JP3470912B2 - エポキシ樹脂注形品および製造方法 - Google Patents
エポキシ樹脂注形品および製造方法Info
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- JP3470912B2 JP3470912B2 JP29739593A JP29739593A JP3470912B2 JP 3470912 B2 JP3470912 B2 JP 3470912B2 JP 29739593 A JP29739593 A JP 29739593A JP 29739593 A JP29739593 A JP 29739593A JP 3470912 B2 JP3470912 B2 JP 3470912B2
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、電気・電子部品の注形
に用いる含浸性に優れたエポキシ樹脂注形品およびその
製造方法に関する。
に用いる含浸性に優れたエポキシ樹脂注形品およびその
製造方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来から電気・電子部品の注形にはエポ
キシ樹脂組成物が広く使用されている。これらの樹脂組
成物には、エポキシ樹脂、その他の添加剤と共に充填材
が配合されている。この充填材は、一般には樹脂に比較
して比重が大きいため組成物の貯蔵中に沈降し樹脂と分
離する欠点があった。これを改良するために種々の沈降
防止剤が用いられているが満足すべき状態ではない。例
えば、エポキシ樹脂 100重量部に対して充填材が 200重
量部を超える系では、沈降防止剤の影響でコイル等への
樹脂の含浸性が劣るという欠点がある。
キシ樹脂組成物が広く使用されている。これらの樹脂組
成物には、エポキシ樹脂、その他の添加剤と共に充填材
が配合されている。この充填材は、一般には樹脂に比較
して比重が大きいため組成物の貯蔵中に沈降し樹脂と分
離する欠点があった。これを改良するために種々の沈降
防止剤が用いられているが満足すべき状態ではない。例
えば、エポキシ樹脂 100重量部に対して充填材が 200重
量部を超える系では、沈降防止剤の影響でコイル等への
樹脂の含浸性が劣るという欠点がある。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の欠点
を解消するためになされたもので、充填材が均一に高充
填され、かつコイル等への含浸性に優れたエポキシ樹脂
注形品およびその製造方法を提供しようとするものであ
る。
を解消するためになされたもので、充填材が均一に高充
填され、かつコイル等への含浸性に優れたエポキシ樹脂
注形品およびその製造方法を提供しようとするものであ
る。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成しようと鋭意研究を重ねた結果、エポキシ樹脂
組成物における所定粒径のアルミナ粉末を予め注形型に
充填することによって、上記の目的が達成できることを
見いだし、本発明を完成したものである。
的を達成しようと鋭意研究を重ねた結果、エポキシ樹脂
組成物における所定粒径のアルミナ粉末を予め注形型に
充填することによって、上記の目的が達成できることを
見いだし、本発明を完成したものである。
【０００５】即ち、本発明は、
（Ａ）エポキシ樹脂、
（Ｂ）硬化剤および
（Ｃ）不定形であって粒径０．５ｍｍ未満粒子および粒
径３．０ｍｍ超過粒子を除去して得られた粒径が０．５
〜３ｍｍのアルミナ粉末（但し、官能基含有液状ジエン
系重合体および／またはその水素化物を含浸したものを
除く） を必須成分とするエポキシ樹脂組成物で注形硬化されて
なることを特徴とするエポキシ樹脂注形品である。ま
た、エポキシ樹脂組成物の注形に際して、前記（Ｃ）の
アルミナ粉末を予め注形型にプレス成形あるいは鋳込み
成形等の成形をすることなく充填した後、前記樹脂成分
［（Ａ）＋（Ｂ）］を注形することを特徴とするエポキ
シ樹脂注形品の製造方法である。なお、官能基含有液状
ジエン系重合体とその水素化物の定義は、特願平５―３
９４０９号公報参照のこと。
径３．０ｍｍ超過粒子を除去して得られた粒径が０．５
〜３ｍｍのアルミナ粉末（但し、官能基含有液状ジエン
