JP3384474B2 - 耐熱性に優れるフェノール樹脂組成物 - Google Patents

耐熱性に優れるフェノール樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性に優れたフェノ
ール樹脂組成物及びそれを用いた成形材料に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】フェノール樹脂成形材料は、耐熱性、寸
法安定性、成形性等に優れ、自動車、電気、電子等の基
幹産業分野で長期にわたり使用されてきている。特に、
最近では、自動車分野をはじめとする各種金属部品の代
替え材料としての用途が開け、使用量は益々拡大してき
ている。しかしながら、要求される耐熱温度水準の上昇
に伴ない、従来のフェノール樹脂では使用に耐えない事
例が見られるようになった。
【0003】これを改良する手段として、成形品の架橋
密度向上を意図してべーキング処理をしたり、例えば特
開昭60−35047号公報や特開平2−55203号
公報に開示されているようにフェノール性OH基の少な
い構造のノボラック型フェノール樹脂が開発され、ま
た、特願平5−176817号明細書や特願平5−25
3402号明細書に記載されているように前記フェノー
ル性OH基の少ない構造のノボラック型フェノール樹脂
にレゾール樹脂やポリビニルフェノールを併用したフェ
ノール樹脂成形材料が開発されているが、耐熱劣化性と
熱時剛性のバランスが不十分であったり、成形性(特に
硬化性)に問題があったり、あるいは耐熱性についても
限界があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のフェ
ノール樹脂組成物あるいはフェノール樹脂成形材料のこ
のような問題点を解決するために種々の検討の結果なさ
れたもので、その目的とするところは、成形加工性を低
下させることなく、耐熱経時特性、熱時剛性に著しく優
れたフェノール樹脂組成物及び成形材料を提供するにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、ベンゼン、フ
ェノール及び多環芳香族を骨格に有する下記の化学式
(1)及び又は(2)を基本骨格とするフェノール樹脂
100重量部に、ジメチレンエーテル型レゾール樹脂5
0〜100重量部、及びヘキサメチレンテトラミン5〜
30重量部を配合し、更にハロゲン系有機難燃剤を単独
あるいは三酸化アンチモン、三酸化モリブデン等の無機
難燃相乗剤と併用して用いることを特徴とする耐熱性フ
ェノール樹脂組成物、に関するものである。
【化1】 (化学式(1),(2)において、(Aro)は、フェ
ニル基又は多環芳香族基を示し、Xは、H,OH又はア
ルキル基を示し、各(Aro)及びXはそれぞれ同じで
あっても異なっていてもよい。) 好ましくは前記各成分の合計100重量部に対してNB
R、酢酸ビニル樹脂から選ばれた1種または2種5〜3
0重量部を配合してなる耐熱性フェノール樹脂組成物
関するものである。
【0006】ここで使用するベンゼン、フェノール及び
多環芳香族を骨格に有するフェノール系樹脂(以下、多
環フェノール樹脂と略称する。)は下記の化学式(1)
及び又は(2)を基本骨格とし、ヘキサメチレンテトラ
ミン等の硬化剤と反応して三次元架橋し硬化するフェノ
ール系樹脂であり、種々のタイプのものがあるが、本発
明においては、成形材料化する際の取り扱いの容易さか
ら、数平均分子量1500〜2500程度、軟化点70
〜80℃程度のものが望ましく、例えば、商品名SKR
−H17(住金化工株式会社製、数平均分子量約200
0、軟化点約70℃、フリーフェノール含有量1.0
%)がその例である。
【0007】
【化1】 化学式(1),(2)において、(Aro)は、フェニ
ル基又は多環芳香族基を示し、Xは、H,OH又はアル
キル基を示し、各(Aro)及びXはそれぞれ同じであ
っても異なっていてもよい。
【0008】レゾール樹脂は、通常のジメチレンエーテ
ル型レゾール樹脂を用いることができ、特に限定される
ものではないが、フェノール含有量2.0%以下の樹脂
を用いれば、更に耐熱性が向上する。 本発明において
は、さらに耐熱性を向上させるために、上記のような成
分からなる樹脂組成物にハロゲン系有機難燃剤を単独あ
るいは三酸化アンチモン、三酸化モリブデン等の無機難
燃相乗剤と併用して用いている。ハロゲン系有機難燃剤
としては、臭素系有機難燃剤、塩素系有機難燃剤など種
々のタイプのものが市販されているが、特に、臭素系有
機難燃剤を使用すると耐熱劣化性を向上させるのに効果
があり、例えば、臭素系については商品名ピロチェック
PC−68PB(FERRO社製、臭素化ポリスチレ
ン)、ピロガードSR−245(第一工業製薬社製、臭
素化芳香族トリアジン化合物)、塩素系については商品
名デクロランプラス25(オキシデンタル・ケミカル社
製、塩素化芳香族ジアゾ系化合物)がその例である。
【0009】次に、これらの配合比率について説明す
る。多環フェノール樹脂100重量部に対して、ジメチ
レンエーテルレゾール型フェノール樹脂は50〜100
重量部が好ましい。100重量部以上では耐熱劣化性が
低下し、50重量部以下では熱時剛性が低下するように
なる。ヘキサメチレンテトラミンは5〜30重量部が好
ましい。30重量部以上では成形加工性が低下し、5重
量部以下では硬化性が低下するようになる。
【0010】このように、多環フェノール樹脂は、単独
では長期劣化特性には優れているが、架橋密度が低く熱
時剛性が得られない。一方、レゾール樹脂単独では、架
橋密度が高く熱時剛性は得られるが、耐熱劣化性は得ら
れない。そこで、これら2種類の樹脂を併用し、硬化剤
