JP2563781B2 - 化合物半導体薄膜の製造方法 - Google Patents

化合物半導体薄膜の製造方法

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JP2563781B2 JP23826786A JP23826786A JP2563781B2 JP 2563781 B2 JP2563781 B2 JP 2563781B2 JP 23826786 A JP23826786 A JP 23826786A JP 23826786 A JP23826786 A JP 23826786A JP 2563781 B2 JP2563781 B2 JP 2563781B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は発光素子、受光素子等の光デバイスに用いら
れる化合物半導体薄膜の製造方法に関する。
〔従来の技術〕
現在、半導体発光素子等の材料としてはGaAs、GaPに
代表されるIII−V族化合物及びそれらの混晶が主に用
いられている。それを材料に用いた発光素子は、発光ダ
イオードは赤外域より純緑色まで(波長1.55μm〜555n
m)、半導体レーザは赤外域より赤色付近まで(波長1.5
5μm〜780nm)のものが実用化されている。これらのデ
バイスは、ディスプレイ用、通信用、光ディスクの光源
等様々な分野に応用されている。しかし、発光ダイオー
ドの場合555nm、半導体レーザの場合780nmより短波長の
発光素子は、現在まだ実用化されていない。それは材料
からの制約によるもので、III−V族化合物を用いる以
上、短波長化には限界がある。例えば、間接遷移型のGa
Pでも、エネルギーギャップ(Eg)は2.25eVで、551nmの
発光波長しか得られない。
II−VI族化合物はバンドギャップの広い、直接遷移型
の物質であり、それを用いることにより短波長の発光素
子の実現が期待できる。しかし、II−VI族化合物はIII
−V族化合物に比べイオン性が強い為に自己補償効果が
顕著であり、通常1つの電導型しか得られない。例えば
ZnS、ZnSeではn型が、ZnTeではP型の電導型しか得ら
れていない。物質によってどちらの電導型が得られるか
は、その構成元素の蒸気圧によって決まる。第5図に、
代表的なII−VI族化合物の構成元素の蒸気圧の温度依存
性を示す。第5図の温度範囲で、PΣs89>PΣse90>P
cd91>Pzn92>PTe2 93であることがわかる。ここで、P
Σs89、PΣse90、Pcd91、Pzn92、PTe2 93はそれぞれ、
S成分、Se成分、Cd、Zn、Te2の蒸気圧を示す。これら
のII族元素とVI族元素を組み合わせることによって得ら
れるII−VI族化合物は、蒸気圧の高い成分元素の空孔
(Vacancy)を含む。そして、II族元素の空孔を含む時
はP型の、VI族元素の空孔を含む時はn型の電導型にな
る。
従って、通常の成長方法ではII−VI族化合物の化学量
論的組成(ストイキオメトリ)の制御は極めて困難であ
り、両電導型は得られないことになる。その為、従来は
例えば、特開昭60−207387の様に、成分元素の蒸気圧を
制御することにより空孔の発生を制御する方法などが用
いられてきた。しかし、この従来例で用いられている製
造法では量産性、再現性に乏しく、量産性に富むMOVPE
法等によるストイキオメトリ制御の実現が切望されてい
る。
III−V族化合物のMOVPE法による製造の場合、例えば
J,Cryst,Grow.55、(1981)10−23の様に、V族元素の
供給量をIII族元素の供給量よりずっと大きくすること
により、V族元素の空孔の発生を抑えることが可能であ
る。しかし、II−VI族化合物のMOVPE法による製造の場
合、例えば第18回インターナショナル コンファレンス
オン ソリッド ステート デバイス アンド マテ
