JP2552847B2 - 密封包装食品 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、絶縁性包装袋内に食品材料例えば、ハム、
ソーセージ、擂潰肉、水産動植物、すり身および穀類そ
の他の混合材料或は上記以外の食品材料を充填し、該食
品材料を通電作用で塾熱殺菌して、表面が美麗な商品価
値の高い包装食品を得さしめた密封包装食品の改良に関
する。

従来の技術 従来、絶縁性包装袋内に食品材料例えば、ハム、ソー
セージ、擂潰肉、その他の固泥材料を密封状態のもとに
充填した後、該食品材料を通電作用で速やかに熟熱殺菌
せしめて所望の包装食品を得るようにした密封包装食品
は本出願前例えば特公昭58−7546号公報に記載されて知
られており、これが内容を第６図について説明する。す
なわち、食品材料２を充填した絶縁性包装袋１の両側開
口1a,1b対向位置に、内面に含塩水接点体４を貼着し、
外面中央に締縛用通電突起体５を付設した一対の通電板
3,3を夫々介装せしめると共に、前記絶縁性包装袋１の
両側開口端縁1a,1bは締縛用通電突起体5,5へ密封状に締
縛したものである。６は締縛具、７は絶縁性容器、８は
押圧体、９は電極体である。

発明が解決しようとする問題点 ところで、従前のこの種密封包装食品は充填された食
品材料中を電流が均一に流通できるようにする目的から
絶縁性包装袋内に充填された食品材料は常に含塩水接点
体と密接されているので、通電による熟熱処理で得られ
た包装食品は含塩水接点体中に喰い込み固く接着されて
いる。

したがつて、上記包装食品を食膳に供するため絶縁性
包装袋を開き、包装食品の両側端に付着した含塩水接点
体を剥離しようとした際には、含塩水接点体が包装食品
に密着して仲々剥離することができない許りか、時には
包装食品の一部が含塩水接点体側に付着したまま剥離さ
れ、表面がぎざぎざとなつて商品価値を著しく低下させ
るという問題が生じた。

問題点を解決するための手段 本発明は、前記問題点を解決するものであつて、以下
にその内容を実施例に対応する第１図ないし第５図につ
いて説明する。

すなわち、第１発明にあつては、第１図ないし第３図
に示されたように、両側が開口101a,101bされた絶縁性
包装袋101内に食品材料Ａを充填収容する。上記絶縁性
包装袋101の両側開口101a,101b対向位置に、外面中央に
設けた締縛用通電突起体103の接電部104を残して他の全
面を剥離性及び透湿性に富んだ透湿性膜体105で覆う
か、又は内面のみを透湿性膜体105で覆つた一対の通電
板102、102を夫々介装せしめる。そして前記絶縁性包装
袋101の両側開口縁101a,101bは締縛用通電突起体103,10
3へ締縛して全体を密封状に形成したものである。

又、第２発明においては、第４図及び第５図に示され
たように両側が開口101a,101bされた絶縁性包装袋101内
に食品材料Ａを充填収容する。上記絶縁性包装袋101の
両側開口101a,101b対向位置に、内面に含湿接電体111を
貼着し、かつ外面中央に設けた締縛用通電突起体103の
接電部104を残して他の全面を透湿性膜体105で覆うか、
又は内面に貼着した含湿接電体111のみを透湿性膜体105
で覆つた一対の通電板102,102を夫々介装せしめる。そ
して前記絶縁性包装袋101の両側開口縁101a,101bは締縛
用通電突起体103,103へ締縛して全体を密封状に形成し
たものである。

作用 第１発明においては、今、第２図に示されたような両
側を開口101a,101bした絶縁性包装袋101の一方開口部内
に、外面中央に設けた締縛用通電突起体103の接電部104
を残して他の全面を剥離性及び透湿性に富んだ透湿性膜
体105で覆うか、又は内面のみを透湿性膜体105で覆つて
形成した通電板102を接電部104が外部に露出できるよう
に絶縁性包装袋101内へ収納した後絶縁性包装袋101の開
口端縁例えば101a及び透湿性膜体105の端部を締縛具106
を介し締縛用通電突起体103へ締縛して絶縁性包装袋101
の一方を閉塞状ならしめる。なお内面のみを透湿性膜体
105で覆つて形成した通電板102の場合には絶縁性包装袋
101の開口端縁例えば101aを締縛具106を介し締縛用通電
突起体103へ締縛すればよい。次いで他方の開口部101b
より食品材料Ａを充填する。そして所定量の食品材料Ａ
が充填されたら、この開口縁部101bに前述と同様の操作
で他の通電板102を挿入して接電部104が外部に露出でき
るように締縛具106によつて締縛すれば、完全に密封さ
れた密封包装品Ｂが得られるものである。

