JP2562061B2 - 低損失酸化物磁性材料 - Google Patents

低損失酸化物磁性材料

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JP2562061B2 JP1303673A JP30367389A JP2562061B2 JP 2562061 B2 JP2562061 B2 JP 2562061B2 JP 1303673 A JP1303673 A JP 1303673A JP 30367389 A JP30367389 A JP 30367389A JP 2562061 B2 JP2562061 B2 JP 2562061B2
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Description

【発明の詳細な説明】 イ.発明の目的 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電子機器用スイッチング電源等に高周波で
用いる、主としてトランス用のコア材料である低損失酸
化物磁性材料に関し、特に主成分として30〜40モル%の
一酸化マンガン(MnO)、5〜15モル%の酸化亜鉛(Zn
O)、及び残分として酸化第2鉄(Fe2O3)を含み、副成
分として0.02〜0.15重量%の酸化カルシウム(CaO)、
及び0.005〜0.100重量%の酸化ケイ素(SiO2)を含む低
損失酸化物磁性材料の改良に関するものである。
〔従来の技術〕
酸化物磁性材料であるマンガン−亜鉛系フェライト
は、各種通信機器、民生用機器などのトランス及びコイ
ル用のコア材料として多用されているが、従来スイッチ
ング電源用のトランスにおいては、スイッチング周波数
として専ら10〜100kHz程度のものが使用されており、こ
れに対応すべき低損失酸化物磁性材料として主成分が30
〜40モル%のMnO、5〜15モル%のZnO、残分がFe2O3
含み、副成分として0.02〜0.15重量%のCaO、0.005〜0.
100重量%のSiO2を含むものがすでに開発されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、近年、スイッチング電源を小型、軽量化する
ために、スイッチング周波数を100kHz以上の高周波で使
用する傾向が強まりつつあり、その目的にあう性能のト
ランス用コア材料としての低損失酸化物磁性材料が要求
されている。
一方、上述の如き従来の成分を有する低損失酸化物磁
性材料を、スイッチング周波数が100kHz以上のスイッチ
ング電源用の変圧器のコア材料として使用すると、その
鉄損による電力損失(PB[kW/m3])が大きく、これに
よる発熱のため許容温度以上に温度が上昇し、トランス
自体やその周辺の部品を損ない使用に耐えないという欠
点があった。
そこで、本発明の課題は、周波数が100kHz以上の高い
周波数において使用しても、鉄損が小さく、従って電力
損失が小さく、発熱を許容温度以下に抑えて実用に供し
得る低損失酸化物磁性材料を提供することにある。
ロ.発明の構成 〔課題を解決するための手段〕 本発明は、既に開発された主成分及び副成分を含む従
来の低損失酸化物磁性材料に、さらに他の成分の酸化物
を添加せしめることにより、100kHz以上の鉄損を従来よ
り一層低減した低損失酸化物磁性材料を得るものであ
る。
即ち本発明は、酸化物粉末を混合・成形・焼成してな
る酸化物磁性材料の主成分として、30〜40モル%の一酸
化マンガン(MnO)、5〜15モル%の酸化亜鉛(ZnO)、
及び残分として酸化第2鉄(Fe2O3)を含み、副成分と
して0.02〜0.15重量%の酸化カルシウム(CaO)、及び
0.005〜0.100重量%の酸化ケイ素(SiO2)を含む低損失
酸化物磁性材料において、さらに0.05〜0.30重量%未満
(0.05%を含まず)の二酸化ジルコニウム(ZrO2)、0.
50重量%未満(0%を含まず)の三酸化アルミニウム
(Al2O3)、及び0.30重量%未満(0%を含まず)の二
酸化チタン(TiO2)を添加したことを特徴とする低損失
酸化物磁性材料である。
〔作用〕
本発明は、従来の低損失酸化物磁性材料に、二酸化ジ
ルコニウム(ZrO2)、三酸化アルミニウム(Al2O3)、
及び二酸化チタン(TiO2)を種々の割合で添加した一連
の実験を詳しく行なった結果、上記成分範囲に添加した
材料に於て、100kHz以上の鉄損を減じて電力損失を低減
した低損失酸化物磁性材料が得られたものである。
添加物ZrO2は、低損失酸化物磁性材料組織の粒界に折
出し、粒界の固有抵抗を増加させ、又添加物Al2O3及びT
iO2は結晶内に固溶し、結晶内部の固有抵抗を増加させ
る働きがあると考えられ、さらに添加物Al2O3は結晶組
織を均一にする作用があると考えられる。
これらの複合作用によって、これらを添加した低損失
酸化物磁性材料は、その組織内部の電磁気特性が均一化
すると共に組織全体の比抵抗ρが一層増大し、これによ
って鉄損に関係する渦電流損が減少し電力損失が減少し
たものと考えられる。電力損失の減少により高周波にお
ける発熱が抑えられる。