系重合体および／またはその水素化物を含浸したものを
除く） を必須成分とするエポキシ樹脂組成物で注形硬化されて
なることを特徴とするエポキシ樹脂注形品である。ま
た、エポキシ樹脂組成物の注形に際して、前記（Ｃ）の
アルミナ粉末を予め注形型にプレス成形あるいは鋳込み
成形等の成形をすることなく充填した後、前記樹脂成分
［（Ａ）＋（Ｂ）］を注形することを特徴とするエポキ
シ樹脂注形品の製造方法である。なお、官能基含有液状
ジエン系重合体とその水素化物の定義は、特願平５―３
９４０９号公報参照のこと。
【０００６】以下、本発明を詳細に説明する。
【０００７】本発明に用いる（Ａ）エポキシ樹脂として
は例えば、ビスフェノールＡジグリシジルエーテル、ビ
スフェノールＦジグリシジルエーテル、ビスフェノール
ＡＤジグリシジルエーテル、ポリカルボン酸のグリシジ
ルエーテル、シクロヘキサン誘導体のエポキシ化によっ
て得られるエポキシ樹脂等、通常使用されるエポキシ樹
脂が広く使用でき、特に限定されるものではない。これ
らのエポキシ樹脂は単独又は 2種以上混合して使用する
ことができる。また、必要に応じて液状のモノエポキシ
樹脂を併用することもできる。
は例えば、ビスフェノールＡジグリシジルエーテル、ビ
スフェノールＦジグリシジルエーテル、ビスフェノール
ＡＤジグリシジルエーテル、ポリカルボン酸のグリシジ
ルエーテル、シクロヘキサン誘導体のエポキシ化によっ
て得られるエポキシ樹脂等、通常使用されるエポキシ樹
脂が広く使用でき、特に限定されるものではない。これ
らのエポキシ樹脂は単独又は 2種以上混合して使用する
ことができる。また、必要に応じて液状のモノエポキシ
樹脂を併用することもできる。
【０００８】本発明に用いる（Ｂ）硬化剤としては、液
状酸無水物を使用することが望ましい。液状酸無水物と
しては例えば、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、メ
チルヘキサヒドロフタル酸無水物等が使用される。硬化
剤としては、液状酸無水物を使用することが望ましいが
特に限定されるものではなく、注形品に要求される特性
や目的に応じてアミン化合物、イミダゾール化合物等、
通常エポキシ樹脂の硬化剤として使用されるものを広く
使用することができ、また必要に応じて各種の硬化促進
剤を併用することができる。
状酸無水物を使用することが望ましい。液状酸無水物と
しては例えば、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、メ
チルヘキサヒドロフタル酸無水物等が使用される。硬化
剤としては、液状酸無水物を使用することが望ましいが
特に限定されるものではなく、注形品に要求される特性
や目的に応じてアミン化合物、イミダゾール化合物等、
通常エポキシ樹脂の硬化剤として使用されるものを広く
使用することができ、また必要に応じて各種の硬化促進
剤を併用することができる。
【０００９】本発明に用いる（Ｃ）アルミナ粉末として
は、粒径が 0.5〜3mm のものが望ましい。また、アルミ
ナ粉末の形状は不定形であって上記範囲より粒径の大き
いものや粒径の小さいものを含まず、粒径のそろったも
のが好ましい。粒径が 0.5mm未満や3mm を超えるものを
含むと最密充填と成りやすく、充填材の流動性が損なわ
れ好ましくない。
は、粒径が 0.5〜3mm のものが望ましい。また、アルミ
ナ粉末の形状は不定形であって上記範囲より粒径の大き
いものや粒径の小さいものを含まず、粒径のそろったも
のが好ましい。粒径が 0.5mm未満や3mm を超えるものを
含むと最密充填と成りやすく、充填材の流動性が損なわ
れ好ましくない。
【００１０】本発明に用いるエポキシ樹脂組成物は上述
のエポキシ樹脂、硬化剤、アルミナ粉末を必須成分とす
るが、本発明の目的に反しない範囲において顔料、カッ
プリング剤、消泡剤その他の充填材等を添加配合するこ
とができる。これらの各成分を配合してエポキシ樹脂組
成物を容易に製造することができる。実際の注形品の製
造に際しては、これらの各成分を含むエポキシ樹脂組成
物をつくらずに、各成分の内充填材を除いたエポキシ樹
脂成分をつくっておき、予め注形型に充填材を充填し、
次いでこのエポキシ樹脂成分を注形加熱硬化させて、結
果としてエポキシ樹脂、硬化剤、アルミナ粉末を必須成