リアルP647〜650(THE18TH 1986INTERNATIONAL CONFE
RENCE ON SOLID STATE DEVICES AND MATERIALS
P647−650)の様に、単純にVI族元素の供給量をII族元
素の供給量より大きくするだけでは空孔の発生の制御は
困難であり、両導電型の実現は不可能である。
〔発明が解決しようとする問題点〕 前述の従来技術、特開昭60−207387ではII−VI族化合
物の両電導型の制御を行うことは、量産性、再現性の観
点から困難であると言える。そこで本発明はこのような
問題点を解決するもので、その目的とするところは、II
−VI族化合物の両電導型の制御を再現性良く行なえる量
産性に優れた製造方法を提供するところにある。また本
発明は、III−V族化合物に於いても、空孔の発生の制
御が可能な、量産性、再現性に優れた製造技術である。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明の製造方法は、II族元素原料、VI族元素原料及
びドーパント元素原料を供給し、MOCVD法により半導体
基板上にII−VI族化合物半導体薄膜を形成する化合物半
導体薄膜の製造方法において、前記II族元素原料、VI族
元素原料及びドーパント元素原料を供給しつつ所定の基
板温度で前記半導体基板上に半導体を成長させる第1の
工程と、前記II族元素原料と前記VI族元素原料のいずれ
か蒸気圧の高い元素原料を供給しつつ前記所定の基板温
度で前記半導体薄膜をアニールする第2の工程とを備
え、前記第1の工程と前記第2の工程とを交互に複数回
繰り返すことを特徴とする。また、前記MOCVD法が有機
金属気相熱分解法(MOVPE法)であることを特徴とす
る。さらに前記第2の工程において、前記ドーパント元
素原料が同時に供給されることを特徴とする。
〔実施例〕
第1図には、本発明で用いるMOVPE装置の構成概略図
を示す。
透明石英ガラス製の横型反応管1の内部にグラファイ
ト製サセプター2がセットされ、基板3が置かれてい
る。グラファイト製サセプター2及び基板3は高周波誘
導加熱コイル4によって加熱される。基板温度は先端を
サセプター内部に埋め込んだ熱電対5によってモニター
される。反応炉1はバルブ6を介して高真空排気系7に
接続されている。また反応ガスはバルブ8を介してロー
タリーポンプ9に接続されており、廃ガス処理装置10に
至る。バルブ8は反応炉1の内部圧力を一定に保つ機能
を有する。
バルブ11〜20は三方バルブで、導入されて来たガスを
メインライン21、22又は廃棄ライン23、24のいずれか一
方へ供給する。メインライン21、22は合流後、反応炉1
へ導入される。廃棄ライン23、24はそれぞれバルブ25、
26を介してロータリーポンプ27に至り、廃ガス処理装置
10へ導入される。バルブ25、26はそれぞれ廃棄ライン2
3、24の内部圧力を調節する機能を有し、廃棄ライン23
及び24の内部圧力がそれぞれメインライン21及び22と等
しくなる様調整する。28はマスフローコントローラで、
ガス流量を精密に制御する。ボンベ29にはキャリアガス
である水素が充填されており、精製器30により高純度化
された後、供給される。バブラー31にはZnソースが充填
されており、恒温槽32により所定の温度に保たれてい
る。Znソースは−20℃付近から室温付近に於ける温度帯
域では液体である為、キャリアガスのバブリングにより
蒸気として供給できる。供給量はバブリングガスの流量
とバブラーの温度により制御できる。バブラー33にはジ
メチルセレンが充填されており、恒温槽34により所定の
温度に保たれている。バブラー35にはドナー用のドーパ
ントとしてトリエチルアルミニウムが充填されており、
恒温槽36により所定の温度に保たれている。バルブ37〜
39は圧力調整機能を有し、バブラー内部にZnソース、ジ
メチルセレン、トリエチルアルミニウムの液面を含むバ
ルブ37〜39より上流側を大気圧に保持する。ボンベ40、
