JP2557260B2 - 硬貨処理機の誤排除防止装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 硬貨の包装、計数選別等の硬貨の処理機における硬貨
の選別に関するもので、特に比較的薄い小径硬貨の誤排
除を防止するものである。

（従来の技術） 従来この種のものとして実開昭56−88380号公報に示
すものがあった。この従来技術は、回転円盤より送られ
る硬貨の直径の大小に関わらず総てを導入し得る導入口
と、大径硬貨の一端と接して該硬貨を選別孔側に斜め状
にする傾斜面と、曲部においてカーブした選別孔を有す
る選別通路とより成り、前記斜め状の大径硬貨が曲部に
おいて選別孔内に排除されることを特徴とする硬貨処理
機の大径硬貨排除装置である。

（発明が解決しようとする問題点） 上記従来装置では、構造として全硬質が導入可能な導
入通路と、これと連通して設定硬貨径に設定した選別通
路を有し、この選別通路はその入口の片方に傾斜面を又
通路は曲部を有して成り、硬貨通路より導入した硬貨の
設定硬貨径より大径のものはその一部が上記傾斜面に乗
り上げ、そのまま送りベルトで送られ選別通路の曲部で
排除され、小径硬貨は選別通路内の選別孔より落下排除
されるものである。

このようなものでは選別通路１本で大径硬貨を排除し
ようとするため、通路が長くなって機体の大型化を招
き、曲部のために通路幅の不均一部分が生じやすく、そ
のために硬貨の排除が不確実となったり更に大型硬貨が
通路の片側に乗り上ったまま送られて選別孔内に落下し
ないような場合もあった。

この上記欠点を解消すべく本件出願人は先願に係わる
昭和62年特許願第65348号及び同第252202号の如き改良
発明を提案した。これらは回転円盤と連通して、設定硬
貨より大径の硬貨がその一部と係合して乗り上げる傾斜
排除面と、該傾斜排除面に係合すること無く通過する硬
貨を屈曲案内するリード面とを有する排除案内部材より
成る排除通路と、これと連通して前記リード面を介して
導入される設定硬貨を選別ガイドによって案内し且つ前
記設定硬貨より小径硬貨を排除孔より排除する選別通路
とより成り、設定硬貨より大径および小径の硬貨を排除
して選定硬貨のみを選別することを特徴とする硬貨処理
機の選別装置であり、また回転円盤と連通して、一側に
硬貨の周辺が接して走行するガイド板と、他側に設定硬
貨より大径の硬貨がその一部と係合して乗り上げる傾斜
排除面と、該傾斜排除面に係合することなく通過する硬
貨を屈曲案内するリード面とを有する排除案内部材と、
外部材上に一端を枢着され、前記傾斜排除面上を覆い設
けられる規制部材と、より成る排除通路と、これと連通
して前記リード面を介して導入される硬貨を選別ガイド
によって案内し且つ前記設定硬貨より小径硬貨を排除す
る選別通路とより成り、設定硬貨より大径及び小径の硬
貨を排除して選定硬貨のみを選別することを特徴とする
硬貨処理機の選別装置であるがこれらでは大径の厚手の
硬貨が前後して中間に薄手の小径硬貨が搬送された場
合、導入通路面と搬送ベルトとの間に隙間ができて小径
硬貨が、搬送ベルトと導入通路面との間で、所望のよう
に、挟持されず、傾斜排除面に乗り上げて送られ、その
まま大径硬貨の排除通路より排除される誤排除の欠点が
あった。

（発明の目的） 本発明は、投入された硬貨を受け入れ、回転によって
生じた遠心力により、受け入れた硬貨を、導入通路に送
り出す回転円板と、処理すべき硬貨および処理すべき硬
貨より径の小さい硬貨を、選別通路に送る導入通路と、
該導入通路の上方に設けられ、該導入通路の表面との間
で、硬貨を挟持して、搬送する搬送ベルトと、前記導入
通路の一側部に設けられ、下流側に向かって、次第に高
くなる傾斜面であって、処理すべき硬貨よりも径の大き
い硬貨が乗り上げ可能な傾斜面とを備えた硬貨処理機の
誤排除防止装置において、処理すべき硬貨より径の大き
い硬貨以外の硬貨が、前記傾斜面に乗り上げて、選別通
路に送られなくなることを確実に防止することのできる
硬貨処理機の誤排除防止装置を提供することを目的とす
るものである。

