JPH0788542A - 中空材の押出用ダイス - Google Patents

中空材の押出用ダイス

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JPH0788542A
JPH0788542A JP23182693A JP23182693A JPH0788542A JP H0788542 A JPH0788542 A JP H0788542A JP 23182693 A JP23182693 A JP 23182693A JP 23182693 A JP23182693 A JP 23182693A JP H0788542 A JPH0788542 A JP H0788542A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 雄型が中子7と雄型ホルダー8とに分割され
ている。そして、ホルダー8の中子保持部16の前端部
がブリッジ部17よりも押出方向前方に突出されて筒状
突出部22が形成され、これにスリット25…が形成さ
れて半径線方向内方に変形しうるようになされている。
そして、この筒状突出部22と中子7との対向部に凹凸
による環状係合部13、24が設けられ、押出中の押出
材料からの圧力による筒状突出部22の内方への変形に
よって、係合部13、24同士が係合され、押出方向へ
の中子7の抜けが阻止されるものとなされている。 【効果】 しっかりとした安定な保持状態に中子7を保
持することができ、しかも、中子7の装着作業を手間を
かけずに能率的に遂行することができ、加えて、そのよ
うな保持構造をダイス製作面において容易に実現するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、アルミニウム等の金
属製の中空材の押出用ダイスに関する。
【0002】
【従来の技術】例えばアルミニウム製の中空材の押出に
は、中空材の中空部を成形する雄型と、中空材の外周部
を成形する雌型とを組合わせた雌雄組合わせダイスが用
いられるが、押出を繰返すうちダイスのベアリング部に
摩耗等を生じ、そのため、ダイスの交換が必要となる。
【0003】このようなダイス交換において、これをコ
スト的に有利に行うため、特に雄型について、次のよう
な分割構造を採用することが考えられる。即ち、雄型に
おいて、これまでブリッジ部に一体に保持されていた中
空部成形用の中子を雄型から分離させて独立した別部材
とし、かわりにブリッジ部にこれと一体に中子保持部を
保持させ、この中子保持部に前記独立部材である中子を
保持せしめるという中子分割構造を採る。このような中
子分割構造によれば、雄型ベアリング部の摩耗等を生じ
てダイス交換を行わなければならない場合は、この雄型
ベアリング部が設けられている中子を交換するだけでよ
く、他の雄型構成部材はそのまま再使用することがで
き、ダイス交換に伴うコストを低くすることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような中子分割構造を採用する場合、中子をどのような
構造によって抜止め状態に保持するかが問題となる。
【0005】即ち、まず最も重要なこととして、押出中
に中子が抜けてしまわないようにしっかりとした安定な
保持状態を形成しうる構造である必要がある。
【0006】そして、次に、中子の装着作業を手間をか
けずに能率的に遂行しうる構造である必要がある。
【0007】更に、そのような保持構造をダイス製作面
において容易でコスト的に有利に遂行しうる構造である
必要がある。
【0008】この発明は、上記のような要請に基づき、
中子を分離独立させた分割構造のダイスにおいて、押出
中に中子が抜けてしまわないようにしっかりとした安定
な保持状態に中子を保持することができ、しかも、中子
の装着作業を手間をかけずに能率的に遂行することがで
き、加えて、そのような保持構造をダイス製作面におい
て容易でコスト的に有利に実現することができる構造の
中空材の押出用ダイスを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的において、第1
