JP2554756B2 - 組立家屋 - Google Patents

組立家屋

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JP2554756B2
JP2554756B2 JP1312435A JP31243589A JP2554756B2 JP 2554756 B2 JP2554756 B2 JP 2554756B2 JP 1312435 A JP1312435 A JP 1312435A JP 31243589 A JP31243589 A JP 31243589A JP 2554756 B2 JP2554756 B2 JP 2554756B2
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克則 大西
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、組立家屋に関するものである。
(従来の技術) 組立家屋とは、運搬可能な一定の大きさの箱型の、且
つ内部、外部の仕上げられた住宅ユニットを予め生産
し、その複数個の建築現場に運び、現場で組立てて設置
し、1戸の住宅となすものである。そして、この組立家
屋は、工期が短く且つ寸法精度の良い標準化された家屋
となる特徴があることから、近年、だんだん広く採用さ
れている。
従来、この組立家屋は予め作成していた基礎の上に住
宅ユニットを相接し設置し、その後、組立現場で屋根材
を葺く方法で施工していた。
しかし、組立家屋は、工場でその組立完成度を高める
ことが、前記特徴を発揮することになるので好ましく、
かかる意味から予め屋根材を工場で葺くことが望まれて
いた。
しかし、従来、各ユニットはほぼ同じ高さであるから
して、住宅ユニットに予め屋根材を葺くと、屋根が同じ
高さになり、雨水の流れが悪く、これらのユニット同士
の接合部における雨仕舞いの処理に難点を生ずる。又、
傾斜屋根にしようとすると、高さの異なる数多くのユニ
ットを作成する必要があり、一定の大きさにするユニッ
トの特徴が失われてしまう。
このような、難点を解決するものとして特公昭52−28
2号公報に記載された方法が開発された。
この方法は、予め屋根材を葺いた住宅ユニットを工場
で作成し、住宅ユニット同士の接合部の雨仕舞いの問題
を解決するために、住宅ユニットの側面に、この住宅ユ
ニットの側面部の上縁より低い縁枠を有する突出部を設
け、この縁枠同士を接合し、この縁枠の上に波形板を葺
くものである。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、この特公昭52−282号公報記載の方法
は、確かに雨仕舞いの問題は解決されたが、住宅ユニッ
トの側面に低い突出部を設けることによって、種々な不
都合な問題が発生した。即ち、側面に突出部を設けるた
めに、組立るユニットの接合場所が限定されるし、又、
住宅の中に低い所を設ける関係で間取りが限定されると
言う欠点が生じた。
本発明はかかる問題を解決し、予め工場等で屋根材を
葺いた住宅ユニットを作成し、この住宅ユニットを組立
現場で複数個組立てて、家屋となす組立家屋を提供する
ことを目的とする。
(課題を解決するための手段) 上記課題を解決すると共に、上記目的を達成するため
に、四隅に柱4を有する箱型の住宅ユニットを上下左右
に複数個組み立ててなる組立家屋において、少なくとも
最上階の各住宅ユニット1の屋根面は略中央部を最高地
点部とし、且つ各柱4のところを最低地点部となされ、
その屋根表面には防水シート61が予め貼られ、最上階の
住宅ユニット1同士は縦樋5が設けられだけの間隙を離
して設置され、向かい合った住宅ユニットに取り付けら
れたそれぞれの前記防水シート61の端部62は、直接或い
は樋8を介して接着されることにより、向かい合った住
宅ユニットの柱4と柱4の間に縦樋5が設置され、この
