JP3121746B2 - 耐熱性に優れるフェノール樹脂組成物 - Google Patents

耐熱性に優れるフェノール樹脂組成物

Info

Publication number
JP3121746B2
JP3121746B2 JP07175236A JP17523695A JP3121746B2 JP 3121746 B2 JP3121746 B2 JP 3121746B2 JP 07175236 A JP07175236 A JP 07175236A JP 17523695 A JP17523695 A JP 17523695A JP 3121746 B2 JP3121746 B2 JP 3121746B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
parts
weight
phenolic resin
resin composition
phenol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP07175236A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0925392A (ja
Inventor
誠 野口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Bakelite Co Ltd filed Critical Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority to JP07175236A priority Critical patent/JP3121746B2/ja
Publication of JPH0925392A publication Critical patent/JPH0925392A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3121746B2 publication Critical patent/JP3121746B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性に優れたフェノ
ール樹脂組成物及びそれを用いた成形材料に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】フェノール樹脂成形材料は、耐熱性、寸
法安定性、成形性等に優れ、自動車、電気、電子等の基
幹産業分野で長期にわたり使用されてきている。特に、
最近では、自動車分野をはじめとする各種金属部品の代
替え材料としての用途が開け、使用量は益々拡大してき
ている。しかしながら、要求される耐熱温度水準の上昇
に伴ない、従来のフェノール樹脂では使用に耐えない事
例が見られるようになった。
【0003】これを改良する手段として、成形品の架橋
密度向上を意図してべーキング処理をしたり、例えば特
開昭60−35047号公報や特開平2−55203号
公報のようにフェノール性OH基の少ない構造のノボラ
ック型フェノール樹脂が開発され、また、特願平5−1
76817号明細書や特願平5−253402号明細書
のように前記フェノール性OH基の少ない構造のノボラ
ック型フェノール樹脂にレゾール樹脂やポリビニルフェ
ノールを併用したフェノール樹脂成形材料が開発されて
いるが、耐熱劣化性と熱時剛性のバランスが不十分であ
ったり、成形性(特に硬化性)に問題があったり、ある
いは耐熱性についても限界があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のフェ
ノール樹脂組成物あるいはフェノール樹脂成形材料のこ
のような問題点を解決するために種々の検討の結果なさ
れたもので、その目的とするところは、成形加工性を低
下させることなく、耐熱経時特性、熱時剛性に著しく優
れたフェノール樹脂組成物及び成形材料を提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、ベンゼン、フ
ェノール及び多環芳香族を骨格に有するフェノール樹脂
100重量部に、ジメチレンエーテル型レゾール樹脂3
0〜80重量部、フェノール核に結合するメチレン結合
においてオルソ結合対パラ結合の比が1.5〜2.5で
あるノボラック型フェノ−ル樹脂30〜80重量部、及
びヘキサメチレンテトラミン5〜30重量部を配合し、
更にハロゲン系有機難燃剤を単独あるいは三酸化アンチ
モン、三酸化モリブデン等の無機難燃相乗剤と併用して
用いることを特徴とする耐熱性フェノール樹脂組成物に
関するものであり、好ましくは前記各成分の合計100
重量部に対してNBR、酢酸ビニル樹脂から選ばれた1
種または2種5〜30重量部を配合してなる耐熱性フェ
ノール樹脂組成物、更にこれらの組成物100重量部に
対しガラス繊維及びその他の無機充填材150〜500
重量部を配合してなる耐熱性フェノール樹脂成形材料に
関するものである。
【0006】ここで使用するベンゼン、フェノール及び
多環芳香族を骨格に有するフェノール系樹脂(以下、多
環フェノール樹脂と略称する。)は下記の化学式(1)
及び又は(2)を基本骨格とし、ヘキサメチレンテトラ
ミン等の硬化剤と反応して三次元架橋し硬化するフェノ
ール系樹脂であり、種々のタイプのものがあるが、本発
明においては、成形材料化する際の取り扱いの容易さか
ら、数平均分子量1500〜2500程度、軟化点70
〜80℃程度のものが望ましく、例えば、商品名SKR
−H17(住金化工株式会社製、数平均分子量約200
0、軟化点約70℃、フリーフェノール含有量1.0
%)がその例である。
【0007】
【化1】 化学式(1),(2)において、(Aro)は、フェニ
ル基又は多環芳香族基を示し、Xは、H,OH又はアル
キル基を示し、各(Aro)及びXはそれぞれ同じであ
っても異なっていてもよい。
【0008】レゾール樹脂は、通常のジメチレンエーテ
ル型レゾール樹脂を用いることができ、得に限定される
ものではないが、フェノール含有量2.0%以下の樹脂
を用いれば、更に耐熱性が向上する。ノボラック樹脂
は、フェノール核に結合するメチレン結合においてオル
ソ結合対パラ結合の比が1.5〜2.5であるノボラッ
ク型フェノ−ル樹脂を用いることができ、オルソ結合対
パラ結合の比は1.5〜2.5が好ましい。結合比が
1.5以下では硬化性が低下し、2.5以上については
樹脂自体の生産が技術的には可能であるが、経済面で現
実的でない。本発明においては、さらに耐熱性を向上さ
せるために、上記のような成分からなる樹脂組成物にハ
ロゲン系有機難燃剤を単独あるいは三酸化アンチモン、
三酸化モリブデン等の無機難燃相乗剤と併用して用いて
いる。ハロゲン系有機難燃剤としては、臭素系有機難燃
剤、塩素系有機難燃剤など種々のタイプのものが市販さ
れているが、特に、臭素系有機難燃剤を使用すると耐熱
劣化性を向上させるのに効果があり、例えば、臭素系に
ついては商品名ピロチェックPC−68PB(FERR
O社製)、ピロガードSR−245(第一工業製薬社
