JP2004306124A - 金属製中空材の押出ダイスと押出ダイス用マンドレル - Google Patents
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Abstract
【課題】金属製中空材の押出ダイスとして、製造及び維持コストを低減でき、中空材の中空部の断面形状に制約がなく、マンドレルにクラックや欠損を生じにくく、加工性に優れたものを提供する。
【解決手段】雄型2の環状ベース部20内に雌型3が嵌合され、環状ベース部20のブリッジ部21中央のマンドレル保持孔27に、成形凸部10…を有するマンドレル1Aが差し込み保持される押出ダイスにおいて、マンドレル1Aが、押出方向側に開いたコ字形の保持枠部13を有する本体ピース11と、成形凸部10…を備えた先部ピース12とで構成され、先部ピースが保持枠部13に対して抜出不能に嵌着されている。
【選択図】 図2
【解決手段】雄型2の環状ベース部20内に雌型3が嵌合され、環状ベース部20のブリッジ部21中央のマンドレル保持孔27に、成形凸部10…を有するマンドレル1Aが差し込み保持される押出ダイスにおいて、マンドレル1Aが、押出方向側に開いたコ字形の保持枠部13を有する本体ピース11と、成形凸部10…を備えた先部ピース12とで構成され、先部ピースが保持枠部13に対して抜出不能に嵌着されている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えばエアコンディショナー用熱交換器の熱交換管路に用いられるアルミニウム製偏平多孔チューブ等の金属製中空材を製作するための押出ダイスと、この押出ダイスに使用するマンドレルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、アルミニウム製偏平多孔チューブの如き金属製中空材の押出ダイスとして、図18に示すように、中空材の中空部を成形する雄型101と、雄型101の環状ベース部103内に嵌合されて、中空材1の外周部を成形する雌型102とを備えたものがある。
【0003】
この押出ダイスは、雄型101の環状ベース部103の後面(上流側面)に跨設されたブリッジ部104の中央に、前後方向へ貫通するマンドレル保持孔105を形成し、マンドレル基体部106の先端部が成形凸部107として櫛刃状に加工されているマンドレル108を前記マンドレル保持孔105に後方側から差し込み保持し、前記環状ベース部103の軸芯位置で前後方向へ貫通する成形孔109を有する雌型を、前記環状ベース部103における雌型嵌合孔110に内嵌して両型102,103を同心状に結合することにより、前記成形凸部107と雌型成形孔109との間に、押出加工しようとする中空材の横断面形状に対応した成形隙間111が形成されるように構成されている。
【0004】
そして、マンドレル108は、成形凸部107に成形時の高い押出圧力に耐えて成形精度を保つための高い剛性が要求されることから、その構成材として超硬合金やセラミックスなどの超硬材が使用されるのが通例である(例えば、特許文献1,2等)。
【0005】
しかるに、従来の超硬材からなるマンドレル108では、超硬材が高価であるため、部品コストが高くつく上、靱性に乏しい超硬材にクラックを生じ易く、このクラックの発生や成形凸部107の損傷により、マンドレル108全体を交換しなければならず、ランニングコストが高くなるといった問題があった。
【0006】
そこで、この発明者は先に、中空材の押出ダイスとして、複数に分割されたマンドレル基体部と、マンドレル基体部の前後方向に沿って配設される複数の剛性ピンとでマンドレルを構成すると共に、これら剛性ピンを各先端部がマンドレル基体部の先端面から前記成形凸部として突出した状態で、前記マンドレル基体部の分割体で挟持するようにしたものを提案している(特許文献3)。
【0007】
このようなマンドレル基体部の分割体と剛性ピンとからなる組合せ形態のマンドレルにおいては、成形凸部を構成する剛性ピンのみを超硬材とし、マンドレル基体部にはダイス鋼のような安価な硬材を使用できるため、マンドレル全体の部品コストを低減できると共に、成形凸部が損耗した際には、その成形凸部を有する剛性ピンのみを交換すればよく、他の剛性ピン及びマンドレル基体部は継続使用できるから、ランニングコストも大きく削減できるという利点がある。
【0008】
【特許文献1】
特許第2564075号公報
【特許文献2】
特許第2564076号公報
【特許文献3】
特許出願公開2001−191109公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記提案に係る組合せ形態のマンドレルは、先端部を成形凸部とする複数の剛性ピンをマンドレル基体部の分割体で挟持する構造上から、中空材の中空部の断面形状が非円形である場合には適用しにくく、複数の剛性ピンが個々には高剛性であっても互いに分離独立しているために相互の配置精度を充分には確保できず、特に複数の断面矩形の中空部が相互間に薄肉の隔壁部を介して配置する中空材では、該隔壁部を精度よく設定することが困難であり、また超硬材は硬い反面で靱性に乏しいため、独立した細いピン形態では欠損や折損を生じ易いという難点があった。
【0010】
この発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、金属製中空材の押出ダイスとして、製造及び維持コストを低減できる上、中空材の中空部の断面形状に制約がなく、矩形の中空部間に薄肉の隔壁部を有するような中空材の製作にも好適に適用でき、且つマンドレルにクラックや欠損を生じにくく、加工性に優れたものを提供すると共に、このような押出ダイスに好適に使用できるマンドレルを提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために、この発明に係る金属製中空材の押出ダイスは、金属製中空材の中空部を成形する雄型と、雄型の環状ベース部内に嵌合されて、中空材の外周部を成形する雌型とが備えられ、前記環状ベース部のブリッジ部中央に前後方向へ貫通して形成されたマンドレル保持孔に、成形凸部を有するマンドレルが差し込み保持されてなるものにおいて、前記マンドレルは、押出方向側に開いたコ字形の保持枠部を有する本体ピースと、前記成形凸部を備えた先部ピースとで構成され、前記先部ピースは、本体ピースの前記保持枠部に対し、成形凸部が当該本体ピースの前端から突出した状態で抜出不能に嵌着されていることを特徴としている。
【0012】
上記構成の押出ダイスによれば、マンドレルが本体ピースと先部ピースとで構成されるから、高い剛性が必要な成形凸部を備える先部ピース側に超硬材を使用し、本体ピースにはダイス鋼や高速度鋼(ハイス)のような安価な硬質材を用いることにより、マンドレル全体の部品コストを低減できると共に、成形凸部が損耗した場合には、先部ピース側を交換するだけでよく、本体ピースは継続使用できるために経済的である。また、マンドレルに複数の成形凸部を設ける構成では、これらの成形凸部を先部ピース側の超硬材にワイヤーカット放電加工等で一体形成でき、一つの剛体となった複数の成形凸部の相互の配置精度が確保されるから、例えば矩形の中空部間の薄肉の隔壁部も精度よく設定可能となる。一方、ダイス鋼や高速度鋼は超硬材に比べて靱性が高く加工性もよいから、これらを用いた本体ピースは、クラックを生じにくく、且つ所用の形状のものを容易に製作できる。
【0013】
しかして、マンドレルの先部ピースは、超硬材の一体物にて構成するか、もしくは、成形凸部を備えた超硬材からなる中間部材と、この中間部材を両側から挟む超硬材以外の硬質材からなる一対の挟着部材とで構成するのがよい。前者の構成では、先部ピースが単一材からなるため、マンドレルの組立製作を容易に行える。一方、後者の構成では、中間部材のみに超硬材を用いるために、材料コストをより低減できると共に、挟着部材にダイス鋼や高速度鋼を用いることにより、中間部材として薄肉化した超硬材の脆さが両側から挟む挟着部材の靱性によって補われ、該中間部材のクラックが防止され、先部ピース全体として充分な強度を確保できる。
【0014】
また、マンドレルは、本体ピースの保持枠部が両側の内側面をテーパーとして奥拡がりの内側形状を備えると共に、この保持枠部に対して先部ピースの嵌合部が密接状態に適嵌する形状を備える構成とすれば、該本体ピースに対する先部ピースの確実な抜け止めを果たせると共に、成形時の先部ピースに加わる押出圧力を両ピースの接合したテーパー面全体で受け止めることになるから、該押出圧力の局所的な集中による先部ピースのクラックや欠けが防止される。
【0015】
更に、マンドレルは、全体が偏平な形態で、その幅方向に沿って櫛刃状に並列配置した複数の断面矩形の成形凸部を有する構成とすれば、熱交換器の熱交換管路等に用いられる偏平多孔チューブとして、特に複数の矩形の中空部が薄肉の隔壁部を介して並列した形態のものを容易に精度よく製作できる。