の発明は、中空材の中空部を成形するベアリング部を有
する中子と、ブリッジ部に保持されると共に、押出方向
前方に開口する中子保持用孔部を有する中子保持部と、
を有し、中子保持部の押出方向前端部がブリッジ部より
も押出方向前方に突出されて、該中子保持部の前端部が
筒状突出部に形成され、該筒状突出部に押出方向に指向
したスリットが形成されることにより、該筒状突出部が
半径線方向内方に変形しうるようになされ、かつ、該筒
状突出部の内面と、中子保持用孔部に嵌合されて筒状突
出部の内面と対向する中子の外周面とにそれぞれ、凹凸
による抜止め用係合部が設けられ、押出中に筒状突出部
の外周面に作用する押出材料からの圧力により筒状突出
部が半径線方向内方に変形されることによって、抜止め
用係合部同士が係合され、押出方向への中子の抜けが阻
止されるものとなされている中空材の押出用ダイスを要
旨とする。
【0010】また、第2発明は、上記第1発明におい
て、中子の外周面に設けられる抜止め用係合部が環状溝
からなり、筒状突出部の内面に設けられる抜止め用係合
部が、該筒状突出部の内面に所定幅の環状溝が形成され
ることによって、該筒状突出部の先端部の内周縁部に形
成される環状突起からなる中空材の押出用ダイスを要旨
とする。
【0011】
【作用】第1発明では、押出中における中子の抜けは次
のようにして防止される。即ち、中子を中子保持部の保
持用孔部に嵌合した状態で、これを押出に使用すれば、
筒状突出部が押出材料からの圧力を受けて、スリットの
作用により、該筒状突出部が内方に変形され、これによ
って筒状突出部側の係合部が中子側の係合部に係合され
る。この抜止め用係合部同士の係合作用により、押出方
向前方への中子の抜けが確実に防止される。
【0012】しかも、中子の装着作業は、中子を中子保
持部の保持用孔部に嵌合するだけで、あとはこれを押出
に使用すれば、押出中の押出材料からの圧力によって筒
状突出部が変形して係合部同士が係合状態となって自動
的に中子抜止め状態が形成され、従って、中子の組付け
作業も能率的に遂行される。
【0013】加えて、ダイス製作面では、筒状突出部周
壁へのスリットの加工と、筒状突出部内周部及び中子へ
の係合部の加工のみでよく、ダイスの製作が容易に遂行
される。
【0014】第2発明では、中子の外周面に設けられる
抜止め用係合部が環状溝からなるものであることによ
り、中子への抜止め用係合部の加工を容易に遂行するこ
とができる。即ち、中子は、消耗部品たる性格を有し、
従って、その製作を生産性良く、かつコスト的に有利
に、製作しうるものであることが要請されるところ、中
子外周面に溝を加工するだけでよく、生産性、コスト面
においてその要請に答えうる。
【0015】しかも、筒状突出部の内面に設けられる抜
止め用係合部が、該筒状突出部の内面に所定幅の環状溝
が形成されることによって、該筒状突出部の先端部の内
周縁部に形成される環状突起からなるものであることに
より、この環状突起も、環状溝の加工によって形成さ
れ、環状突起の形成も加工上容易に遂行される。
【0016】
【実施例】次に、この発明の実施例を説明する。
【0017】本実施例ダイスは、中空材を複数本同時に
押出する複数本同士押出タイプのダイスに構成されてい
る。そして、押出の対象は、アルミニウム製の円形パイ
プ材である。なお、ダイスは、複数本同時押出タイプで
なく通常の1本押出タイプに構成されてよい。また、押
出の対象も、円形パイプ材に限らず、その他各種横断面
形状、各種金属製の中空材であってよい。
【0018】図1〜図8には実施例にかかるダイスを示
す。本実施例ダイスにおいて、(1)はホルダー用金型
部材、(2)は流れ制御用金型部材、(3)はバッカ
ー、(4)(4)は雄型、(5)(5)は小雌型であ
る。
【0019】雄型(4)において、(7)は中子、
(8)は雄型ホルダーである。
【0020】中子(7)は、超硬合金、セラミックス等
の硬質材にて製作されたもので、図2等に示されるよう
に、長さ方向中間部先端寄りの位置に、押出方向後方に