又、第２発明においては、第２図に示されたような両
側を開口101a,101bした絶縁性包装袋101の一方開口部内
に、内面に含湿接電体111を貼着し、かつ外面中央に設
けた締縛用通電突起体103の接電部104を残して他の全面
を透湿性膜体105で覆うか、又は内面に貼着した含湿接
電体111のみを覆って形成した通電板102を接電部104が
外部に露出できるように絶縁性包装袋101内へ収納した
後、絶縁性包装袋101の開口端縁例えば101a及び透湿性
膜体105の端部を締縛具106を介し締縛用通電突起体103
へ締縛して絶縁性包装袋101の一方を閉塞状ならしめ
る。

なお含湿接電体111のみを透湿性膜体105で覆つて形成
した通電板102の場合には絶縁性包装袋101の開口端縁例
えば101aを締縛具106を介し締縛用通電突起体103へ締縛
すればよい。次いで他方の開口部101bより食品材料Ａを
充填する。そして所定量の食品材料Ａが充填されたら、
この開口縁部101bに前述と同様の操作で他の通電板102
を挿入して接電部104が外部に露出できるように締縛具1
06によつて締縛すれば、完全に密封された密封包装品Ｂ
が得られるものである。

実施例 本発明に係る密封包装食品の構成を添附図面に示され
た実施例について説明する。

第１図ないし第３図は第１発明を実施させるものであ
つて、101は、透明或は不透明からなる材料で両側を開
放筒状に塑性された絶縁性包装袋であつて、該絶縁性包
装袋101の内部には食品材料Ａ例えばハム、ソーセー
ジ、擂潰肉、水産動植物、すり身及び穀類その他の混合
材料を充填せしめる。そして上記食品材料Ａを充填した
絶縁性包装袋101の両側開口対向位置には、外面中央に
設けた締縛用通電突起体103の接電部104を残して他の全
面を剥離性及び透湿性に富む膜体、例えばビニロンフィ
ルム（樹脂名ポリビニールアルコール）あるいはそれに
類する透湿フィルム、またはグラシン紙（亜硫酸パルプ
を原料とする薄く緻密な透明紙）あるいはファイブラス
ケーシング、セルロースケーシング、その他剥離性及び
透湿性を有する材料等からなる透湿性膜体105で覆うか
又は内面を前記透湿性膜体105で覆つた一対の通電板10
2,102を、夫々の通電板101,102の接電部104,104が外部
に露出するように夫々介装せしめると共に、前記絶縁性
包装袋101の両側開口縁部101a,101b及び透湿性膜体105,
105の端部は適当な締縛具106,106を介し締縛用通電突起
体103,103へ締縛して完全に密封された密封包装品Ｂが
得られる。

したがつて、上述のように構成されているので、絶縁
性包装袋101の左右両側対向部に位置された通電板102,1
02は透湿性膜体105,105を介して食品材料Ａと良くなじ
むよう接触される許りか、透湿性膜体105は透湿性に富
んでいることで、食品材料Ａ中の水分を透湿して湿潤状
態となつて導電体となり良好な通電作用を営ませること
ができる。なお透湿性膜体105は稀塩水を噴霧、塗布す
る手段等により透湿せしめて導電体ならしめてもよい。

107は、上記密封包装品Ｂを収納し、しかも締縛用通
電突起体103,103の接電部104,104が夫々露出状となるよ
う両側を開放状とした絶縁性容器であつて、該絶縁性容
器107の左右両側開放部107a,107bには絶縁性容器107内
に収納した密封包装品Ｂを両側より圧接しながら通電作
用を行わせて発生したジュール熱で生の食品材料Ａを熟
熱殺菌させるための一対の押圧体108,108が左右方向に
移動できる状態のもとに介装されている。そして上記押
圧体108,108の略中央芯部には外表面に夫々露出した接
電部104,104と密接して通電作用を達成させるための電
極体109,109が一体状に配置されている。

