JPH0446551B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、複数に区画された夫々の充填室内に
充填収容された生の食品材料を単なる通電作用に
より一度に熟熱殺菌処理して、食べやすい状態に
細分化され、しかも絶縁性容器よりの取出しを容
易ならしめた任意形状からなる複数の通電加工食
品を簡単に量産することができる通電加工食品の
製造方法およびその装置に関する。

［従来の技術］ 従来、両側を開放した筒状の絶縁性容器内に生
の食品材料を直接充填し、次いで充填された生の
食品材料の両側には含塩水接電体を密着した後、
両方の含塩水接電体には一対の電極体を押し当て
て、両電極体間に亘る通電により生の食品材料を
包装することなく熟熱殺菌加工して一個の通電加
工食品を製造することができる通電加工食品の製
造方法およびその装置は、本出願前例えば特公昭
60−10704号公報に記載されていて公知である。

又、含塩滲潤状態の生の食品材料を充填した絶
縁性包装袋の両側に、含塩水接電体を外側に付設
した多孔状の保形枠を嵌入して一体状に熔着して
生の食品材料と含塩水接電体とを多孔部を介して
接触させるようにして両側部を規定形状に保形せ
しめた包装品を得さしめた後、該包装品を収容容
器内に挿入し、次いで保形枠により平面的となつ
た含塩水接電体に電極体を圧接せしめた両電極板
間に通電を施して生の食品材料を包装したまま殺
菌、熟熱して包装食品を製造することができる包
装食品の製造方法も、本出願前例えば特公昭55−
3219号公報に記載されていて公知である。

［発明が解決しようとする課題］ ところで、従前のこの種、通電加工食品の製造
方法およびその装置においては、その何れのもの
も、製造された通電加工食品は食べやすい状態と
なるように細分化されていないため、食膳に提供
する際には、前記通電加工食品をいちいち適宜の
大きさに切断する作業が必要となり甚だ面倒であ
る許りか、任意形状からなる複数の通電加工食品
を直ちに食膳に提供させることができない許り
か、得られた食品は絶縁性容器内に焼付いて正し
い形態のまま取出すことが難しいという問題点を
有していた。

そこで本発明における第１発明にあつては、両
側を開放した絶縁性容器内に収納された絶縁性の
剥離収納袋内を、挿入した複数の区画仕切壁によ
り任意形状からなる複数の充填室に区画し、次い
で夫々に区画された充填室内に食品材料を充填せ
しめた後、両側開放側より含塩水接電体を介して
一対の電極板を押し当て、両電極板間に亘る単な
る通電作用により充填された生の食品材料を一度
に熟熱殺菌処理して食べやすい状態に細分化さ
れ、しかも取出し容易な通電加工食品を簡単に量
産することができる目的をもつた通電加工食品の
製造方法を提供したものであり、又第２発明にお
いては、上記目的を容易に達成させることができ
る通電加工食品の製造装置を提供したことで、上
記の問題を解決したものである。

［課題を解決するための手段］ 従つて、本発明の技術的課題は、食べやすい状
態に細分化され、しかも絶縁性容器より取出しが
容易な複数の通電加工食品を単なる通電作用によ
つて一度に量産することにある。

上記技術的課題を解決するため、特に第１項の
発明を、両側を開放した絶縁性容器内に両側を開
放した絶縁性の剥離収納袋を収納した後、剥離収
納袋内に複数個の区画仕切壁を開放方向に沿い挿
入して絶縁性の剥離収納袋内に複数の充填室を区
画形成し、次いで、区画された複数の充填室内に
生の食品材料を夫々充填せしめた後、両側開放側
に生の食品材料と密接する含塩水接電体を介して
一対の電極板を押圧しながら通電を施して、複数
に区画充填された生の食品材料を一度に熟熱殺菌
処理したことを特徴とする通電加工食品の製造方
法とし、又第２項の発明を、両側を開放した絶縁
性容器内に両側を開放した絶縁性の剥離収納袋を
収納し、前記剥離収納袋内には複数個の区画仕切
壁を開放方向に沿い挿入して、絶縁性の剥離収納
袋内部に生の食品材料を夫々区画充填せしめる複
数の充填室を形成せしめると共に、前記絶縁性の
剥離収納袋の両側開放側には複数の充填室内に充
填された生の食品材料と密接する含塩水接電体を
介して一対の電極板を押圧せしめたことを特徴と
する通電加工食品の製造装置としたものである。