縦樋5を通して雨水を地上に導くようになしたものであ
る。
本発明における防水シート61とは、通常住宅の陸屋根
等に使用される防水シートがすべて使用できる。例え
ば、ポリ塩化ビニールシート等の合成樹脂シートや天然
ゴムシート、合成ゴムシート等のゴムシートや紙にアス
ファルト等の防水材を塗布した防水シート、上記防水シ
ートと金属薄板とを張り合わせたもの等が使用される
が、耐候性や接着性等を考えるとポリ塩化ビニールシー
トが最も好適なものとして使用される。
又、この防水シート61の端部62を接着する方法は、接
着剤で接着するのが最も普通であるが、塩化ビニールシ
ートの如き熱可塑性樹脂であれば、端部の表面を加熱し
て表面層を溶融し、素早くシートの端部を重合して接着
してもよい。又、合成樹脂、ゴム、或いはアスファルト
の溶剤をシートの端部に塗布して表面層を溶解させ、シ
ートの端部を重合して接着してもよい。
本発明において、向かい合ったユニットとは、隣合っ
たユニットと斜交いに向かい合ったユニットを含む。防
水シート61の端部62を、直接接着するとは、防水シート
61の端部62同士を接着することであり、樋8を介して接
着するとは、防水シート61の端部62の間に樋8を入れ、
防水シート61の端部62と樋8とを接着し、更にこの樋と
向かい合った防水シート61の端部62とを接着することで
ある。
又、本発明において、住宅ユニット1を縦樋5が設け
られるだけ離して設置するとは、向かい合った住宅ユニ
ット1を縦樋の幅あるいはこの幅より若干広く離して設
置することを意味する。従来、住宅ユニットは、屋根等
の取り付けを簡単にするために、できるだけ隙間のない
ように相接して設置するのが普通であるが、本発明で
は、このように縦樋5が設けられるだけ離して設置す
る。この点が従来の設置方法と異なる。
又、本発明において、向かい合ったユニットの柱4と
柱4の間に縦樋5を設置するのであるが、これは前述の
如く向かい合ったユニットを縦樋5が設けられるだけ離
して設置しているから、この各ユニットの柱4と柱4の
間に縦樋を設置することが可能なのである。従来縦樋は
住宅の軒先に設置するのが普通であるが、この点も従来
の縦樋の設置方法と異なる点である。
(作用) 本発明組立家屋の屋根の防水シート上に降った雨は、
縦樋5に雨水が流れるように屋根を少なくとも最上階の
各住宅ユニット1の屋根面は略中央部を最高地点部と
し、且つ各柱4のところを最低地点部となされている事
と、並びに向かい合った住宅ユニットの柱4と柱4の間
に縦樋5が設置されているから、縦樋5の方向に流れて
行き、縦樋5を通して地上に導かれる。
この際、この雨水は、ユニット1の上には予め防水シ
ート61が貼られているから、ユニット1の中に漏れる心
配はない。
又、ユニットの上に貼られた防水シート61の端部62と
向かい合ったユニットの上に貼られた防水シート61の端
部62とは、直接或いは樋8を介して接着されているの
で、ここも雨水の漏れる心配はない。
従って、屋根の上に降った雨は、防水シート61の上や
防水シート61の接着部や樋8を通過し、屋内に漏れるこ
となく、縦樋5に集められ、この縦樋5を通過して、地
上に導かれる。
(実施例) 以下本発明を図面を参照しながら、詳述する。
図は本発明を縦4ユニット、横4ユニットを3階建に
した合計48ユニットからなる組立家屋に実施した実施の
1態様を示すもので、第1図は3階の屋根伏図であり、
第2図は3階の床伏図である。第3図は第1図のA−A
断面図、第4図は第1図のB−B断面図、第5図は第1
図のC−C断面図、第6図は第1図のD−D断面図であ
る。
図において、Aは組立家屋であり、ユニット住宅1が
48ユニット組立られてできている。このユニット住宅1
は縦及び横の大きさが5812mm×2413mmの住宅ユニット11
と、3958mm×2413mmの住宅ユニット12と、3031mm×2413
mmの住宅ユニット13との3種類の住宅ユニットとにわか
