JPH1149851A - 生分解性ポリエステルの製造方法及び該方法に用いられる触媒系及び該方法により製造される生分解性ポリエステル - Google Patents

生分解性ポリエステルの製造方法及び該方法に用いられる触媒系及び該方法により製造される生分解性ポリエステル

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JPH1149851A
JPH1149851A JP10150161A JP15016198A JPH1149851A JP H1149851 A JPH1149851 A JP H1149851A JP 10150161 A JP10150161 A JP 10150161A JP 15016198 A JP15016198 A JP 15016198A JP H1149851 A JPH1149851 A JP H1149851A
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biodegradable
cocatalyst
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トーマス デービス マーチン
Naseer Mohammed Qureshi
モハメド ケレシ ナジア
Barry Woodfine
ウッドファイン バリー
Barry Keane
キーン バリー
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G63/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carboxylic ester link in the main chain of the macromolecule
    • C08G63/78Preparation processes
    • C08G63/82Preparation processes characterised by the catalyst used
    • C08G63/823Preparation processes characterised by the catalyst used for the preparation of polylactones or polylactides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G64/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carbonic ester link in the main chain of the macromolecule
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 PLAの重合反応を速めてPLAの分解を抑
制する触媒系、成形に好適な生分解性ポリマー、このよ
うなポリマーを製造できる方法、及び当該生分解性ポリ
エステルから製造される生分解性製品又は生分解性成形
品。 【解決手段】 ポリエステル原料を触媒存在下で重合し
て生分解性ポリエステルを製造する方法において、グリ
セリン、ブチロラクトン、ポリエチレングリコール、ベ
ンジルアルコール、及びm−クレゾールよりなる群から
選択される少なくとも1種を共触媒として用いる。前記
触媒は、カルボン酸の金属塩、カルボン酸の有機金属
塩、金属酸化物及び金属ハロゲン化物よりなる群から選
択される少なくとも1種であることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリ乳酸のような
生分解性ポリエステルの製造に用いられる触媒系及び該
触媒系を用いた生分解性ポリエステルの製造方法、及び
該方法により製造されるポリエステル、及び該ポリエス
テルを用いた製品、成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】生分解
性ポリマーは、環境に優しい生分解性物質であり、ポリ
プロピレンやポリスチレンやポリエチレンテレフタレー
トのような非分解性ポリマーと同様に広範囲の応用品に
適用できる物質として、商業的にも高い関心が持たれて
いる。
【0003】このように有用な生分解性ポリマーの代表
例である生分解性ポリエステルは、環状ラクトンのよう
な環状ポリエステル原料、特にラクチド、グリコリド、
トリメチレンカーボネート、又はカプロラクトンの開環
重合によって製造される。
【0004】ラクチドモノマーおよびその他のポリエス
テルの環状ポリエステル原料の重合には、スズ、亜鉛、
アルミニウム、マグネシウム、アンチモン、その他の金
属触媒や非金属触媒が知られている。しかしながら、オ
クチル酸スズが以下の3つの有利な点から、多くの当業
者によって、触媒として選択されてきた。3つの有利な
点とは、第1に比較的よい触媒であること、第2に混合
が容易な液体であること、第3に米国の食品医薬品局
(FDA)が食品に接触する用途用に承認したことであ
る。第3の点は、生分解性ポリエステルが食物包装用と
して用いられる場合に、特に重要となる。
【0005】しかし、ラクチドモノマーから生産される
生分解性ポリマーであるポリ乳酸,、即ちポリラクチド