41にはそれぞれ、水素ガスで希釈されたセレン化水素、
アクセプタ用のドーパントとして水素ガスで希釈された
アンモニアガスが充填されており、供給量はマスフロー
コントローラ28により制御される。
以下に詳細な製造手順を述べる。
バルブ12、14、16にはそれぞれZnソース、ジメチルセ
レン、トリエチルアルミニウムの蒸気を含むキャリアガ
スが供給され、バルブ11、13、15にはそれぞれバルブ1
2、14、16と同流量のキャリアガスが供給されている。
またバルブ17、19にはそれぞれセレン化水素、アンモニ
アが供給されており、バルブ18、20にはそれぞれバルブ
17、19と同流量のキャリアガスが供給されている。メイ
ンライン21、22と廃棄ライン23、24にはそれぞれ同流量
の原料希釈用キャリアガスが流れている。メインライン
21、22の内部圧力は、ガス流量とバルブ8によって決ま
る反応炉1の内部圧力に対応した値を示し、廃棄ライン
23、24の内部圧力はバルブ25、26により、それぞれメイ
ンライン21、22の内部圧力と等しく設定れている。バル
ブ11と12、13と14、15と16、17と18、19と20はそれぞれ
対をなして動作させる。即ち、一方がメインラインに接
続している時、他方は廃棄ラインに接続されている。ガ
スの切り換え時には両者を同時に切り換える。この操作
により、反応炉1、メインライン21、22、及び廃棄ライ
ン23、24の内部圧力を一定に保ったまま、原料ガスをメ
インラインと廃棄ラインの間で切り換えることができ
る。ガス切り換えに伴なう反応炉1の内部圧力の変動
は、原料供給比、成長速度のゆらぎを誘発し、成長面内
での組成分布、膜厚分布をもたらすため、極力押さえる
ことが望ましい。
第2図には本発明に係る原料ガスの反応炉1への供給
シーケンス、及び温度シーケンスの一実施例を示す。作
製する薄膜は、NドープZnSe(ZnSe:N)である 第2図に於いて横軸は時間の推移を示している。42、
43、44はそれぞれ、Seソース、Znソース、P型ドーパン
トであるNソースの供給タイミングを示している。45、
46、47は反応炉に原料が供給されている状態を示し、4
8、49、50は原料が供給されていない状態を示してい
る。51は基板の温度推移を示している。TRは室温、TG
成長温度、TEは熱エッチング温度である。
時間ゼロから温度上昇を開始し、基板温度が100℃程
度になった頃にSeソースの供給を開始する。Seソースの
供給の開始が52である。基板温度が熱エッチング温度TE
に達した時から5〜10分間熱エッチングを行う。53が熱
エッチングを行っている時間帯を示し、熱エッチング中
は基板はSe雰囲気にさらされている。熱エッチング後、
温度を成長温度TGに設定し、温度が安定してから反応を
開始する。54はSeソース、Znソース、P型ドーパントで
あるNソースが供給されている時間帯でZnSe:Nが成長す
る時間帯である。55はSeソースのみが供給されている時
間帯がSeソース中でZnSe:Nがアニールされる時間帯であ
る。54のZnSe:Nが成長する時間帯と、55のSeソース中で
ZnSe:Nがアニールされる時間帯を交互に多数回繰り返す
事で、Se空孔を含まないZnSe:Nのエピタキシャル薄膜を
得る事ができる。それは、Seソース中でのアニールによ
り、平衡がSe空孔を含まない方向に移る為である。そし
て所望の膜厚のZnSe:N薄膜を形成後、基板の冷却を開始
する。基板の冷却の開始が56である。基板の冷却中はSe
空孔の発生を抑制する為、Seソースの供給は継続して行
う。そして基板温度が充分下がった時57にてSeソースの
供給を打ち切り、更に充分温度が下がった時、反応を終
了する。
第2図に示した反応シーケンスを第1図に示した反応
装置と対応させると、以下の通りである。
Seソースとしてジメチルセレンを、Znソースとしてジ
メチル亜鉛を、P型のドーパントとしてアンモニアを用
