JPH0819330B2 - シリコーンゴム組成物 - Google Patents

シリコーンゴム組成物

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JPH0819330B2
JPH0819330B2 JP2179183A JP17918390A JPH0819330B2 JP H0819330 B2 JPH0819330 B2 JP H0819330B2 JP 2179183 A JP2179183 A JP 2179183A JP 17918390 A JP17918390 A JP 17918390A JP H0819330 B2 JPH0819330 B2 JP H0819330B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はシリコーンゴム組成物、特にはこのものがエ
ポキシ樹脂の付着防止性にすぐれていることから、パイ
プ、シート、異型成形品、電線用などの用途に使用する
ことのできるシリコーンゴム組成物に関するものであ
る。
[従来の技術] シリコーンゴムは耐熱性、電気特性にすぐれており、
難燃性を付与することもできるので、各種分野に広く利
用されており、電線、アノードキャップなどの電気・電
子部品としてもよく使用されている。
他方、電気・電子部品の封止材料としては、他の物質
への接着性がすぐれており、熱的、機械的、電気的性質
もすぐれているということからエポキシ樹脂が汎用され
ているが、このものは封止の際にシリコーンゴム成形品
の上に誤って付着させるとそのまま硬化して樹脂が成形
品から剥がれなくなり、シリコーンゴム成形品の外観を
損なうようになるだけでなく、これによって成形品の電
気絶縁材料としての機能が妨げられるという問題が生じ
る。
[発明が解決しようとする課題] このため、シリコーンゴム組成物あるいはシリコーン
ゴム成形物に関しては他の物質との離型性を改良する目
的において、脂肪酸または脂肪酸金属塩を添加する方法
(特公昭55-19951号、特公昭55-45099号、特開昭57-446
55号、特開昭57-159850号、特開昭57-159851号各公報参
照)、脂肪酸およびそのエステル、金属塩、アミドとポ
リテトラフルオロエチレンとを併用する方法(特開昭57
-44655号、特開昭58-194949号各公報参照)などが提案
されているが、これらの方法はエポキシ樹脂の付着防止
には殆んど効果を示さない。
[課題を解決するための手段] 本発明はこのような問題点を解決したエポキシ樹脂付
着防止性のすぐれたシリコーンゴム組成物に関するもの
であり、これはイ)平均組成式 (ここにR1は同一または異種の非置換または置換1価炭
化水素基、a=1.95〜2.05の正数)で示されるオルガノ
ポリシロキサン100重量部、ロ)微粉状シリカ系充填剤
5〜500重量部、ハ)平均組成式 (ここにb、cはそれぞれb/(b+c)=0.23〜0.27、
b+c=1.95〜2.05である正数)で示される、平均重合
度が10〜20であるオルガノポリシロキサン0.05〜1重量
部、ニ)有機過酸化物0.1〜5重量部、とからなること
を特徴とするものである。
すなわち、本発明者らは上記したイ),ロ),ニ)成
分からなる従来公知のシリコーンゴム組成物に上記した
ハ)成分としてのフェニル基含有オルガノポリシロキサ
ンを添加すると、このシリコーンゴム組成物がエポキシ
樹脂付着防止性のすぐれたものになるということを見出
し、ここに使用する各成分の種類、配合量についての研
究を進めて本発明を完成させた。
以下にこれをさらに詳述する。
[作用] 本発明のシリコーンゴム組成物は公知のシリコーンゴ
ム組成物に上記したハ)成分としてのフェニル基含有オ
ルガノポリシロキサンを添加して、エポキシ樹脂付着防
止性としたものである。
本発明の組成物を構成するイ)成分としてのオルガノ
ポリシロキサンは平均組成式 で示され、R1はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基などのアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニ
ル基、ブタニエル基などのアルケニル基、またはこれら
の基の炭素原子に結合している水素原子の一部または全
部をハロゲン原子、シアノ基などで置換したクロロメチ
ル基、クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピ
ル基、シアノエチル基などから選択される通常炭素数1
〜8の同一または異種の非置換または置換1価炭化水素
基で、好ましくは非置換または置換のアルキル基あるい
はアルケニル基であり、特に好ましくはその95モル%以
