JP2553076B2 - ポリエステルの製造法 - Google Patents

ポリエステルの製造法

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JP2553076B2 JP62093413A JP9341387A JP2553076B2 JP 2553076 B2 JP2553076 B2 JP 2553076B2 JP 62093413 A JP62093413 A JP 62093413A JP 9341387 A JP9341387 A JP 9341387A JP 2553076 B2 JP2553076 B2 JP 2553076B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は特定の所望の分子量、分子量分配又は多分散
度のポリエステルの製造法に関する。
従来の技術 多くのポリエステルは、動体の体内で生減成する特質
を有し、それ故最近多くの生体医学上の使用で、例えば
吸収性縫合物、移植物及び人工器官として、及び種々の
薬剤の持続放出調合物の担体として利用されている。
かゝる目的に有用な特定の公知ポリエステルは、ヒド
ロキシ酸、例えば乳酸、グルコール酸及び3−ヒドロキ
シ酪酸、又はラクトン、例えばラクチド、グリコリド及
びエプシロン−カプロラクトンから誘導されたポリエス
テル、又はかゝる2種のモノマー、特にポリ(乳酸−グ
ルコール酸)及びポリ(ラクチド−グリコリド)から誘
導されたコーポリエステルである。
かゝるポリエステルを医学用に動物の体内で使用する
場合、特に人体内で使用する場合には、もちろんポリエ
ステルには純度、毒物学上及び生理学上の受容性の厳格
な規格を受ける。特にかゝるポリエステルを持続放出性
調剤の薬物担体として使用する場合には、多くのパラメ
ータによって薬物放出のプロフィルを決定しかつ制御す
る。これらのパラメータのうちの最も重要なものは分子
量及び多分散度である〔多分散度は分子の大きさの分配
であり、重量平均分子量(Mw)対数平均分子量(Mn)の
割合として定義される〕。
従来は所望の分子量の生物分解性のポリエステル、殊
にMw約15000以下を有し所望の多分散度を有するポリエ
ステルを良好な収率で再現可能に製造することは困難で
あるか又は不可能であつた。生物分解性のポリエステル
は多くの種類の方法で製造されたが、これらの製造法は
多分散度を制御することはできず、多くの場合精製され
たポリエステルの分子量を制御することもできなかっ
た。
例えば乳酸及び/又はグルコール酸を基礎とする、比
較的小さい分子量(Mw10000以下)のポリエステル及び
コーポリエステルは、ヒドロキシ酸又は重縮合重合によ
つて製造することができる。しかしながらこの方法で
は、生成物は大量の低分子量のポリマー及び非重合モノ
マーを含有し、これは容易に除去することができないこ
とが判明した。これは、DL−乳酸を窒素下に200℃で8
時間加熱すると、インヘレント粘度0.08dl/g(クロロホ
ルムにとかした1%の溶液として25℃で測定)を有する
生成物が得られた実験で説明される。この生成物はポリ
マー、未反応の乳酸及びDL−ラクチドを含有していた。
DL−ラクチドは、生成物から高真空を用いて十分に除去
することはできない。それというのもこれは大部分のDL
−ラクチドを除去するが、インヘレント粘度の0.12dl/g
への増大で示されるように、更に既に形成したポリマー
の重合を生ぜしめる。粘度のこの増大は、粗製生成物の
約300から真空乾燥生成物の約6000への生成物ポリマー
のMwの増大を示す。分子量の正確な制御は、この方法で
は明らかに得ることはできない。
ポリマー生成物の沈澱を包含する選択的精製技術は、
必要な性質を有するポリエステルを得ることはできな
い。ポリマー溶液を、高分子量のポリマーに対する過剰
量の非溶剤に添加してポリマーを精製することは公知で
ある。この方法によつてポリマーは分別することがで
き、高分子量のポリマーが沈澱すると共に、低分子量の