(以下、これを「PLA」という)は、このように多く
の優れた特性を有しているが、PLAの合成プロセスで
ある重合反応が比較的遅いという問題がある。ラクチド
から高い転化率でPLAを生産するために長時間、高温
(160℃超)状態を保持することが考えられるが、こ
のことはPLAの変色や解重合をもたらす。
【0006】またPLAは、押し出し成形や射出成形や
繊維紡糸のような一般的方法によって処理されることが
できる。しかし、これらの処理温度はポリマー鎖の分解
温度に近いという問題がある。また、現在市販されてい
るPLAは、溶融状態からの結晶化が遅く、成形操作に
関してのサイクルタイムが長くなるため、生産コスト的
に不利になる。ポリマー鎖の分解を抑制するための最も
一般的な方法の1つとして、酸化防止剤のような処理安
定剤の添加が考えられる。しかし、酸化防止剤の添加
は、結晶化温度に関して不利となり、成形に関する問題
を悪化させることになる。
【0007】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、PLAの重合
反応を速めてPLAの分解を抑制する触媒系、及び成形
に好適な生分解性ポリマー及びそのようなポリマーを製
造できる方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決できる触媒系を鋭意検討した結果、オクチル酸
スズ等の標準的なポリエステル触媒と共触媒の併用が、
ポリエステル重合反応及び生成物としてのポリエステル
の分子量、Tm、結晶性、及び生成速度等の特性を改善
できることを見い出し、本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明の生分解性ポリエステル
の製造方法は、ポリエステル原料を触媒存在下で重合し
て生分解性ポリエステルを製造する方法において、グリ
セリン、ブチロラクトン、ポリエチレングリコール、ベ
ンジルアルコール、及びm−クレゾールよりなる群から
選択される少なくとも1種を共触媒として用いることを
特徴とする。
【0010】前記ポリエステル原料は、環状ラクトンで
あることが好ましく、具体的には、ラクチド、グリコリ
ド、トリメチレンカーボネート、及びカプロラクトンよ
りなる群から選択される少なくとも1種である。
【0011】前記触媒は、カルボン酸の金属塩、カルボ
ン酸の有機金属塩、金属酸化物及び金属ハロゲン化物よ
りなる群から選択される少なくとも1種であることが好
ましく、前記金属は、スズ又は亜鉛であることが好まし
く、特に好ましい触媒としては、オクチル酸スズ(I
I)、トリフェニルスズアセテート、又は酸化スズであ
る。
【0012】前記触媒は、ポリエステル原料の0.00
01〜0.1重量%用いることが好ましく、前記共触媒
は、前記触媒の25〜300重量%用いることが好まし
い。
【0013】本発明の生分解性ポリエステル製造用触媒
系は、ポリエステル原料から生分解性ポリエステルを生
成する反応に用いられる触媒、及び共触媒としてグリセ
リン、ブチロラクトン、ポリエチレングリコール、ベン
ジルアルコール、及びm−クレゾールよりなる群から選
択される少なくとも1種を含有することを特徴とする。
前記触媒は、カルボン酸の金属塩、カルボン酸の有機金
属塩、金属酸化物及び金属ハロゲン化物よりなる群から
選択される少なくとも1種であることが好ましく、前記
共触媒は、前記触媒の25〜300重量%だけ含有され
ていることが好ましい。
【0014】本発明の生分解性ポリエステルは、本発明
の製造方法により製造される生分解性ポリエステルであ
る。
【0015】本発明の生分解性製品又は生分解性成形品
は、本発明の生分解性ポリエステルから製造されるもの
である。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の生分解性ポリエステルの
製造方法は、ポリエステル原料を標準的なポリエステル
化触媒と特定の共触媒とを含む触媒系存在下で重合する
工程を含むことを特徴とするものである。
【0017】本発明に用いられるポリエステル原料は、
重合により生分解性ポリエステルを生成できるものであ
ればよいが、ラクトン、ラクチド、グリコリド等の環状
ポリエステル原料が好ましく用いられる。より好ましい
ポリエステル原料はラクチド、トリメチレンカーボネー
ト、又はカプロラクトン、又はこれらのいずれかの混合
物である。
【0018】本発明に用いられるポリエステル化触媒と
しては、カルボン酸の金属塩、カルボン酸の有機金属
塩、金属酸化物又は金属ハロゲン化物等が挙げられ、金
属としてはスズ又は亜鉛が好ましく用いられる。特に好
ましい触媒はオクチル酸スズ(II)、トリフェニルスズ
アセテート、酸化スズである。
【0019】これらの触媒は、ポリエステル原料の重量
に対して、0.0001重量%から0.1重量%の量で
存在することが好ましく、特に0.0005重量%〜
0.01重量%であることが好ましい。
【0020】本発明に用いられる共触媒は、グリセリ
ン、ブチロラクトン、ポリエチレングリコール、ベンジ
ルアルコール、又はm−クレゾール、又はこれらの2種
以上の混合物である。これらのうち、特にグリセリン又
はブチロラクトンが好ましく用いられる。
【0021】これらの共触媒は、例えば分子量や融点
