JP2547380B2 - 内燃エンジンの空燃比フィ−ドバック制御方法 - Google Patents

内燃エンジンの空燃比フィ−ドバック制御方法

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JP2547380B2 JP62078336A JP7833687A JP2547380B2 JP 2547380 B2 JP2547380 B2 JP 2547380B2 JP 62078336 A JP62078336 A JP 62078336A JP 7833687 A JP7833687 A JP 7833687A JP 2547380 B2 JP2547380 B2 JP 2547380B2
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    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
    • F02D41/02Circuit arrangements for generating control signals
    • F02D41/14Introducing closed-loop corrections
    • F02D41/1438Introducing closed-loop corrections using means for determining characteristics of the combustion gases; Sensors therefor
    • F02D41/1486Introducing closed-loop corrections using means for determining characteristics of the combustion gases; Sensors therefor with correction for particular operating conditions
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は内燃エンジンに供給される混合気の空燃比の
フィードバック制御方法に関し、特にフィードバック制
御運転領域以外の運転領域からフィードバック制御運転
領域に移行したときにおける内燃エンジンの空燃比フィ
ードバック制御方法に関する。
(従来技術及びその問題点) 従来、エンジンの空燃比フィードバック制御運転領域
における運転時に、当該エンジンの排気系に配置される
排気ガス濃度検出器の出力に応じて変化する係数を用い
て前記エンジンに供給する混合気の空燃比を制御する内
燃エンジンの空燃比フィードバック制御方法が公知であ
る(例えば、本出願人による特開昭58−160528号公
報)。
この従来の制御方法は、エンジンがフィードバック制
御運転領域又はフィードバック制御運転領域以外のいず
れの領域において運転されているかを検出すると共に、
前記フィードバック制御運転領域での運転時に得られた
前記係数の平均値を算出し、運転状態が前記フィードバ
ック制御運転領域以外の運転領域から前記フィードバッ
ク制御運転領域に移行したときには前記係数として前記
係数の平均値に所定値を乗算又は加算した値を用いて前
記移行先の領域におけるフィードバック制御を開始する
ことを特徴とするものであり、これによりフィードバッ
ク制御の開始時における前記係数の初期値を適正値に設
定し、例えば移行先の領域における空燃比をリッチ化さ
せることにより、特にNOxの低減が図られている。
しかしながら、上記従来の制御方法は、前記係数の平
均値に乗算又は加算される所定値が、エンジン水温にか
かわらず設定されるため、エンジン水温の変化に応じた
制御を行う上で改善の余地を残していた。例えば、エン
ジン水温が低いときには、燃料の粘性が高水温時よりも
高いために、吸気管の内壁に多量に燃料が付着してお
り、フィードバック制御領域への移行後にこの付着分の
燃料が燃料噴射弁からの噴射燃料とともにエンジンに供
給されることにより、混合気の空燃比がリッチ化してし
まい、このためCO,HC成分の発生を抑制することが困難
となるという不具合がある。
(発明の目的) 本発明は上記従来技術の問題点を解決するためになさ
れたものであり、フィードバック制御領域以外からのフ
ィードバック制御領域に移行したときに当該移行先の領
域における空燃比を、広範囲のエンジン水温域に対して
適切に設定し、もって高水温時及び低水温時の双方にお