したがつて、一対の電極体109,109と締縛用通電突起
体103,103の外面に設けた接電部104,104とが互いに密接
されるようにするために、一対の押圧体108,108の内側
には締縛用通電突起体103,103が夫々嵌入する凹部110,1
10が設けられている。

第４図及び第５図に示されたものは、第２発明を実施
するための装置であつて、第２発明にあつては絶縁性包
装袋101は第２図に示されたものと同様のものが使用さ
れるが、絶縁性包装袋101の左右両側開口縁部101a,101b
に介装される通電板102,102の構成は次のようになつて
いる。

すなわち、通電板102の内面に、稀塩水を含湿した繊
維性材料、不織布、パルプ等からなる含湿接電体111を
貼着し、外面中央には締縛用通電突起体103を付設する
と共に、締縛用通電突起体103の外面に設けた接電部104
を残して他の全面を透湿性膜体105で覆つて形成せしめ
るか、又は通電板102の内面に貼着した含湿接電体111の
みを透湿性膜体105で覆つて形成したものであり、上記
のように構成された一対の通電板102,102を絶縁性包装
袋101の左右両側開口縁部101a,101bへ第１発明と同様の
操作で介装せしめた後、締縛具106,106で締縛すること
で密封包装品Ｂが得られるものである。

発明の効果 要するに本発明は、前述したような構成を具備したか
ら、絶縁性包装袋101内へ密封状に充填収容した生の食
品材料Ａを剥離性及び透湿性に富んだ透湿性膜体105,10
5を介し通電板102,102或は含湿接電体111,111とよくな
じむよう均等に密封させることができる許りか、前記透
湿性膜体105,105は生の食品材料Ａ中に含まれた水分或
は含湿接電体111,111に含湿された稀塩水を速かに透湿
して湿潤状態となることで通電良好な導電体となし、も
つて均一に流通する通電作用により生の食品材料Ａを短
時間内に熟熱殺菌して甘味のある密封包装食品を提供す
ることができると共に密封包装食品は絶縁性包装袋101
により密封状に包装されているので、そのままの状態で
長期の保存を可能ならしめることができるは勿論のこと
通電板102,102の内面が剥離性及び透湿性に富んだ透湿
性膜体で覆われているので、通電板102,102の内面に通
電加熱された密封包装食品が付着せず、通電板102,102
を容易に剥離できる許りか、両端面を含めて全体に表面
の滑らかな密封包装食品が得られ、特に営業用の食材で
あっても両端部を耳として切除する必要がなく無駄が全
く生じないうえ、通電板102,102には食品材料Ａが付着
しないからその繰り返し使用ができる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は、本発明に係る密封包装食品の実施例を示すもの
であつて、第１図は第１発明を実施させるための製造装
置の一部切欠した縦断正面図、第２図は絶縁性包装袋の
縦断正面図、第３図は通電板の斜視図、第４図は第２発
明を実施させるための製造装置の一部切欠した縦断正面
図、第５図は表面に含湿接電体を貼着した通電板の斜視
図、第６図は従来例の一部切欠した縦断正面図である。 101…絶縁性包装袋、101a,101b…絶縁性包装袋の左右両
側開口縁部、102…通電板、103…締縛用通電突起体、10
4…接電部、105…透湿性膜体、106…締縛具、111…含湿
接電体、Ａ…生の食品材料

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】食品材料を充填した絶縁性包装袋の両側開
   口対向位置に、外面中央に設けた締縛用通電突起体の接
   電部を残して他の全面を剥離性及び透湿性に富んだ透湿
   性膜体で覆うか又は内面のみを前記透湿性膜体で覆った
   一対の通電板を夫々介装せしめると共に、前記絶縁性包
   装袋の両側開口端縁は締縛用通電突起体へ密封状に締縛
   したことを特徴とする密封包装食品。
2. 【請求項２】食品材料を充填した絶縁性包装袋の両側開
   口対向位置に、内面に含湿接電体を貼着し、かつ外面中
   央に設けた締縛用通電突起体の接電部を残して他の全面
   を剥離性及び透湿性に富んだ透湿性膜体で覆うか、又は
   内面に貼着した含塩接電体体のみを覆った一対の通電板
   を夫々介装せしめると共に前記絶縁性包装袋の両側開口
   端縁は締縛用通電突起体へ密封状に締縛したことを特徴
   とする密封包装食品。