面した環状の段(9)が設けられ、該環状段(9)を挾
んで押出方向前側が径大な成形凸部(10)に、同環状段
(9)を挾んで押出方向後側が径小な嵌合部(11)に形
成されている。そして、成形凸部(10)の外周面には、
中空材の中空部を成形するベアリング部(12)が設けら
れている。また、径小な嵌合部(11)の外周面には、環
状段(9)に隣接した位置において、環状の係合凹部
(13)が形成されている。また、この中子(7)の軸芯
部には、貫通孔(14)が形成されている。
【0021】雄型ホルダー(8)は、ダイス鋼等の鋼材
にて製作されたもので、図3等に示されるように、円形
の環状ベース部(15)と、中子保持部(16)と、ブリッ
ジ部(17)…とを一体に有する。
【0022】ブリッジ部(17)…は、環状ベース部(1
5)よりも押出方向後方に突出して備えられ、十字状を
なして環状ベース部(15)にわたされている。そして、
この十字状ブリッジ部(17)の中心部に中子保持部(1
6)が保持されされている。この保持状態において、中
子保持部(16)の先端部は、図2ないし図4に示される
ように、環状ベース部(15)よりも押出方向後方に位置
され、かつ、ブリッジ部(17)よりも前方に突出された
状態にされている。
【0023】この中子保持部(16)は、図2に示される
ように、その軸芯部に貫通孔(19)を有し、この貫通孔
(19)内の中央部には、押出方向前方に面した環状段
(20)が設けられ、この環状段(20)を挾んで押出方向
前側が、径大な中子保持用孔部(21)に形成され、この
中子保持用孔部(21)に中子(7)の嵌合部(11)が適
合状態に嵌合されるようになされている。
【0024】環状段(20)は、中子保持用孔部(21)内
における中子(7)の位置決めに供されるもので、この
環状段(20)に中子(7)の後端面が当接されることに
より、中子(7)のベアリング部(12)が、環状ベース
部(15)の押出方向後端面近傍の所定の位置に位置設定
されるようになされている。
【0025】また、中子保持部(16)に形成されている
上記保持用孔部(21)により、中子保持部(16)の先端
部は、ブリッジ部(17)よりも前方に突出した筒状突出
部(22)に形成されている。
【0026】この筒状突出部(22)の内周面には、図4
及び図5に示されるように、所定幅の環状溝(23)が形
成され、該環状溝(23)の形成により、該筒状突出部
(22)の先端内周部に、環状の係合凸部(24)が形成さ
れている。
【0027】そして、該筒状突出部(22)の周壁には、
その先端から押出方向後方に向かうスリット(25)…が
複数本、例えば4本、周方向に等間隔的に、切込み形成
され、押出中に筒状突出部(22)の外周面に受ける押出
材料からの圧力によって、該筒状突出部(22)の先端部
が内方に変形され、環状係合凸部(24)が内方に変位さ
れるようになされている。
【0028】この筒状突出部(22)の先端面(26)は、
図5に示されるように、中子(7)の組付け状態におい
て、中子(7)の環状段(9)と近接状態に対向される
ようになされており、そのため、内方への筒状突出部
(22)の変形時に、該先端面(26)が中子(7)の環状
段(9)に対しひっかかりを生じることがありうること
から、該筒状突出部(22)の先端面(26)は、半径線方
向外方に向けて押出方向後方に若干角度、傾斜して形成
されている。
【0029】また、図2及び図8に示されるように、中
子保持部(16)の貫通孔(19)において環状段(20)を
挾んで押出方向後側は、ポンチ等の工具を挿入する工具
挿入用孔部(27)であり、その直径が、中子(7)の貫
通孔(14)の直径よりも大きく設計されて、中子(7)
を中子保持用孔部(21)に嵌合配置した状態で、中子
(7)の後端面の内周側の周端部がこの径小なポンチ抜
き孔部(27)内に面するようにされ、この面(28)が、
ポンチ等の工具(29)の打ち面となるようにされてい
る。
【0030】小雌型(5)は、超硬合金、セラミックス
等の硬質材にて製作されたもので、図2及び図3に示さ