いて良好な排気ガス特性が得られるようにした内燃エン
ジンの空燃比フィードバック制御方法を提供することを
目的とする。
(問題点を解決するための手段) 本発明は上記目的を達成するため、内燃エンジンの空
燃比フィードバック制御運転領域における運転時に、当
該エンジンの排気系に配置される排気ガス濃度検出器の
出力に応じて変化する係数を用いて前記エンジンに供給
する混合気の空燃比を制御する内燃エンジンの空燃比フ
ィードバック制御方法において、エンジンがフィードバ
ック制御運転領域又はフィードバック制御運転領域以外
のいずれの領域において運転されているかを検出すると
共に、前記フィードバック制御運転領域での運転時に得
られた前記係数の平均値を算出し、運転状態が前記フィ
ードバック制御運転領域以外の運転領域から前記フィー
ドバック制御運転領域に移行したときには前記係数とし
て前記係数の平均値にエンジン水温に応じた所定値で補
正した値を初期値として、用いて前記移行先の領域にお
けるフィードバック制御を開始するようにしたものであ
る。
(実施例) 以下本発明の一実施例を添附図面に基いて詳述する。
第1図は本発明の制御方法が適用される燃料供給制御
装置の全体の構成図であり、エンジン1の吸気管2の途
中にはスロットルボディ3が設けられ、その内部にはス
ロット弁3′が配されている。スロットル弁3′にはス
ロットル弁開度(θTH)センサ4が連結されており、当
該スロットル弁3の開度に応じた電気信号を出力して電
子コントロールユニット(以下「ECU」という)5に供
給する。
燃料噴射弁6はエンジン1とスロットル弁3との間且
つ吸気管2の図示しない吸気弁の少し上流側に各気筒毎
に設けられており、各噴射弁は図示しない燃料ポンプに
接続されていると共にECU5に電気的に接続されて当該EC
U5からの信号により燃料噴射の開弁時間が制御される。
一方、スロットル弁3の直ぐ下流には管7を介して吸
気管内絶対圧(PBA)センサ8が設けられており、この
絶対圧センサ8により電気信号に変換された絶対圧信号
は前記ECU5に供給される。また、その下流には吸気温
(TA)センサ9が取付けられており、吸気温TAを検出し
て対応する電気信号を出力してECU5に供給する。
エンジン1の本体に装着されたエンジン水温(Tw)セ
ンサ10はサーミスタ等から成り、エンジン水温(冷却水
温)Twを検出して対応する温度信号を出力してECU5に供
給する。エンジン回転数(Ne)センサ11及び気筒判別
(CYL)センサ12はエンジン1の図示しないカム軸周囲
又はクランク軸周囲に取付けられている。エンジン回転
数センサ11はエンジン1のクランク軸の180度回転毎に
所定のクランク角度位置でパルス(以下「TDC信号パル
ス」という)を出力し、気筒判別センサ12は特定の気筒
の所定のクランク角度位置で信号パルスを出力するもの
であり、これらの各信号パルスはECU5に供給される。
三元触媒14はエンジン1の排気管13に配置されてお
り、排気ガス中のNC、CO、NOx等の成分の浄化を行う。
排気ガス濃度検出器としてのO2センサ15は排気管13の三
元触媒14の上流側に装着されており、排気ガス中の酸素
濃度を検出してその検出値に応じた信号を出力しECU5に
供給する。ECU5には大気圧を検出する大気圧センサ16、
エンジンスタータスイッチ17が接続されており、大気圧
センサ16からの信号、スタータスイッチ17のオン−オフ
状態の信号が供給される。
更に、ECU5にはバッテリ18が接続されECU動作電圧が
供給される。
ECU5は上述の各種エンジンパラメータ信号に基づい
て、フューエルカット(燃料遮断)運転領域等のエンジ
ン運転状態を判別すると共に、エンジン運転状態に応じ
て前記TDC信号パルスに同期して噴射弁6を開弁すべき
燃料噴射時間ToUTを次式に基づいて演算する。
ToUT=Ti×(KTA・KTw・KwoT・KLs・KDR・KcAT・KAsT・ Ko2)+(Tv+ΔTv) …(1) ここに、Tiは燃料噴射弁6の噴射時間ToUTの基準値で
あり、エンジン回転数Neと吸気管内絶対圧PBAに応じて
決定される。KTAは吸気温補正係数、KTWはエンジン水温
補正係数であり、夫々吸気温TA及びエンジン水温Twに応
じて決定される。KwoT、KLs、KDRは係数であり、KwoT
スロットル弁全開時の混合気のリッチ化係数、KLsは混
合気のリーン化係数、KDRはアイドル域からの急加速の
過程で通過する低回転オープン制御領域においてエンジ