【0016】
この発明に係る第一の押出ダイス用マンドレルは、押出方向側に開いたコ字形の保持枠部を有する本体ピースと、この本体ピースの保持枠部に抜出不能に嵌着され、当該本体ピースの前端から突出する成形凸部を有する先部ピースとを備え、先部ピースが超硬材の一体物からなり、本体ピースが超硬材以外の硬質材からなるものとしている。また、この発明に係る第二の押出ダイス用マンドレルは、押出方向側に開いたコ字形の保持枠部を有する本体ピースと、この本体ピースの保持枠部に抜出不能に嵌着され、当該本体ピースの前端から突出する成形凸部を有する先部ピースとを備え、先部ピースが前記成形凸部を設けた中間部材と該中間部材を両側から挟む一対の挟着部材とで構成され、前記中間部材が超硬材からなると共に、本体ピース及び前記挟着部材が超硬材以外の硬質材からなるものとしている。
【0017】
上記第一及び第二のマンドレルは、本体ピースと先部ピースとに分割構成され、第一のマンドレルでは先部ピースのみが、第二のマンドレルでは先部ピースの中間部材のみが超硬材からなり、本体ピース及び第二のマンドレルにおける貼着部材には安価なダイス鋼等を用いればよいから、マンドレル全体としての材料コストを低減できると共に、超硬材からなる部材に成形凸部を有するので、成形凸部は高い押出圧力に耐えて成形精度を保つための充分な硬度を持ち、上述した押出ダイスに好適に使用できる。また、これら第一及び第二のマンドレルでは、先部ピース側に成形凸部を備えるから、本体ピースを共通部品として、成形凸部の大きさ、形状、配置間隔、本数等が異なる先部ピースと組合せることができる。
【0018】
しかして、第一のマンドレルは、先部ピースが単一材からなるため、マンドレルの組立製作を容易に行える。一方、第二のマンドレルは、挟着部材にダイス鋼や高速度鋼を用いることにより、中間部材として薄肉化した超硬材の脆さが両側から挟む挟着部材の靱性によって補われ、該中間部材のクラックが防止され、先部ピース全体として充分な強度を確保できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明をエアコンディショナー用熱交換器に用いられるアルミニウム製の多孔偏平チューブを製作する押出ダイスに適用した実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。なお、以下の説明において、前後の方向は、押出方向を基準にして押出下流側を前、同上流側を後とする。
【0020】
図1〜図12は第一実施形態、図13〜15は第二実施形態を示す。しかして、これら実施形態では、図16に示すように複数の矩形(図では正方形)の中空部H…が各々薄肉の隔壁部W1 を介して幅方向に並列配置した多孔偏平チューブTの製作に用いる押出ダイスとして、該チューブTの複数本を同時押出する、いわゆる複数本同時押出タイプのものを例示している。
【0021】
第一実施形態の押出ダイスは、図1ないし図3に示すように、一対の雄型2及び雌型3、ホールド用金型部材4、流れ制御用金型部材5、バッカー6を備えている。
【0022】
各雄型2は、図16で示す多孔偏平チューブTの中空部H…を形成するもので、環状ベース部20と、ブリッジ部21と、成形凸部10…を有するマンドレル1Aとを備えている。そして、環状ベース部20とブリッジ部21とは超硬合金やセラミックス等の超硬材からなる一体物として製作されているが、この一体物に対してマンドレル1Aは独立部品となっている。
【0023】
この雄型2の環状ベース部20は、その軸孔22内における当該ベース部20の後端寄りの位置に、前方に面する環状段部23が設けられ、この環状段部23よりも前方側が相対的に径大な雌型嵌合孔部22aを構成している。そして、この雌型嵌合孔部22aには、雌型3を周方向において位置決めするための軸線方向に指向したキー溝24,24が設けられている。また、環状ベース部20には、外周側の後端寄りに位置して、後方に面する環状段部25が設けられると共に、周方向に4つのノックピン通し孔26・・・が貫通形成されている。
【0024】
ブリッジ部21は、軸芯上にマンドレル1Aを保持するもので、環状ベース部20の後端面から後方に突出する態様において、当該ベース部20の軸孔22を径方向に横切るように跨設されており、その中間部の前縁位置が軸孔22内の環状段部23よりも後方に設定されている。そして、このブリッジ部21の中間部には、前後方向へ貫通した横長スリット状のマンドレル保持孔27が形成されており、このマンドレル保持孔27の後端開口側には、幅方向両側外方へ切れ込む係止段部27a,27aがそれぞれ形成されている。また、このブリッジ部21の中間部の前縁側21aは、押出材料の流れをスムーズにさせるために、図3に示すように先細りテーパー状に形成されている。
【0025】
マンドレル1Aは、図4及び図6で詳細に示すように、前方に開くコ字形の保持枠部13を備えた本体ピース11と、保持枠部13に嵌着される先部ピース12とで構成されている。しかして、成形凸部10…は先部ピース12の前端に一体形成されており、両ピース11,12の嵌合状態において、成形凸部10…が本体ピース11の前端よりも突出すると共に、両ピース11,12の両側主面が面一になってマンドレル1A全体として偏平板状をなすように寸法設定されている。
【0026】
本体ピース11は、ダイス鋼からなり、後端部の両側に係止突片11a,11aが突設されており、マンドレル1Aを前記ブリッジ部21のマンドレル保持孔27に圧入した状態で、これら係止突片11a,11aがマンドレル保持孔27の係止段部27a,27aに係合するように設定されている。そして、この本体ピース11の保持枠部13は、左右両側の内側面13a,13aが前端部を除いて奥開きのテーパーをなすことにより、左右幅が奥側ほど広くなる奥拡がりの内側形状になっている。
【0027】
先部ピース12は、超硬合金やセラミック等の超硬材からなり、左右両側面12a,12aが前端部を除いて本体ピース11の保持枠部13の左右内側面13a,13aに対応したテーパーをなし、もって成形凸部10…が前方へ突出した状態で保持枠部13に密接状態に適嵌する形状及び寸法に設定されている。また、先部ピース12の前縁部12bと、本体ピース11に保持枠部13の左右両側の前端外面部13b,13bとは、成形凸部10…側への押出材料の流れをスムーズにさせるために、成形凸部10…の基部側へ向けて窄まるテーパー状に形成されている。なお、この本体ピース11の保持枠部13への先部ピース12の嵌着には、一般的に焼嵌め方式が採用される。
【0028】
しかして、成形凸部10…は、先部ピース12とする超硬材の原材にワイヤーカット放電加工等で一定間隔置きに厚み方向のスリット14…を設けることにより、各々の前端が正面視で矩形(図では正方形)をなす形態として、その複数本(図では11本)が先部ピース12の幅方向に櫛刃状に並列配置するように、当該先部ピース12に一体形成されている。そして、この各成形凸部10の矩形の前端形状は多孔偏平チューブTの中空部Hの断面形状に対応すると共に、各スリット14は同チューブTの隣接する中空部H,H間の隔壁部W1 に対応している。なお、並列配置の左右両端に位置した成形凸部10a,10aは、チューブTの幅方向両側のアールに対応して、外側周面部がアール状になっている。また、図5で拡大して示すように、各スリット14の内奥側14aは幅広に形成され、もって押出加工時に当該スリット14への材料供給不足を生じないようにしている。
【0029】
雌型3は、偏平多孔チューブTの外周部を成形するもので、超硬合金やセラミックス等の超硬材を構成材として、リング状に成形されている。この雌型3の軸芯部には、該雌型3の後端面に隣接して成形孔ベアリング部(成形孔ともいう)31を有すると共に、該成形孔ベアリング部31に連通してレリーフ孔部32が連設され、また外周部には軸線方向に指向したキー突起33,33が設けられている。
【0030】
そして、この雌型3は、その軸長及び直径が雄型2の環状ベース部20における雌型嵌合孔部22aの軸長及び直径に一致するように設定され、これによって全体が同雌型嵌合孔部22a内に緊密状態に嵌合収容される。なお、雄型2の雌型嵌合孔部22aに対する雌型3の嵌合には焼嵌め方式が採用され、もって雌型3は雄型2の環状ベース部20に一体化されている。
【0031】
この嵌合収容状態においては、雌型3の成形孔ベアリング部31側の端部が嵌合孔部22a内の環状段部23に当接して位置決めされると共に、キー突起33,33が同嵌合孔部22a内のキー溝24、24に嵌合して回転方向で所定の向きを保持するようになっている。そして、図12に示すように、成形孔ベアリング部31の内側にマンドレル1Aの成形凸部10…が配置し、両者間に偏平多孔チューブTの周壁W2 に対応する偏平環状の成形隙間7が構成される。また、この成形隙間7の後方側には材料溶着室8が確保され、雄型2のブリッジ部21により分配された材料がこの材料溶着室8で圧着され、そしてこの圧着された材料が成形隙間7を通過するように設定されている。