としてヘキサメチレンテトラミンを配合する。そして、
ハロゲン系有機難燃剤を単独あるいは三酸化アンチモ
ン、三酸化モリブデン等の無機難燃相乗剤と併用して用
い、更に、好ましくはNBR、酢酸ビニル樹脂から選ば
れた1種または2種を併用することによって熱時剛性と
耐熱劣化性を高次元でバランスさせ得るものである。
【0011】NBR及び又は酢酸ビニル樹脂を配合する
場合、上記フェノール樹脂組成物100重量部に対して
5〜30重量部が好ましい。5重量部以下では耐熱劣化
性の向上がほとんどみられず、30重量部以上では熱時
剛性が低下するようになる。NBRは通常市販されてい
るものを使用することができる。分子内で架橋されてい
るもの、カルボキシル等の官能基を持つもの等があるが
あるが、いずれのものも使用可能である。成形材料とし
て使用する場合、固形あるいは粉末状のものが取扱の上
で好ましく、また、樹脂との相溶性の点でSP値9〜1
0程度のものがより望ましい。上記の配合により、耐熱
性が優れ、硬化性、熱時剛性が良好であり、熱劣化が小
さい等優れた特性を有するフェノール樹脂組成物が得ら
れる。
【0012】かかるフェノール樹脂組成物は、耐熱性の
要求される種々の用途、例えば成形材料、積層板、各種
結合剤、他樹脂への配合剤等に使用可能であるが、特
に、ガラス繊維を主成分とする無機充填材を配合した成
形材料として使用するのに好適である。ガラス繊維の配
合量は、機械的強度の点から無機充填材中50重量%以
上が好ましい。
【0013】本発明において、フェノール樹脂成形材料
を製造する場合は、上記の配合組成に通常のフェノール
樹脂成形材料に使用される顔料、離型剤、硬化促進剤等
を加え、これらの原料を均一混合した後、ロール、コニ
ーダー、二軸押出機等の混練機等で加熱混練し、粉砕し
て製造される。本発明のフェノール樹脂組成物は、難燃
性が優れていることは勿論であるが、耐熱性が優れてい
て、熱劣化、特に表面劣化が小さく、その他の性能も良
好であるので、これから得られた成形材料は、長期の高
温環境での使用に耐え、自動車部品をはじめとする各種
金属部品の樹脂化に極めて好適である。
【0014】
【実施例】表1の実施例および比較例に示す配合で通常
の二本ロールで加熱混練して成形材料を得た。これらの
成形材料について成形品特性を測定し、表2に示す結果
を得た。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】(測定方法) バコール硬度保持率:耐熱性を評価するため、表面劣化
の測定法として常温でのバコール硬度保持率を測定し
た。 曲げ強さ、曲げ弾性率:トランスファ成形法にて175
℃、3分間成形し、JIS K 6911に準じて250
℃にて測定した。
【0018】
【発明の効果】本発明のフェノール樹脂組成物は、難燃
性が優れていることは勿論であるが、耐熱性が優れ、硬
化性、熱時剛性が良好であり、熱劣化、特に表面劣化が
小さい等優れた特性を有している。本発明のフェノール
樹脂組成物をベースとしたフェノール樹脂成形材料は、
これから得られた成形品が耐熱性に優れていることはも
ちろん、硬化性や機械的強度も従来のフェノール樹脂成
形材料と同等乃至それ以上であるので、自動車部品をは
じめとする各種金属部品の樹脂化に極めて好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 31:04) (56)参考文献 特開 平8−157691(JP,A) 特開 平8−120159(JP,A) 特開 平8−81613(JP,A) 特開 平7−286091(JP,A) 特開 平7−207120(JP,A) 特開 昭62−230842(JP,A) 特開 平6−224525(JP,A) 特開 平3−143947(JP,A) 特開 平8−145098(JP,A) 特開 平5−248465(JP,A) 特開 平4−370419(JP,A) 特開 平3−244639(JP,A) 特開 平1−295035(JP,A) 特開 平1−123856(JP,A) 特開 平1−230614(JP,A) 特開 昭62−521(JP,A) 特開 昭62−522(JP,A) 特開 昭62−141084(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 61/04 - 61/16 C08L 65/00 - 65/04 C08L 31/00 - 31/08 C08L 9/00 - 21/02 WPI/L(QUESTEL) CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベンゼン、フェノール及び多環芳香族を
    骨格に有する下記の化学式(1)及び又は(2)を基本
    骨格とするフェノール樹脂100重量部に、ジメチレン
    エーテル型レゾール樹脂50〜100重量部、及びヘキ
    サメチレンテトラミン5〜30重量部を配合し、更にハ
    ロゲン系有機難燃剤を単独あるいは三酸化アンチモン、
    三酸化モリブデン等の無機難燃相乗剤と併用して用いる
    ことを特徴とする耐熱性フェノール樹脂組成物。【化1】 (化学式(1),(2)において、(Aro)は、フェ
    ニル基又は多環芳香族基を示し、Xは、H,OH又はア
    ルキル基を示し、各(Aro)及びXはそれぞれ同じで
    あっても異なっていてもよい。)
  2. 【請求項2】 請求項1記載のフェノール樹脂組成物1
    00重量部に対してNBR、酢酸ビニル樹脂から選ばれ
    た1種または2種5〜30重量部を配合してなる耐熱性
    フェノール樹脂組成物。
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