ポリマーは溶液又は分散液中に保持される。分子量約10
000以下のポリマーに対しては、この方法は低収率の精
製ポリマーを生ぜしめ、更に高分子量の成分の選択的沈
澱によつて得られたポリマー生成物は、通常粗製生成物
よりも著しい高分子量を有する。
これは、低分子量のポリマー(DL−ラクチド)は、有
機錫触媒及び生成物ポリマーの分子量を調整する連鎖停
止剤としてのDL−乳酸を用いる、DL−ラクチドの開環重
合によつて得られた実験によつて説明される。この粗製
ポリ(DL−ラクチド)生成物は、インヘレント粘度0.10
8(クロロホルムに25℃でとかした1W/V%の溶液)、Mw5
500及びMn2400、多分散度2.3を有していた。この粗製ポ
リエステルは酢酸にとかし、溶液は激しく撹拌しなが
ら、高分子量のポリ(DL−ラクチド)の非溶剤であるメ
タノールに添加した。このようにして得られた精製ポリ
マーはインヘレント粘度0.16(前記と同じ条件)、Mw10
370及びMn8340、多分散度1.24を有していた。この精製
法によつては低収率の精製生成物が得られたのに過ぎ
ず、精製生成物は最初の粗製生成物の分子量特性とは全
く異なる分子量特性を有していた。この方法では、明ら
かに必要な個々の分子量及び多分散度のポリエステルを
製造することはできない。
乳酸及び/又はグルコール酸の高分子量のポリエステ
ル及びコーポリエステルは、適当な公知触媒を用いる適
当なダイマー、DL−、L−又はD−ラクチド又はグリコ
リドの開環重合によつて製造することができる。適当な
連鎖停止剤を用いると、低分子量であるが、制御された
分子量のポリエステルを得ることができるが、沈殿技術
を用いてはMw約10000以下の精製ポリエステルを得るの
は困難であるか又は不可能である。高分子量のポリエス
テルに対するこれらの方法は、沈殿技術で十分に精製す
ることができるが、このようにして得られた精製ポリエ
ステルの多分散度は常に1.8〜2.2の範囲内、即ち最も確
率の大きい分布(多分散度=2)に接近している。この
ようにしてこの製造法によつては、約2以上の多分散度
を有するか、又は特定の非対称性又は多節性(multinod
al)分子量分布を有する調整されたポリエステルの製造
はできない。この技術は、Mw約10000以下のポリエステ
ルの一貫して再生することのできる製造には不適当であ
る。
発明が解決しようとする問題点 これに比して、本発明は約20000以下の所望のMnを有
し、所望の分子量分布を有するポリエステルを、通常良
好な収率で製造する方法を提供する。本発明は、高分子
量のポリエステルを容易に製造し、十分な収率で容易に
精製し、次いで制御された加水分解によつて所望の低分
子量及び分子量分布のポリエステルを得ることができる
認識に基づく。
問題点を解決するための手段 このようにして本発明によつて、ポリスチレン標準物
に対してサイズ・エクスクルージヨン・クロマトグラフ
イーで測定した任意に所望の数平均分子量Mw約20000以
下のポリエステルを製造法が得られ、この方法は、所望
生成物ポリエステルと化学組成は同じであるが、上記に
定義したように測定した、所望生成物ポリエステルより
も高い数平均分子量Mn゜を有する出発物質ポリエステル
を、酸と水からなる加水分解媒体に溶解して加水分解
し、その際加水分解媒体中のポリエステル酸性溶液を外
界温度と還流温度の間の所定温度に、方程式 [式中Kは特定のポリエステル、水、酸およびポリエス
テルの特定の割合および所望の特定の加水分解温度を用
いる検量実験によってあらかじめ決定された定数であ
り、Mn及びMn゜はそれぞれ生成物ポリエステル及び出発
物質ポリエステルの数平均分子量を表わす]から決定し
た時間tにわたり維持することを特徴とする。
ポリエステルの加水分解速度は温度に依存し、高めた
温度では外界温度におけるよりもはるかに迅速であるの
で、実地では本発明方法を外界温度で実施するのが望ま
しく、これは生成物の分子量の最も正確な制御を可能に