【0032】
ホールド用金型部材4は、一対の雄型2,2を保持するもので、ダイス鋼等の鋼材にて大型円盤状に製作されており、図10でも示すように両雄型2,2に対応する一対の円形ホールド孔41,41が隣り合って貫通状態に設けられ、各ホールド孔41の軸線方向中間部には図2及び図3に示すように前方に面した環状段部42が形成されると共に、後端面の周縁に沿って環状の凸段部43が形成されている。
【0033】
そして、このホールド用金型部材4のホールド孔41に雄型2を前側から挿入することにより、環状段部42に雄型2の環状段部25が嵌合し、雄型2がホールド孔41内に位置決め状態に嵌合保持されると共に、両環状段部25,42の嵌合部分でシールが形成され、押出中の材料洩れが防止される。なお、このホールド状態においては、雄型2の環状ベース部20の前端面がホールド用金型部材4の前端面に略面一になる一方、同雄型2のブリッジ部21がホールド用金型部材4から後方へ突出した状態となる。
【0034】
流れ制御用金型部材5は、コンテナ等より成形隙間7,7に向かう押出材料の流れを調整するもので、ダイス鋼等の鋼材によって大型円盤状に製作されており、図9に示すように十字形のブリッジ51にて相独立した4つの材料導通孔52…を備え、また前端面には、一対の雄型2,2に対応する収容凹部53,53と、周縁に沿う環状の嵌合凹段部54とが設けられている。
【0035】
この流れ制御用金型部材5は、その嵌合凹段部54をホールド用金型部材4の凸段部43に嵌合して、該ホールド用金型部材4の後側に同心状に組合わされる。そして、この組合せ状態にいて、各収容凹部53内に雄型2のブリッジ部21が所定の隙間をおいて非接触状態で収容されると共に、該ブリッジ部21の背後に流れ制御用金型部材5のブリッジ51が対応配置するように設定されている。
【0036】
バッカー6は、ダイス鋼等の鋼材にて製作されたもので、雌型3,3の外周サイズよりも後端サイズの小さいレリーフ孔61が成形隙間7と同心状態となるように設けられると共に、図11でも示すように、各レリーフ孔61の周囲には雄型2の各ノックピン孔26に対応する複数(図では4つ)のノックピン孔62…が形成されている。
【0037】
そして、このバッカー6は、連通するノックピン孔26,62に挿通させたノックピン9により、ホールド用金型部材4の前側に組み付けた状態で雄型2に位置決め状態に連接し、押出加工中において、押出材の前方移行を許容しながら、雄型2及び雌型3を前方側から支えるように機能する。
【0038】
上記構成の押出ダイスでは、成形開始に伴ってコンテナ等から供給されたアルミニウム等の押出材料は、流れ制御用金型部材5で制御された上で4つの材料導通孔52・・・に分配され、材料溶着室8で圧着された後、マンドレル1Aの成形凸部10…と雌型3の成形孔ベアリング部31との間の環状の成形隙間7、ならびに成形凸部10…の相互間のスリット14…を通過し、もって図16に示す断面形状の偏平多孔チューブTが連続的に押出形成される。
【0039】
ここで、前記マンドレル1Aは、本体ピース11と先部ピース12とに分割構成され、成形凸部10…を有する先部ピース12のみが超硬材からなり、本体ピース11には比較的安価なダイス鋼を用いているから、その製作に要する超硬材の使用量が少なくて済み、それだけマンドレル全体としての部品コストが低減される。また、成形凸部10…が損耗した場合には、先部ピース12側を交換するだけでよく、本体ピース11は継続使用できるため、ダイス維持に要する経費も大幅に節約できて非常に経済的である。更に、本体ピース11と先部ピース12とは別途に製作できるから、両ピース11,12の嵌合部の形状が一定であれば、本体ピース11側を共通部材として、成形凸部10…の個々の大きさ、形状、配置間隔、本数等が異なる先部ピース12と組合せることにより、多品種の偏平多孔チューブTに対応した異種のマンドレルを容易に且つ安価に構成できる。
【0040】
しかも、このようなマンドレル1Aでは、複数の成形凸部10…が単一の超硬材からなる先部ピース12に一体形成され、全体が一つの剛体になって成形凸部10…の相互の配置精度が確保されるから、隣接する成形凸部10,10間のスリット14を極めて狭幅に設定して、且つそのスリット幅を安定に維持でき、もって偏平多孔チューブTとして隔壁部W1 が0.1mm以下といった極めて薄肉のものについても、支障なく高精度で押出加工することが可能である。一方、本体ピース11は、超硬材に比べて靱性が高く加工性もよいダイス鋼を用いているから、クラックを生じにくい上、所用の形状のものを容易に製作できるという利点がある。
【0041】
また、本体ピース11の保持枠部13が両側の内側面13a,13aをテーパーとして奥拡がりの内側形状を備え、この保持枠部13に対して先部ピース12の嵌合部が密接状態に適嵌する形状になっているから、該本体ピース11に対する先部ピース12の確実な抜け止めを果たせると共に、成形時の先部ピース12に加わる押出圧力を両ピース11,12の接合したテーパー面13a,12aの全体で受け止めることになるから、該押出圧力の局所的な集中による先部ピース12のクラックや欠けが防止される。
【0042】
第二実施形態の押出ダイスは、前記第一実施形態の押出ダイスと同様に、一対の雄型2及び雌型3、ホールド用金型部材4、流れ制御用金型部材5、バッカー6を備えている。そして、これら部材2〜6の構造及び材質と機能は、雄型2に使用するマンドレルを除き、第一実施形態のものと全く同様であるため、図13及び図14において第一実施形態と共通する各構成部には第一実施形態と同一符号を附して、その説明を省略する。
【0043】
この第二実施形態の押出ダイスにおける雄型2では、図13及び図14に示すように、環状ベース部20とブリッジ部21については前記第一実施形態の押出ダイスと同じ構造であるが、ブリッジ部21のマンドレル保持孔27には第一実施形態におけるマンドレル1Aに代えてマンドレル1Bが圧入されている。
【0044】
このマンドレル1Bは、外形的には第一実施形態におけるマンドレル1Aと同じであり、前方に開くコ字形の保持枠部13を備えたダイス鋼からなる本体ピース11と、その保持枠部13に嵌着される先部ピース12とで構成され、両ピース11,12の嵌合状態において、先部ピース12側の成形凸部10…が本体ピース11の前端よりも突出した状態で、両ピース11,12の両側主面が面一になってマンドレル1B全体として偏平板状をなすように寸法設定されている。そして、本体ピース11も第一実施形態のマンドレル1Aのものと同じであり、その保持枠部13が左右両側の内側面13a,13aのテーパーによって奥拡がりの内側形状を有し、この保持枠部13に先部ピース12が密接状態に適嵌している。
【0045】
しかるに、先部ピース12は、前記第一実施形態のような一体ものではなく、図15でも示すように、超硬合金やセラミック等の超硬材からなる中間部材15と、この中間部材15を両側から挟むダイス鋼からなる一対の挟着部材16,16との3つの板状部材から構成されている。
【0046】
そして、中間部材15の前縁部には、ワイヤーカット放電加工等で一定間隔置きに厚み方向のスリット14…を設けることにより、前記第一実施形態同様の幅方向に沿って並列配置した矩形の成形凸部10…が形成されている。なお、各スリット14の内奥側14aは、前記第一実施形態と同様に、押出加工時に当該スリット14への材料供給不足を生じないように幅広に形成されている。また、両挟着部材16,16の前縁部は、先部ピース12の組付け状態で外側となる片面側を傾斜面16aとしてエッジ状に形成されると共に、その前端縁に沿って一定間隔置きに、中間部材15のスリット14…の各奥端部に合致するU字形切欠部14b…が設けてある。
【0047】
この第二実施形態の押出ダイスによれば、前記第一実施形態の押出ダイスと同様にして図16に示す断面形状の偏平多孔チューブTを連続的に押出形成できる。しかして、マンドレル1Bは、先部ピース12の中間部材12のみに超硬材を用いるために、材料コストをより低減できると共に、挟着部材16,16にはダイス鋼を用いているから、中間部材15として薄肉化した超硬材の脆さが両側から挟む挟着部材16,16の靱性によって補われ、もって該中間部材15のクラックが防止され、先部ピース12全体として充分な強度を確保できる。また、成形凸部10…が損耗した場合には、先部ピース12の中間部材15のみを交換するだけでよく、本体ピース11及び挟着部材16,16を継続使用できるため、ダイス維持に要する経費もより大幅に節約できて非常に経済的である。
【0048】