製)、塩素系については商品名デクロランプラス25
(オキシデンタル・ケミカル社製)がその例である。
【0009】次に、これらの配合比率について説明す
る。熱時剛性を向上させるために配合するジメチレンエ
ーテル型レゾール樹脂は多環フェノール樹脂100重量
部に対して、30〜80重量部が好ましい。80重量部
以上では耐熱劣化性が低下し、30重量部以下では熱時
剛性が低下する。硬化性を向上させるために配合するフ
ェノール核に結合するメチレン結合においてオルソ結合
対パラ結合の比が1.5〜2.5であるノボラック型フ
ェノール樹脂は30〜80重量部が好ましい。80重量
部以上では耐熱劣化性が低下し、30重量部以下では硬
化性が低下するヘキサメチレンテトラミンは5〜30重
量部が好ましい。30重量部以上では成形加工性が低下
し、5重量部以下では硬化性が低下する。
【0010】また、耐熱劣化性を向上させるためにNB
R、酢酸ビニル樹脂から選ばれた1種または2種を配合
することができ、上記フェノール樹脂組成物100重量
部に対して、NBR、酢酸ビニル樹脂から選ばれた1種
または2種は5〜30重量部が好ましい。5重量部以下
では耐熱劣化性が低下し、30重量部以上では熱時剛性
が低下する。NBRは、通常市販されているものが使え
るが、分子内で架橋されているもの、カルボキシル等の
官能基を持つもの等があるがあるが、いずれのものも使
用できる。成形材料として使用する場合、固形、粉末状
のものが取扱の上で好ましく又、樹脂との相溶性の点で
SP値9〜10程度のものが、より望ましい。酢酸ビニ
ル樹脂は通常市販されているものが使えるが、成形材料
用として使用する場合、固形、粉末状のものが取り扱い
の上で好ましく、重合度2000以上更に好ましくは4
000以上のものが望ましい。また、必要に応じて、酢
酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニルアクリル共重合
体、酢酸ビニルエポキシ共重合体等の変性酢酸ビニル樹
脂を用いることもできる。
【0011】上記の配合により、耐熱性が優れ、硬化
性、熱時剛性が良好であり、熱劣化が小さい等優れた特
性を有するフェノール樹脂組成物が得られる。
【0012】かかるフェノール樹脂組成物は、耐熱性の
要求される種々の用途、例えば成形材料、積層板、各種
結合剤、他樹脂への配合剤等に使用可能であるが、特
に、ガラス繊維を主成分とする無機充填材を配合した成
形材料として使用するのに好適である。かかる成形材料
において、無機充填材の量は前記フェノール樹脂組成物
100重量部に対して150〜500重量部が好まし
い。150重量部より少ないと、弾性率が低くクリープ
変形量が大きくなり、500重量部より多いと、成形材
料化が困難となり成形加工性も低下する。ガラス繊維の
配合量は、機械的強度の点から無機充填材中50重量%
以上が好ましい。
【0013】本発明におけるフェノール樹脂成形材料
は、これらの配合組成に加えて通常のフェノール樹脂成
形材料に使用される顔料、離型剤、硬化促進剤等を加
え、これらの原料を均一混合した後、ロール、コニーダ
ー、二軸押出機等の混練機等で加熱混練し、粉砕して製
造される。本発明のフェノール樹脂組成物は特に耐熱性
が優れていて熱劣化が小さく、その他の性能も良好であ
るので、これから得られた成形材料は、長期の高温環境
での使用に耐え、自動車部品をはじめとする各種金属部
品の樹脂化に極めて好適である。
【0014】
【実施例】表1の実施例および比較例に示す配合で通常
の二本ロールで加熱混練して成形材料を得た。これら
の、成形材料について成形品特性を測定し、表2に示す
結果を得た。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】(測定方法) バコール硬度保持率:耐熱性を評価するため、表面劣化
の測定法として常温でのバコール硬度保持率を測定し
た。 曲げ強さ、曲げ弾性率:トランスファー成形法にて17
5℃、3分間成形し、JIS K 7203に準じて2
50℃中にて測定した。 熱時バコール硬度:表面の架橋密度から硬化性を測定す
る方法として、トランスファー成形法にて175℃、3
0秒間成形後、取りだし10秒後のバコール硬度を測定
した。
【0018】
【発明の効果】本発明のフェノール樹脂組成物あるいは
フェノール樹脂成形材料は、これから得られた成形品が
耐熱性に優れていることはもちろん、硬化性や機械的強
度も従来のフェノール樹脂組成物あるいは成形材料と同
等乃至それ以上であるので、自動車部品をはじめとする
各種金属部品の樹脂化に極めて好適である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベンゼン、フェノール及び多環芳香族を
    骨格に有するフェノール樹脂100重量部に、ジメチレ
    ンエーテル型レゾール樹脂30〜80重量部、フェノー
    ル核に結合するメチレン結合においてオルソ結合対パラ
    結合の比が1.5〜2.5であるノボラック型フェノ−
    ル樹脂30〜80重量部、及びヘキサメチレンテトラミ
    ン5〜30重量部を配合し、更にハロゲン系有機難燃剤
    を単独あるいは三酸化アンチモン、三酸化モリブデン等
    の無機難燃相乗剤と併用して用いることを特徴とする耐
    熱性フェノール樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のフェノール樹脂組成物1
    00重量部に対しNBR、酢酸ビニル樹脂から選ばれた
    1種または2種5〜30重量部を配合することを特徴と
    する耐熱性フェノール樹脂成形材料。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のフェノール樹脂組成物1
    00重量部に対しガラス繊維及びその他の無機充填材1
    50〜500重量部を配合してなることを特徴とする耐
    熱性フェノール樹脂成形材料。
JP07175236A 1995-07-11 1995-07-11 耐熱性に優れるフェノール樹脂組成物 Expired - Fee Related JP3121746B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07175236A JP3121746B2 (ja) 1995-07-11 1995-07-11 耐熱性に優れるフェノール樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07175236A JP3121746B2 (ja) 1995-07-11 1995-07-11 耐熱性に優れるフェノール樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0925392A JPH0925392A (ja) 1997-01-28
JP3121746B2 true JP3121746B2 (ja) 2001-01-09