する。室温によつて生成物の分子量の最も正確な調整が
可能である。分子量の余り精確でない制御が容認される
場合には、生成物は、加水分解を高めた温度、たとえば
使用される含水酸の還流温度で実施することによっては
るかに迅速に得ることができる。
反応の検量は、先づ出発ポリエステル、加水分解性
酸、その相対的割合及び反応温度を選び、反応をこの温
度で始め、反応混合物からサンプルを適当な時間間隔で
取出し、各々のサンプルのMnを測定し、時間に対する1/
Mnをグラフで示すことによつて行なう。直線関係が得ら
れ、このグラフから任意に所望のMnのポリエステルを、
個々の条件下に個々のポリエステル出発物質から得るの
に必要な反応時間(t)を測定することができる。
本発明方法は、特にポリペプチド薬剤の制御された放
出に必要なポリ乳酸又は(乳酸・グルコール酸)共重合
体の製造に有用であり、これらのポリエステルの製造に
は、酢酸が加水分解のための好ましい酸である。代表的
にポリエステル出発物質は、Mn=20000〜100000の範囲
内の分子量を有し、酢酸での加水分解はMn=5000〜3000
0のポリエステルを得るためには、還流温度で約0.5〜4
時間又は室温で数週間行なう。
ポリエステル出発物質が多分散度約2(統計的に最も
確率の高い分子量分布に一致する)を有する場合には、
ポリエステル生成物は主として同じ多分散度を保持す
る。それというのも加水分解による分解はランダムなプ
ロセルであるからである。しかしながら、加水分解反応
の適当な調整によつて、必要により異なる多分散度のポ
リエステル生成物を得ることができる。これを達成する
ためには、加水分解反応は、含水酸中のポリエステル出
発物質の溶液を外界温度で、ポリエステル溶液が、添加
する際還流するのに十分に加熱された反応容器に添加す
ることによつて行なう。ポリエステルは酸溶液中では室
温で無視してよいほど緩慢に加水分解するが、溶液を加
熱された反応容器に導入する場合には、加水分解は著し
くはるかに迅速な速度で生起する。このようにして、ポ
リエステル/酸溶液の加熱反応器への添加速度を調整し
て、必要な多分散度又は分子量分布のポリエステル生成
物を得ることができる。
例えばポリエステル/酸溶液を一定の速度で予め決定
された時間(t)にわたって添加する場合には、約2.5
よりも大きい多分散度の生成物ポリエステルが得られ、
このポリエステルの分子量分布は非対称性であり、低分
子量の“テール”を有する。同じようにして、ポリエス
テル/酸溶液を加熱反応器に加速割合で時間(t)に添
加する場合には、極めて広い分子量分布及び更に多分散
度約2.5以上を有する生成物が得られる。
多節分子量分配を有するポリエステル生成物は、ポリ
エステル/酸溶液を加熱反応器に2回又は数回に分けて
適当な時間間隔で添加して得ることができる。各々の節
の分子量は、前述のようにして調整することができる。
低い多分散度(即ち約1.5以下)の低分子量のポリエ
ステルが必要な場合には、類似の低い多分散度のポリエ
ステル出発物質を使用するのが必要である。前述のよう
に、Mn約10000以上のポリエステルは、沈殿分別によつ
て著しくわずかな物質のロスで有効に精製して低い多分
散度のポリマーを得ることができる。かゝるポリエステ
ルの加水分解は分子量分布の一定の限定された広がりを
もたらすが、特にMn 0が所望の生成物のMnよりも約5倍
以下の場合には、多分散度約1.5を維持することができ
る。
分子量Mnは、サイズ・エクスクルージヨン・クロマト
グラフイーによつて次のようにして測定した: クロマトグラフイーの支持体又は固定相は、多孔サイ
ズの調整範囲を有する架橋ポリスチレンゲルであり、サ
イズの分離は、ゲル粒子内部の溶剤とゲル粒子間の間隙
の溶剤との間の溶質の分配に基づく。大きい分子が溶液
中で有するサイズ(これは分子構造および溶媒和の程度
に依存する)は、若干のゲル細孔よりも大きい。それ故
かゝる大きい分子はゲル粒子間の溶剤に閉じ込められ、
従つて最初に溶離する。小さい溶質分子はゲル粒子の内