更に、マンドレル1Bの先部ピース12は、全体として本体ピース11と同じ厚さであるが、中間部材15と挟着部材16,16との厚み比率を自在に設定できるから、該中間部材15の厚みの大小によって成形凸部10…のマンドレル厚み方向のサイズを変更でき、また該中間部材15の前縁部の加工によって成形凸部10…の形状や配置間隔も任意に設定できる。従って、このマンドレル1Bにおいても、前記第一実施形態のマンドレル1Aと同様に、本体ピース11側を共通部材として、成形凸部10…の個々の大きさ、形状、配置間隔、本数等が異なる先部ピース12と組合せることにより、多品種の偏平多孔チューブTに対応した異種のマンドレルを容易に且つ安価に構成できる。しかして、このマンドレル1Bにおいても、複数の成形凸部10…が単一の超硬材である中間部材15に一体形成されるから、成形凸部10…の相互の配置精度を確保でき、スリット14を極めて狭幅に設定してもスリット幅を安定に維持でき、もって偏平多孔チューブTとして隔壁部W1 が極めて薄肉のものでも支障なく高精度で押出加工することが可能である。
【0049】
なお、この発明においては、マンドレルの本体ピースに対する先部ピースの抜け止めを図るための両ピースの嵌合形状は、前記第一及び第二実施形態のマンドレル1A,1B以外に種々設定できる。例えば、図17(A)で示すマンドレル1Cのように本体ピース11の保持枠部13の奥端左右両側に凹陥部13c,13cを設けたり、図17(B)で示すマンドレル1Dのように同保持枠部13の左右両側中間部に突出部13d,13dを設け、先部ピース12側をこれら保持枠部13に適嵌し得る形状としてもよい。ただし、前記第一及び第二実施形態の押出ダイスに用いたマンドレル1A,1Bのように、保持枠部13を左右内側面13a,13aのテーパーにて奥拡がりの内側形状とすれば、既述のように成形時の先部ピース12に加わる押出圧力を接合したテーパー面全体で受け止めることができるから、先部ピース12のクラックや欠けを防止する上で好都合である。
【0050】
また、前記マンドレル1A,1Bの本体ピース11ならびにマンドレル1Bの挟着部材16,16にダイス鋼を用いているが、これら部材に高速度鋼(ハイス)等の他の硬質材を用いてもよい。ただし、ダイス鋼は、高速度鋼に比較して安価である上に靱性が高く加工性もよいため、特に推奨される。
【0051】
更に、この発明の押出ダイスにて押出加工する中空材は、マンドレルの成形凸部の構成によって中空部の断面形状を種々設定できるから、上記のような熱交換器用の偏平多孔チューブTに限らず、その他の様々な断面形状及び用途の中空材であってよい。また、中空材の材質もアルミニウムに限らず、その他押出に適した各種の金属であってよい。また、ダイスのタイプも複数本同時押出タイプに限定されるものではなく、1本押出タイプであってよい。一方、この発明のマンドレルは、従来の全体が超硬材からなるマンドレルを使用している既存の押出ダイスに対しても、該マンドレルと交換して用いることにより、以降の押出ダイスのランニングコストを大きく低減することを可能にする。
【0052】
【発明の効果】
この発明の押出ダイスは、マンドレルを本体ピースと先部ピースとで構成し、成形凸部を備える先部ピース側を超硬材とし、本体ピースにはダイス鋼等の安価な硬質材を使用できるから、部品コストを低減できると共に、成形凸部が損耗した場合には、先部ピース側を交換して本体ピースを継続使用することにより、ランニングコストの大幅な低減が可能となる。そして、マンドレルに複数の成形凸部を備える構成では、これらの成形凸部が先部ピース側の超硬材に一体形成されて一つの剛体となり、成形凸部の相互の配置精度が確保されるから、例えば矩形の中空部間に薄肉の隔壁部を有するような中空材の製作にも好適に適用できる。また、マンドレルのダイス鋼等を用いた本体ピースは、クラックを生じにくく、且つ所用の形状のものを容易に製作できるという利点がある。
【0053】
しかして、前記押出ダイスのマンドレルの先部ピースを超硬材の一体物にて構成すれば、マンドレルの組立製作を容易に行える。
【0054】
一方、前記押出ダイスのマンドレルの先部ピースを、成形凸部を備えた超硬材からなる中間部材と、これを両側から挟む超硬材以外の硬質材からなる一対の挟着部材とで構成すれば、材料コストをより低減できると共に、挟着部材にダイス鋼等を用いることにより、中間部材のクラックを防止して先部ピース全体として充分な強度を確保できる。
【0055】
また、前記押出ダイスのマンドレルを、本体ピースの保持枠部が奥拡がりの内側形状で、この保持枠部に先部ピースが密接状態に適嵌する構成とすれば、本体ピースに対する先部ピースの確実な抜け止めを行えると共に、成形時の先部ピースに加わる押出圧力の局所的な集中による先部ピースのクラックや欠けを防止できる。
【0056】
更に、前記押出ダイスのマンドレルを、全体が偏平な形態で、その幅方向に沿って櫛刃状に並列配置した複数の断面矩形の成形凸部を有する構成とすれば、熱交換器の熱交換管路等に用いられる偏平多孔チューブとして、特に複数の矩形の中空部が薄肉の隔壁部を介して並列した形態のものを容易に精度よく製作できる。
【0057】
この発明に係る第一の押出ダイス用マンドレルは、本体ピースと、成形凸部を有する先部ピースとに分割構成され、先部ピースが超硬材の一体物からなり、本体ピースが超硬材以外の硬質材からなるため、成形凸部に充分な硬度を確保しながらマンドレル全体としての材料コストを低減できると共に、組立製作を容易に行え、また本体ピースを共通部品として、成形凸部の大きさ、形状、配置間隔、本数等が異なる先部ピースと組合せることにより、多品種の金属製中空材に対応した異種のマンドレルを安価に構成できる。
【0058】
この発明に係る第二の押出ダイス用マンドレルは、前記先部ピースが成形凸部を設けた中間部材と一対の挟着部材とで構成され、前記中間部材が超硬材からなると共に、本体ピース及び前記挟着部材が超硬材以外の硬質材からなるため、成形凸部に充分な硬度を確保しながらマンドレル全体としての材料コストをより低減できると共に、該中間部材を両側から挟む挟着部材の靱性により、該中間部材のクラックが防止され、先部ピース全体として充分な強度を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第一実施形態に係る金属製中空材の押出ダイス全体の断面図である。
【図2】同押出ダイスにおける雌雄両型の結合状態を示す拡大断面図である。
【図3】図1及び図2のイ−イ線に沿った断面図である。
【図4】同押出ダイスに使用するマンドレルの斜視図である。
【図5】同マンドレルの成形凸部を示す拡大断面図である。
【図6】同マンドレルの本体ピースと先部ピースとを分離状態にした斜視図である。
【図7】同押出ダイスの雌雄両型を分離状態にして押出方向後方側から見た斜視図である。
【図8】同押出ダイスの雌雄両型を分離状態にして押出方向前方側から見た斜視図である。
【図9】図1のロ−ロ線矢視図である。
【図10】図1のハ−ハ線矢視図である。
【図11】図1のニ−ニ線矢視図である。
【図12】同押出ダイスの雌型とマンドレルのピンとの位置関係を示す正面図である。
【図13】この発明の第二実施形態に係る金属製中空材の押出ダイスにおける雌雄両型の結合状態を示す拡大断面図である。
【図14】図13のホ−ホ線矢視図である。
【図15】同押出ダイスに使用するマンドレルの分解斜視図である。
【図16】押出成形の対象となる中空材の一例を示す縦断面図である。
【図17】この発明に係る押出ダイス用マンドレルの他の構成例を示し、(A)図は本体ピースの保持枠部の奥端左右両側に凹陥部を設けた構成の平面図であり、(B)図は本体ピースの保持枠部の左右両側中間部に突出部を設けた構成の平面図である。
【図18】従来の中空材の押出ダイスを示す断面図である。
【符号の説明】
1A〜1D・・・・・マンドレル
10・・・・・・・・成形凸部
11・・・・・・・・本体ピース
12・・・・・・・・先部ピース
13・・・・・・・・保持枠部
13a・・・・・・・内側面
15・・・・・・・・中間部材
16・・・・・・・・挟着部材
2・・・・・・・・・雄型
20・・・・・・・・環状ベース部
21・・・・・・・・ブリッジ部
27・・・・・・・・マンドレル保持孔
3・・・・・・・・・雌型
T・・・・・・・・・偏平多孔チューブ(中空材)
H・・・・・・・・・中空部
W1 ・・・・・・・・隔壁部
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えばエアコンディショナー用熱交換器の熱交換管路に用いられるアルミニウム製偏平多孔チューブ等の金属製中空材を製作するための押出ダイスと、この押出ダイスに使用するマンドレルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、アルミニウム製偏平多孔チューブの如き金属製中空材の押出ダイスとして、図18に示すように、中空材の中空部を成形する雄型101と、雄型101の環状ベース部103内に嵌合されて、中空材1の外周部を成形する雌型102とを備えたものがある。