分とするエポキシ樹脂組成物からなる注形品を製造する
ものである。
のエポキシ樹脂、硬化剤、アルミナ粉末を必須成分とす
るが、本発明の目的に反しない範囲において顔料、カッ
プリング剤、消泡剤その他の充填材等を添加配合するこ
とができる。これらの各成分を配合してエポキシ樹脂組
成物を容易に製造することができる。実際の注形品の製
造に際しては、これらの各成分を含むエポキシ樹脂組成
物をつくらずに、各成分の内充填材を除いたエポキシ樹
脂成分をつくっておき、予め注形型に充填材を充填し、
次いでこのエポキシ樹脂成分を注形加熱硬化させて、結
果としてエポキシ樹脂、硬化剤、アルミナ粉末を必須成
分とするエポキシ樹脂組成物からなる注形品を製造する
ものである。
【００１１】本発明のエポキシ樹脂注形品およびその製
造方法は、電気・電子部品の注形、絶縁、含浸等に好適
なものである。
造方法は、電気・電子部品の注形、絶縁、含浸等に好適
なものである。
【００１２】
【作用】本発明に用いるエポキシ樹脂組成物は不定形の
所定粒径のアルミナ粉末を用いたことによって、含浸性
の優れたものとすることができた。即ち、不定形で粒径
のそろったアルミナ粉末を用いたことによって、充填材
が最密充填とならずに隙間ができ樹脂の流動性を常に維
持することができる。また、充填材が不定形のため充填
材の粒子間に常に樹脂が通過できる隙間をたもつことが
でき、粒径のそろったものとの相乗効果でさらに含浸性
が向上するものである。最終注形品がこのエポキシ樹脂
組成物と成るようにし、予め注形型に充填材を充填する
ことによって、充填材の高充填が可能となるものであ
る。
所定粒径のアルミナ粉末を用いたことによって、含浸性
の優れたものとすることができた。即ち、不定形で粒径
のそろったアルミナ粉末を用いたことによって、充填材
が最密充填とならずに隙間ができ樹脂の流動性を常に維
持することができる。また、充填材が不定形のため充填
材の粒子間に常に樹脂が通過できる隙間をたもつことが
でき、粒径のそろったものとの相乗効果でさらに含浸性
が向上するものである。最終注形品がこのエポキシ樹脂
組成物と成るようにし、予め注形型に充填材を充填する
ことによって、充填材の高充填が可能となるものであ
る。
【００１３】
【実施例】次に、本発明を実施例によって説明するが、
本発明はこれらの実施例よって限定されるものではな
い。以下の実施例および比較例において「部」とは「重
量部」を意味する。
本発明はこれらの実施例よって限定されるものではな
い。以下の実施例および比較例において「部」とは「重
量部」を意味する。
【００１４】実施例
ビスフェノールＡジグリシジルエーテル 100部、メチル
ヘキサヒドロフタル酸無水物90部、2-エチル-4−メチル
イミダゾール 0.7部、シリコーン消泡剤 0.1部、シラン
カップリング剤 0.5部を加えて均一に混合してエポキシ
樹脂を得た。
ヘキサヒドロフタル酸無水物90部、2-エチル-4−メチル
イミダゾール 0.7部、シリコーン消泡剤 0.1部、シラン
カップリング剤 0.5部を加えて均一に混合してエポキシ
樹脂を得た。
【００１５】ＰＢＴ（ポリブチレンテレフタレート）の
ケースに所定のコイルを設置固定する。次いで、ケース
の中に予め 120℃×1 h 乾燥した、粒径0.5 〜3 mmのア
ルミナ粉末（ＪＩＳＲ６１１１規格＃１６ＷＡ）を充填
した後、前記のエポキシ樹脂を真空注入した。次にこれ
を90℃× 4Ｈ＋ 150℃× 2Ｈの条件で加熱硬化させて、
エポキシ樹脂組成物注形品を製造した。
ケースに所定のコイルを設置固定する。次いで、ケース
の中に予め 120℃×1 h 乾燥した、粒径0.5 〜3 mmのア
ルミナ粉末（ＪＩＳＲ６１１１規格＃１６ＷＡ）を充填
した後、前記のエポキシ樹脂を真空注入した。次にこれ
を90℃× 4Ｈ＋ 150℃× 2Ｈの条件で加熱硬化させて、
エポキシ樹脂組成物注形品を製造した。
【００１６】比較例１〜７
実施例において、表１のようにアルミナ粉末の粒径を替
えた以外は実施例と同様にして、エポキシ樹脂およびエ
ポキシ樹脂組成物注形品を製造した。
えた以外は実施例と同様にして、エポキシ樹脂およびエ
ポキシ樹脂組成物注形品を製造した。
【００１７】
【表１】
【００１８】実施例および比較例で製造した注形品を切
断し、断面を研磨しコイル部分への含浸性、および注形