［作用］ 上記技術的手段は次のように作用する（第１図
ないし第４図参照）。

今、両側を開放した絶縁性容器１内に両側を開
放した絶縁性の剥離収納袋２を収納する。次い
で、剥離収納袋２内に、その開放方向に沿つて複
数個からなる絶縁性の区画仕切壁３および３ａを
順次交互に重設されるよう挿入して絶縁性の剥離
収納袋２内に区画仕切壁３および３ａにより区画
された任意形状の充填室５……を複数形成せしめ
る。そこで生の食品材料Ａを一方の開放側より
夫々の充填室５……内に充填せしめる。次いで絶
縁性の剥離収納袋の両側開放側より充填された生
の食品材料Ａと夫々密接するように含塩水接電体
６，７を嵌装せしめた後、さらにこれら含塩水接
電体６，７の外側より一対の電極板８，９を押し
当て、一対の電極板８，９間にわたり通電を施せ
ば、電流は夫々の充填室５……内に区画充填され
た生の食品材料Ａ中を均一に流通し、抵抗によつ
て生ずるジユール熱で短時間内に熟熱殺菌され、
均質の、しかも食べやすい状態に細分化された任
意形状からなる風味良好な多数の通電加工食品Ｂ
を一度に量産することができる。

以上のようにして、細分化された多数の通電加
工食品Ｂが得られたならば、前記通電加工食品Ｂ
と区画仕切壁３，３ａとを剥離収納袋内に収納し
たまま絶縁性容器１より取出せば、剥離収納袋２
は簡単に剥離され、収納した通電加工食品Ｂを取
出し、切断することなく直ちに食膳に提供して細
分化された通電加工食品を簡単に食することがで
きる。

［実施例］ 次に本発明方法を実施させるための製造装置の
各構成を添付図面に示された各実施例に基づき説
明する。

第１図ないし第４図において、１は、両側を開
放した断面任意形状からなる中空の絶縁性容器で
あつて、本発明の実施例に示された絶縁性容器１
はその断面が両側を開放した断面矩形状に塑成さ
れている。２は、耐熱絶縁性の材料により絶縁性
容器１の内周に沿つて収納されるよう同形状に塑
成された両側を開放した薄層で、しかも絶縁性の
剥離収納袋である。３，３ａは、剥離収納袋２内
に一方の開放側から出し入れ自在に挿入せしめた
ことで剥離収納袋２を収設した絶縁性容器１の内
部に、生の食品材料Ａを夫々充填せしめる任意形
状からなる複数の充填室５を簡単に区画形成せし
めるための複数個からなる区画仕切壁であつて、
第１図および第２図に示された実施例の製造装置
においては、第５図に示された如く細分化された
多数の截頭円錐形を呈する通電加工食品Ｂを得る
ために区画仕切壁３，４を次のように構成せしめ
る。すなわち一方の区画仕切壁３は一枚の絶縁性
板材を截頭円錐形状と逆截頭円錐形状とが交互に
連続して形成されるよう全体を略波形に屈曲せし
めると共に、前記絶縁性板材の左右両側部には略
三角形状を呈する閉塞板４，４を板材に対して直
交状となるよう外側に張出すよう一体に設けて構
成し、又、他の区画仕切壁３ａは一枚の絶縁性板
材により構成せしめてある。

従つて、第１図および第２図に示された如く、
屈曲状の区画仕切壁３と平板状の区画仕切壁３ａ
とを、交互に、しかも区画仕切壁３を反対向きと
なるよう順次上積み状に絶縁性容器１内に収容さ
れた剥離収納袋２に内に挿入せしめれば、絶縁性
の剥離収納袋２内部に、截頭円錐形状と逆截頭円
錐形状を呈する複数の充填室５……が整然と区画
形成される。

なお、細分化された夫々の充填室５……内に充
填される生の食品材料Ａは例えば食肉類、魚肉
類、穀類、野菜、又はこれらの混合物或は上記以
外の食品材料若しくは固泥材料等を稀塩水に浸漬
して、適宜の調味料、香辛料を混入するか、又は
混入しない状態のものからできている。

６，７は、細分化されるように区画された夫々
の充填室５……内に充填された生の食品材料Ａと
互いに密接するように両側開放側より挿入した左
右一対からなる含塩水接電体であつて、該含塩水
接電体６，７は繊維性の材料に通電を促進させる
ための塩分水を含ませて塑成してある。

８，９は左右一対からなる含塩水接電体６，７
と夫々圧接されるように両側開放側より絶縁性の
剥離収納袋２内へ出し入れ自在に挿入した左右一
対からなる電極板である。Ｂは、量産された通電
加工食品である。

従つて、本発明方法およびその装置によれば、
絶縁性の剥離収納袋２を収設した絶縁性容器１の
内部を、複数個からなる区画仕切板３，３ａの単
なる挿入操作により簡単に細分化して任意形状の
充填室５……を複数区画形成して、それぞれの充
填室５内に充填された生の食品材料ａを含塩水接
電体６，７を介して両側より押圧される一対の電
極板８，９間に亘り施される通電により均一に熟
熱殺菌処理し、一度に食べやすく細分化された風
味良好な通電加工食品Ｂを量産することができる
許りか、通電加工食品Ｂを絶縁性容器１内面に焼
付かせず簡単に取出すことができる。