【0003】
この押出ダイスは、雄型101の環状ベース部103の後面(上流側面)に跨設されたブリッジ部104の中央に、前後方向へ貫通するマンドレル保持孔105を形成し、マンドレル基体部106の先端部が成形凸部107として櫛刃状に加工されているマンドレル108を前記マンドレル保持孔105に後方側から差し込み保持し、前記環状ベース部103の軸芯位置で前後方向へ貫通する成形孔109を有する雌型を、前記環状ベース部103における雌型嵌合孔110に内嵌して両型102,103を同心状に結合することにより、前記成形凸部107と雌型成形孔109との間に、押出加工しようとする中空材の横断面形状に対応した成形隙間111が形成されるように構成されている。
【0004】
そして、マンドレル108は、成形凸部107に成形時の高い押出圧力に耐えて成形精度を保つための高い剛性が要求されることから、その構成材として超硬合金やセラミックスなどの超硬材が使用されるのが通例である(例えば、特許文献1,2等)。
【0005】
しかるに、従来の超硬材からなるマンドレル108では、超硬材が高価であるため、部品コストが高くつく上、靱性に乏しい超硬材にクラックを生じ易く、このクラックの発生や成形凸部107の損傷により、マンドレル108全体を交換しなければならず、ランニングコストが高くなるといった問題があった。
【0006】
そこで、この発明者は先に、中空材の押出ダイスとして、複数に分割されたマンドレル基体部と、マンドレル基体部の前後方向に沿って配設される複数の剛性ピンとでマンドレルを構成すると共に、これら剛性ピンを各先端部がマンドレル基体部の先端面から前記成形凸部として突出した状態で、前記マンドレル基体部の分割体で挟持するようにしたものを提案している(特許文献3)。
【0007】
このようなマンドレル基体部の分割体と剛性ピンとからなる組合せ形態のマンドレルにおいては、成形凸部を構成する剛性ピンのみを超硬材とし、マンドレル基体部にはダイス鋼のような安価な硬材を使用できるため、マンドレル全体の部品コストを低減できると共に、成形凸部が損耗した際には、その成形凸部を有する剛性ピンのみを交換すればよく、他の剛性ピン及びマンドレル基体部は継続使用できるから、ランニングコストも大きく削減できるという利点がある。
【0008】
【特許文献1】
特許第2564075号公報
【特許文献2】
特許第2564076号公報
【特許文献3】
特許出願公開2001−191109公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記提案に係る組合せ形態のマンドレルは、先端部を成形凸部とする複数の剛性ピンをマンドレル基体部の分割体で挟持する構造上から、中空材の中空部の断面形状が非円形である場合には適用しにくく、複数の剛性ピンが個々には高剛性であっても互いに分離独立しているために相互の配置精度を充分には確保できず、特に複数の断面矩形の中空部が相互間に薄肉の隔壁部を介して配置する中空材では、該隔壁部を精度よく設定することが困難であり、また超硬材は硬い反面で靱性に乏しいため、独立した細いピン形態では欠損や折損を生じ易いという難点があった。
【0010】
この発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、金属製中空材の押出ダイスとして、製造及び維持コストを低減できる上、中空材の中空部の断面形状に制約がなく、矩形の中空部間に薄肉の隔壁部を有するような中空材の製作にも好適に適用でき、且つマンドレルにクラックや欠損を生じにくく、加工性に優れたものを提供すると共に、このような押出ダイスに好適に使用できるマンドレルを提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために、この発明に係る金属製中空材の押出ダイスは、金属製中空材の中空部を成形する雄型と、雄型の環状ベース部内に嵌合されて、中空材の外周部を成形する雌型とが備えられ、前記環状ベース部のブリッジ部中央に前後方向へ貫通して形成されたマンドレル保持孔に、成形凸部を有するマンドレルが差し込み保持されてなるものにおいて、前記マンドレルは、押出方向側に開いたコ字形の保持枠部を有する本体ピースと、前記成形凸部を備えた先部ピースとで構成され、前記先部ピースは、本体ピースの前記保持枠部に対し、成形凸部が当該本体ピースの前端から突出した状態で抜出不能に嵌着されていることを特徴としている。
【0012】
上記構成の押出ダイスによれば、マンドレルが本体ピースと先部ピースとで構成されるから、高い剛性が必要な成形凸部を備える先部ピース側に超硬材を使用し、本体ピースにはダイス鋼や高速度鋼(ハイス)のような安価な硬質材を用いることにより、マンドレル全体の部品コストを低減できると共に、成形凸部が損耗した場合には、先部ピース側を交換するだけでよく、本体ピースは継続使用できるために経済的である。また、マンドレルに複数の成形凸部を設ける構成では、これらの成形凸部を先部ピース側の超硬材にワイヤーカット放電加工等で一体形成でき、一つの剛体となった複数の成形凸部の相互の配置精度が確保されるから、例えば矩形の中空部間の薄肉の隔壁部も精度よく設定可能となる。一方、ダイス鋼や高速度鋼は超硬材に比べて靱性が高く加工性もよいから、これらを用いた本体ピースは、クラックを生じにくく、且つ所用の形状のものを容易に製作できる。
【0013】
しかして、マンドレルの先部ピースは、超硬材の一体物にて構成するか、もしくは、成形凸部を備えた超硬材からなる中間部材と、この中間部材を両側から挟む超硬材以外の硬質材からなる一対の挟着部材とで構成するのがよい。前者の構成では、先部ピースが単一材からなるため、マンドレルの組立製作を容易に行える。一方、後者の構成では、中間部材のみに超硬材を用いるために、材料コストをより低減できると共に、挟着部材にダイス鋼や高速度鋼を用いることにより、中間部材として薄肉化した超硬材の脆さが両側から挟む挟着部材の靱性によって補われ、該中間部材のクラックが防止され、先部ピース全体として充分な強度を確保できる。
【0014】
また、マンドレルは、本体ピースの保持枠部が両側の内側面をテーパーとして奥拡がりの内側形状を備えると共に、この保持枠部に対して先部ピースの嵌合部が密接状態に適嵌する形状を備える構成とすれば、該本体ピースに対する先部ピースの確実な抜け止めを果たせると共に、成形時の先部ピースに加わる押出圧力を両ピースの接合したテーパー面全体で受け止めることになるから、該押出圧力の局所的な集中による先部ピースのクラックや欠けが防止される。
【0015】
更に、マンドレルは、全体が偏平な形態で、その幅方向に沿って櫛刃状に並列配置した複数の断面矩形の成形凸部を有する構成とすれば、熱交換器の熱交換管路等に用いられる偏平多孔チューブとして、特に複数の矩形の中空部が薄肉の隔壁部を介して並列した形態のものを容易に精度よく製作できる。
【0016】
この発明に係る第一の押出ダイス用マンドレルは、押出方向側に開いたコ字形の保持枠部を有する本体ピースと、この本体ピースの保持枠部に抜出不能に嵌着され、当該本体ピースの前端から突出する成形凸部を有する先部ピースとを備え、先部ピースが超硬材の一体物からなり、本体ピースが超硬材以外の硬質材からなるものとしている。また、この発明に係る第二の押出ダイス用マンドレルは、押出方向側に開いたコ字形の保持枠部を有する本体ピースと、この本体ピースの保持枠部に抜出不能に嵌着され、当該本体ピースの前端から突出する成形凸部を有する先部ピースとを備え、先部ピースが前記成形凸部を設けた中間部材と該中間部材を両側から挟む一対の挟着部材とで構成され、前記中間部材が超硬材からなると共に、本体ピース及び前記挟着部材が超硬材以外の硬質材からなるものとしている。
【0017】
上記第一及び第二のマンドレルは、本体ピースと先部ピースとに分割構成され、第一のマンドレルでは先部ピースのみが、第二のマンドレルでは先部ピースの中間部材のみが超硬材からなり、本体ピース及び第二のマンドレルにおける貼着部材には安価なダイス鋼等を用いればよいから、マンドレル全体としての材料コストを低減できると共に、超硬材からなる部材に成形凸部を有するので、成形凸部は高い押出圧力に耐えて成形精度を保つための充分な硬度を持ち、上述した押出ダイスに好適に使用できる。また、これら第一及び第二のマンドレルでは、先部ピース側に成形凸部を備えるから、本体ピースを共通部品として、成形凸部の大きさ、形状、配置間隔、本数等が異なる先部ピースと組合せることができる。
【0018】