部及び外部の溶剤に接近し、このようにしてクロマトグ
ラフィーカラムに沿って移動するのは、該分子がゲル粒
子内の溶媒中へ分配する程度に比例して遅延される。そ
れ故溶質分子は、分子の大きさの減少する順序でカラム
から溶離する。公知分子量の多くのポリスチレン標準物
を用いて、カラムを検量して、保持時間を分子量に関連
させることができる。更にカラムは、他のポリマーの分
子量Mn及びMwを測定するのに使用することができる。ク
ロマトグラムを作成することができ、ポリマー分子の各
々の分子量の数を示し、検量からの公知分子量に相応す
る短かい時間をはあくすることによつてクロマトグラム
を合成して、試験下のポリマーの数平均分子量及び重合
平均分子量を得ることができる。
このようにして測定した分子量Mw及びMnは絶対値では
なく、ポリスチレン標準物に対する相対値である。絶対
値の指示のように、Mw5500はインヘレント粘度0.10dl/g
(クロロホルムに25℃でとかした1W/V%の溶液)に相応
し、Mw7800はインヘレント粘度0.13dl/g(クロロホルム
に25℃でとかした1W/V%の溶液)に相応し、Mw20000は
インヘレント粘度〜0.3dl/gに相応し、Mw50000はインヘ
レント粘度〜0.45dl/gに相応し、Mw100000はインヘレン
ト粘度〜1.0dl/gに相応する。
実施例 例 1 高分子量のポリ(D、L−ラクチド)を、新しく製造
した乾燥D、L−ラクチドを有機錫触媒を用いて開環重
合させて製造した。このようにして得られたポリエステ
ルを、氷酢酸に溶解し、次いでこの溶液を激しく撹拌し
たメタノールに添加し、単離し、生成物のポリエステル
を乾燥することによつて精製した。このようにして得ら
れたポリエステルは、ポリスチレンに対するサイズ・エ
クスクルージヨン・クロマトグラフイーによりMn=5900
0、Mw=107500、それ故多分散度1.82を有していた。
このポリエステル(10g)及び水(1ml)を氷酢酸に溶
解し、溶液を更に氷酢酸で希釈して100mlにした。混合
物を還流温度に迅速に加熱し、この温度で維持し、サン
プルを0.5、1、2、3及び4時間で取出した。取出し
たサンプルを直ちに凍結乾燥し、各々のサンプルの分子
量を前記のサイズ・エクスクルージョン・クロマトグラ
フイーで測定した。時間に対する1/Mnのプロツトは、勾
配7.4×10-5hr-1の直線であつた。
このプロツトから、Mn=17300のポリ(D、L−ラク
チド)は特定の条件下に1時間で加水分解して、Mn7000
になることが測定された。かゝるポリエステルが実際に
この条件下で1時間で加水分解する場合には、このよう
にして得られたポリエステルは、予測値と十分に一致し
てMn6800を有していた。
同じようにして、検量プロツトからMn=5000のポリエ
ステルはMn=17300の最初のポリエステルが加水分解す
るのに2時間必要であることが測定された。かゝるポリ
エステルが実際に特定の条件下で2時間で加水分解する
場合には、生成物のポリエステルは予測値と十分に一致
してMn=4700を有していた。
例 2 例1の方法をくり返すが、加水分解媒体の水1mlの代
りに2mlを使用し、0.25、0.5、1.0、1.5及び2.0時間で
サンプルを取出した。時間に対する1/Mnのプロツトは、
勾配13.2×10-5hr-1の直線であつた。
この検量から、Mw=64000及びMn=34000のポリ(D、
L−ラクチド)は、この条件下で1.5時間に減成してMn
=4300のポリ(D、L−ラクチド)になることを計算し
た。実際に実験を行なうと、生成物は予測値と十分に一
致してMw=8300及びMn=4050を有していた。
例 3 例1の方法をくり返すが、加水分解媒体の水1mlの代
りに3mlを使用し、10、20、40、60及び90分間でサンプ
ルを取出した。時間に対する1/Mnのプロツトは、勾配1
8.1×10-5hr-1の直線であつた。
検量から、Mn=59000のポリ(D、L−ラクチド)はM