れている。各ユニット1は59mm離されて据え付けられて
いる。そして、この4つの向かい合っているユニット
1、1、1、1の角が接し、4本の柱4、4、4、4が
集まっている中央部にφ50mmの縦樋5が通っている。組
立家屋の周辺部は、向かい合っている2つのユニット
1、1の角のそれぞれの柱4、4の間にφ50mmの縦樋が
通っている。
各ユニット1の屋根には、屋根下地6として厚み75mm
のALC板が、ユニット11には9枚、ユニット12には6
枚、ユニット13には5枚取り付けられている。そして、
第1図に示されるように、各ユニット1の中央の点線の
ところを棟として前後の屋根は勾配1/35で低くなり、柱
のところが一番低くなっている。屋根下地6の中央部が
ALC板の中央となるユニット11及びユニット13では、こ
の中央のALC板は水平に取り付けられている。
この屋根下地6の上にポリ塩化ビニールシートからな
る防水シート61は工場で貼られる。この防水シート61
は、ユニット1より大きい。従って、工場から出荷され
るときは、防水シート61の端部62がユニットの縁より若
干出ている。そして、組立現場で据え付けるときに、向
かい合っているユニット1に貼られた防水シート61の端
部62は直接或いは樋8を介して接着される。
この接着部分をもっと詳細に説明する。第1図におけ
るユニット1の横の接続部分であるB−B断面は、第4
図に示されている。この図から判るように、隣合ってい
るユニット1、1の梁2、2の上に珪酸カルシウム板3
が設けられ、その上に厚み1.6mmの鋼板64が隣合ってい
るユニットに掛け渡され、その上で防水シート61の端部
同士62、62が接着されている。
この鋼板64は屋根の棟のとこでは、第4図の上の鎖線
641で示されるように高い位置にあって、珪酸カルシウ
ム板3との間は空間となっているが、屋根が低くなるに
従って空間は小さくなり、一番低いところでは鎖線642
で示されるように珪酸カルシウム板3の上に接するよう
に、鋼板64は傾斜して取り付けられている。勿論、屋根
下地6も、鋼板64と同じように傾斜している。
次に、第1図におけるユニット1の縦の接続部分であ
るC−C断面を説明する。このC−C断面は第5図にあ
る如く、隣合っているユニット1、1の梁2、2の上に
珪酸カルシウム板3が設けられ、その上に、厚み1.6mm
の鋼板64が隣合っているユニット1、1の間に掛け渡さ
れ、その上で防水シート61の端部同士62、62が接着され
ている。
次に、第1図における縦樋のある部分のA−A断面に
ついて説明すると、このA−A断面は第3図にある如
く、向かい合っている4つのユニット1、1、1、1に
塩化ビニル被覆鋼板からなる樋8が掛け渡され、防水シ
ート61の端部62と樋8とは接着されている。
この樋8について説明すると、樋8の中央部にドレイ
ン81が設けられる孔が開けらる。ドレイン81は厚み0.5m
mのステンレス製筒(φ50mm)からなり、このドレイン8
1は上方には鍔811が下方には螺子812が設けられてい
る。そして、このドレイン81は樋8に設けられた孔に下
方から鍔811まで挿入される。鍔811と樋8とはリベット
で止められ、且つこの接続部はシーリング材で防水され
て、樋8と一体となっている。このドレイン81の下方に
設けられた螺子812には、ユニットを据え付けるとき
に、縦樋5が接続される。
又、第1図に示されるように、屋根下地6のALC板の
接続部分はD−D断面として示されている。この部分は
第6図に示されるように、ALC板の角部が一部切り欠か
れているが、この部分に厚み2mmの鋼板64が掛け渡さ
れ、その上に工場で防水シート61が貼られる。
床には、床板7として厚み125mmのALC板が屋根と同数
だけ取り付けられている。
次に、この組立屋根の施工方法を説明する。
先ず、組立家屋の基礎を作り、この基礎の上に予め工
場で製造されている1階の住宅ユニットを柱間の隙間が
59mmになるように据え付け、その上に同じく構造で製造
された2階のユニットを据え付け、更に工場で防水シー
ト6が貼られた3階のユニットを据えつける。
このように、この実施例では1階のユニットから、樋
が通るだけの59mm離して据えつけたが、1〜2階を接し
て据え付け、3階だけを離して据え付けてもよい。この
場合には、縦樋5は3階と2階の境でユニットの外に出
るように配管する。
住宅ユニット1の間に鋼板64、樋8、ドレイン81付樋
8をそれぞれ所定のところに取り付け、第1図に示され
る縦及び横方向のユニットの間では、防水シート同士
を、又、縦樋の部分ではドレイン81付樋8を介して、そ
れぞれ防水シートを接着する。
次に、ドレイン81の下方の螺子に縦樋5を接続する。
その後、ユニットとユニットとの間の仕上げ、内作等
の仕上げ、配管、配線等を行って、組立家屋は完成す
る。
(効 果) 本発明では、向かい合ったユニットの柱と柱の間に縦
樋を通しているから、縦樋を柱の一部として取り扱いが
できるので、間取りが制約されることがない。
本発明は各のユニットの防水シートの端部を接着する
だけで防水ができ、従来のように、接合部に特別な突出
部を設けて防水するということがないので、ユニットの
接続を特定部位に限定する必要がない。
本発明では、住宅ユニットを縦樋が設けられるだけ離
して設置するから、向かい合ったユニットの柱と柱の間
に縦樋を支障なく通すことができ、しかも、この縦樋に
雨水が流れるように少なくとも最上階の各住宅ユニット
1の屋根面は略中央部を最高地点部とし、且つ各柱4の
ところを最低地点部となされているから、屋根に降った
雨水はこの縦樋を通して地上に支障なく導かれる。
又、本発明の住宅ユニットは各ユニットの柱のところ
で縦樋を通し、雨水を地上に導くようにしたことから判
るように、ユニット単位で独自に雨水を地上に導くの
で、各ユニットは独立した高さ、例えば同じ高さにして
も支障がない。従って、住宅ユニットを傾斜屋根にしよ
うと計画するときのような、数多くの高さの異なった住
宅ユニットを作成する必要がない。
又、本発明の各ユニットの防水シートの端部が接着さ
れ、隙間がないから、雨水が漏るということがない。
又、本発明は予め屋上に防水シートを貼ってあるか
ら、組立家屋の特徴である、工期が短く且つ寸法精度の
良い標準化された家屋が製作できる。
【図面の簡単な説明】
図は本発明を縦4ユニット、横4ユニットを3階建に
し、合計48ユニットからなる組立家屋に実施した1態様
を示すもので、第1図は3階の屋根伏図、第2図は3階
の床伏図、第3図は第1図のA−A断面図、第4図は第
1図のB−B断面図、第5図は第1図のC−C断面図、
第6図は第1図のD−D断面図である。 A……組立家屋 1……住宅ユニット 4……柱 5……縦樋 61……防水シート 62……防水シートの端部 8……樋

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】四隅に柱4を有する箱型の住宅ユニットを
    上下左右に複数個組み立ててなる組立家屋において、少
    なくとも最上階の各住宅ユニット1の屋根面は略中央部
    を最高地点部とし、且つ各柱4のところを最低地点部と
    なされ、その屋根表面には防水シート61が予め貼られ、
    最上階の住宅ユニット1同士は縦樋5が設けられだけの
    間隙を離して設置され、向かい合った住宅ユニットに取
    り付けられたそれぞれの前記防水シート61の端部62は、
    直接或いは樋8を介して接着されることにより、向かい
    合った住宅ユニットの柱4と柱4の間に縦樋5が設置さ
    れ、この縦樋5を通して雨水を地上に導くようになされ
    たことを特徴とする組立家屋。
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