(Tm)等のポリマー特性を犠牲にすることなく、オク
チル酸スズ等のポリエステル化触媒の触媒活性を大幅に
強めることができ、このような共触媒を含む触媒系を用
いると、グリコリド、カプロラクトン、トリメチレンカ
ーボネート等のポリエステル原料(モノマー)を用いる
重合活性の向上も示す。
【0022】そして、増大した触媒活性により、反応初
期に改善されたポリエステル原料が生成物に転化できる
ようになる。その結果、オクチル酸スズ等のポリエステ
ル化触媒単独の場合と比べて共触媒を用いたときの方
が、同程度のモノマーを用いて同程度の転化率とする反
応時間が短くなる。反応時間を短くできるということ
は、PLAのようなポリエステル産物に対して、高温に
したときに起こり得る悪影響を少なくすることができ
る。特に、例えば分子量及び/又はTmの低下における
変色やポリエステル劣化のような悪影響を実質的に減少
できる。
【0023】また本発明に用いられる共触媒は現存して
いる有機物で、生成物であるポリエステルに重金属を与
えるものではなく、PLAのようなポリエステルに潜在
しているいかなる調節受容機能にも影響を与えないだろ
うと考えられる。特にグリセリンは、広範囲の最終用途
応用品に使用できるように受入れられ、またグリセリン
及びそのエステル化誘導体も生分解性であるので、まさ
に共触媒として使用するのに好適な物質である。PLA
が食品の接触する部分に用いられることや、PLAの生
分解性が注目されているという点からも有利である。
【0024】ここでグリセリンは、触媒としてオクチル
酸スズを用いるラクチド重合においてコモノマーとして
用いられることが知られている(1955年に刊行され
たPolymer 36の2947〜2956頁)。しかし、この場合に
製造されたPLAは、ガラス転移点(T g)、Tm値が
低下しており、分子量が減少し、結晶化度が低下してい
た。このような現象は、その研究の中で用いられてきた
最も低いグリセリン濃度である1%のときに明らかであ
る。1%のグリセリンを添加したときのPLAの収率
は、グリセリンを添加しない以外は同じ実験条件で製造
したPLAで示される収率を超えなかった。従って、本
発明者らがオクチル酸スズ触媒と同じレベルでグリセリ
ンを用いたとき、反応速度及び転化率が増加し、分子量
が増大し、Tm値が保持されるということ、すなわちオ
クチル酸スズ用の有効な共触媒となり得ることを見い出
したことは驚くべきことである。50ppmレベルでオ
クチル酸スズを用いるときのグリセリンの最適レベル
は、グリセリン重量で20〜100ppmである。
【0025】ブチロラクトンは、我々が知る限り、オク
チル酸スズとラクチド重合において用いられたことはな
く、ラクトンの類似化合物であるグリコリドの重合にお
いては、コモノマーとして用いられたことがあっただけ
である(1967年に刊行されたDie Makromolekulaer
Chemie 100 262〜266頁)。この場合に用いら
れた触媒は、臭化アンチモンであった。しかし、その論
文の著者は、ポリマー収率がブチロラクトン存在下で顕
著に減少したと注釈している。すなわちブチロラクトン
は触媒に対して不利な影響を及ぼし、粘度(η)の大幅
な減少によってモニタされた通り、グリコリドの分子量
はかなり減少した。ブチロラクトンがラクチド重合にお
いて触媒を妨害しているためであると考えられると述べ
られている。我々は、これがその場合でないこと、ラク
チド重合用にオクチル酸スズ50ppm (重量)を用いる
とき、50ppm(重量)程度のブチロラクトンが、共
触媒として有用であること、すなわち重合速度及びPL
Aの分子量を著しく増大できることを見い出した。
【0026】従って、本発明の共触媒は、前記ポリエス
テル化触媒の重量に対して、25〜300重量%だけ用
いることが好ましく、より好ましくは50〜300重量
%であり、さらに好ましくは75〜200重量%であ
る。
【0027】本発明の生分解ポリエステルは、本発明の
製造方法により製造される脂肪族ポリエステルで、好ま
しくはポリ乳酸又はポリグリコール酸、最も好ましいの
はポリ乳酸である。
【0028】本発明の製造方法、特に、オクチル酸スズ
とグリセリンの組み合わせで製造されるPLAは、標準
的なオクチル酸スズ触媒によって生産されるPLAより
も溶融粘度が低く、例えば射出成形に有用であることを
意味する。すなわち、成形の際に要求される低い溶融粘
度とするために成形温度を上げることは一般に行われる
ことであるが、PLAは分解温度が低いために、温度を
上げることによる粘度の低減を図ることは困難であっ
た。実際に、現在市販されている標準のPLAは分解温
度が低く、しかも粘度が高いために、得られる成形品の
厚みに限界があった。しかしながら、本発明のPLA
は、通常のモールディング温度で、標準のPLAより低
い粘度を示すので、より薄い部分にまでよりた易く充填
することができる。従って、本発明の生分解性ポリエス
テルは、モールディングにおける汎用性及びコスト面に
おいて、大変有利である。また、本発明の生分解ポリエ
ステルは、結晶化温度が高く、従来の標準の生分解性ポ
リエステルよりも成形後、早期に結晶化できるので、成
形サイクルを短くすることもできる。本発明の生分解性
ポリエステルと従来の標準の生分解性ポリエステルと
は、結晶化度が同じでないだろうと考えられる。さら