n=5000に1時間で減成することを計算した。実際に実
験を行なうと、生成物を予測値と十分に一致してMn=52
00を有していた。
例 4 例1の方法をくり返すが、加水分解媒体の水1mlの代
りに4mlを使用し、10、20、30、45及び60分間でサンプ
ルを取出した。時間に対する1/Mnのプロツトは、勾配25
×10-5hr-1の直線を有していた。
この検量から、Mn=59000のポリ(D、L−ラクチ
ド)は、この系で15分間にMn=12000に減成することを
計算した。実際に実験を行なうと、生成物は予測値と十
分に一致してMn=13500を有していた。
例 5 D、L−ラクチド及びグリコリドそれぞれ50モル%を
含有し、Mw=68000及びMn=34000のポリ(D、L−ラク
チド−グリコリド)(10g)及び蒸溜水(1ml)を氷酢酸
に溶解し、更に氷酢酸で100mlにした。溶液を還流下に
加熱し、サンプルを定期的に1時間にわたつて取出し、
各々のサンプルの1/Mnを測定し、時間に対する1/Mnのプ
ロツトは、勾配20.8×10-5hr-1の直線であつた。
この検量から、Mn=67000のコーポリマーはこの系で
0.5時間に減成してMn=8300になることを計算した。実
験を行なうと、生成物は予測値と十分に一致してMn=82
00を有していた。
例 6 D、L−ラクチド75モル%及びグリコリド25モル%か
らなり、Mw=135000及びMn=68000のポリ(D、L−ラ
クチド−グリコリド)(10g)及び蒸溜水(1ml)を氷酢
酸に溶解し、氷酢酸で100mlにした。溶液を還流下に加
熱し、サンプルを定期的に2時間にわたつて取出し、サ
ンプルのMnを測定した。時間に対する1/Mnのプロツト
は、勾配13.3×10-5の直線であつた。
この検量から、Mw=36000、Mn=20500のコーポリマー
はこの系で0.5時間に減成してMn=8500の生成物になる
ことを測定した。実際に実験を行なうと、生成物は予測
値と十分に一致してMn=8700を有していた。
例 7 D、L−ラクチド90モル%及びグリコリド10モル%を
含有し、Mw=100000及びMn=58000のポリ(D、L−ラ
クチド−グリコリド)(10g)及び水(1ml)を氷酢酸に
溶解し、更に氷酢酸で100mlに希釈した。溶液を迅速に
加熱して還流させ、5、10、15、20、30、45、60、90及
び120分間で取出したサンプルの分子量を測定した。時
間に対する1/Mnのプロツトは、次の数字に対して勾配1
1.2×10-5hr-1の直線であつた: この数字から、出発ポリエステル溶液50mlを加熱反応
器に0分で10ml、続いて30、60、75、90、100、105、11
0及び115分間でそれぞれ5mlを添加すると、生成物のポ
リエステルはMw=29890及びMn=8985を有し、Mw/Mn=29
890/8985=3.33が得られるのを計算することができる。
実際には実験を行なうと、ポリエステル生成物はMw
29700、Mn=8500、それ故Mw/Mn=29700/8500=3.49を有
することが判明した。これは予測値と十分に一致する。
例 8 D、L−ラクチド90モル%及びグリコリド10モル%を
有し、Mw=100000及びMn=58000を有するポリ(D、L
−ラクチド−グリコリド)(10g)及び蒸溜水(1ml)
を、氷酢酸に溶解し、更に氷酢酸で100mlにした。
この混合物50mlを迅速に加熱して還流させ、この温度
で2時間維持した。残りのポリエステル溶液(50ml)を
添加し、次いで直ちに混合物を冷凍し、凍結乾燥した。
分子量をサイズ・エクスクルージヨン・クロマトグラフ
イーで測定し、生成物は予期されたように二節の分子量
分布を有しているのが判明した。生成物は計算値のMw
54000及びMn=8000と十分に一致して、Mw=47000及びMn
=9000を有していた。
例 9 D、L−ラクチド95モル%及びグリコリド5モル%を
有し、Mw=22500及びMn=15100のポリ(D、L−ラクチ