（発明の構成） 本発明のかかる目的は、前記傾斜面の開始部近傍の前
記搬送ベルトに対向する位置に、前記導入通路の表面か
ら、上方に突出する回動自在なローラが設けるによって
達成される。

（発明の作用） 本発明によれば、処理すべき硬貨より径の大きい硬貨
が乗り上げる傾斜面の開始部分近傍の搬送ベルトに対向
する位置に、導入通路の表面から、上方に突出する回転
自在なローラが設けられているので、径が大きく、厚み
の厚い硬貨の間に、小径硬貨が挟まれて、搬送される場
合にも、小径硬貨は、ローラにより、搬送ベルトに押し
つけられて、搬送ベルトとローラとの間に、確実に、挟
持され、したがって、小径硬貨が傾斜面の乗り上げて、
誤って排除されることが、確実に、防止され、処理すべ
き硬貨および処理すべき硬貨より径の小さい硬貨をすべ
て、選別通路に送ることが可能になる。

（実施例） 次に本発明の実施の１例として示した図面にもとづき
詳細に説明する。

１は回転円盤で、硬貨は導入口２より搬送ベルト３の
下方に供給されて、ベルト３により導入通路４内に全硬
貨は導入される。なおこの部分には図示してないが材質
検知及び計数センサ等が設けられて、導入された硬貨の
計数処理が行えるようになっている。

この導入通路４に続いてガイド板６の基準面５との間
を設定硬貨の径に応じて位置が調節される排除案内部材
７が設けられ、この排除案内部材７には導入通路４側
に、この通路４の底面と同高位置より順次上昇する傾斜
排除面８が形成され、且つ排除案内部材７に設けられる
軸９にはばね10でストッパー11に当接されるアーム12の
一端が枢着され該アーム12の先端に前記傾斜排除面８を
覆う如く規制部材13が設けられ更に前記傾斜排除面８の
側面には小径硬貨が接してその搬送方向が変換されるリ
ード面14が形成されている。

このリード面14による硬貨のリード方向に、選別通路
15が接続されている。選別通路15は、周知のように、選
別レール16、16′を有し、間隔を設定硬貨に従い調節自
在の選別ガイド17、17′とより成り、この両ガイド17、
17′間には小径硬貨排除孔18が形成されている。

なお、この選別通路15上には設定硬貨及びそれ以下の
小径硬貨を送るための送りベルト19が設けられることは
勿論である。

しかして本発明においては、硬貨が前記傾斜排除面８
に達する前の導入口２の部分に、この導入口２の面より
一部突出して回転自在の突出ローラ20を設けたものであ
る。

次にこの実施例についての作動を説明すると、回転円
盤１上の大径小径各種の硬貨は円盤１の回転に伴ない導
入口２より搬送ベルト３の下方に送り込まれ、該ベルト
３により導入通路４に至る。するとここで計数、材質検
出を各センサー（図示せず）にて行ない、導入通路４内
に誘導され、規制部材13と基準面５間に達すると、設定
硬貨および小径硬貨の場合はそのまま進行し、大径硬貨
の場合は、軸９を中心にバネ１の付勢力に抗してアーム
12とともに規制部材13を押し開き硬貨の１部が傾斜排除
面８上に乗り上げる。従って大径硬貨はリード面14と無
関係に搬送ベルト３の送りで直進し、外部乃至は大径硬
貨排除孔21より排除される。