第６図に示された第２実施例のものは、第１実
施例の他例を示す通電加工食品の製造装置を示す
ものであつて、該第２実施例の製造装置にあつて
は、絶縁性容器を両側を開放した円筒状となし、
しかも内周に剥離収納袋２を配設した絶縁性容器
１′内には全体を亀の甲形状に構成した区画仕切
壁３′を一方開放側より出し入れ自在に挿入して
複数の充填室５′を簡単に形成し、これら複数の
充填室５′……内に夫々充填された生の食品材料
Ａを第１実施例と同様の製造方法を用いて短時間
内に食べやすい状態に細分化された任意形状の通
電加工食品として提供できるようにしたものであ
り、前記第２実施例においては、区画形成された
夫々の充填室５′内に両側を開放した包装袋１０
を予め収納し、これが包装袋１０内に生の食品材
料Ａを充填収容して通電により通電加工食品を製
造すれば、得られた通電加工食品を包装袋１０に
より直ちに包装して衛生効果を向上させることが
できる。

その上、第７図に示された第３実施例の通電加
工食品の製造装置の如く波形状の区画仕切壁３″
を用いても絶縁性容器１″内部を亀の甲状の充填
室５″が形成されるように区画せしめれば、得ら
れた通電加工食品の表面が波形となつて通電加工
食品の意匠効果を倍加させることができる。

その上、さらに第８図に示された第４実施例の
通電加工食品の製造装置に見られる如く、両側を
開放した絶縁性容器１内に、中央部に生の食品
材料Ａが充填できないように閉塞筒体１１を設
け、これが外側位置には閉塞筒体１１と一体に連
結された中空筒体１２を配設して構成した区画仕
切壁３を挿入して、絶縁性容器１内部に大小
２個の中空筒状を呈する充填室５……を形成せ
しめ、該充填室５……内に夫々充填した生の食
品材料Ａを通電により熟熱殺菌処理して大小２個
の中空筒状を呈する通電加工食品を簡単に製造せ
しめることもできる。

従つて、本発明方法およびその装置によれば、
区画仕切壁３を任意の形状に構成せしめるだけ
で、その形態が任意で、かつ区画数を任意とした
適宜の通電加工食品Ｂを単なる通電作用によつて
簡単・迅速に量産することが可能である。

［発明の効果］ 要するに本発明は、前述したような方法および
装置としたので、両側を開放した絶縁性の剥離収
納袋２を収設した両側を開放した絶縁性容器１の
内部を適宜の形状に塑成された区画仕切壁３，３
ａにより複数の充填室５……が形成されるよう簡
単に区画せしめて、夫々の充填室５……内に充填
された生の食品材料Ａを一対の電極板８，９間に
施された通電作用により熟熱殺菌処理して、食べ
やすく細分化された任意形状からなる風味良好な
通電加工食品Ｂを簡単・迅速に量産して容易に食
膳に提供させることができる許りか通電加工食品
Ｂを絶縁性容器１内面に焼付かせず簡単に取出す
ことができるとともに大量の生の食品材料Ａを収
納することができる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明方法を実施させるための通電加工
食品の製造装置の各実施例を示すものであつて、
第１図は、第１実施例装置の縦断正面図、第２図
は、第１図−線における縦断側面図、第３図
は、一方の区画仕切壁の一部を切欠した斜視図、
第４図は、一部を切欠した他方の区画仕切壁の斜
視図、第５図は、第１実施例の方法および装置に
よつて製造された通電加工食品の全体斜視図、第
６図は、第２実施例に係る通電加工食品の製造装
置の縦断側面図、第７図は、第３実施例に係る通
電加工食品の製造装置の縦断側面図、第８図は、
第４実施例に係る通電加工食品の製造装置の縦断
側面図である。 １，１′，１″，１…絶縁性容器、２…絶縁性
の剥離収納袋、３，３ａ，３′，３″，３…区画
仕切壁、５，５′，５″，５…充填室、６，７…
含塩水接電体、８，９…電極板。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 両側を開放した絶縁性容器内に両側を開放し
   た絶縁性の剥離収納袋を収納した後、剥離収納袋
   内に複数個の区画仕切壁を開放方向に沿い挿入し
   て、絶縁性の剥離収納袋内に複数の充填室を区画
   形成し、次いで、区画された複数の充填室内に生
   の食品材料を夫々充填せしめた後、両側開放側に
   生の食品材料と密接する含塩水接電体を介して一
   対の電極板を押圧しながら通電を施して、複数に
   区画充填された生の食品材料を一度に熟熱殺菌処
   理したことを特徴とする通電加工食品の製造方
   法。 ２ 両側を開放した絶縁性容器内に両側を開放し
   た絶縁性の剥離収納袋を収納し、前記剥離収納袋
   内には複数個の区画仕切壁を開放方向に沿い挿入
   して、絶縁性の剥離収納袋内部に生の食品材料を
   夫々区画充填せしめる複数の充填室を形成せしめ
   ると共に、前記絶縁性の剥離収納袋の両側開放側
   には複数の充填室内に充填された生の食品材料と
   密接する含塩水接電体を介して一対の電極板を押
   圧せしめたことを特徴とする通電加工食品の製造
   装置。