JP3384466B2 - 耐熱性に優れるフェノール樹脂組成物 - Google Patents

耐熱性に優れるフェノール樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性に優れたフェノ
ール樹脂組成物及びそれを用いた成形材料に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】フェノール樹脂成形材料は、耐熱性、寸
法安定性、成形性等に優れ、自動車、電気、電子等の基
幹産業分野で長期にわたり使用されてきている。特に、
最近では、自動車分野をはじめとする各種金属部品の代
替え材料としての用途が開け、使用量は益々拡大してき
ている。しかしながら、要求される耐熱温度水準の上昇
に伴ない、従来のフェノール樹脂では使用に耐えない事
例が見られるようになった。
【0003】これを改良する手段として、成形品の架橋
密度向上を意図してべーキング処理をしたり、例えば特
開昭60−35047号公報や特開平2−55203号
公報のようにフェノール性OH基の少ない構造のノボラ
ック型フェノール樹脂が開発されているが、成形性(特
に硬化性)に問題があったり、あるいは耐熱性について
も限界があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のフェ
ノール樹脂組成物あるいはフェノール樹脂成形材料のこ
のような問題点を解決するために種々の検討の結果なさ
れたもので、その目的とするところは、成形加工性を低
下させることなく、耐熱経時特性優れ、特に長期耐熱表
面劣化に優れたフェノール樹脂組成物及び成形材料を提
供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、ベンゼン、フ
ェノール及び多環芳香族を骨格に有する下記の化学式
(1)及び又は(2)を基本骨格に有するフェノール系
樹脂100重量部に、ランダムノボラック型フェノール
樹脂20〜100重量部、ヘキサメチレンテトラミン2
0〜80重量部、及び酢酸ビニル樹脂15〜30重量部
を配合してなることを特徴とする耐熱性フェノール樹脂
組成物、及びこれらの組成物100重量部に対しガラス
繊維及びその他の無機充填材150〜500重量部を配
合してなることを特徴とする耐熱性フェノール樹脂成形
材料である。
【化2】 (Aro)は、フェニル基又は多環芳香族基を示し、X
は、H,OH又はアルキル基を示し、各(Aro)及び
Xはそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。
【0006】ここで使用するベンゼン、フェノール及び
多環芳香族を骨格に有するフェノール系樹脂(以下、多
環フェノール樹脂と略称する。)は下記の化学式(1)
及び又は(2)を基本骨格とし、ヘキサメチレンテトラ
ミン等の硬化剤と反応して三次元架橋し硬化するフェノ
ール系樹脂であり、種々のタイプのものがあるが、成形
材料化する際の取り扱いの容易さから、数平均分子量1
500〜2500程度、軟化点70〜80℃程度のもの
が望ましく、例えば、商品名SKR−H(住金化工株式
会社製、数平均分子量約2000、軟化点70℃)がそ
の例である。
【0007】
【化1】 化学式(1),(2)において、(Aro)は、フェニ
ル基又は多環芳香族基を示し、Xは、H,OH又はアル
キル基を示し、各(Aro)及びXはそれぞれ同じであ
っても異なっていてもよい。
【0008】ランダムノボラックは、通常のフェノール
樹脂組成物及びフェノール樹脂成形材料に使用されてい
るものであれば、いずれも使用可能である。酸化防止剤
は、種々のタイプのものが市販されているが、特に硫黄
系酸化防止剤を使用すると耐熱劣化特性を向上させるの
に効果的であり、例えば、商品名アンチオックスL(日
本油脂株式会社製)がその例である。
【0009】酢酸ビニル樹脂も、種々のタイプのものが
あるが、成形材料化する際の分散性を考慮すると粉末タ
イプであれば5メッシュ以下の粒径のものが望ましく、
例えば、商品名ゴーセニールPV−500(日本合成化
学工業製)がその例である。酢酸ビニル樹脂は、これを
添加することで靭性を付与し、熱処理したときの成形品
表面のマイクロクラックの発生を抑え、マイクロクラッ
クの発生による表面積の増加を抑える効果がある。この
ため、熱を受ける面積が少なくなり、耐熱劣化が向上す
る。
【0010】次に、これらの配合比率について説明す
る。多環フェノール樹脂100重量部に対して、ランダ
ムノボラックは20〜100重量部が望ましい。20重
量部未満では、成形加工性が低下し、100重量部を越
えると、耐熱劣化特性が低下する。ヘキサメチレンテト
ラミンは20〜80重量部が好ましい。80重量部を越
えると成形加工性が低下し、20重量部未満では硬化性
が低下する。酢酸ビニル樹脂は、15〜30重量部が望
ましい。15重量部未満では、耐熱劣化特性が低下し、
30重量部を越えると、熱剛性が低下するとともに、成
形材料化する際の作業性が低下する。
【0011】
【作用】このように、多環フェノール樹脂は、単独では
長期劣化特性に優れているが、成形加工性が劣り、ま
た、耐熱劣化特性もフェノール樹脂であるがための限界
が有る。そこで、この多環フェノール樹脂にランダムノ
ボラックと酢酸ビニル樹脂を併用し、必要により酸化防
止剤を配合することによって、成形加工性と耐熱劣化特
性、特に表面劣化特性を高次元でバランスさせうるもの
である。このように、前記の配合により、成形性が優
れ、耐熱劣化特性に優れたフェノール樹脂組成物が得ら
れる。
【0012】かかるフェノール樹脂組成物は耐熱性の要
求される種々の用途、例えば成形材料、積層板、各種結
合剤、他の樹脂への配合剤等に使用可能であるが、特