設定硬貨及びそれより小径の硬貨は、搬送ベルト３の
送りで導入通路４内を進行し、この硬貨は、排除案内部
材７の傾斜排除面８上方を覆って、リード面14の延長面
上に位置する規制部材13を押し開くことなく、その側壁
にそって、導入通路４内を搬送されリード面14側へ案内
され、リード面14の屈曲した側壁により選別通路15の方
向にリードされ且つ該通路15上の送りベルト19により選
別通路15内に導かれ、設定硬貨は選別レール16、16′上
を走行し、これより小径の硬貨は排出口18より落下排除
される。しかして、前記選別レール16、16′上を走行し
た硬貨のみは周知の如く異金種センサ計数センサ（共に
図示せず）によって検出される。この際必要に応じて前
記したセンサ群の検出と照合するようにし且つストッパ
22によって送り枚数を規制して所定枚数の設定硬貨を放
出端より放出する。放出された硬貨は従来同様集積或は
袋詰め等の処理が行われる。

本実施例においては、傾斜排除面８の開始部分および
規制部材13近傍の搬送ベルト３に対向する位置に、導入
通路４の表面から、上方に突出する突出ローラ20が設れ
られているので、径が大きく、厚い硬貨の間に、径が小
さく、薄い硬貨が搬送される場合にも、径が小さく、薄
い硬貨は、突出ローラ20により、搬送ベルト３に向け
て、押し上げられるから、径が大きく、厚い硬貨の間を
搬送されても、径が小さく、薄い硬貨と搬送ベルト３と
の間に、間隙が生ずることがなく、したがって、径が小
さく、薄い硬貨を、突出ローラ20と搬送ベルト３との間
で、挟持して、搬送することができるから、処理すべき
硬貨より径の大きい硬貨以外の硬貨が、傾斜排除面８に
乗り上げて、排除されることを、確実に防止して、これ
らを選別通路に送ることが可能になる。

（発明の効果） 本発明によれば、投入された硬貨を受け入れ、回転に
よって生じた遠心力により、受け入れた硬貨を、導入通
路に送り出す回転円板と、処理すべき硬貨および処理す
べき硬貨より径の小さい硬貨を、選別通路に送る導入通
路と、該導入通路の上方に設けられ、該導入通路の表面
との間で、硬貨を挟持して、搬送する搬送ベルトと、前
記導入通路の一側部に設けられ、下流側に向かって、次
第に高くなる傾斜面であって、処理すべき硬貨よりも径
の大きい硬貨が乗り上げ可能な傾斜面とを備えた硬貨処
理機の誤排除防止装置において、処理すべき硬貨より径
の大きい硬貨以外の硬貨が、前記傾斜面に乗り上げて、
選別通路に送られなくなることを確実に防止することの
できる硬貨処理機の誤排除防止装置を提供することが可
能になる。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の１実施例を示す装置で、第１図は平面図、
第２図は要部の断面図である。 １……回転円盤、 ２……導入口、 ３……搬送ベルト、 ４……導入通路、 ５……基準面、 ７……排除案内部材、 ８……傾斜排除面、 10……ばね、 12……アーム、 13……規制部材、 14……リード面、 15……選別通路、 19……送りベルト、 20……突出ローラ。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】投入された硬貨を受け入れ、回転によって
   生じた遠心力により、受け入れた硬貨を、導入通路に送
   り出す回転円板と、処理すべき硬貨および処理すべき硬
   貨より径の小さい硬貨を、選別通路に送る導入通路と、
   該導入通路の上方に設けられ、該導入通路の表面との間
   で、硬貨を挟持して、搬送する搬送ベルトと、前記導入
   通路の一側部に設けられ、下流側に向かって、次第に高
   くなる傾斜面であって、処理すべき硬貨よりも径の大き
   い硬貨が乗り上げ可能な傾斜面とを備えた硬貨処理機の
   誤排除防止装置において、前記傾斜面の開始部近傍の前
   記搬送ベルトに対向する位置に、前記導入通路の表面か
   ら、上方に突出する回転自在なローラが設けられたこと
   を特徴とする硬貨処理機の誤排除防止装置。