ン1の運転性能向上の目的で適用されるリッチ化係数で
ある。
KcATはエンジンの高回転域(高回転オープンループ制
御域)で第1図の三元触媒14の焼損防止の目的で適用さ
れるリッチ化係数であり、エンジンが高負荷になる程増
加するように設定される。
また、KAsTはエンジンの始動直後において、エンジン
ストールの防止等を目的として適用される始動後燃料増
量係数である。
Ko2はO2フィードバック補正係数であってフィードバ
ック制御時、排気ガス中の酸素濃度に応じて第4図の制
御プログラムにより求められ、更にフィードバック制御
を行わない複数の特定運転領域では各運転領域に応じて
設定される係数である。Tv及びΔTvはバッテリ電圧に応
じた変数及びその補正変数である。
ECU5は上述のようにして求めた燃料噴射時間ToUTに基
づいて燃料噴射弁6を開弁させる駆動信号を燃料噴射弁
6に供給する。
第2図は第1図のECU5内部の回路構成を示すブロック
図で、第1図のエンジン回転数センサ11からの出力信号
は波形整形回路501で波形整形された後、TDC信号パルス
として中央演算処理装置(以下「CPU」という)503に供
給されると共に、Meカウンタ502にも供給される。Meカ
ウンタ502はエンジン回転数センサ11からの前回TDC信号
パルスの入力時から今回TDC信号パルスの入力時までの
時間間隔を計測するもので、その計数値Meはエンジン回
転数Neの逆数に比例する。Meカウンタ502はこの計数値M
eをデータバス510を介してCPU503に供給する。
第1図のスロットル弁開度センサ4、吸気管内絶対圧
センサ8、エンジン水温センサ10等の各センサからの夫
々の出力信号はレベル修正回路504で所定電圧レベルに
修正された後、マルチプレクサ505により順次A/Dコンバ
ータ506に供給される。また、マルチプレクサ505にはV
PRo調整器511が接続されている。
このVPRo調整器511は例えば定電圧回路に接続された
分圧抵抗等で構成される可変電圧回路から成り、後述す
るエンジンの特定運転領域で適用する補正係数KPRoを決
定する電圧VPRoをマルチプレクサ505を介してA/Dコンバ
ータ506に供給する。このA/Dコンバータ506は前述の各
センサ及びVPRo調整器511からのアナログ出力電圧を順
次デジタル信号に変換してデータバス510を介してCPU50
3に供給する。
CPU503は更にデータバス510を介してリードオンリメ
モリ(以下「ROM」という)507、ランダムアクセスメモ
リ(以下「RAM」という)508及び駆動回路509に接続さ
れており、RAM508はCPU503における演算結果を一時的に
記憶し、ROM507はCPU503で実行される制御プログラム、
吸気管内絶対圧とエンジン回転数とに基づいて読み出す
ための燃料噴射弁6の基本噴射時間Tiマップ、補正係数
マップ等を記憶している。
CPU503はROM507に記憶されている制御プログラムに従
って、前述の各種エンジンパラメータ信号や噴射時間補
正パラメータ信号に応じた燃料噴射弁6の燃料噴射時間
ToUTを演算し、これら演算値をデータバス510を介して
駆動回路509に供給する。駆動回路509は前記演算値に応
じて燃料噴射弁6を開弁させる制御信号を当該噴射弁6
に供給する。
第3図は本発明の制御方法を実施する手順を示すフロ
ーチャートを示す。本プログラムはTDC信号パルスの発
生毎に、これと同期して実行される。
先ず、イグニンションスイッチが投入(オン)された
後、所定時間to2秒経過したか否かを判別し(ステップ2
9)、その答が否定(No)とのきには補正係数Ko2を後述
する値KPRoに設定してオープンループ制御を行い(ステ
ップ40)、肯定(Yes)のときにはO2センサ15の活性化
が完了しているか否かを判別する(ステップ30)。ステ
ップ30の答が否定(No)、即ちO2センサ15の活性化が完
了していないときには運転領域がアイドル域にあるか否
かを判別する(ステップ45)。
アイドル域にあるか否かの判別は第5図に示すように
して行う。即ち、エンジン回転数Neがアイドル回転数N
IDLよりも低いか否かを判別し(ステップ620)、その答
が肯定(Yes)のときには吸気管内絶対圧PBAがアイドル
域にあるときの吸気管内絶対圧PBAIDLよりも低いか否か
を判別する(ステップ621)。ステップ621の答が肯定
(Yes)の時にはアイドル運転領域(第6図の領域VI)
にあると判別する(ステップ622)。ステップ620の答が
否定(No)のとき、又はステップ621の答が否定(No)