品製造時の充填材の注入のし易さについて評価したので
その結果を表２に示した。本発明の特性が優れており、
本発明の効果を確認することができた。
断し、断面を研磨しコイル部分への含浸性、および注形
品製造時の充填材の注入のし易さについて評価したので
その結果を表２に示した。本発明の特性が優れており、
本発明の効果を確認することができた。
【００１９】
【表２】
＊１：○印…流動性良く発塵が少ない、△印…流動性は
良好だが発塵多い、×印…流動性が著しく悪いか又は発
塵が著しく多いかのいずれかである。 ＊２：○印…良好、△印…やや良好、×印…含浸せずボ
イド有り。
良好だが発塵多い、×印…流動性が著しく悪いか又は発
塵が著しく多いかのいずれかである。 ＊２：○印…良好、△印…やや良好、×印…含浸せずボ
イド有り。
【００２０】
【発明の効果】以上の説明及び表２から明らかなよう
に、本発明の注形品およびその製造方法によれば、充填
材が均一に高充填され、例えばコイル等で含浸性に優れ
た注形品が得られ、電気・電子部品の注形等に好適なも
のである。
に、本発明の注形品およびその製造方法によれば、充填
材が均一に高充填され、例えばコイル等で含浸性に優れ
た注形品が得られ、電気・電子部品の注形等に好適なも
のである。
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名)
C08L 63/00 - 63/10
C08K 3/22
H01B 3/40
Claims (2)
- 【請求項１】 （Ａ）エポキシ樹脂、 （Ｂ）硬化剤および （Ｃ）不定形であって粒径０．５ｍｍ未満粒子および粒
径３．０ｍｍ超過粒子を除去して得られた粒径が０．５
〜３ｍｍのアルミナ粉末（但し、官能基含有液状ジエン
系重合体および／またはその水素化物を含浸したものを
除く） を必須成分とするエポキシ樹脂組成物で注形硬化されて
なることを特徴とするエポキシ樹脂注形品。 - 【請求項２】 （Ａ）エポキシ樹脂、 （Ｂ）硬化剤および （Ｃ）不定形であって粒径０．５ｍｍ未満粒子および粒
径３．０ｍｍ超過粒子を除去して得られた粒径が０．５
〜３ｍｍのアルミナ粉末（但し、官能基含有液状ジエン
系重合体および／またはその水素化物を含浸したものを
除く） を必須成分とするエポキシ樹脂組成物の注形に際して、
前記（Ｃ）のアルミナ粉末を予め注形型にプレス成形あ
るいは鋳込み成形することなく充填した後、前記樹脂成
分［（Ａ）＋（Ｂ）］を注形することを特徴とするエポ
キシ樹脂注形品の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29739593A JP3470912B2 (ja) | 1993-11-02 | 1993-11-02 | エポキシ樹脂注形品および製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29739593A JP3470912B2 (ja) | 1993-11-02 | 1993-11-02 | エポキシ樹脂注形品および製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07126493A JPH07126493A (ja) | 1995-05-16 |
| JP3470912B2 true JP3470912B2 (ja) | 2003-11-25 |
Family
ID=17845941
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP29739593A Expired - Fee Related JP3470912B2 (ja) | 1993-11-02 | 1993-11-02 | エポキシ樹脂注形品および製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3470912B2 (ja) |
-
1993
- 1993-11-02 JP JP29739593A patent/JP3470912B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH07126493A (ja) | 1995-05-16 |
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