ド−グリコリド)(15g)を、水(3.5g)及び氷酢酸(3
1.5ml)に20℃で溶解し、溶液を35℃で7日間維持し
た。整除部分を1、2、3、4及び7日間後に取出し、
直ちに冷凍し、冷凍乾燥し、そのMnをサイズ・エクスク
ルージヨン・クロマトグラフイーで測定した。時間に対
する1/Mnのプロツトは、勾配3.9×10-5day-1の直線であ
つた。
この方法を、Mw=25200及びMn=15200の同じ95/5のコ
ーポリマーでくり返した。この場合の時間に対する1/Mn
のプロツトの勾配は、4.1×10-5day-1であつた。
この検量から、Mw=26850及びMn=17300の95/5のコー
ポリマーは、2日と16時間で減成してMn=6000になるこ
とを測定した。実験を行なうと、コーポリマー生成物
は、予測値と十分に一致してMn=5400を有することが判
明した。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリスチレン標準物に対してサイズ・エク
    スクルージョン・クロマトグラフィーで測定した、任意
    に所望の数平均分子量Mn約20000以下のポリエステルを
    製造する方法において、所望生成物ポリエステルと化学
    組成は同じであるが、上記に定義したように測定した、
    所望生成物ポリエステルよりも高い数平均分子M゜を有
    する出発物質ポリエステルを酸と水からなる加水分解媒
    体に溶解して加水分解し、その際加水分解媒体中の出発
    物質ポリエステルの酸性溶液を外界温度と還流温度の間
    の所定温度に、方程式 [式中Kは特定のポリエステル、水、酸及びポリエステ
    ルの特定の割合及び所望の特定の加水分解温度を用いる
    検量実験によってあらかじめ決定された定数であり、Mn
    及びMn゜はそれぞれ生成物ポリエステル及び出発物質ポ
    リエステルの数平均分子量を表わす]から決定した時間
    tにわたり維持することを特徴とするポリエステル製造
    法。
  2. 【請求項2】ポリエステルがポリ乳酸又は乳酸・グルコ
    ール酸のコーポリエステルである特許請求の範囲第1項
    記載の方法。
  3. 【請求項3】加水分解媒体の酸が酢酸である、特許請求
    の範囲第1項記載の方法。
  4. 【請求項4】2.5よりも大きい多分散度の生成物ポリエ
    ステルを製造するため、約2の多分散度を有する出発物
    質ポリエステルの酸性溶液を外界温度で、ポリエステル
    溶液が添加した際還流するのに十分に加熱された反応容
    器に、所定時間tにわたり一定速度で添加する、特許請
    求の範囲第1項記載の方法。
  5. 【請求項5】非常に広い分子量分布及び2.5よりも大き
    い多分散度を有する生成物ポリエステルを製造するた
    め、約2の多分散度を有する出発物質ポリエステルの酸
    性溶液を外界温度で、所定時間tにわたり増加速度で、
    ポリエステル溶液が添加した際に還流するのに十分に加
    熱された反応容器に添加する特許請求の範囲第1項記載
    の方法。
  6. 【請求項6】多節性分子量分布を有する生成物ポリエス
    テルを製造するため、出発物質ポリエステルの酸性溶液
    を外界温度で、ポリエステル溶液が添加した際に還流す
    るのに十分に加熱された反応溶液に、所定時間tにわた
    り2以上の分量で適当な時間間隔で添加する特許請求の
    範囲第1項記載の方法。
  7. 【請求項7】約2.5よりも小さい多分散度の生成物ポリ
    エステルを製造するため、所望生成物ポリエステルと類
    似の多分散度を有しかつ数平均分子量Mn゜が生成物ポリ
    エステルの数平均分子量Mnの約5倍よりも大きくない出
    発物質ポリエステルを使用する特許請求の範囲第1項記
    載の方法。
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