のときにはアイドル運転領域外にあると判別する(ステ
ップ623)。アイドル運転領域にあるか否かの判別は、
後述する第4図の制御プログラムにおいても、上記と同
様の手法によって行われる。
第3図に戻り、ステップ45の答が否定(No)のときに
はO2フィードバック補正係数Ko2をKPRoに設定する(ス
テップ40)。このKPRo値はO2センサ15の未活性時、低水
温時、高負荷時の各特定運転領域において適用されるも
ので、領域により単独に、又は対象となる領域に固有の
補正係数と共に適用することにより、これらの各領域で
夫々最適な値の空燃比が得られるような値、通常は1.0
又はその近似値に設定されている。
前述の各特定運転領域は、Ko2の平均値KREFが得られ
るフィードバック制御領域と比較して運転条件がかなり
異なるものである。従って、これらの特定運転領域に前
記KREF値をそのまま適用した場合、得られる空燃比は夫
々の所要の所定値からかなりかけ離れた値となる可能性
がある。
このため、かかる領域ではKREFに代えて前記係数KPRo
を適用する。具体的にはエンジンの製造ラインにおい
て、生産ロット毎に適用対象となるエンジンにとって最
適の運転性能、排気ガス特性、燃費等の諸特性が得られ
る空燃比に制御し得るKPRo値を求め、第2図のVPRo調整
器511の抵抗値を前記求められたKPRo値に対応する値に
選定しその出力電圧VPRoを調整する。
また、このKPRo値は燃料供給制御装置を新しくエンジ
ンに組付ける際に、Ko2の平均値KREFの初期値としても
使用するようにECU5内にセットされる。蓋し、KREFは過
去の運転時のKo2の平均値であり、エンジン出荷時には
未だ得られていないからである。
ステップ45の答が肯定(Yes)のとき、即ち運転領域
がアイドル域のときには、補正係数Ko2を値Ko2IDLに設
定して(ステップ46)オープンループ制御を行う。この
ときの値Ko2IDLは僅かにリッチ化された値である。
ステップ30の答が肯定(Yes)のとき、即ちO2センサ1
5の活性化が完了したときには、エンジン水温Twが所定
の温度Two2(例えば40℃)よりも低いか否かを判別し
(ステップ31)、O2センサ15のフィードバックの領域の
判別を行う。即ち、ステップ31においてエンジン水温Tw
が前記所定の温度Two2よりも低いか否かを判別し、その
答が肯定(Yes)のときには前記ステップ40に進み、否
定(No)のときにはステップ32に進む。
ステップ31においてエンジン水温Twが前記所定の温度
Two2よりも低いか否かを判別するのは、ステップ30にお
いてO2センサの活性化が完了したと判別された時でもエ
ンジン水温Twが前記所定の温度Two2よりも低いことがあ
り、かかる場合にはO2センサ15によるフィードバック制
御は行わず、オープンループ制御を行うためである。
次にステップ32において低回転オープンループ制御領
域(第6図の領域I)であるか否かを判別し、その答が
肯定(Yes)のとき、即ちエンジン回転数Neが所定の回
転数NLopよりも低いときにはKo2を平均値KREFに設定す
る(ステップ41)。該平均値KREFはフィードバック領域
で得られるKo2の平均値である。
ステップ32の答が否定(No)のときには燃料噴射時間
ToUTが所定の燃料噴射時間Two2よりも長いか否かを判別
し(ステップ33)(第6図の領域II)、このステップ33
の答が肯定(Yes)のときにはステップ47に進み、否定
(No)のときにはエンジン回転数Neが高回転オープンル
ープ領域(第6図の領域III)であるか否かを判別する
(ステップ34)。ステップ34の答が肯定(Yes)のと
き、即ちエンジン回転数Neが所定の回転数NHopよりも高
いときには前記ステップ41に進み、否定(No)のときに
は混合気リーン化域の補正係数KLsが1.0よりも小さいか
否か、即ちエンジンが吸気管内絶対圧PBAとエンジン回
転数Neとにより決定される混合気リーン化領域(KLs<
1.0)(第6図の領域IV)にあるか否かを判別する(ス
テップ35)。
ステップ33の答が肯定(Yes)のときには本ループを
継続して所定時間t0秒経過したか否かを判別し(ステッ
プ47)、その答が肯定(Yes)のときには前記ステップ4
0に進みオープンループ制御を行い、否定(No)のとき
にはステップ43に進みリーン化する直前、又はフューエ
ルカット直前における補正係数Ko2を保持してオープン
ループ制御を行う。
