JP2547902B2 - シグマデルタ型d/a変換器システム - Google Patents
シグマデルタ型d/a変換器システムInfo
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Description
常に高い周波数で変換動作を行い、高いS/N値を得
る、オ−バ−サンプリング型D/A変換器のうち、ディ
ジタル・シグマデルタ変換器を用いたシグマデルタ型D
/A変換器(以下、ΣΔ型D/A変換器という。)の改
良に関する。
に符号化する場合、D/A変換器のサンプリング周波数
fS を信号周波数帯域fB の2倍以上に設定すれば、該
アナログ信号の情報が損なわれないことは、ナイキスト
の定理が知らせるところである。そこで、一般的なD/
A変換器のサンプリング周波数fS は、信号周波数帯域
fB の2.2〜2.4倍に設定されているのが普通であ
る。
数fS を信号周波数帯域fB に比べて十分に高く設定
し、これにより変換精度を高めた、オ−バ−サンプリン
グ型D/A変換器が開発され、実用化されている。この
オ−バ−サンプリング型D/A変換器のS/N値の最大
値S/NMAX は、ビット数(分解能)をnとすると、次
式(1)で表すことができる。
MAX は、サンプリング周波数fS に比例するため、サン
プリング周波数fS を高く設定すればする程、変換精度
を高めることができる。ところが、サンプリング周波数
fS を2倍にしても、S/N値は3dBにしか改善され
ないが、ビット数nを1ビット増やせば、S/N値は6
dBに改善されるため効率が良くない。そこで、サンプ
リング周波数fS を余り高くしなくとも、S/N値を十
分に大きくできるようなオ−バ−サンプリング型D/A
変換器の改良型が数多く開発されている。
器(以下、ΣΔ変調器という。)を用いたΣΔ型D/A
変換器が知られている。図8は、一次のΣΔ変調器を用
いたΣΔ型D/A変換器を示している。図8において、
11はΣΔ変調器を、21はD/A変換回路をそれぞれ
示している。また、X(z)は入力信号のz変換を、Y
(z)は出力信号のz変換を、E(z)は量子化誤差の
z変換をそれぞれ表している。
示すような動作を行う。まず、入力信号(ディジタル信
号)X(z)が減算器13に入力される。減算器13の
出力信号は、積分回路14に入力される。積分回路14
は、加算器15および1クロック遅延回路16により構
成されている。積分回路14の出力信号は、量子化器1
7に入力される。また、量子化器17により積分回路1
4の出力信号が量子化されると、量子化誤差E(z)が
生じる。量子化器17の出力信号Y(z)は、1クロッ
ク遅延回路18を介して、帰還信号として減算器13に
入力される。また、量子化器17の出力信号Y(z)
は、D/A変換回路21に入力され、ディジタル信号が
アナログ信号に変換される。
(2)に示す関係が成立する。
(z)とは無相関であり、周波数特性もフラットである
と考えられている。この結果、上記ΣΔ型D/A変換器
の雑音周波数特性は、当該変換器のクロックの周期をT
とすれば、次式(3)で表すことができる。
信号周波数帯域fB を十分に低くすれば、雑音のパワ−
はサンプリング周波数(fS )2 に比例するため、サン
プリング周波数fS を2倍にするごとに、信号周波数帯
域fB でのS/N値は9dB改善される。
D/A変換器を示している。このD/A変換器は、m段
の積分回路19を有し、次式(4)で示すような伝達特
性を持っている。
A変換器では、サンプリング周波数fS を2倍にするご
とに、信号周波数帯域fB でのS/N値は3×(2m+
1)dB改善される。
用いたΣΔ型D/A変換器と全く等価であるΣΔ型D/
A変換器である。図10において、20はフィルタ回路
を示している。このΣΔ型D/A変換器の伝達関数H
(z)を次式(5)に示すようにすれば、m次のΣΔ型
D/A変換器が構成される。
能を向上させるためには、サンプリングレ−トを上げ
る、またはΣΔ変調器の次数を上げる、といういずれか
の処置を行わなければならない。しかしながら、サンプ
リングレ−トが所定値以上になると、D/A変換回路の
変換速度が当該サンプリングレ−トに対応できなくな
り、性能が劣化するという欠点がある。また、ΣΔ変調
器の次数を上げると、安定度が低下し、リミッタで出力
振幅を制御する必要が生じるため、性能の改善が図れな
いという欠点がある。
ΣΔ型D/A変換器の性能を向上させるため、サンプリ
ングレ−トを上げると、D/A変換回路の変換速度が当
該サンプリングレ−トに対応できなくなり、性能が劣化
するという欠点があった。また、ΣΔ変調器の次数を上
げると、安定度が低下し、リミッタで出力振幅を制御す
る必要が生じ、性能の改善が図れないという欠点があっ
た。
ものであり、ΣΔ変調器を用いたΣΔ型D/A変換器に
