JP2563101B2 - 重電部品用エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

重電部品用エポキシ樹脂組成物

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JP2563101B2 JP62015588A JP1558887A JP2563101B2 JP 2563101 B2 JP2563101 B2 JP 2563101B2 JP 62015588 A JP62015588 A JP 62015588A JP 1558887 A JP1558887 A JP 1558887A JP 2563101 B2 JP2563101 B2 JP 2563101B2
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Description

【発明の詳細な説明】 （技術分野） この発明は、重電部品用のエポキシ樹脂組成物に関す
るものである。さらに詳しくは、この発明は、気中開閉
器に用いられているSF6ガス等の劣化性物質による劣化
を防止するのに有用な、高耐圧重電部品用樹脂成形材料
を与えるエポキシ樹脂組成物に関するものである。
（背景技術） 気中開閉器などの高耐圧を必要とする重電部品には、
従来エポキシ樹脂成形材料が使用されてきている。ま
た、従来のエポキシ樹脂成形材料には、充填剤としてシ
リカ（SiO2）が使用されてきている。
この充填剤シリカについては、成形材料の機械的強
度、たとえば曲げ強さなどの性能向上に適してはいるも
のの、SF6ガスが使用されている気中開閉器において
は、シリカがこのSF6ガスに侵されて劣化するため、絶
縁不良をおこす危険性がある。
この絶縁不良は、高耐圧を必要とする重電部品にとっ
ては重大な問題であり、このため、従来のシリカに代わ
る無機質充填剤として、機械的特性に優れたエポキシ樹
脂成形材料を与えるとともに、SF6等の劣化性、侵食性
の物質に対しても耐性を有する充填剤と、その充填剤を
用いたエポキシ樹脂組成物の実現が強く望まれていた。
（発明の目的） この発明は、以上の通りの事情を鑑みてなされたもの
であり、従来のシリカを含有するエポキシ樹脂組成物の
問題点を克服した、SF6等の劣化性、侵食性物質に対し
ても優れた耐性を有する、重電部品用の改良されたエポ
キシ樹脂組成物を提供することを目的としている。
（発明の開示） この発明は、上記の目的を実現するために、エポキシ
樹脂組成物の構成成分として、組成物の全体重量に含め
る割合で、 ビスフェノール−Ａ−エポキシ樹脂 15〜40％。
フェノールノボラック樹脂 １〜５％、 イミダゾール系硬化剤 ５％以下、および アルミナまたは水酸化アルミニウム 40〜70％ が含有されていることを特徴とする重電部品用エポキシ
樹脂組成物を提供する。
そして上記のこの発明の組成物には、ステアリン酸、
ステアリン酸亜鉛等の金属石鹸、あるいはワックス等の
離型剤、さらには着色剤、難燃剤なども適宜に配合され
ていてよい。
これらの配分成分からこの発明のエポキシ樹脂組成物
を製造するには、各成分を混合し、熱ロールまたは加圧
ニーダ、あるいはコニーダー、さらには押出機等で混練
後粉砕し、さらに必要に応じて造粒して成形材料とする
ことができる。
配合成分については、上記の通りの特定の組成範囲と
なるようにするが、この発明では、アルミナまたは水酸
化アルミニウムが全体量の40％未満では、エポキシ樹脂
成形材料の耐SF6性が乏しくなり、また、70％を超える
場合には、曲げ強度等の機械的特性が低下するので好ま
しくない。
なお、この発明においては、上記組成成分について
は、市販品の各種のもの等を適宜に使用できることは言
うまでもない。
つぎに実施例を示して、さらにこの発明について詳し
く説明する。もちろん、この発明は、以下の実施例によ
って限定されるものではない。
実施例１ （重量部） （ａ）ビスフェノール−Ａ−エポキシ樹脂 30 （ｂ）フェノールノボラック樹脂 ４ （ｃ）イミダゾール系硬化剤 １ （ｄ）アルミナ（Al2O3） 60 （ｅ）離型剤地 ５ 以上の成分を混練してエポキシ樹脂組成物を製造し
た。得られたエポキシ樹脂組成物について、その成形物
の耐SF6性と曲げ強さとを評価した。耐SF6性は、SF6ガ
ス雰囲気中に樹脂成形体を置き、80〜90℃の温度での20
時間後の絶縁劣化を評価した。その結果を表−１に示し
た。耐SF6性に優れ、しかも曲げ強さもシリカ充填剤を
用いたものと同等であった。
実施例２ 実施例１のアルミナに代えて、同量の水酸化アルミニ
ウム（Al（OH）３）を用いてエポキシ樹脂組成物を製造
した。実施例１と同様に耐SF6性に優れていた。
実施例３ （重量部） （ａ）ビスフェノール−Ａ−エポキシ樹脂 25 （ｂ）フェノールノボラック樹脂 ３ （ｃ）イミダゾール系硬化剤 ２ （ｄ）アルミナ（Al2O3） 65 （ｅ）離型剤地 ５ 以上の成分から、実施例１と同様にエポキシ樹脂組成
物を製造し、耐SF6性と曲げ強さについて評価した。表
−１に示した通り、耐SF6性に優れているとともに、曲
げ強度も実施例１と同等以上に良好であった。
比較例１ 実施例１のアルミナ、実施例２の水酸化アルミニウム
に代えて、従来から用いられているシリカ（SiO2）を同
量使用してエポキシ樹脂組成物を製造した。
表１に示した通り、成形材料にSF6の耐性はなく、劣
化が進んだ。
比較例２〜４ 実施例１〜３に関連し、各成分の配合割合を変更して
対応するエポキシ樹脂組成物を製造した。いずれの場合
にも、表２に示した通り、成形材料の耐SF6性は満足で
きるものではなかった。
（発明の効果） この発明により、以上の通り、機械的強度とともに、
SF6などの劣化性物質に対する耐性に優れたエポキシ樹
脂組成物が実現される。また、この発明によって優れた
特性を有する、高耐圧性が要求される気中開閉器の重電
部品用の樹脂成形材料が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−61452（ＪＰ，Ａ) 特開 昭56−139525（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−276816（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−91218（ＪＰ，Ａ) 特開 昭56−160058（ＪＰ，Ａ) 特開 昭55−29532（ＪＰ，Ａ) 「新エポキシ樹脂」昭和60年５月10 日、（株）昭晃堂発行、垣内弘編著、 Ｐ．28−29、221 429−455 「エポキシ樹脂」昭和54年６月29日、 （株）昭晃堂発行、垣内弘編、Ｐ．140

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】エポキシ樹脂組成物の構成成分として、組
    成物の全体重量に含める割合で、 ビスフェノール−Ａ−エポキシ樹脂 15〜40％。 フェノールノボラック樹脂 １〜５％、 イミダゾール系硬化剤 ５％以下、および アルミナまたは水酸化アルミニウム 40〜70％ が含有されていることを特徴とする重電部品用エポキシ
    樹脂組成物。
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Title
「エポキシ樹脂」昭和５４年６月２９日、（株）昭晃堂発行、垣内弘編、Ｐ．１４０
「新エポキシ樹脂」昭和６０年５月１０日、（株）昭晃堂発行、垣内弘編著、Ｐ．２８−２９、２２１ ４２９−４５５

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