実際に上記本発明の添加成分範囲内外近傍の低損失酸
化物磁性材料について詳細に実験を行い、試料について
評価したところ、従来の前記成分の低損失酸化物磁性材
料に比べ、例えばZrO2 0.10重量%、Al2O3 0.05重量
%、TiO2 0.05重量%を添加した低損失酸化物磁性材料
は、比抵抗ρが10倍以上あり、200kHzにおける電力損失
が半分以下であることが確認された。
〔実施例〕
以下に本発明の実施例及び比較例について、実験した
内容を詳しく説明する。
酸化物粉末を混合・成形・焼成してなる酸化物磁性材
料の主成分として、53.0モル%の酸化第2鉄(Fe
2O3)、36.0モル%の一酸化マンガン(MnO)、及び11.0
モル%の酸化亜鉛(ZnO)の標準成分を含有し、副成分
として二酸化ケイ素(SiO2)、酸化カルシウム(CaO)
を従来の低損失酸化物磁性材料の成分範囲で含有し、さ
らに二酸化ジルコニウム(ZrO2)、三酸化アルミニウム
(Al2O3)、及び二酸化チタン(TiO2)を複合添加した
複数の本実施例の低損失酸化物磁性材料の試料を各種試
作した。さらに後者の3つの酸化物を添加しない従来の
比較例、及び後者の3つの酸化物を単独又は複合添加し
た複数の他の比較例の低損失酸化物磁性材料の試料を試
作した。それぞれの酸化物原料を所定成分量添加混合
し、造粒し、成形プレスした後、窒素ガス雰囲気中にお
いて酸素分圧5.0at%以下、1300〜1400℃の温度で焼結
して本実施例及び比較例の試料を得た。
第1表は試作した本実施例の試料及び比較例につい
て、それぞれの副成分及び添加成分の含有量と、周波数
200kHz、最大磁束密度Bmが1000Gの場合の電力損失PB
試料温度に対する最小値を示したものである。
第1表によれば、二酸化ジルコニウム(ZrO2)、三酸
化アルミニウム(Al2O3)、及び二酸化チタン(TiO2
の複合添加によって、従来の比較例の試料No.1より電力
損失が減少していることがわかる。これは、これらの添
加物が低損失酸化物磁性材料組織内部において、ZrO2
組織の粒界に折出して粒界の固有抵抗を増大させ、Al2O
3及びTiO2が結晶内に固溶してその固有抵抗を増大さ
せ、さらにAl2O3が結晶組織を均一にする効果があった
と考えられ、これらの複合作用によって、組織内部の電
磁気特性の均一化と組織全体の比抵抗を増大せしめ、こ
れによって鉄損を減少せしめ電力損を減少せしめたもの
と考えられる。
二酸化ジルコニウム(ZrO2)を0.40重量%添加した試
料No.11、三酸化アルミニウム(Al2O3)を0.60重量%添
加した試料No.15、及び二酸化チタン(TiO2)を0.040重
量%添加した試料No.19については、異常粒の成長が認
められ、そのため電力損失が大きくなったと考えられ、
それぞれの添加成分含有量はこの値以下の量が良好であ
ることが判る。
又これらの添加成分の中の少なくとも1つが0%であ
る比較試料No.2〜7においても電力損失が比較的大き
く、効果が少ないことが判る。
第2表は、本実施例の試料No.8と、従来の比較例の試
料No.1との低損失酸化物磁性材料について、初透磁率
μ、飽和磁束密度B15、残留磁束密度Br、及び比抵抗ρ
の各電磁気特性についての比較を示したものである。
第2表の実施例の試料No.8と、比較例の試料No.1とに
ついての各電磁気特性の比較を見ると、試料No.8は比抵
抗が約10倍以上となっており、これにより渦電流損によ
る鉄損が減少し、電力損失を減少していることが理解さ
れる。又、磁気特性はそれぞれほぼ同一であり、この種
のトランス用コア材料として優れていることが判る。
以上のことから、本発明の実施例によれば、200kHzに
於ける電力損失が大幅に低減されて、100kHz以上に於け
るスイッチング電源用トランスのコア材料として極めて
優れた低損失酸化物磁性材料が得られることが確認され
た。
ハ.発明の効果 〔発明の効果〕 以上に説明した如く、本発明によれば、スイッチング
電源用のトランス用コア材料として求められる諸特性を
十分に満足するとともに、100kHz以上の周波数において
電力損失を大幅に低減できる低損失酸化物磁性材料を提
供することが出来る。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主成分として、30〜40モル%の一酸化マン
    ガン(MnO)、5〜15モル%の酸化亜鉛(ZnO)、及び残
    分として酸化第2鉄(Fe2O3)を含み、副成分として0.0
    2〜0.15重量%の酸化カルシウム(CaO)、及び0.005〜
    0.100重量%の酸化ケイ素(SiO2)を含む低損失酸化物
    磁性材料において、さらに0.05〜0.30重量%未満(0.05
    %を含まず)の二酸化ジルコニウム(ZrO2)、0.50重量
    %未満(0%を含まず)の三酸化アルミニウム(Al
    2O3)、及び0.30重量%未満(0%を含まず)の二酸化
    チタン(TiO2)を添加したことを特徴とする低損失酸化
    物磁性材料。
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