れるように、短円柱状をなす。その高さは雄型ホルダー
(8)の環状ベース部(15)と同じ高さで、かつ、環状
ベース部(15)内に適合状態に嵌合される外周サイズを
有するものに形成されている。そして、この小雌型
(5)の軸芯部には、押出方向後端面位置において、中
空材の外周部を成形する成形孔ベアリング部(30)が形
成されると共に、該成形孔ベアリング部(30)に連通し
てレリーフ孔部(31)が形成されている。
【0031】なお、(35)は蓋体であり、雄型ホルダー
(8)の中子保持部(16)の工具挿入孔部(27)内に後
方より挿入配置されて、押出中、押出材料が中子保持部
(16)の貫通孔(19)内に侵入するのを防ぐ。
【0032】ホールド用金型部材(1)は、雌雄両型を
2組保持するもので、ダイス鋼等の鋼材にて大型円盤状
に製作され、図1、図2及び図6(ロ)に示されるよう
に、対応する2つの円形ホールド孔(32)(32)が隣り
合って貫通状態に設けられている。このホールド孔(3
2)の軸線方向中間部には、押出方向前方に面した環状
の段(33)が形成され、該ホールド孔(32)内に配置さ
れる雄型ホルダー(4)の環状ベース部(15)の押出方
向後端面周縁部がこの環状段(33)に当接されて両者間
に材料洩れ防止用のシールが形成されるようになされて
いる。このホールド状態において、雄型ホルダー(8)
の環状ベース部(7)の前端面がホールド用金型部材
(1)の押出方向前端面に略面一になるようなされてい
る一方で、同雄型ホルダー(8)のブリッジ部(17)は
ホールド用金型部材(1)から押出方向後方に突出され
た状態となるようにされている。なお、このホールド用
金型部材(1)の後面周縁部には、流れ制御用金型部材
(2)を芯合わせ状態に嵌合させる環状の凸段部(34)
が形成されている。
【0033】流れ制御用金型部材(2)は、ダイス鋼等
の鋼材によって製作された大型円盤状の金型部材で、コ
ンテナなどからの押出材料の流れを調整する。そして、
図6(イ)に示されるように、片側に4つづつ、合計8
つの相独立した材料流通孔(37)…がブリッジ部(36)
…に分断されて設けられ、これらブリッジ部(36)…が
雄型ホルダー(8)のブリッジ部(17)…と対応して位
置されるようになされている。そして、この流れ制御用
金型部材(2)の押出方向前面には、各雄型ホルダー
(8)(8)の位置に対応して、収容凹部(38)(38)
が設けられ、流れ制御用金型部材(2)をホールド用金
型部材(1)の後部に組合わせた状態で、各収容凹部
(38)(38)内に雄型ホルダー(8)のブリッジ部(1
7)が所定の隙間をおいて流れ制御用金型部材(2)と
非接触状態を保持して収容されるものとなされている。
【0034】なお、流れ制御用金型部材(2)の前面周
縁部には、その全周にわたって環状の嵌合凹段部(39)
が設けられ、ホールド用金型部材(1)の凸段部(34)
と嵌合されて、両金型部材(1)(2)同士が芯合わせ
状態に組み合わされるようになされている。
【0035】バッカー(3)は、ダイス鋼等の鋼材にて
製作されたもので、小雌型(5)(5)の外周サイズよ
りも小さなレリーフ孔(40)が成形隙間(44)と同芯状
態となるように設けられ、ホールド用金型部材(1)の
押出方向前側に組み付けられた状態で、押出中、中空材
の前方移行を許容しながら、雄型ホルダー(8)と小雌
型(5)とを前方側から支えるように機能する。そし
て、図1、図2及び図7に示されるように、レリーフ孔
(40)(40)の周囲には、雄型ホルダー(8)(8)の
ノックピン孔(41)…と同芯状態にノックピン孔(42)
…が形成され、雄型ホルダー(8)の環状ベース部(1
5)がノックピン(43)にてバッカー(3)に位置決め
状態に連接されるようになされている。
【0036】ダイスは、上記各ダイス構成部材が、次の
ように組み合わされて構成されている。即ち、中子
(7)の嵌合部(11)が、雄型ホルダー(8)の中子保
持部(16)の保持用孔部(21)内に押出方向前方側から
嵌合され、該中子(7)の後端面が環状段(20)に当接
されている。また、小雌型(5)は、その成形孔ベアリ