Family

ID=15992647

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP07175236A Expired - Fee Related JP3121746B2 (ja) 1995-07-11 1995-07-11 耐熱性に優れるフェノール樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3121746B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006131732A (ja) * 2004-11-05 2006-05-25 Asahi Organic Chem Ind Co Ltd フェノール樹脂成型体、成型用材料およびその製法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0925392A (ja) 1997-01-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2005532417A (ja) 電磁波シールド特性をもつポリアミド樹脂組成物およびそれから形成される物品
EP1578856B1 (en) Flame resistant, laser weldable polyester resin composition
JP3121746B2 (ja) 耐熱性に優れるフェノール樹脂組成物
JPS63301219A (ja) エポキシ樹脂組成物
JPS61204270A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP2653574B2 (ja) 衝撃強度に優れるフェノール樹脂組成物
JPS6281444A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH09316296A (ja) 耐熱性に優れるフェノール樹脂成形材料
JP3334956B2 (ja) ポリエステル樹脂組成物
JP2879150B2 (ja) 熱硬化性樹脂組成物
JP3384474B2 (ja) 耐熱性に優れるフェノール樹脂組成物
JPH0881613A (ja) 耐熱性に優れるフェノール樹脂組成物
JPH08157691A (ja) 耐熱性に優れるフェノール樹脂組成物
JPH08120159A (ja) 耐熱性に優れるフェノール樹脂組成物
JP3305462B2 (ja) フェノール樹脂組成物及びその成形品
JPH07113037A (ja) ポリエステル樹脂組成物
JP3384466B2 (ja) 耐熱性に優れるフェノール樹脂組成物
JP2752292B2 (ja) エポキシ樹脂用硬化剤
JP3476160B2 (ja) ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物
JPH07207120A (ja) 耐熱性に優れるフェノール樹脂組成物
JPH08157693A (ja) エポキシ樹脂組成物
JP3375110B2 (ja) フェノール樹脂成形材料
JP2755339B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP3437031B2 (ja) フェノール樹脂成形材料
JP3536342B2 (ja) フェノール樹脂成形材料

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees