JPH083555Y2 - 屋根ユニット接合部の防水構造 - Google Patents

屋根ユニット接合部の防水構造

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JPH083555Y2
JPH083555Y2 JP10482190U JP10482190U JPH083555Y2 JP H083555 Y2 JPH083555 Y2 JP H083555Y2 JP 10482190 U JP10482190 U JP 10482190U JP 10482190 U JP10482190 U JP 10482190U JP H083555 Y2 JPH083555 Y2 JP H083555Y2
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  • Roof Covering Using Slabs Or Stiff Sheets (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、複数の住宅ユニットを組み立てて建てるユ
ニット住宅等の勾配屋根を構成する屋根ユニット接合部
の防水構造に係り、特に勾配方向に連設される上屋根ユ
ニットおよび下屋根ユニットの接合部の防水構造に関す
る。
〔背景技術〕
最近では、現場における住宅の施工期間を短縮するた
め、ユニット工法が多用されつつある。このユニット工
法は、それぞれモジュール化した住宅ユニットや屋根ユ
ニットを予め工場で製造し、これらのユニットを現場ま
でトラック等で輸送した後、基礎上にて組み合わせて施
工を行うものである。
ところで、住宅では、屋根に防水処理を施す必要があ
るが、屋根ユニットを用いて勾配屋根を構成する場合、
各屋根ユニットには工場で防水処理が施されるものの、
ユニット接合部の防水処理は現場で行う必要がある。
この防水処理は、ユニット間の目地にコーキング材を
施したり、あるいは、両ユニットに防水シートをそれぞ
れ貼付することにより行われていた。
〔考案が解決しようとする課題〕
ところが、コーキング材をユニット間に施したり、各
ユニットに防水シートを貼付したりする従来例は、防水
をいわば湿式処理により行うため、コーキング材等が乾
燥するまで長い養生時間が必要とされるという問題点が
ある。また、コーキング材を用いるやり方では、熟練を
要するため、誰でも簡単に防水処理が行えないという問
題点もある。さらに、小屋裏居室等のスペースを大きく
するため等で急勾配の屋根を形成する場合には、コーキ
ング材を目地に充填したり、防水シートを貼付する作業
は困難であるという問題点もあった。
ここに、本考案の目的は、屋根ユニット接合部の防水
処理を迅速にかつ簡易に行える屋根ユニット接合部の防
水構造を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本考案の屋根ユニット接合部の防水構造は、屋根の勾
配方向に連設されて勾配屋根を構成する上屋根ユニット
および下屋根ユニット間の接合部の防水構造であって、
前記下屋根ユニットの上端部に沿って取付けられた水切
材と、前記上屋根ユニットの屋根パネルを構成する野地
板および屋根材間に介在されて屋根パネル下端部の野地
板および屋根材間に隙間を形成するとともに、前記水切
板上まで延長された雨押えスペーサと、この雨押えスペ
ーサ上に配置されるとともに、その上端部は雨押えスペ
ーサで形成された前記隙間に嵌挿され、かつ下端部は雨
押えスペーサおよび水切材の下方側まで延長されて前記
下屋根ユニットに固定された雨押えと、を備えて構成さ
れたことを特徴とする。
〔作用〕
このような構成の本考案では、工場等で予め雨押えス
ペーサが取付けられた上屋根ユニットと、水切材が取付
けられた下屋根ユニットとを住宅ユニットとともに建設
現場に輸送する。
その後、住宅ユニットをクレーン等で吊り上げて基礎
上に設置した後、下屋根ユニットを住宅ユニット上に設
置する。次いで、上屋根ユニットをクレーンで吊り上げ
て下屋根ユニットの隣に設置する。この際、下屋根ユニ
ットの水切材上に上屋根ユニットの雨押えスペーサが重
ねられて配置される。
次いで、雨押えの上端部を雨押えスペーサで形成され
た隙間に嵌挿するとともに、下端部を釘等で下屋根ユニ
ットに固定する。
これにより、上屋根ユニットおよび下屋根ユニットの
接合部は、雨押えスペーサおよび雨押えが二重に重なっ
て配置されて防水処理が行われる。この際、現場での屋
根ユニットの防水作業としては、雨押えの取付作業のみ
でよく、この取付作業も雨押えの上端部を隙間に嵌挿し
て下端部を釘等で固定するだけであるから、従来のコー
キング材等を用いた場合に比べて急勾配の屋根でも作業
を迅速にかつ簡易に行える。
〔実施例〕
以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。
第1図及び第2図にはユニット工法で建てられたユニ
ット住宅が示されている。これらの図において、基礎1
の上には複数の1階用住宅ユニット2が配置され、これ
らのユニット2の上には複数の2階用住宅ユニット3が
配置されている。
これらの住宅ユニット3の上、つまり最上階の中央部
には、断面略五角形の上屋根ユニット4が3つ配置され
ている。これらの上屋根ユニット4により、小屋裏居室
が構成されるとともに、両妻側に配置された上屋根ユニ
ット4にはテラス5が設けられている。これらのユニッ
ト4の桁側には複数の断面略三角形の下屋根ユニット6
が配置され、これらのユニット4,6により勾配屋根7が
形成されている。
上屋根ユニット4と、下屋根ユニット6との接合部7A
の防水構造を第3図および第4図に示す。
上屋根ユニット4のガラスサッシ8が設けられていな
い勾配屋根7面には、図示しないユニットフレーム上に
配置された屋根パネル9が設けられている。屋根パネル
9は、フレームに取付けられる野地合板9Aの上面に屋根
材9Bが取付けられて形成される。野地合板9Aと屋根材9B
との間には、防水シート10および雨押えスペーサ11が介
在されている。防水シート10は、野地合板9Aの上面全部
に貼付されており、その下端部は野地合板9Aよりも突出
され、その突出部分の下面には離型フィルム12が貼付さ
れている。
雨押えスペーサ11は、防水シート10上に貼付されると
ともに、その上端部11Aが略U字形に折曲されて野地合
板9Aおよび屋根材9B間に隙間13を形成している。この雨
押えスペーサ11も野地合板9Aよりも下方まで延長されて
いる。
一方、下屋根ユニット6は、上屋根ユニット4と同様
に、図示しないユニットフレーム上に配置された屋根パ
ネル21を備え、屋根パネル21は、フレームに取付けられ
る野地合板21Aの上面に屋根材21Bが取付けられて形成さ
れる。この屋根材21Bの上面上端部には、笠木24が固定
されている。
上屋根ユニット4および下屋根ユニット6は、上屋根
ユニット4の野地合板9Aの上面の延長上に下屋根ユニッ
ト6の笠木24の上面が位置するように配置されており、
つまり上屋根ユニット4および下屋根ユニット6間に段
差が生じるように配置されている。
下屋根ユニット6の野地合板21Aと屋根材21Bとの間に
は、防水シート22および捨て水切23が介在されている。
捨て水切23は、断面略コ字形に形成され、屋根材21B
および笠木24の上端面を被覆するように配置されてい
る。この笠木24および捨て水切23の上面側には防水シー
ト25が貼付されている。
この防水シート25上には、第3図に示すように、上屋
根ユニット4の離型フィルム12を剥がした防水シート10
が貼付され、よって捨て水切23、防水シート25,10、雨
押えスペーサ11が重ねられて配置される。
上屋根ユニット4の雨押えスペーサ11の折曲された上
端部11Aには、雨押え26の上端部26Aが嵌挿されている。
この雨押え26の下端部26Bは、笠木24および屋根材21Bに
沿って折曲され、かつ釘27で笠木24に固定されている。
次に、本実施例の防水処理の方法について説明する。
まず、工場において、各ユニット2〜4,6を製造する
とともに、それぞれのユニット2〜4,6に防水処理を施
す。上屋根ユニット4では、野地合板9Aの上面全部に防
水シート10を貼付し、雨押えスペーサ11を介在させてお
く。
一方、下屋根ユニット6では、野地合板21Aに防水シ
ート22を貼付するとともに、捨て水切23を取付け、さら
に笠木24および捨て水切23上に防水シート25を貼付して
おく。
これらのユニット2,3,4,6を現場に搬送した後、基礎
1上に複数の1階用住宅ユニット2をクレーン等で吊り
下げながら配置し、さらに、これらの住宅ユニット2の
上に複数の2階用住宅ユニット3を配置する。
次に、ユニット3の上に下屋根ユニット6を両桁側に
配置した後、この下屋根ユニット6の隣に上屋根ユニッ
ト4をクレーンで吊り下げて降ろす。この際、防水シー