ング部(30)を押出方向後方側に位置させた状態で、雄
型ホルダー(8)の環状ベース部(15)内に嵌合されて
組み込まれている。そして、焼嵌めにより、中子(7)
と小雌型(5)とが雄型ホルダー(8)と一体化されて
いる。これにより、小雌型(5)の成形孔ベアリング部
(30)は、環状ベース部(15)の押出方向後端面位置に
位置され、中子(7)のベアリング部(12)は、成形孔
ベアリング部(30)内に配置され、中子ベアリング部
(12)と成形孔ベアリング部(30)との間に成形隙間
(44)が、環状ベース部(15)の押出方向後端面位置に
形成される。そして、これがもう一つ組み立てられ、こ
れらがホルダー用金型部材(1)のホールド孔部(32)
(32)内に配置され、該ホルダー用金型部材(1)が、
流れ制御用金型部材(2)、バッカー(3)と組み合わ
されている。
【0037】押出は、このようにして組立てられて構成
されたダイスを、例えば、押出機コンテナの前側にセッ
トし、押出機を作動し、ステムにてコンテナ内のアルミ
ニウムビレットに押出圧力を付与することにより行う。
この押出中、押出材料は、ブリッジ部(17)…にて分断
されてから、該ブリッジ部(17)を通過し合流圧着され
た状態で、雄型ホルダー(8)の筒状突出部(22)の外
周面に沿って流れていき、それから成形隙間(44)を通
過し、円形のパイプ材となって前方に押出されていく。
【0038】この押出時に、筒状突出部(22)は、図5
に示されるように、この押出材料からの圧力を受けて、
スリット(25)…の作用により、半径線方向内方に変位
され、係合凸部(24)が中子(7)の係合凹部(13)内
に突出されて係合状態が形成され、中子(7)は、雄型
ホルダー(8)の中子保持部(16)に抜止め状態に保持
される。
【0039】押出によって中子(7)のベアリング(1
2)に摩耗等を生じてダイス交換を要する場合には、中
子(7)を交換する。即ち、ホルダー用金型部材(1)
から雄型ホルダー(8)を取り出した状態にするなどし
て、該雄型ホルダー(8)から蓋材(35)をとり、図8
に示されるように、ポンチ等の工具(29)を、後方よ
り、雄型ホルダー(8)の工具挿入用孔部(27)に挿入
していき、工具(29)の先端部を中子(7)の後端面の
打ち面(28)に当て、該工具(29)を通じて中子(7)
の後端面を打つ。これにより、中子(7)が前方に取り
出される。
【0040】以上の説明のように、上記実施例ダイスで
は、中子抜止め手段として、上記のような押圧・係合作
用による抜止め構造が採用され、筒状突出部(22)の外
周面が押出材料からの押圧を受けて内方に変形し、係合
凸部(24)が中子(7)側の係合凹部(13)に嵌合され
て、中子(7)が押出中に抜止め状態に保持されるよう
になされているから、押出中における中子(7)の抜け
を確実に防止することができる。
【0041】しかも、このような中子抜止め構造の採用
により、中子(7)を雄型ホルダー(8)の中子保持部
(16)の保持用孔部(21)に嵌合するだけで、あとはこ
れを押出に使用すれば、押出材料からの圧力によって自
動的に中子抜止め状態が形成され、雄型ホルダー(8)
への中子(7)の組付け作業も簡易かつ容易に遂行する
ことができる。
【0042】しかも、このような中子抜止め構造の採用
により、そのための加工は、筒状突出部(22)の周壁へ
のスリット(25)…の加工と、筒状突出部(22)の内周
部及び中子(7)への係合部(13)(24)の加工のみで
よく、製作容易にかつコスト的にも有利に、上記のよう
な中子抜止め構造を形成、付加することができる。
【0043】特に、筒状突出部(22)への環状係合凸部
(24)の形成が、該筒状突出部(22)の内周部への環状
溝(23)の加工によってなされているから、環状係合凸
部(24)の形成を容易に行うことができる。
【0044】しかも、いずれも環状に形成された係合部
(13)(24)同士を嵌合して抜止めを行う構造となされ
ているから、しっかりとした安定な抜止め状態を形成す
ることができる。
【0045】また、上記実施例ダイスでは、小雌型