上がメチル基とされるものであるか、あるいは95モル%
以上が3,3,3-トリフルオロプロピル基とされるものであ
り、aは1.95〜2.05の正数であるものとされる。このオ
ルガノポリシロキサンは直鎖状であることが好ましく、
分子中に一部分枝鎖状を有するものであってもよいが、
分子鎖末端はトリメチルシリル基、ジメチルビニルシリ
ル基、メチルジビニルシリル基、トリビニルシリル基な
どのようなトリオルガノシリル基または水酸基で封鎖さ
れたものであることが好ましい。なお、このものは重合
度に特に限定はないが、25℃における粘度が300cS以上
のものとすることがよい。
本発明の組成物を構成するロ)成分としての微粉状シ
リカ系充填剤はシリコーンゴムの補強、増粘、加工性向
上、増量などの目的で添加されるものであり、これには
フュームド(乾式)シリカ、湿式シリカ、表面を疎水化
処理した乾式、湿式シリカ、石英微粉末、けいそう土な
どが例示されるが、これらは比表面積が1m2/g以上のも
のとすることがよい。なお、その配合量はイ)成分とし
てのオルガノポリシロキサン100重量部に対して5重量
部未満では目的とする補強性が得られないし、加工性も
不十分となり、500重量部を越えた量とすると型流れ
性、吐出性などの加工性が極端に低下するので、5〜50
0重量部の範囲とすることが必要とされるが、この好ま
しい範囲は10〜300重量部とされる。
また、本発明の組成物を構成するハ)成分としてのフ
ェニル基含有オルガノポリシロキサンはこの組成物にエ
ポキシ樹脂離型性を与えるために添加されるものであ
り、このものは平均組成式が で示されるものとされるが、このものはフェニル基含有
量を示すb/(b+c)値が0.23未満では目的とするエポ
キシ樹脂離型性が得られず、0.27を越えてもそれ以上の
効果が得られず、かえってロール加工性、機械的特性が
劣化するので、これは0.23〜0.27で、b+cが1.95〜2.
95の範囲のものとされるが、このものの平均重合度は10
〜20のものとされる。なお、このハ)成分の配合量は前
記したイ)成分としてのオルガノポリシロキサン100重
量部に対して0.05重量部未満では少なすぎて目的とする
エポキシ離型性が得られず、1重量部を越えた量とする
と離型性においてそれ以上の効果が得られないだけでな
く、成形品表面にこのハ)成分がブリードして外観不
良、異物付着による電気特性の劣化などが生ずるので、
これは0.05〜1.0重量部の範囲とする必要がある。
つぎに本発明の組成物を構成するニ)成分としての有
機過酸化物はシリコーンゴム組成物の硬化剤とされるも
のであり、これはシリコーンゴム組成物の加熱硬化に通
常使用されているものとすればよく、したがってこれに
はベンゾイルパーオキサイド、モノクロロベンゾイルパ
ーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイ
ド、t−ブチルパーベンゾエート、ジクミルパーオキサ
イド、2,5−ビス−(t−ブチルパーオキシ)−2,5−ジ
メチルヘキサン、2,5−ビス−(t−ブチルパーオキ
シ)−2,5−ジメチルヘキシンなどが例示されるが、こ
れらはその1種を単独で用いてもよいし、その2種以上
を併用してもよい。なお、このニ)成分の配合量は通常
使用される公知の範囲とすればよいということから、前
記したイ)成分としてのオルガノポリシロキサン100重
量部に対して0.1〜5重量部の範囲とすればよい。
本発明のシリコーンゴム組成物は上記したイ)〜ニ)
成分の所定量を均一に混合することによって得ることが
できるが、これに分散助剤として重合度が100以下の低
分子量ジメチルシロキサン、シラノール含有シラン、ア
ルコキシ基含有シランなど、酸化鉄、酸化セリウム、オ
クチル酸鉄、酸化チタンなどの耐熱性向上剤、着色のた
めの顔料、白金化合物などの難燃性向上剤、その他通常
のシリコーンゴム組成物に添加される添加剤などを、用
途に応じて適宜配合することは任意とされる。
このようにして得られたシリコーンゴム組成物は圧縮
成形、押出成形、カレンダー成形、トラスファー成形、
射出成形などの一般のゴム成形法でパイプ、シート、異
型成形品、電線などの所望の形状に成形することがで
き、このものはついで常法にしたがって加硫を行ない架
橋硬化させることによってシリコーンゴム成形品とする
ことができるが、このシリコーンゴム成形品はハ)成分
としてのフェニル基含有オルガノポリシロキサンが添加
されていることからエポキシ樹脂付着が防止されるし、
これはシリコーンゴムのもつ耐熱性、電気特性を保持し
たものとなるので、電線、アノードキャップなどのよう
な電気・電子部品として有用とされる。
[実施例] つぎに本発明の実施例、比較例をあげるが、例中の部
は重量部を、また粘度は25℃での測定値を示したもので