しかして、第一のマンドレルは、先部ピースが単一材からなるため、マンドレルの組立製作を容易に行える。一方、第二のマンドレルは、挟着部材にダイス鋼や高速度鋼を用いることにより、中間部材として薄肉化した超硬材の脆さが両側から挟む挟着部材の靱性によって補われ、該中間部材のクラックが防止され、先部ピース全体として充分な強度を確保できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明をエアコンディショナー用熱交換器に用いられるアルミニウム製の多孔偏平チューブを製作する押出ダイスに適用した実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。なお、以下の説明において、前後の方向は、押出方向を基準にして押出下流側を前、同上流側を後とする。
【0020】
図1〜図12は第一実施形態、図13〜15は第二実施形態を示す。しかして、これら実施形態では、図16に示すように複数の矩形(図では正方形)の中空部H…が各々薄肉の隔壁部W1 を介して幅方向に並列配置した多孔偏平チューブTの製作に用いる押出ダイスとして、該チューブTの複数本を同時押出する、いわゆる複数本同時押出タイプのものを例示している。
【0021】
第一実施形態の押出ダイスは、図1ないし図3に示すように、一対の雄型2及び雌型3、ホールド用金型部材4、流れ制御用金型部材5、バッカー6を備えている。
【0022】
各雄型2は、図16で示す多孔偏平チューブTの中空部H…を形成するもので、環状ベース部20と、ブリッジ部21と、成形凸部10…を有するマンドレル1Aとを備えている。そして、環状ベース部20とブリッジ部21とは超硬合金やセラミックス等の超硬材からなる一体物として製作されているが、この一体物に対してマンドレル1Aは独立部品となっている。
【0023】
この雄型2の環状ベース部20は、その軸孔22内における当該ベース部20の後端寄りの位置に、前方に面する環状段部23が設けられ、この環状段部23よりも前方側が相対的に径大な雌型嵌合孔部22aを構成している。そして、この雌型嵌合孔部22aには、雌型3を周方向において位置決めするための軸線方向に指向したキー溝24,24が設けられている。また、環状ベース部20には、外周側の後端寄りに位置して、後方に面する環状段部25が設けられると共に、周方向に4つのノックピン通し孔26・・・が貫通形成されている。
【0024】
ブリッジ部21は、軸芯上にマンドレル1Aを保持するもので、環状ベース部20の後端面から後方に突出する態様において、当該ベース部20の軸孔22を径方向に横切るように跨設されており、その中間部の前縁位置が軸孔22内の環状段部23よりも後方に設定されている。そして、このブリッジ部21の中間部には、前後方向へ貫通した横長スリット状のマンドレル保持孔27が形成されており、このマンドレル保持孔27の後端開口側には、幅方向両側外方へ切れ込む係止段部27a,27aがそれぞれ形成されている。また、このブリッジ部21の中間部の前縁側21aは、押出材料の流れをスムーズにさせるために、図3に示すように先細りテーパー状に形成されている。
【0025】
マンドレル1Aは、図4及び図6で詳細に示すように、前方に開くコ字形の保持枠部13を備えた本体ピース11と、保持枠部13に嵌着される先部ピース12とで構成されている。しかして、成形凸部10…は先部ピース12の前端に一体形成されており、両ピース11,12の嵌合状態において、成形凸部10…が本体ピース11の前端よりも突出すると共に、両ピース11,12の両側主面が面一になってマンドレル1A全体として偏平板状をなすように寸法設定されている。
【0026】
本体ピース11は、ダイス鋼からなり、後端部の両側に係止突片11a,11aが突設されており、マンドレル1Aを前記ブリッジ部21のマンドレル保持孔27に圧入した状態で、これら係止突片11a,11aがマンドレル保持孔27の係止段部27a,27aに係合するように設定されている。そして、この本体ピース11の保持枠部13は、左右両側の内側面13a,13aが前端部を除いて奥開きのテーパーをなすことにより、左右幅が奥側ほど広くなる奥拡がりの内側形状になっている。
【0027】
先部ピース12は、超硬合金やセラミック等の超硬材からなり、左右両側面12a,12aが前端部を除いて本体ピース11の保持枠部13の左右内側面13a,13aに対応したテーパーをなし、もって成形凸部10…が前方へ突出した状態で保持枠部13に密接状態に適嵌する形状及び寸法に設定されている。また、先部ピース12の前縁部12bと、本体ピース11に保持枠部13の左右両側の前端外面部13b,13bとは、成形凸部10…側への押出材料の流れをスムーズにさせるために、成形凸部10…の基部側へ向けて窄まるテーパー状に形成されている。なお、この本体ピース11の保持枠部13への先部ピース12の嵌着には、一般的に焼嵌め方式が採用される。
【0028】
しかして、成形凸部10…は、先部ピース12とする超硬材の原材にワイヤーカット放電加工等で一定間隔置きに厚み方向のスリット14…を設けることにより、各々の前端が正面視で矩形(図では正方形)をなす形態として、その複数本(図では11本)が先部ピース12の幅方向に櫛刃状に並列配置するように、当該先部ピース12に一体形成されている。そして、この各成形凸部10の矩形の前端形状は多孔偏平チューブTの中空部Hの断面形状に対応すると共に、各スリット14は同チューブTの隣接する中空部H,H間の隔壁部W1 に対応している。なお、並列配置の左右両端に位置した成形凸部10a,10aは、チューブTの幅方向両側のアールに対応して、外側周面部がアール状になっている。また、図5で拡大して示すように、各スリット14の内奥側14aは幅広に形成され、もって押出加工時に当該スリット14への材料供給不足を生じないようにしている。
【0029】
雌型3は、偏平多孔チューブTの外周部を成形するもので、超硬合金やセラミックス等の超硬材を構成材として、リング状に成形されている。この雌型3の軸芯部には、該雌型3の後端面に隣接して成形孔ベアリング部(成形孔ともいう)31を有すると共に、該成形孔ベアリング部31に連通してレリーフ孔部32が連設され、また外周部には軸線方向に指向したキー突起33,33が設けられている。
【0030】
そして、この雌型3は、その軸長及び直径が雄型2の環状ベース部20における雌型嵌合孔部22aの軸長及び直径に一致するように設定され、これによって全体が同雌型嵌合孔部22a内に緊密状態に嵌合収容される。なお、雄型2の雌型嵌合孔部22aに対する雌型3の嵌合には焼嵌め方式が採用され、もって雌型3は雄型2の環状ベース部20に一体化されている。
【0031】
この嵌合収容状態においては、雌型3の成形孔ベアリング部31側の端部が嵌合孔部22a内の環状段部23に当接して位置決めされると共に、キー突起33,33が同嵌合孔部22a内のキー溝24、24に嵌合して回転方向で所定の向きを保持するようになっている。そして、図12に示すように、成形孔ベアリング部31の内側にマンドレル1Aの成形凸部10…が配置し、両者間に偏平多孔チューブTの周壁W2 に対応する偏平環状の成形隙間7が構成される。また、この成形隙間7の後方側には材料溶着室8が確保され、雄型2のブリッジ部21により分配された材料がこの材料溶着室8で圧着され、そしてこの圧着された材料が成形隙間7を通過するように設定されている。
【0032】
ホールド用金型部材4は、一対の雄型2,2を保持するもので、ダイス鋼等の鋼材にて大型円盤状に製作されており、図10でも示すように両雄型2,2に対応する一対の円形ホールド孔41,41が隣り合って貫通状態に設けられ、各ホールド孔41の軸線方向中間部には図2及び図3に示すように前方に面した環状段部42が形成されると共に、後端面の周縁に沿って環状の凸段部43が形成されている。
【0033】
そして、このホールド用金型部材4のホールド孔41に雄型2を前側から挿入することにより、環状段部42に雄型2の環状段部25が嵌合し、雄型2がホールド孔41内に位置決め状態に嵌合保持されると共に、両環状段部25,42の嵌合部分でシールが形成され、押出中の材料洩れが防止される。なお、このホールド状態においては、雄型2の環状ベース部20の前端面がホールド用金型部材4の前端面に略面一になる一方、同雄型2のブリッジ部21がホールド用金型部材4から後方へ突出した状態となる。
【0034】
流れ制御用金型部材5は、コンテナ等より成形隙間7,7に向かう押出材料の流れを調整するもので、ダイス鋼等の鋼材によって大型円盤状に製作されており、図9に示すように十字形のブリッジ51にて相独立した4つの材料導通孔52…を備え、また前端面には、一対の雄型2,2に対応する収容凹部53,53と、周縁に沿う環状の嵌合凹段部54とが設けられている。
【0035】
この流れ制御用金型部材5は、その嵌合凹段部54をホールド用金型部材4の凸段部43に嵌合して、該ホールド用金型部材4の後側に同心状に組合わされる。そして、この組合せ状態にいて、各収容凹部53内に雄型2のブリッジ部21が所定の隙間をおいて非接触状態で収容されると共に、該ブリッジ部21の背後に流れ制御用金型部材5のブリッジ51が対応配置するように設定されている。
