に設けられ、オス型ダイスがオス型ダイスケースに保持される請求項1〜3のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
  5. オス型ダイスケースにオス型ダイスが一体に形成される請求項1〜3のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
  6. メス型ダイスケースにメス型ダイスが一体に形成される請求項1〜5のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
  7. メス型ダイスケースに、金属材料の流動を制御するための流動制御板が一体に形成される請求項1〜6のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
  8. 受圧部が半球体形状に形成されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
  9. 金属材料受圧面が、1/6〜4/6球体の凸球面によって構成されたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
  10. 受圧部が、その受圧面に多数の面が配置された多面体形状に形成されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
  11. 受圧部が、その軸心方向から見た状態で楕円形ないし長円形に形成されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
  12. 受圧部が、軸心方向に沿う突出寸法が、軸心方向に直交する径方向に沿う半径寸法よりも長く設定されて、径方向から見た状態で半楕円形ないし半長円形に形成されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
  13. ポート孔は、オス型ダイスケースの軸心回りに周方向に等間隔おきに複数形成されたことを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
  14. ポート孔の軸心が、オス型ダイスケースの軸心に対し3〜35°の傾斜角度に設定されたことを特徴とする請求項2に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
  15. 金属材料が、アルミニウムまたはその合金によって構成されたことを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
  16. オス型ダイスと、メス型ダイスとによって、環状の押出孔が形成され、
    金属材料が押出孔を通過することによって、断面環状のチューブ材が押出成形されるよう構成されたことを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
  17. オス型ダイスと、メス型ダイスとによって、高さ(厚さ)が幅に対し小さい偏平な環状の押出孔が形成されるとともに、
    オス型ダイスの押出孔に対応する部分が、幅方向に併設された複数の通路成形用凸部を有する櫛歯状に形成されて、
    金属材料が押出孔を通過することによって、複数の通路が幅方向に併設された多孔中空材が押出成形されるよう構成されたことを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の金属材料の押出成形用ダイス。
  18. 請求項1〜15のいずれかに記載された押出成形用ダイスを用いて押出成形品を成形する押出成形品の製造方法。
  19. 請求項16に記載された押出成形用ダイスを用いて押出チューブ材を成形する押出チューブ材の製造方法。
  20. 請求項17に記載された押出成形用ダイスを用いて多孔中空材を成形する多孔中空材の製造方法。
  21. 外表面を金属材料受圧面とする受圧部を有し、その受圧部を金属材料の押出方向に対向させるように後方に向けて配置され、かつ内部にオス型ダイスが設けられるオス型ダイスケースと、
    オス型ダイスケースの前側に設けられ、かつ内部にメス型ダイスが設けられるメス型ダイスケースと、を備え、
    受圧部における金属材料受圧面が後方に向けて突出する凸面形状であるとともに、受圧部の外周に、金属材料導入用のポート孔が設けられ、
    オス型ダイスケースの前面側外周に圧入連結部が設けられるとともに、メス型ダイスケースの後面側外周に圧入用凹部が設けられ、
    圧入連結部が圧入用凹部に圧入されることにより、オス型ダイスケースがメス型ダイスケースにより周囲から拘束された状態で両ダイスケースが連結されることを特徴とする押出成形用ダイスのダイスケース。
  22. 金属材料受圧面が、1/6〜4/6球体の凸球面によって構成されたことを特徴とする請求項21に記載の押出成形用ダイスのダイスケース。
  23. 金属材料の押出成形方法であって、
    外表面を金属材料受圧面とする受圧部を有し、その受圧部を金属材料の押出方向に対向させるように後方に向けて配置されるオス型ダイスケースと、
    オス型ダイスケースの前側に設けられるメス型ダイスケースと、
    オス型ダイスケース内に設けられるオス型ダイスと、
    メス型ダイスケース内に設けられ、かつオス型ダイスとにより押出孔を形成するメス型ダイスと、を準備しさらに、
    受圧部における金属材料受圧面が後方に向けて突出する凸面形状であるとともに、受圧部の外周に、金属材料導入用のポート孔を設け、
    オス型ダイスケースの前面側外周に圧入連結部を設けるとともに、メス型ダイスケースの後面側外周に圧入用凹部を設け、
    圧入連結部を圧入用凹部に圧入することにより、オス型ダイスケースをメス型ダイスケースにより周囲から拘束した状態で両ダイスケースを連結し、
    その連結状態で、金属材料受圧面に押圧させた金属材料を、ポート孔に通して両ダイスケース内に導いて、押出孔に通過させることを特徴とする金属材料の押出成形方法。
  24. コンテナと、そのコンテナにセットされる押出成形用ダイスと、を備え、コンテナ内の金属材料を押出成形用ダイスに供給するようにした金属材料の押出成形機であって、
    押出成形用ダイスは、
    外表面を金属材料受圧面とする受圧部を有し、その受圧部を金属材料の押出方向に対向させるように後方に向けて配置されるオス型ダイスケースと、
    オス型ダイスケースの前側に設けられるメス型ダイスケースと、
    オス型ダイスケース内に設けられるオス型ダイスと、
    メス型ダイスケース内に設けられ、かつオス型ダイスとにより押出孔を形成するメス型ダイスと、を備え、
    受圧部における金属材料受圧面が後方に向けて突出する凸面形状であるとともに、受圧部の外周に、金属材料導入用のポート孔が設けられ、
    オス型ダイスケースの前面側外周に圧入連結部が設けられるとともに、メス型ダイスケースの後面側外周に圧入用凹部が設けられ、
    圧入連結部が圧入用凹部に圧入されることにより、オス型ダイスケースがメス型ダイスケースにより周囲から拘束された状態で両ダイスケースが連結される一方、
    金属材料受圧面に押圧された金属材料が、ポート孔を通って両ダイスケース内に導かれて、押出孔を通過するよう構成されたことを特徴とする金属材料の押出成形機。
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