に、ガラス繊維を主成分とする無機充填材を配合した成
形材料として使用するのに好適である。かかる成形材料
において、無機充填材の量は前記フェノール樹脂組成物
100重量部に対して150〜500重量部が好まし
い。150重量部より少ないと、機械的強度が低くな
り、特に剛性が低下する。500重量部より多いと、成
形材料化が困難となり成形加工性も低下する。
【0013】本発明におけるフェノール樹脂成形材料
は、これらの配合組成に加えて通常のフェノール樹脂成
形材料に使用される顔料、離型剤、硬化促進剤等を加
え、これらの原料を均一混合した後、ロール、コニーダ
ー、二軸押出機等の混練機等で加熱混練し、粉砕して製
造される。本発明の耐熱性フェノール樹脂組成物は耐熱
性が優れており、その他の性能も良好であるので、これ
から得られた成形材料は、長期の高温環境での使用に耐
え、自動車部品をはじめとする各種金属部品の樹脂化に
極めて好適である。
【0014】
【実施例】以下、本発明の成形材料について実施例を説
明する。 《実施例1》 (A)多環フェノール樹脂(住金化工製 SKR-H 軟化点70℃) 16部 (B)ランダムノボラック型フェノール樹脂 4 (C)ヘキサメチレンテトラミン 4 (D)酸化防止剤(日本油脂製 アンチオックスL) 1 (E)酢酸ビニル樹脂 (日本合成化学工業製 ゴーセニールPV−500) 3 (F)ガラス繊維(日本電気ガラス製 ECS015B154H) 24 (G)焼成クレー 19 (H)炭酸カルシウム 25 ()硬化促進剤、離型剤、顔料他 4 を配合し、乾式ロールにより加熱混練し成形材料を製造
した。
【0015】《実施例2》 (A)多環フェノール樹脂(住金化工製 SKR-H 軟化点70℃) 10部 (B)ランダムノボラック 10 (C)ヘキサメチレンテトラミン 4 (D)酸化防止剤(日本油脂製 アンチオックスL) 1 (E)酢酸ビニル樹脂 (日本合成化学工業製 ゴーセニールPV−500) 3 (F)ガラス繊維(日本電気ガラス製 ECS015B154H) 24 (G)焼成クレー 19 (H)炭酸カルシウム 25 ()硬化促進剤、離型剤、顔料他 4 を配合し、乾式ロールにより加熱混練し成形材料を製造
した。
【0016】《比較例1》 (A)多環フェノール樹脂(住金化工製 SKR-H 軟化点70℃) 16部 (B)ランダムノボラック 4 (C)ヘキサメチレンテトラミン 4 (D)酸化防止剤 1 (E)ガラス繊維(日本電気ガラス製 ECS015B154H) 25 (F)焼成クレー 20 (G)炭酸カルシウム 26 (H)硬化促進剤、離型剤、顔料他 4 を配合し、乾式ロールにより加熱混練し成形材料を製造
した。
【0017】《比較例2》 (A)多環フェノール樹脂(住金化工製 SKR-H 軟化点70℃) 15部 (B)ランダムノボラック 7 (C)ヘキサメチレンテトラミン 3 (D)ガラス繊維(日本電気ガラス製 ECS015B154H) 25 (E)焼成クレー 20 (F)炭酸カルシウム 27 (H)硬化促進剤、離型剤、顔料他 3 を配合し、乾式ロールにより加熱混練し成形材料を製造
した。
【0018】各実施例及び比較例で得られた成形材料に
ついて、成形品特性を測定し、表1に示す結果を得た。
【表1】
【0019】
【発明の効果】本発明のフェノール樹脂組成物あるいは
フェノール樹脂成形材料は、これから得られた成形品
は、耐熱性に優れていることはもちろん、硬化性や機械
的強度も従来のフェノール樹脂組成物あるいは成形材料
と同等乃至それ以上であるので、自動車部品をはじめと
する各種金属部品の樹脂化に極めて好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−86261(JP,A) 特開 昭62−209159(JP,A) 特開 平4−63858(JP,A) 特開 昭50−8722(JP,A) 特開 昭49−116321(JP,A) 特開 昭62−230842(JP,A) 特開 平6−224525(JP,A) 特開 平3−143947(JP,A) 特開 平7−207120(JP,A) 特開 昭62−522(JP,A) 特開 昭62−521(JP,A) 特開 平1−230614(JP,A) 特開 平1−123856(JP,A) 特開 平3−244639(JP,A) 特開 平4−370419(JP,A) 特開 平5−248465(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 61/04 - 61/16 C08L 65/00 - 65/04 C08L 31/00 - 31/08 WPI/L(QUESTEL) CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベンゼン、フェノール及び多環芳香族を
    骨格に有する下記の化学式(1)及び又は(2)を基本
    骨格に有するフェノール系樹脂100重量部に、ランダ
    ムノボラック型フェノール樹脂20〜100重量部、ヘ
    キサメチレンテトラミン20〜80重量部、及び酢酸ビ
    ニル樹脂15〜30重量部を配合してなることを特徴と
    する耐熱性フェノール樹脂組成物。 【化1】 (Aro)は、フェニル基又は多環芳香族基を示し、X
    は、H,OH又はアルキル基を示し、各(Aro)及び
    Xはそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のフェノール樹脂組成物1
    00重量部に対しガラス繊維及びその他の無機充填材1
    50〜500重量部を配合してなる耐熱性フェノール樹
    脂成形材料。
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