いる反応を例としてあげる。ジメチル亜鉛はバブラー31
内に入っている。
Seソースとしてジメチルセレンを用いる場合、バルブ
14をメインライン21へ、バルブ13を廃棄ライン23へ接続
することで、ジメチルセレンを反応炉の内へ導入でき
る。同様に、バルブ12をメインライン21へ、バルブ11を
廃棄ライン23へ接続することで、ジメチル亜鉛を反応炉
1内へ導入できる。同様に、バルブ19をメインライン22
へ、バルブ20を廃棄ライン24へ接続することで、アンモ
ニアを反応炉1内へ導入できる。
反応を始める場合、まずキャリアガスの水素だけを反
応炉1内へ供給する。すなわち、バルブ11、13、15、1
8、20はメインライン21、22へ、バルブ12、14、16、1
7、19は廃棄ライン23、24へ接続する。そして、キャリ
アガスの水素のみを反応炉1内に供給する状態で、基板
3の加熱を開始する。基板3の温度が100℃程度になっ
た頃に、バルブ13と14を切り換え、ジメチレセレンを反
応炉1内に導入する。ジメチルセレンを供給されたまま
の状態で温度TEで約10分間熱エッチングを行い、その
後、基板温度を成長温度TGに設定し、安定する迄待つ。
温度が安定したところで、バルブ11と12、19と20を切り
換え、ジメチル亜鉛及びアンモニアを反応炉1内に導入
する。その為、基板上にはジメチルセレン、ジメチル亜
鉛、アンモニアが供給されることになり、ZnSe:Nがエピ
タキシャル成長する。所定時間の経過の後、バルブ11と
12、19と20を切り換え、ジメチル亜鉛、アンモニアの反
応炉1内への導入を断つ。その為、基板上にはジメチル
セレンのみが供給されることになり、先に成長したZnS
e:Nのエピタキシャル薄膜は、ジメチルセレンが熱分解
してできるセレン及びセレン化合物の雰囲気中にてアニ
ールされることになる。所定時間の経過後、再びバルブ
11と12、19の20の切り換えを行い、ZnSe:Nのエピタキシ
ャル成長、及びジメチルセレン雰囲気中でのアニールを
繰り返す。所望の膜厚までZnSe:Nをエピタキシャル成長
させた後、ジメチルセレン雰囲気中にて、温度の降下を
始める。基板3の温度が約50℃になったところで、バル
ブ13と14を切り換えて、ジメチルセレンの反応炉1内へ
の供給を断つ。そして、基板温度が室温に到達したとこ
ろで、基板を取り出しを行う。なお、三方バルブ11〜20
の駆動をシーケンサで行なうことにより、上述の成長シ
ーケンスは容易に実施できる。
第2図のシーケンスに従って、具体的には次の様な成
長条件でZnSe:Nのエピタキシャル薄膜の形成を行った。
成長温度:500℃ 反応炉内部圧力:70Torr 基板:GaAs(100)2゜off toward nearlest (110) ジメチル亜鉛供給量:1.5×10-6mol/min ジメチルセレン供給量:3.0×10-6mol/min アンモニア供給量:1.0×10-6mol/min 21、22、23、24に流れる水素流量:各ライン当たり2.5
/min ZnSe:Nが成長する時間帯54:10sec. ZnSe:Nがアニールされる時間帯55:20sec. ZnSe:Nの成長、アニール工程の繰り返し回数:300回 以上の条件により、1.3μmの厚さのZnSe:Nエピタキ
シャル薄膜が得られた。そして、得られた薄膜の電気的
性能を測定することにより、キャリア濃度1018cm-3、比
抵抗0.2Ω・cmのP型ZnSe:Nが製造できたことが確認さ
れた。
また、Znソースとして、ジメチル亜鉛−ジメチルセレ
ン付加化合物を、Seソースとしてセレン化水素を用い、
下記の条件で先と同様にしてZnSe:Nのエピタキシャル薄
膜の形成を行った。
成長温度:350℃ 反応炉内部圧力70Torr 基板:GaAs(100)2゜off toward nearlest (110) ジメチル亜鉛−ジメチルセレン付加化合物の供給量:1.5