【0036】
バッカー6は、ダイス鋼等の鋼材にて製作されたもので、雌型3,3の外周サイズよりも後端サイズの小さいレリーフ孔61が成形隙間7と同心状態となるように設けられると共に、図11でも示すように、各レリーフ孔61の周囲には雄型2の各ノックピン孔26に対応する複数(図では4つ)のノックピン孔62…が形成されている。
【0037】
そして、このバッカー6は、連通するノックピン孔26,62に挿通させたノックピン9により、ホールド用金型部材4の前側に組み付けた状態で雄型2に位置決め状態に連接し、押出加工中において、押出材の前方移行を許容しながら、雄型2及び雌型3を前方側から支えるように機能する。
【0038】
上記構成の押出ダイスでは、成形開始に伴ってコンテナ等から供給されたアルミニウム等の押出材料は、流れ制御用金型部材5で制御された上で4つの材料導通孔52・・・に分配され、材料溶着室8で圧着された後、マンドレル1Aの成形凸部10…と雌型3の成形孔ベアリング部31との間の環状の成形隙間7、ならびに成形凸部10…の相互間のスリット14…を通過し、もって図16に示す断面形状の偏平多孔チューブTが連続的に押出形成される。
【0039】
ここで、前記マンドレル1Aは、本体ピース11と先部ピース12とに分割構成され、成形凸部10…を有する先部ピース12のみが超硬材からなり、本体ピース11には比較的安価なダイス鋼を用いているから、その製作に要する超硬材の使用量が少なくて済み、それだけマンドレル全体としての部品コストが低減される。また、成形凸部10…が損耗した場合には、先部ピース12側を交換するだけでよく、本体ピース11は継続使用できるため、ダイス維持に要する経費も大幅に節約できて非常に経済的である。更に、本体ピース11と先部ピース12とは別途に製作できるから、両ピース11,12の嵌合部の形状が一定であれば、本体ピース11側を共通部材として、成形凸部10…の個々の大きさ、形状、配置間隔、本数等が異なる先部ピース12と組合せることにより、多品種の偏平多孔チューブTに対応した異種のマンドレルを容易に且つ安価に構成できる。
【0040】
しかも、このようなマンドレル1Aでは、複数の成形凸部10…が単一の超硬材からなる先部ピース12に一体形成され、全体が一つの剛体になって成形凸部10…の相互の配置精度が確保されるから、隣接する成形凸部10,10間のスリット14を極めて狭幅に設定して、且つそのスリット幅を安定に維持でき、もって偏平多孔チューブTとして隔壁部W1 が0.1mm以下といった極めて薄肉のものについても、支障なく高精度で押出加工することが可能である。一方、本体ピース11は、超硬材に比べて靱性が高く加工性もよいダイス鋼を用いているから、クラックを生じにくい上、所用の形状のものを容易に製作できるという利点がある。
【0041】
また、本体ピース11の保持枠部13が両側の内側面13a,13aをテーパーとして奥拡がりの内側形状を備え、この保持枠部13に対して先部ピース12の嵌合部が密接状態に適嵌する形状になっているから、該本体ピース11に対する先部ピース12の確実な抜け止めを果たせると共に、成形時の先部ピース12に加わる押出圧力を両ピース11,12の接合したテーパー面13a,12aの全体で受け止めることになるから、該押出圧力の局所的な集中による先部ピース12のクラックや欠けが防止される。
【0042】
第二実施形態の押出ダイスは、前記第一実施形態の押出ダイスと同様に、一対の雄型2及び雌型3、ホールド用金型部材4、流れ制御用金型部材5、バッカー6を備えている。そして、これら部材2〜6の構造及び材質と機能は、雄型2に使用するマンドレルを除き、第一実施形態のものと全く同様であるため、図13及び図14において第一実施形態と共通する各構成部には第一実施形態と同一符号を附して、その説明を省略する。
【0043】
この第二実施形態の押出ダイスにおける雄型2では、図13及び図14に示すように、環状ベース部20とブリッジ部21については前記第一実施形態の押出ダイスと同じ構造であるが、ブリッジ部21のマンドレル保持孔27には第一実施形態におけるマンドレル1Aに代えてマンドレル1Bが圧入されている。
【0044】
このマンドレル1Bは、外形的には第一実施形態におけるマンドレル1Aと同じであり、前方に開くコ字形の保持枠部13を備えたダイス鋼からなる本体ピース11と、その保持枠部13に嵌着される先部ピース12とで構成され、両ピース11,12の嵌合状態において、先部ピース12側の成形凸部10…が本体ピース11の前端よりも突出した状態で、両ピース11,12の両側主面が面一になってマンドレル1B全体として偏平板状をなすように寸法設定されている。そして、本体ピース11も第一実施形態のマンドレル1Aのものと同じであり、その保持枠部13が左右両側の内側面13a,13aのテーパーによって奥拡がりの内側形状を有し、この保持枠部13に先部ピース12が密接状態に適嵌している。
【0045】
しかるに、先部ピース12は、前記第一実施形態のような一体ものではなく、図15でも示すように、超硬合金やセラミック等の超硬材からなる中間部材15と、この中間部材15を両側から挟むダイス鋼からなる一対の挟着部材16,16との3つの板状部材から構成されている。
【0046】
そして、中間部材15の前縁部には、ワイヤーカット放電加工等で一定間隔置きに厚み方向のスリット14…を設けることにより、前記第一実施形態同様の幅方向に沿って並列配置した矩形の成形凸部10…が形成されている。なお、各スリット14の内奥側14aは、前記第一実施形態と同様に、押出加工時に当該スリット14への材料供給不足を生じないように幅広に形成されている。また、両挟着部材16,16の前縁部は、先部ピース12の組付け状態で外側となる片面側を傾斜面16aとしてエッジ状に形成されると共に、その前端縁に沿って一定間隔置きに、中間部材15のスリット14…の各奥端部に合致するU字形切欠部14b…が設けてある。
【0047】
この第二実施形態の押出ダイスによれば、前記第一実施形態の押出ダイスと同様にして図16に示す断面形状の偏平多孔チューブTを連続的に押出形成できる。しかして、マンドレル1Bは、先部ピース12の中間部材12のみに超硬材を用いるために、材料コストをより低減できると共に、挟着部材16,16にはダイス鋼を用いているから、中間部材15として薄肉化した超硬材の脆さが両側から挟む挟着部材16,16の靱性によって補われ、もって該中間部材15のクラックが防止され、先部ピース12全体として充分な強度を確保できる。また、成形凸部10…が損耗した場合には、先部ピース12の中間部材15のみを交換するだけでよく、本体ピース11及び挟着部材16,16を継続使用できるため、ダイス維持に要する経費もより大幅に節約できて非常に経済的である。
【0048】
更に、マンドレル1Bの先部ピース12は、全体として本体ピース11と同じ厚さであるが、中間部材15と挟着部材16,16との厚み比率を自在に設定できるから、該中間部材15の厚みの大小によって成形凸部10…のマンドレル厚み方向のサイズを変更でき、また該中間部材15の前縁部の加工によって成形凸部10…の形状や配置間隔も任意に設定できる。従って、このマンドレル1Bにおいても、前記第一実施形態のマンドレル1Aと同様に、本体ピース11側を共通部材として、成形凸部10…の個々の大きさ、形状、配置間隔、本数等が異なる先部ピース12と組合せることにより、多品種の偏平多孔チューブTに対応した異種のマンドレルを容易に且つ安価に構成できる。しかして、このマンドレル1Bにおいても、複数の成形凸部10…が単一の超硬材である中間部材15に一体形成されるから、成形凸部10…の相互の配置精度を確保でき、スリット14を極めて狭幅に設定してもスリット幅を安定に維持でき、もって偏平多孔チューブTとして隔壁部W1 が極めて薄肉のものでも支障なく高精度で押出加工することが可能である。
【0049】
なお、この発明においては、マンドレルの本体ピースに対する先部ピースの抜け止めを図るための両ピースの嵌合形状は、前記第一及び第二実施形態のマンドレル1A,1B以外に種々設定できる。例えば、図17(A)で示すマンドレル1Cのように本体ピース11の保持枠部13の奥端左右両側に凹陥部13c,13cを設けたり、図17(B)で示すマンドレル1Dのように同保持枠部13の左右両側中間部に突出部13d,13dを設け、先部ピース12側をこれら保持枠部13に適嵌し得る形状としてもよい。ただし、前記第一及び第二実施形態の押出ダイスに用いたマンドレル1A,1Bのように、保持枠部13を左右内側面13a,13aのテーパーにて奥拡がりの内側形状とすれば、既述のように成形時の先部ピース12に加わる押出圧力を接合したテーパー面全体で受け止めることができるから、先部ピース12のクラックや欠けを防止する上で好都合である。