(5)が、雄型ホルダー(8)の環状ベース部(15)内
に嵌合されて組み込まれた構造であるから、中子(7)
と小雌型成形孔(30)との芯合わせのための嵌合位置
が、雄型ホルダー(8)の環状ベース部(15)の内周面
位置となって、芯合わせ嵌合位置が成形隙間(44)の位
置に近くなり、そのため、押出中にダイス後方から作用
する押出圧力によってダイスに撓みを生じたような場合
でも、中子(7)と成形孔(30)との芯合い状態のずれ
が抑制され、偏肉等の少ない寸法精度の高い中空材を押
出加工することができる。
【0046】特に、上記のような複数本同時押出タイプ
のように、偏心状態に成形隙間(44)が設けられること
となる場合には、ダイスの撓みによる中子(7)と成形
孔(30)との芯合い状態のずれを効果的に抑制し得て、
偏肉等のない寸法精度の高い中空材を生産性良く押出加
工することができる。
【0047】更に、雌型として小雌型(5)が採用さ
れ、これが雄型ホルダー(8)の環状ベース部(15)内
に組み込まれた構造となされて、成形隙間(44)が環状
ベース部(15)の押出方向後端面位置ないしはその近傍
位置に設定されているから、押出材料との接触面積が上
記した従来のポートホールダイスの場合よりも減少され
て、押出材料とダイスとの摩擦力が減少され、従来より
も低い押出圧力にて押出を遂行することができるなどの
効果も発揮される。
【0048】しかも、環状ベース部(15)とブリッジ部
(17)と中子保持部(16)とを一体に有する雄型ホルダ
ー(8)において、その中子保持部(16)に中子(7)
が嵌合されると共に、同雄型ホルダー(8)の環状ベー
ス部(15)内に小雌型(5)が嵌合された構造、即ち、
一体品(9)に、中子(7)と小雌型(5)のための両
嵌合保持部(21)(15a )が設けられた構造であるか
ら、両嵌合保持部(21)(15a )を、高い芯合い精度に
おいて加工形成することができ、従って、このような各
保持部(21)(15a )のそれぞれに中子(7)、小雌型
(5)が嵌合されることで、中子(7)と小雌型(5)
とが芯合わせ精度高く雄型ホルダー(8)に嵌合され、
偏肉等のない高い寸法精度の中空材を押出加工すること
ができる。
【0049】加えて、中子(7)と小雌型(5)とはそ
れぞれ雄型ホルダー(8)の各嵌合保持部(21)(15a
)内で焼嵌めにより雄型ホルダー(8)と一体化され
ているから、中子(7)と小雌型(5)とがそれぞれ雄
型ホルダー(8)と芯合い精度高く組合わされ、中子
(7)と成形孔(30)との芯合い精度を向上し得て、偏
肉等の少ない寸法精度の高い中空材を押出加工すること
ができる。
【0050】更に、中子保持部(16)に押出方向に指向
した貫通孔(19)が形成され、この貫通孔(19)内に押
出方向前方に面した環状の中間段(20)が設けられて、
該環状段(20)を挾んで押出方向前半部が中子保持用孔
部(21)に形成されると共に、押出方向後半部が径小な
孔部(27)に形成され、中子(7)の後端面が環状段
(20)に当接された状態で、中子(7)の後端面の一部
がポンチ等の打ち面(28)として径小孔部(27)内に面
するようになされているから、中子組付け時には、中子
(7)の後端面を環状段(20)に当接させて中子(7)
の位置決めを行うことができると共に、中子(7)の取
出し時には、蓋材(35)をとって後方からポンチ等の工
具(29)を差し込み、該工具(29)をたたく等すること
で、容易に中子(7)を取り出すことができ、中子取出
し作業を効率的に遂行することができる。
【0051】
【発明の効果】上述の次第で、第1発明の押出用ダイス
は、中空材の中空部を成形する中子を独立部品として有
する分割構造の雄型を備えたダイスにおいて、該中子の
抜止め保持構造として、中子側の係合部と、筒状突出部
側の係合部とを、押出中の押出材料からの押圧にて筒状
突出部を内方に変形させることによって、係合させる構
造を採用したものであるから、押出中に中子が抜けてし
まわないようにしっかりとした安定な保持状態に中子を
保持することができる。