×10-6mol/min セレン化水素供給量:3.0×10-6mol/min アンモニア供給量:5.0×10-6mol/min 21、22、23、24に流れる水素流量:各ライン当たり2.5
/min ZnSe:Nが成長する時間帯54:10sec ZnSe:Nがアニールされる時間帯55:20sec ZnSe:Nの成長、アニール工程の繰り返し回数:300回 以上の条件により、1.4μmの厚さのZnSe:Nエピタキ
シャル薄膜が得られた。そして、得られた薄膜の電気的
特性を測定することにより、キャリア濃度2×1018c
m-3、比抵抗0.07Ω・cmのP型ZnSe:Nが製造できたこと
が確認された。
なお、本発明に係る製造法に於いては、上述のジメチ
ル亜鉛−ジメチルセレン付加化合物のみならず、表1に
示す、R2Zn、R2S、R2Seの全ての組み合わせによって得
られる付加化合物を用いても、同様の特性を用するZnS
e:N薄膜を形成することができた。
また、Znソースとして、(CH32Zn、(C2H52Znを
用いても同様であった。
本発明による製造法でn型GaAs上にn型ZnSe:Cl、P
型ZnSe:Nを形成し、n型GaAsにAu−Geを、P型ZnSe:Nに
Inを蒸着、アニールして素子を形成した。得られた素子
は、室温で青色EL発光し、その波長は464nmであった。
第3図には本発明に係る原料ガスの反応炉1への供給
シーケンス、及び温度シーケンスの一実施例を示す。作
製するものは、P型ZnSe:Asである。
第3図に於いて横軸は時間の推移を示している。58、
59、60はそれぞれ、Seソース、Znソース、P型ドーパン
トであるAsソースの供給タイミングを示している。61、
62、63は反応炉に原料が供給されている状態を示し、6
4、65、66は原料が供給されていない状態を示してい
る。67は基板の温度推移を示している。TRは室温、TG
成長温度、TEは熱エッチング温度である。68はAsソース
の供給濃度を切り換えるタイミングを示し、68以前では
熱エッチング用の、68以降ドーピング用のAsソースの供
給量である。
時間ゼロから温度上昇を開始し、基板温度が100℃程
度になった頃にAsソースの供給を開始する。Asソースの
供給の開始が69である。基板温度が熱エッチング温度TE
に達した時から5〜10分間熱エッチングを行う。70が熱
エッチングを行っている時間帯を示し、熱エッチング中
は基板はAs雰囲気にさらされている。熱エッチング後、
温度が成長温度TGに設定し、Asソースの供給量を、熱エ
ッチング時の濃度からAsドーピング時の濃度になるよう
変更する。そのタイミングが68である。また、その時Se
ソースの供給を開始する。そのタイミングが71である。
温度及び原料の供給量が安定した時点で反応を開始す
る。72はSeソース、Znソース、P型ドーパトであるNソ
ースが供給されている時間帯でZnSe:Asが成長する時間
帯である。73はSeソース及びAsソースが供給されている
時間帯で、Se及びAsを含む雰囲気中でZnSe:Asがアニー
ルされる時間帯である。72のZnSe:Asが成長する時間帯
と、73のSe及びAsを含む雰囲気中でZnSe:Asがアニール
される時間帯を交互に多数回繰り返す事で、Se空孔を含
まないZnSe:Asのエピタキシャル薄膜を得る事ができ
る。そして所望の膜厚のZnSe:As薄膜を形成後、基板の
冷却を開始する。基板の冷却の開始が74である。基板の
冷却中はSe空孔、As空孔の発生を抑制する為、Seソース
とAsソースの供給は継続して行う。そして基板温度が充
分下がった時75にてSeソース及びAsソースの供給を打ち
切り、更に充分温度が下がった時、工程を終了する。具
体的には、先の実施例と同様の条件、工程により行う。
第4図は、本発明の実施例における化合物半導体薄膜
の製造装置の構造概略図である。
第4図は第1図に示した製造装置と異なり、ガスの切
り換え操作無しに、本発明の製造方法を行うことが可能
である。
石英ガラス製反応管76の上部に、気体A77を導入する