に、本発明の生分解性ポリエステルは、標準PLAに対
してよりも高い温度で成形することができる。
【0029】成形方法としては特に限定しないが、射出
成形、圧縮成形が好ましく用いられる。
【0030】本発明の製造方法により製造される生分解
性ポリエステルは、生分解性産物の製品材料、成形品材
料として利用され得る。具体的には、生分解性ポリエス
テルだけで製造した廃棄処分可能な食品容器や家庭用品
や農業用又は園芸用製品等の成形品、徐放性用素材など
の製品が挙げられる。
【0031】
【実施例】尚、以下の実施例は、ラクチド及びその重合
生産物であるポリ乳酸についてであるが、本発明は下記
実施例に限定されず、他のポリエステル原料から得られ
るポリエステルにも等しく適用できることを付記してお
く。
【0032】〔生分解性ポリエステルの製造〕 製法No.1〜6:乾燥したラクチドをガラスアンプル
に添加し、さらに触媒量(No.1〜16)が表に示す
量となるように添加した。触媒及び共触媒は10%溶液
を用い、溶媒は室温で真空により除去した。アンプル
は、窒素雰囲気下でシールされ、180℃に予熱したオ
ーブンに入れた。オーブンに入れた時点から反応時間を
セットし、表に示す時間だけ反応させた後、アンプルを
オーブンから取り出して冷却した。アンプル内の生成物
を全てクロロホルムに溶解させ、GPCによって分析し
た。その結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】製法No.7〜16:触媒として、オクチ
ル酸スズ50ppmを用い、共触媒を表2に示すように
変えた以外は、製法No.1と同様にして反応させ、生
成物を同様に分析した。結果を表2に示す。
【0035】
【表2】
【0036】表2とNo.1の結果を比較すると、共触
媒を触媒量の1/2以上の量を用いると、同じ反応時間
(2.5時間)で、ラクチドの転化率が高く、しかも生
産されるポリエステルの分子量も高かった。従って、触
媒量の1/2以上の量を共触媒を併用すると、ポリエス
テルの収率が上がり、しかも得られるポリエステルの分
子量が高くなることがわかる。
【0037】また、共触媒を触媒添加量と同量以上の量
を添加すること(No.9〜11,13〜16)、共触
媒としてグリセリン又はブチロラクトンが特に優れてい
ること(No.8〜10,16)がわかる。
【0038】製法No.17,18:50ppmオクチ
ル酸スズと75ppmグリセリンを併用した触媒系に、
代表的なタルク又は亜リン酸塩安定剤のようなプロセス
添加剤を添加し、No.1と同様にして(180℃で
2.5時間)、ポリエステルを製造し、生成物を調べ
た。結果を表3に示す。
【0039】
【表3】
【0040】タルクの添加は、ラクチドの転化率及びP
LAの分子量に不利な影響を与えることはなく、亜リン
酸塩を添加した場合には、さらに分子量が増大した。
【0041】〔ポリエステルの物性に対する共触媒の効
果〕触媒としてオクチル酸スズだけを用いて製造したポ
リエステル(PLAサンプル1)と、オクチル酸スズに
共触媒としてグリセリンを併用して製造したポリエステ
ル(PLAサンプル2)について、分子量及び結晶化温
度を測定し、また180℃,135℃,90℃,45℃
における溶融粘度を調べた。結果を表4に示す。尚、P
LA1ポリマーへの転化率は95%であり、PLA2ポ
リマーへの転化率は96%であった。
【0042】
【表4】
【0043】表4からわかるように、共触媒を用いて製
造したPLA2の方が分子量が高く、結晶化温度も高か
った。にも拘わらず、PLA2の方が溶融粘度が低かっ
た。従って、PLA2では、180℃付近で成形するこ
とができる。
【0044】
【発明の効果】本発明の触媒系を用いれば、生分解性ポ
リエステルの反応速度を高めて、生分解ポリエステルの
収率を高くでき、しかも従来よりも分子量が高く、結晶
化温度が高い生分解性ポリエステルを得ることができ
る。また、本発明に用いられる共触媒は、天然に存在す
る有機物であるから、生分解性ポリエステル中に含有さ
れる場合であっても、生分解性を損なうことがない。
【0045】従って、本発明の触媒系を用いた本発明の
製造方法は、従来よりも効率よく、しかも成形性に優れ
た生分解性ポリエステルを製造することができる。
【0046】また、本発明の製造方法により得られた生
分解性ポリエステルは、従来の生分解性ポリエステルよ
りも溶融粘度が低いので、ポリマーの物性を損なうこと
なく、高温で成形することができる。しかも、結晶化温
度が従来よりも高いので成形サイクルを短くすることが
でき、生産性にも優れている。
【0047】本発明の生分解性ポリエステルの成形品
は、構成ポリマー自体が生分解性であるだけでなく、触
媒系も天然に存在するもので生分解性を有しているの
で、食品に触れる部分や体内に取り込まれ得る製品、成