【0050】
また、前記マンドレル1A,1Bの本体ピース11ならびにマンドレル1Bの挟着部材16,16にダイス鋼を用いているが、これら部材に高速度鋼(ハイス)等の他の硬質材を用いてもよい。ただし、ダイス鋼は、高速度鋼に比較して安価である上に靱性が高く加工性もよいため、特に推奨される。
【0051】
更に、この発明の押出ダイスにて押出加工する中空材は、マンドレルの成形凸部の構成によって中空部の断面形状を種々設定できるから、上記のような熱交換器用の偏平多孔チューブTに限らず、その他の様々な断面形状及び用途の中空材であってよい。また、中空材の材質もアルミニウムに限らず、その他押出に適した各種の金属であってよい。また、ダイスのタイプも複数本同時押出タイプに限定されるものではなく、1本押出タイプであってよい。一方、この発明のマンドレルは、従来の全体が超硬材からなるマンドレルを使用している既存の押出ダイスに対しても、該マンドレルと交換して用いることにより、以降の押出ダイスのランニングコストを大きく低減することを可能にする。
【0052】
【発明の効果】
この発明の押出ダイスは、マンドレルを本体ピースと先部ピースとで構成し、成形凸部を備える先部ピース側を超硬材とし、本体ピースにはダイス鋼等の安価な硬質材を使用できるから、部品コストを低減できると共に、成形凸部が損耗した場合には、先部ピース側を交換して本体ピースを継続使用することにより、ランニングコストの大幅な低減が可能となる。そして、マンドレルに複数の成形凸部を備える構成では、これらの成形凸部が先部ピース側の超硬材に一体形成されて一つの剛体となり、成形凸部の相互の配置精度が確保されるから、例えば矩形の中空部間に薄肉の隔壁部を有するような中空材の製作にも好適に適用できる。また、マンドレルのダイス鋼等を用いた本体ピースは、クラックを生じにくく、且つ所用の形状のものを容易に製作できるという利点がある。
【0053】
しかして、前記押出ダイスのマンドレルの先部ピースを超硬材の一体物にて構成すれば、マンドレルの組立製作を容易に行える。
【0054】
一方、前記押出ダイスのマンドレルの先部ピースを、成形凸部を備えた超硬材からなる中間部材と、これを両側から挟む超硬材以外の硬質材からなる一対の挟着部材とで構成すれば、材料コストをより低減できると共に、挟着部材にダイス鋼等を用いることにより、中間部材のクラックを防止して先部ピース全体として充分な強度を確保できる。
【0055】
また、前記押出ダイスのマンドレルを、本体ピースの保持枠部が奥拡がりの内側形状で、この保持枠部に先部ピースが密接状態に適嵌する構成とすれば、本体ピースに対する先部ピースの確実な抜け止めを行えると共に、成形時の先部ピースに加わる押出圧力の局所的な集中による先部ピースのクラックや欠けを防止できる。
【0056】
更に、前記押出ダイスのマンドレルを、全体が偏平な形態で、その幅方向に沿って櫛刃状に並列配置した複数の断面矩形の成形凸部を有する構成とすれば、熱交換器の熱交換管路等に用いられる偏平多孔チューブとして、特に複数の矩形の中空部が薄肉の隔壁部を介して並列した形態のものを容易に精度よく製作できる。
【0057】
この発明に係る第一の押出ダイス用マンドレルは、本体ピースと、成形凸部を有する先部ピースとに分割構成され、先部ピースが超硬材の一体物からなり、本体ピースが超硬材以外の硬質材からなるため、成形凸部に充分な硬度を確保しながらマンドレル全体としての材料コストを低減できると共に、組立製作を容易に行え、また本体ピースを共通部品として、成形凸部の大きさ、形状、配置間隔、本数等が異なる先部ピースと組合せることにより、多品種の金属製中空材に対応した異種のマンドレルを安価に構成できる。
【0058】
この発明に係る第二の押出ダイス用マンドレルは、前記先部ピースが成形凸部を設けた中間部材と一対の挟着部材とで構成され、前記中間部材が超硬材からなると共に、本体ピース及び前記挟着部材が超硬材以外の硬質材からなるため、成形凸部に充分な硬度を確保しながらマンドレル全体としての材料コストをより低減できると共に、該中間部材を両側から挟む挟着部材の靱性により、該中間部材のクラックが防止され、先部ピース全体として充分な強度を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第一実施形態に係る金属製中空材の押出ダイス全体の断面図である。
【図2】同押出ダイスにおける雌雄両型の結合状態を示す拡大断面図である。
【図3】図1及び図2のイ−イ線に沿った断面図である。
【図4】同押出ダイスに使用するマンドレルの斜視図である。
【図5】同マンドレルの成形凸部を示す拡大断面図である。
【図6】同マンドレルの本体ピースと先部ピースとを分離状態にした斜視図である。
【図7】同押出ダイスの雌雄両型を分離状態にして押出方向後方側から見た斜視図である。
【図8】同押出ダイスの雌雄両型を分離状態にして押出方向前方側から見た斜視図である。
【図9】図1のロ−ロ線矢視図である。
【図10】図1のハ−ハ線矢視図である。
【図11】図1のニ−ニ線矢視図である。
【図12】同押出ダイスの雌型とマンドレルのピンとの位置関係を示す正面図である。
【図13】この発明の第二実施形態に係る金属製中空材の押出ダイスにおける雌雄両型の結合状態を示す拡大断面図である。
【図14】図13のホ−ホ線矢視図である。
【図15】同押出ダイスに使用するマンドレルの分解斜視図である。
【図16】押出成形の対象となる中空材の一例を示す縦断面図である。
【図17】この発明に係る押出ダイス用マンドレルの他の構成例を示し、(A)図は本体ピースの保持枠部の奥端左右両側に凹陥部を設けた構成の平面図であり、(B)図は本体ピースの保持枠部の左右両側中間部に突出部を設けた構成の平面図である。
【図18】従来の中空材の押出ダイスを示す断面図である。
【符号の説明】
1A〜1D・・・・・マンドレル
10・・・・・・・・成形凸部
11・・・・・・・・本体ピース
12・・・・・・・・先部ピース
13・・・・・・・・保持枠部
13a・・・・・・・内側面
15・・・・・・・・中間部材
16・・・・・・・・挟着部材
2・・・・・・・・・雄型
20・・・・・・・・環状ベース部
21・・・・・・・・ブリッジ部
27・・・・・・・・マンドレル保持孔
3・・・・・・・・・雌型
T・・・・・・・・・偏平多孔チューブ(中空材)
H・・・・・・・・・中空部
W1 ・・・・・・・・隔壁部
Claims (7)
- 金属製中空材の中空部を成形する雄型と、雄型の環状ベース部内に嵌合されて、中空材の外周部を成形する雌型とが備えられ、前記環状ベース部のブリッジ部中央に前後方向へ貫通して形成されたマンドレル保持孔に、成形凸部を有するマンドレルが差し込み保持されてなる金属製中空材の押出ダイスにおいて、
前記マンドレルは、押出方向側に開いたコ字形の保持枠部を有する本体ピースと、前記成形凸部を備えた先部ピースとで構成され、
前記先部ピースは、本体ピースの前記保持枠部に対し、成形凸部が当該本体ピースの前端から突出した状態で、抜出不能に嵌着されていることを特徴とする金属製中空材の押出ダイス。 - 前記マンドレルは、先部ピースが超硬材の一体物からなり、本体ピースが超硬材以外の硬質材からなる請求項1に記載の金属製中空材の押出ダイス。
- 前記マンドレルは、先部ピースが、前記成形凸部を設けた超硬材からなる中間部材と、この中間部材を両側から挟む超硬材以外の硬質材からなる一対の挟着部材とで構成される請求項1記載の金属製中空材の押出ダイス。
- 前記マンドレルは、本体ピースの保持枠部が両側の内側面をテーパーとして奥拡がりの内側形状を備え、この保持枠部に対して先部ピースの嵌合部が密接状態に適嵌する形状を備える請求項1〜3のいずれかに記載の金属製中空材の押出ダイス。
- 前記マンドレルは、全体が偏平な形態であり、その幅方向に沿って櫛刃状に並列配置した複数の断面矩形の成形凸部を有する請求項1〜4のいずれかに記載の金属製中空材の押出ダイス。
- 押出方向側に開いたコ字形の保持枠部を有する本体ピースと、この本体ピースの保持枠部に抜出不能に嵌着され、当該本体ピースの前端から突出する成形凸部を有する先部ピースとを備え、先部ピースが超硬材の一体物からなり、本体ピースが超硬材以外の硬質材からなる金属製中空材の押出ダイス用マンドレル。
- 押出方向側に開いたコ字形の保持枠部を有する本体ピースと、この本体ピースの保持枠部に抜出不能に嵌着され、当該本体ピースの前端から突出する成形凸部を有する先部ピースとを備え、
先部ピースは、前記成形凸部を設けた中間部材と、この中間部材を両側から挟む一対の挟着部材とで構成され、
前記中間部材が超硬材からなると共に、本体ピース及び前記挟着部材が超硬材以外の硬質材からなる金属製中空材の押出ダイス用マンドレル。
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