あり、例中におけるエポキシ樹脂剥離試験は下記により
行なったものである。
(エポキシ樹脂剥離試験) シリコーンゴム組成物を150℃で6分間加圧成形して
厚さ2mmのシートとし、所定のポストキュアを行なった
ものを試験シートとする。
また、エポキシ樹脂・XN1076[長瀬チバ(株)製、商
品名]100gに硬化剤・XN1077[同社製、商品名]35gを
均一に混合したのち脱泡してエポキシ樹脂組成物を作
る。
ついで、この試験シート上に上記で調製したエポキシ
樹脂組成物0.05gを滴下し、70℃で2時間さらに105℃で
2時間加熱してこのエポキシ樹脂を硬化させたのち、こ
の樹脂のはがれ易さを測定し、この剥離性を下記により
判定した。
○…容易に剥れる。
△…ゴムが樹脂に少し付着してはがれる。
×…ゴムと樹脂が密着している。
実施例、比較例 分子鎖両末端がジメチルビニルシリル基で封鎖されて
いる、(CH3)2SiO単位99.875モル%と(CH2=CH)(C
H3)SiO単位0.125モル%とからなる、粘度が10,000,000
cSのオルガノポリシロキサン100部に、比表面積が200m2
/gであるヒュームドシリカ・A200[日本アエロジル
(株)製、商品名]25部、石英微粉末・クリスタライト
V×S[(株)龍森製、商品名]60部、分散剤としての
両末端ヒドロキシ低分子ジメチルポリシロキサン8部、
二酸化チタン・P-25[日本アエロジル(株)製、商品
名]10部および第1表に示した量のけい素原子に結合し
た全置換基の25モル%がフェニル基であり、粘度が450c
S(平均重合度20)である直鎖状のフェニルメチルポリ
シロキサンを添加し、均一に混練りしてベースコンパウ
ンドを作った。
ついで、このベースコンパウンド100部に加硫剤とし
てのジクミルパーオキサイド・バークミルD-40[日本油
脂(株)製、商品名]1.0部を加え、2本ロールで混練
りしてシリコーンゴム組成物を作り、このシリコーンゴ
ム組成物についてエポキシ樹脂剥離試験を行なうと共
に、この組成物を165℃で10分間加圧成形して試験シー
トを作り、これにもとづいてJIS K-6301によりその機
械的特性を、またJIS C-2123に準じてその電気特性を
測定したところ、第1表に示したとおりの結果が得られ
た(実施例1,2)。
しかし、比較のために上記におけるフェニルメチルポ
リシロキサンを全く添加しないもの(比較例1)、この
フェニルメチルポリシロキサンを2.0部添加したもの
(比較例2)、フェニルメチルポリシロキサンの代わり
にステアリン酸亜鉛を0.1部添加したもの(比較例3)
を上記と同様に処理して得たシリコーンゴム組成物につ
いてそのエポキシ樹脂剥離性、機械的特性、電気的特性
をしらべたところ、第1表に併記したとおりの結果が得
られた。
[発明の効果] 本発明はエポキシ樹脂付着防止性のすぐれたシリコー
ンゴム組成物に関するもので、これは前記したように
イ)オルガノポリシロキサン、ロ)微粉状シリカ系充填
剤、ハ)フェニル基含有オルガノポリシロキサン、ニ)
有機過酸化物とからなるものであるが、これによればこ
のイ),ロ),ニ)成分からなる公知のシリコーンゴム
組成物にハ)成分としてのフェニル基含有オルガノポリ
シロキサンが所定量添加されていることから、この組成
物から作られるシリコーンゴム成形品がエポキシ樹脂付
着防止性のすぐれたものとなり、これはまた当然耐熱
性、電気的特性のすぐれたものとなるので、エポキシ樹
脂封止を伴なう電気部品用シリコーンゴム成形品用とし
て有用とされるし、これはまた電線、アノードキャップ
などとしても有用とされるという工業的な有利性をもつ
ものになる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−190254(JP,A) 特開 昭56−2349(JP,A) 特開 昭51−50353(JP,A) 特開 平4−7362(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イ)平均組成式 (ここにR1は同一または異種の非置換または置換の1価
    炭化水素基、a=1.95〜2.05の正数)で示されるオルガ
    ノポリシロキサン 100重量部、 ロ)微粉状シリカ系充填剤 5〜500重量部、 ハ)平均組成式 (ここにb、cはそれぞれb/(b+c)=0.23〜0.27、
    b+c=1.95〜2.05である正数)で示される、平均重合
    度が10〜20であるオルガノポリシロキサン0.05〜1重量
    部、 ニ)有機過酸化物 0.1〜5重量部 とからなることを特徴とする電線用またはアノードキャ
    ップ用シリコーンゴム組成物。
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