形品としても好適に用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ナジア モハメド ケレシ イギリス ジーユー2 5エーエフ サリ ー州 ギルフォード サリー リサーチ パーク ヌージェント ロード 10 コウ ベ スチール ヨーロッパ リミテッド リサーチ ラバラトリィー内 (72)発明者 バリー ウッドファイン イギリス ジーユー2 5エーエフ サリ ー州 ギルフォード サリー リサーチ パーク ヌージェント ロード 10 コウ ベ スチール ヨーロッパ リミテッド リサーチ ラバラトリィー内 (72)発明者 バリー キーン イギリス ジーユー2 5エーエフ サリ ー州 ギルフォード サリー リサーチ パーク ヌージェント ロード 10 コウ ベ スチール ヨーロッパ リミテッド リサーチ ラバラトリィー内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル原料を触媒存在下で重合し
    て生分解性ポリエステルを製造する方法において、 グリセリン、ブチロラクトン、ポリエチレングリコー
    ル、ベンジルアルコール、及びm−クレゾールよりなる
    群から選択される少なくとも1種を共触媒として用いる
    ことを特徴とする生分解性ポリエステルの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記ポリエステル原料は、環状ラクトン
    である請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ポリエステル原料は、ラクチド、グ
    リコリド、トリメチレンカーボネート、及びカプロラク
    トンよりなる群から選択される少なくとも1種である請
    求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記触媒は、カルボン酸の金属塩、カル
    ボン酸の有機金属塩、金属酸化物及び金属ハロゲン化物
    よりなる群から選択される少なくとも1種である請求項
    1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記金属は、スズ又は亜鉛である請求項
    4に記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記触媒は、オクチル酸スズ(II)、ト
    リフェニルスズアセテート、又は酸化スズである請求項
    5に記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記触媒は、ポリエステル原料の0.0
    001〜0.1重量%用いる請求項1〜6に記載の製造
    方法。
  8. 【請求項8】 前記共触媒は、前記触媒の25〜300
    重量%用いる請求項1〜7に記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 ポリエステル原料から生分解性ポリエス
    テルを生成する反応に用いられる触媒、 及び共触媒としてグリセリン、ブチロラクトン、ポリエ
    チレングリコール、ベンジルアルコール、及びm−クレ
    ゾールよりなる群から選択される少なくとも1種を含有
    することを特徴とする生分解性ポリエステル製造用触媒
    系。
  10. 【請求項10】 前記触媒は、カルボン酸の金属塩、カ
    ルボン酸の有機金属塩、金属酸化物及び金属ハロゲン化
    物よりなる群から選択される少なくとも1種である請求
    項9に記載の触媒系。
  11. 【請求項11】 前記共触媒は、前記触媒の25〜30
    0重量%だけ含有されている請求項9又は10に記載の
    触媒系。
  12. 【請求項12】 請求項1〜8のいずれかに記載の方法
    により製造される生分解性ポリエステル。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の生分解性ポリエス
    テルから製造される生分解性製品。
  14. 【請求項14】 請求項12に記載の生分解性ポリエス
    テルから製造された成形品。
JP10150161A 1997-06-03 1998-05-29 生分解性ポリエステルの製造方法及び該方法に用いられる触媒系及び該方法により製造される生分解性ポリエステル Withdrawn JPH1149851A (ja)

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GBGB9711456.5A GB9711456D0 (en) 1997-06-03 1997-06-03 Improved catalyst for biodegradable polyester production
GBGB9725558.2A GB9725558D0 (en) 1997-12-03 1997-12-03 Biodegradable polyester with improved moulding characteristics
GB97114565 1997-12-03
GB97255582 1997-12-03

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JP10150161A Withdrawn JPH1149851A (ja) 1997-06-03 1998-05-29 生分解性ポリエステルの製造方法及び該方法に用いられる触媒系及び該方法により製造される生分解性ポリエステル

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