おいて、サンプリングレ−トを上げること、およびΣΔ
変調器の次数を上げることなしに、その性能を向上させ
ることができるΣΔ型D/A変換器システムを提供する
ことを目的とする。
に、本発明のΣΔ型D/A変換器システムは、複数の同
一のディジタル信号にそれぞれ異なる直流オフセットを
加算する手段と、前記直流オフセットが加算された前記
複数のディジタル信号を複数のアナログ信号に変換する
複数のΣΔ型D/A変換器と、変換された前記複数のア
ナログ信号を加算して出力する出力手段とを備えてい
る。
号には、それぞれ異なる直流オフセットが加算され、こ
の後、ΣΔ型D/A変換器により前記複数のディジタル
信号を複数のアナログ信号に変換している。また、前記
複数のアナログ信号を加算した後、出力している。この
ため、サンプリングレ−トを上げること、およびΣΔ変
調器の次数を上げることなしに、その性能を向上させる
ことができる。
について詳細に説明する。
テムの基本構成を示すものである。図1において、本シ
ステムの入力ノ−ド30には、k個の加算器311 ,3
12 ,…,31k が並列状に接続されている。それぞれ
の加算器311 ,312 ,…,31kは、例えば図8〜
図10に示すような構成を有するΣΔ型D/A変換器3
21 ,322 ,…,32k に接続されている。k個のΣ
Δ型D/A変換器32 1 ,322 ,…,32k は、それ
ぞれ抵抗33を介して、本システムの出力ノ−ド34に
接続されている。
に示すような動作を行う。まず、本システムの入力ノ−
ド30からディジタル信号が入力され、このディジタル
信号は、それぞれk(kは2以上の自然数)個の加算器
311 ,312 ,…,31k に入力される。また、k個
の加算器311 ,312 ,…,31k には、それぞれ異
なったDC(直流)オフセットが入力される。例えば、
加算器311 には、DCオフセット手段351 から発生
されたDCオフセット1が入力され、加算器312 に
は、DCオフセット手段352 から発生されたDCオフ
セット2が入力され、同様に加算器31k には、DCオ
フセット手段35k から発生されたDCオフセットkが
入力される。加算器311 ,312 ,…,31k では、
ディジタル信号とDCオフセットとが加算される。加算
器311 ,312 ,…,31k の出力信号は、それぞれ
ΣΔ型D/A変換器321 ,322 ,…,32k に入力
される。
32k では、量子化器を有するために、量子化ノイズが
発生する。ところが、この量子化ノイズの波形は、ディ
ジタル信号(入力信号)に依存する。そこで、互いに異
なるDCオフセットが加算された各ディジタル信号を、
所定のΣΔ型D/A変換器321 ,322 ,…,32k
へ入力してやると、そのΣΔ型D/A変換器321 ,3
22 ,…,32k では、それぞれ互いに異なる量子化ノ
イズが発生する。
互いに異なるDCオフセットを加え、この後、そのディ
ジタル信号をΣΔ型D/A変換器に入力してやれば、Σ
Δ型D/A変換器の間で概略相関がない量子化ノイズが
発生する。また、ΣΔ型D/A変換器の出力信号(アナ
ログ信号)を加算してやれば、ディジタル信号に対応し
たアナログ信号はk倍されるが、量子化ノイズはk1/2
倍される。これは、それぞれのΣΔ型D/A変換器で発
生する量子化ノイズは、互いに相互相関がないので、Σ
Δ型D/A変換器の出力信号を加算しても、量子化ノイ
ズは、単なるパワ−の加算にとどまり、同一のΣΔ型D
/A変換器を使用したと仮定すると、各ノイズパワ−の
平均値は同じとなるからである。これにより、S/N値
は、10・log{k}dBだけ改善される。
セット1〜kが非常に接近していると、互いに異なる量
子化ノイズであっても、相互の相関が強く、ΣΔ型D/
A変換器の出力信号を加算すると、可聴帯域でビ−ト成
分が発生すると考えられる。そこで、実験では、DCオ
フセット1〜kの値の相互の間隔を、ΣΔ型D/A変換
器のフルスケ−ル値の0.2%程度以上とすれば、可聴
帯域におけるビ−ト成分はほぼなくなるため、量子化ノ
イズは、実質的に相互に相関がないと考えてよいことが
わかっている。
回路においてコンデンサなどにより除去できるため、問
題はない。
を4個使用した場合の本システムの構成例を示すもので
ある。本例では、量子化が1ビットであるため、通常、
D/A変換回路にはCMOSインバ−タが使用される。
しかし、1ビットデ−タにジッタがあると、D/A変換
器の性能を劣化させる。そこで、図3に示すように、ジ
ッタのないクロックCKを用いたDFFで同期を取り直
している。なお、出力インバ−タの波形の立ち上がりと
立ち下がりの違いによる2次歪みを打ち消すために、変
換されたアナログ信号の正転信号を出力する正転出力端
子35と、前記アナログ信号の反転信号を出力する反転