為の導入管78及び気体B79を導入する為の導入管80が設
置されている。また、気体B79を反応管76内に均一な流
れで導入する為に、ふるい状の気体拡散板81が反応管76
の上部に設置してある。そして反応管76の中心線に沿っ
て、支持棒82が設けられており、支持棒の上部には、Si
Cコーティングされたグラファイトで作られた平板状の
サセプター83が設置されている。サセプター83上には基
板84が置かれていて、基板8は反応管76の中心線からず
れた位置で導入管78の中心線の垂下にあたる位置に設定
されている。サセプター83及び基板84は、反応管76の外
部に設置された高周波誘導コイル85に高周波を印加する
ことにより加熱される。また、反応炉系全体は支持台86
上に固定され、支持台の一部には廃ガス87を導入する為
の廃ガス導入管88が設けられている。
基板84をのせた状態のサセプター83は、支持棒82を回
転することにより回転を行うことができる。回転を行う
ことにより、基板84は、気体A77と気体B79に交互に接触
する。気体A77として電導型を制御したZnSeを形成する
為の原料を、気体B79としてアニールする為の原料を用
いると、回転を行う事により基板84は、電導型を制御し
たZnSeを形成する状態と、アニールする状態を交互に繰
り返す。したがって、第1図と同様の製造工程を行うこ
とが可能である。
また、アニール時間を短縮する為には、アニールの
際、基板表面を、Xeランプ、メーザー等により照射すれ
ば良い。
また、本発明に係る製造法は、使用原料、製造薄膜の
種類を実施例に述べたものに限定するものではなく、化
合物半導体一般、全てについて応用可能なものである。
同様に、製造方法についても、MOVPE法のみならず、分
子線エピタキシー法(MBE法)、気相成長法(CVD法)等
への応用も可能であることは明らかである。
〔発明の効果〕
以上述べた様に本発明によれば、電導型を制御した化
合物半導体薄膜を形成する工程と、アニールする工程を
交互に多数回繰り返す製造方法を用いることで、従来得
ることができなかった、電導型の制御されたII−VI族化
合物の低抵抗エピタキシャル薄膜の形成が可能になっ
た。これにより、従来得られなかった、高発光効率、高
輝度の短波長発光素子を実現することができた。更に、
III−V族化合物等、他の化合物半導体に於いても、従
来よりもわずかな原料を用いて、再現性良く電導型の制
御を行うことが可能になった。本発明が化合物半導体結
晶の高品質化、短波長発光素子の高性能化に寄与すると
ころ大であると確信する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明で用いるMOVPE装置の構成概略図。 1……透明石英ガラス製の横型反応炉 2……グラファイト製サセプター 3……基板、4……高周波誘導加熱コイル 5……熱電対、6……バルブ 7……高真空排気系、8……バルブ 9……ロータリーポンプ 10……廃ガス処理装置 11…20……三方バルブ 21、22……メインライン 23、24……廃棄ライン 25、26……バルブ 27……ロータリーポンプ 28……マスフローコントローラー 29……水素ボンベ 30……水素精製器 31……Znソースの入ったバブラー 32……恒温槽 33……ジメチルセレンの入ったバブラー 34……恒温槽 35……トリエチルアルミニウムの入ったバブラー 36……恒温槽 37〜39……圧力調整機能を有するバルブ 40……水素ガスで希釈されたセレン化水素の入っている
ボンベ 41……水素ガスで希釈されたアンモニアガスの入ってい
るボンベ 第2図は本発明に係る原料ガスの反応炉への供給シーケ