ト10の離型フィルム12をはがして防水シート25上に防水
シート10を貼付し、雨押えスペーサ11の下端部を捨て水
切24上に配置する。
次いで、雨押え26の上端部26Aを雨押えスペーサ11に
よる隙間13に嵌挿するとともに、下端部26Bを笠木24に
釘27で固定して屋根ユニット4,6の接合部7Aの防水処理
を行う。
このような本実施例によれば、捨て水切23,防水シー
ト10,22,25、雨押えスペーサ11、雨押え26によるいわゆ
る乾式の防水処理を行っているので、隣合う住宅ユニッ
ト同士のジョイント部分にコーキング材を充填したり防
水シートを貼付する湿式処理を行っていた従来例に比
べ、防水処理を迅速にかつ簡易に行える。
また、この防水処理は、現場では屋根ユニット4,6の
設置、接合作業と、雨押え26の取付作業だけでよいの
で、現場作業が少なくなって作業効率をより向上でき、
特に急勾配の屋根における防水処理に好適である。
さらに、屋根ユニット4,6の接合部7Aは、防水シート1
0,雨押えスペーサ11,雨押え26で3重に覆われているの
で接合部7Aからの雨水の進入を確実に防止することがで
きる。特に、雨押えスペーサ11を下屋根ユニット6の捨
て水切23上まで延長しているので、強風などで雨水が隙
間13から雨押え26および雨押えスペーサ11間に入り込ん
だとしても、雨押えスペーサ11により捨て水切23まで流
されて接合部7Aへの進入を防止でき、防水処理をより確
実なものにできる。
また、雨押え26は現場で取付けられ、かつ防水シート
10は折曲げることができるので、屋根ユニット4,6から
突出する寸法を極めて小さくでき、よって屋根ユニット
4,6を略輸送制限一杯に形成できて小屋裏居室スペース
も大きくできる。
なお、本考案は前述の実施例に限定れさるものではな
く、本考案の目的を達成できる範囲での変形、改良等は
本考案に含まれるものである。
例えば、本考案の防水構造は、前記実施例の屋根形式
に限らず、勾配屋根7を構成する上屋根ユニット4およ
び下屋根ユニット6を備えた屋根であれば、越し屋根、
切妻屋根、寄棟屋根、入り母屋屋根、片流れ屋根、しろ
こ屋根、マンサード屋根、M形屋根等の種々の屋根に適
用できる。
また、前記実施例では、上屋根ユニット4の野地合板
9Aの略延長上に下屋根ユニット6の笠木24が位置するよ
うに配置していたが、上屋根ユニット4および下屋根ユ
ニット6の相対位置は、実施にあたって適宜設定すれば
よい。要するに、雨押え26や雨押えスペーサ11に逆勾配
が設けられずに雨水が確実に流れ落ちるものであればよ
く、特に屋根勾配に応じて適宜設定すればよい。
〔考案の効果〕
前述のような本考案によれば、勾配屋根を構成する屋
根ユニット接合部の防水処理を迅速にかつ簡易に行える
という効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例が適用されたユニット住宅を
示す正面図、第2図はその側面図、第3図は屋根ユニッ
ト接合部の防水構造を示す断面図、第4図はその分解斜
視図である。 4……上屋根ユニット、6……下屋根ユニット、7……
勾配屋根、7A……接合部、9,21……屋根パネル、9A,21A
……野地合板、9B,21B……屋根材、10,22,25……防水シ
ート、11……雨押えスペーサ、13……隙間、23……捨て
水切、26……雨押え。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】屋根の勾配方向に連設されて勾配屋根を構
    成する上屋根ユニットおよび下屋根ユニット間の接合部
    の防水構造であって、 前記下屋根ユニットの上端部に沿って取付けられた水切
    材と、 前記上屋根ユニットの屋根パネルを構成する野地板およ
    び屋根材間に介在されて屋根パネル下端部の野地板およ
    び屋根材間に隙間を形成するとともに、前記水切板上ま
    で延長された雨押えスペーサと、 この雨押えスペーサ上に配置されるとともに、その上端
    部は雨押えスペーサで形成された前記隙間に嵌挿され、
    かつ下端部は雨押えスペーサおよび水切材の下方側まで
    延長されて前記下屋根ユニットに固定された雨押えと、 を備えて構成されたことを特徴とする屋根ユニット接合
    部の防水構造。
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