【0052】しかも、中子の装着作業は、中子を中子保
持部の保持用孔部に嵌合するだけで、あとはこれを押出
に使用すれば、押出中の押出材料からの圧力によって筒
状突出部が変形して係合部同士が係合状態となって自動
的に中子抜止め状態が形成され、従って、中子の装着作
業を手間をかけずに能率的に遂行することができる。
【0053】加えて、ダイス製作面では、筒状突出部周
壁へのスリットの加工と、筒状突出部内周部及び中子へ
の係合部の加工のみでよく、ダイスの製作を容易に、か
つコスト的に有利に遂行することができる。
【0054】また、第2発明の押出ダイスは、中子の外
周面に設けられる抜止め用係合部が環状溝からなるもの
であるから、中子への抜止め用係合部の加工としては、
環状溝を形成するだけでよく、中子側への係合部の加工
形成を容易に遂行することができる。特に、消耗部品た
る性格を有する中子において、このような加工容易性
は、生産性の面、コスト面等においての有利性を発揮す
ることができる。
【0055】しかも、筒状突出部の内面に設けられる抜
止め用係合部が、該筒状突出部の内面に所定幅の環状溝
が形成されることによって、該筒状突出部の先端部の内
周縁部に形成される環状突起からなるものであるから、
この環状突起の形成も、環状溝の加工形成によって行う
ことができ、容易に筒状突出部側の係合部を形成するこ
とができる。
【0056】更に、このようにいずれも環状に形成され
た溝と突起とを係合させて中子を抜止め状態にするもの
であるから、しっかりとした安定な中子抜止め状態を実
現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例にかかる押出ダイスの全体断面図で
ある。
【図2】同ダイスの要部拡大断面図である。
【図3】雄型ホルダー、中子、小雌型等を分離状態にし
て示す斜視図である。
【図4】雄型ホルダーの筒状突出部から中子を分離状態
に離して示す斜視図である。
【図5】中子と筒状突出部との係合動作を示す拡大断面
図である。
【図6】図(イ)は流れ制御用金型部材を示すもので、
図1のI−I線矢視図、図(ロ)はホルダー用金型部材
を示すもので、図1のII−II線矢視図である。
【図7】バッカーを示すもので、図1のIII−III
線矢視図である。
【図8】中子の取出し方法を示す断面図である。
【符号の説明】
7…中子 13…環状係合凹部 16…中子保持部 17…ブリッジ部 21…保持用孔部 22…筒状突出部 24…環状係合凸部 25…スリット

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空材の中空部を成形するベアリング部
    を有する中子と、 ブリッジ部に保持されると共に、押出方向前方に開口す
    る中子保持用孔部を有する中子保持部と、 を有し、 中子保持部の押出方向前端部がブリッジ部よりも押出方
    向前方に突出されて、該中子保持部の前端部が筒状突出
    部に形成され、 該筒状突出部に押出方向に指向したスリットが形成され
    ることにより、該筒状突出部が半径線方向内方に変形し
    うるようになされ、かつ、 該筒状突出部の内面と、中子保持用孔部に嵌合されて筒
    状突出部の内面と対向する中子の外周面とにそれぞれ、
    凹凸による抜止め用係合部が設けられ、 押出中に筒状突出部の外周面に作用する押出材料からの
    圧力により筒状突出部が半径線方向内方に変形されるこ
    とによって、抜止め用係合部同士が係合され、押出方向
    への中子の抜けが阻止されるものとなされている中空材
    の押出用ダイス。
  2. 【請求項2】 中子の外周面に設けられる抜止め用係合
    部が環状溝からなり、 筒状突出部の内面に設けられる抜止め用係合部が、該筒
    状突出部の内面に所定幅の環状溝が形成されることによ
    って、該筒状突出部の先端部の内周縁部に形成される環
    状突起からなる請求項1に記載の中空材の押出用ダイ
    ス。
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