ンス及び温度シーケンスの一実施例を示す図。 42……Seソースの供給タイミング 43……Znソースの供給タイミング 44……Nソースの供給タイミング 45……Seソースが反応炉に供給されている状態 46……Znソースが反応炉に供給されている状態 47……Nソースが反応炉に供給されている状態 48……Seソースが反応炉に供給されていない状態 49……Znソースが反応炉に供給されていない状態 50……Nソースが反応炉に供給されていない状態 51……基板の温度推移 52……Seソースの供給を開始するタイミング 53……熱エッチングを行っている時間帯 54……ZnSe:Nが成長する時間帯 55……Seソースを含む雰囲気中でZnSe:Nがアニールされ
る時間帯 56……基板の冷却を開始するタイミング 57……Seソースの供給を停止するタイミング 第3図は本発明に係る原料ガスの反応炉への供給シーケ
ンス及び温度シーケンスの一実施例を示す図。 58……Seソースの供給タイミング 59……Znソースの供給タイミング 60……Asソースの供給タイミング 61……Seソースが反応炉に供給されている状態 62……Znソースが反応炉に供給されている状態 63……Asソースが反応炉に供給されている状態 64……Seソースが反応炉に供給されていない状態 65……Znソースが反応炉に供給されていない状態 66……Asソースが反応炉に供給されていない状態 67……基板の温度推移 68……Asソースの供給濃度を切り換えるタイミング 69……Asソースの供給を開始するタイミング 70……熱エッチングを行っている時間帯 71……Seソースの供給を開始するタイミング 72……ZnSe:Asが成長する時間帯 73……Seソース及びAsソースを含む雰囲気中でZnSe:As
がアニールされる時間帯 74……基板の冷却を開始するタイミング 75……Seソース及びAsソースの供給を停止するタイミン
グ 第4図は本発明の実施例における化合物半導体薄膜の製
造装置の構造概略図。 76……透明石英ガラス製反応管 77……気体A 78……気体Aを導入する為の導入管 79……気体B 80……気体Bを導入する為の導入管 81……ふるい状の気体拡散板 82……支持棒 83……SiCでコーティングされたグラファイトで作られ
た平板状のサセプター 84……基板 85……高周波誘導コイル 86……支持台 87……廃ガス 88……廃ガス導入管 第5図は代表的なII−VI族化合物の構成元素の蒸気圧の
温度依存性を示す図。 89……Sの蒸気圧(PΣs) 90……Seの蒸気圧(PΣse) 91……Cdの蒸気圧(Pcd) 92……Znの蒸気圧(Pzn) 93……Teの蒸気圧(PTe2

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】II族元素原料、VI族元素原料及びドーパン
    ト元素原料を供給し、MOCVD法により半導体基板上にII
    −VI族化合物半導体薄膜を形成する化合物半導体薄膜の
    製造方法であって、 前記II族元素原料、VI族元素原料及びドーパント元素原
    料を供給しつつ所定の基板温度で前記半導体基板上に前
    記II−VI族化合物半導体を薄膜成長させる第1の工程
    と、 前記II族元素原料と前記VI族元素原料のいずれか蒸気圧
    の高い元素原料を供給しつつ前記所定の基板温度で前記
    II−VI族化合物半導体薄膜をアニールする第2の工程と
    を備え、 前記第1の工程と前記第2の工程とを交互に複数回繰り
    返すことを特徴とする化合物半導体薄膜の製造方法。
  2. 【請求項2】前記MOCVD法が有機金属気相熱分解法(MOV
    PE法)であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記
    載の化合物半導体薄膜の製造方法。
  3. 【請求項3】前記第2の工程において、前記ドーパント
    元素原料が同時に供給されることを特徴とる特許請求の
    範囲第1項記載の化合物半導体薄膜の製造方法。
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