出力端子36を設け、これら正転信号と反転信号を図4
に示すようなアナログ引算回路へ入力させてもよい。
Δ型変調器を用いたΣΔ型D/A変換器システムのDC
オフセット1〜4の値の一例を示すものである。本例で
は、DCオフセット1〜4の値はプラスとしているが、
マイナスであっても構わない。また、DCオフセット1
〜4の位置関係は、図5に示すものに限られず、任意に
決めることができる。必要なことは、上述したように、
DCオフセット1〜4の値の相互の間隔を、ΣΔ型D/
A変換器のフルスケ−ル値の0.2%程度以上とするこ
とである。これにより、量子化ノイズは、D/A変換器
相互で実質的に相関がなくなる。
の出力信号の加算によるS/N値の改善を説明するもの
である。同一の信号成分ei と相互に相関がないノイズ
enj(j=1,2,…,k)を抵抗Rを介して一点に結
線し、これを電流入力アンプで増幅する。ノイズの相関
がないことを利用すると、破線で囲まれた部分は、図6
(b)に示すような等価回路に置き換えることができ
る。ここで、ノイズenjの分散V(en )は、一定であ
ると仮定できるため、 e0 =ei +eN …(6) V(eN )=(1/k)・V(en ) …(7) S/N[dB]=10・log{V(ei )/V(eN )} =10・log{V(ei )/V(en )} +10・log{k} …(8) 但し、V(eN )はeN の分散、V(ei )はei の分
散である。
{k}[dB]だけ改善されることが容易に理解でき
る。また、いずれか一つの信号源にビ−ト成分が含まれ
ていると、同様の理由により、出力では、ビ−ト成分が
20・log{k}[dB]だけ改善される。
ス成分を多量に含んでいるため、そのままオペアンプに
入力させると、大きなスル−レ−ト歪みを発生すること
がある。これを防ぐためには、例えば図7に示すような
2〜3段のCRフィルタを設けるのが効果的である。な
お、図7において、R1 〜R3 は抵抗、C1 〜C3 はコ
ンデンサ、Ampはオペアンプである。なお、オペアン
プAmpは、ボルテ−ジフォロアとなっているが、電流
アンプであってもよい。
デルタ型D/A変換器システムによれば次のような効果
を奏する。
ングレ−トを上げること、またはΣΔ変調器の次数を高
くすることにより性能の向上を図っていたため、一定限
度以上に性能を向上させることができなかった。これに
対し、本発明では、k個のΣΔ型D/A変換器を用いる
ことにより、S/N値を10・log{k}[dB]だ
け改善できるのみならず、量子化ノイズに含まれる有害
なビ−ト成分を20・log{k}[dB]も制御する
ことができる。これによって、従来にない高精度なD/
A変換器を構成することができ、LSI内に回路を構成
することも可能である。
システムを示す回路図。
器システムを示す回路図。
器システムを示す回路図。
器システムを示す回路図。
器、321 ,322 ,…,32k :ΣΔ型D/A変換
器、34:出力ノ−ド、35:正転出力端子、36:反
転出力端子。
Claims (4)
- 【請求項1】 ディジタル信号が入力され、前記ディジ
タル信号にそれぞれ異なる値の直流オフセットを加算す
る複数の加算器と、前記複数の加算器に前記直流オフセ
ットを与える直流オフセット手段と、前記複数の加算器
から出力されるディジタル信号をそれぞれアナログ信号
に変換する複数のシグマデルタ型D/A変換器と、前記
複数のシグマデルタ型D/A変換器から出力されるアナ
ログ信号を加算して出力する出力手段とを具備すること
を特徴とするシグマデルタ型D/A変換器システム。 - 【請求項2】 前記直流オフセットの値は、前記複数の
シグマデルタ型D/A変換器のフルスケ−ル値の0.2
%程度以上に互いに離れていることを特徴とする請求項
1記載のシグマデルタ型D/A変換器システム。 - 【請求項3】 前記複数のシグマデルタ型D/A変換器
は、それぞれ直流オフセットが加算されたディジタル信
号と帰還信号とを加算する加算器と、前記加算器の出力
信号を量子化する量子化器と、前記量子化器の出力信号
と前記加算器の出力信号との差を算出する減算器と、前
記減算器の出力信号をディジタル処理して前記帰還信号
を生成するフィルタ回路と、前記量子化器の出力信号を
アナログ信号に変換するD/A変換回路とから構成され
ていることを特徴とする請求項1記載のシグマデルタ型
D/A変換器システム。 - 【請求項4】 前記出力手段は、前記複数のシグマデル
タ型D/A変換器から出力されるアナログ信号が加算さ
れた出力信号を出力する正転出力端子と、前記出力信号
の反転信号を出力する反転出力端子とを備えていること
を特徴とする請求項1記載のシグマデルタ型D/A変換
器システム。
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