ステップ35の答が肯定(Yes)のときには本ループを
継続して所定時間t0秒間経過したか否かを判別し(ステ
ップ42)、否定(No)のときには現在フューエルカット
(燃料遮断)中であるか否かを判別し(ステップ36)、
ステップ36の答が肯定(Yes)のときには前記ステップ4
2に進む。ステップ42の答が肯定(Yes)のときには前記
ステップ41に進み、否定(No)のときにはリーン化係数
KLsが1.0以下、即ちリーン化する直前、又はフューエル
カット直前における係数値Ko2の値を保持する(ステッ
プ43)。ステップ36の答が否定(No)のときにはO2セン
サフィードバック領域(第6図の領域V)にあると判別
し、エンジン水温補正係数KTw、始動後燃料増量係数K
ASTをともに値1.0に設定し(ステップ37)、当該フィー
ドバックループにおけるO2フィードバック補正係数Ko2
及びKo2の平均値KREFを算出する(ステップ44)。
即ち、ステップ32〜36においてO2センサフィードバッ
ク領域にあるか否かを判別し、フィードバック領域にあ
る場合にはエンジン水温補正係数KTw、始動後燃料増量
係数KAST等の補正係数が値1.0以上となっているとき、
これらの係数の値を強制的に1.0に設定してフィードバ
ック制御を開始する。従って、このフィードバック制御
においてはエンジン水温補正及び始動後燃料増量補正は
行わない。
ステップ44における補正係数Ko2の算出は第4図に示
すフローチャートに従って行われる。
先ず、前回の制御がオープンループ制御であったか否
かを判別し(ステップ440)、その答が否定(No)のと
きには前回がアイドル運転領域であったか否かを判別す
る(ステップ441)。ステップ441の答が否定(No)とき
にはO2センサ15の出力レベルが反転したか否かを判別す
る(ステップ442)。
ステップ440の答が肯定(Yes)、即ち前回がオープン
ループ制御であった場合には、今回の運転領域がアイド
ル域にあるか否かを判別する(ステップ444)。その答
が肯定(Yes)、即ち今回の運転領域がアイドル域にあ
るときには、エンジン水温Twが所定温度TwcL(例えば70
℃)より大きいか否かを判別する(ステップ445)。そ
の答が肯定(Yes)、即ちTw>TwcLが成立し、したがっ
てエンジン水温Twが低温域にないときには、補正係数Ko
2を、アイドル域において後述のようにして算出された
アイドル域用のKo2の平均値KREFoに設定し(ステップ44
6)、次いで後述のステップ458以下に進み、積分制御を
行う。
前記ステップ445の答が否定(No)、即ちTw≦TwcL
成立し、したがってエンジン水温が低温域にあるときに
は、補正係数Ko2を、前記アイドル域用のKo2の平均値K
REF0とリーン化所定値CLとの積KREF0・CLに設定し(ス
テップ447)、前記ステップ458以下の積分制御を行う。
ここに、リーン化所定値CLは1.0より小さい値に設定さ
れるものであり、このときの補正係数Ko2はエンジン水
温Twが低温域にないときの値KREF0よりも値CLに対応し
た分だけリーン化される。これにより、オープンループ
制御領域からフィードバック制御領域のアイドル域に移
行した場合、エンジン水温が低いときには、補正係数Ko
2の初期値がリーン側に設定され、CO及びHC成分の排出
量が抑制される。
前記ステップ444の答が否定(No)、即ちフィードバ
ック制御領域への移行直後にアイドル域にない場合に
は、補正係数Ko2を、アイドル域以外のフィードバック
制御領域において後述のようにして算出されるオフアイ
ドル域用Ko2の平均値KREF1とリッチ化所定値CRとの積CR
・KREF1に設定し(ステップ448)、前記ステップ458以
下の積分制御を行う。ここにリッチ化所定値CRは1.0よ
り大きい値に設定されるものであり、このときの補正係
数Ko2は通常の値KREF1よりも値CRに対応した分だけリッ
チ化される。これにより、オープン制御領域からアイド
ル域以外のフィードバック制御領域に移行したときに
は、補正係数Ko2の初期値がリッチ側に設定され、NOx成
分の排出量が抑制される。
ステップ441の答が肯定(Yes)のとき、即ち前回がア
イドル域にあったときには今回の運転領域がアイドル域
にあるか否かを判別し(ステップ443)、その答が肯定
(Yes)のときには前記ステップ442に、否定(No)のと
きには前記ステップ448に進む。即ち、運転状態がフィ
ードバック制御領域においてアイドル域(第6図の領域
VI)からアイドル域以外の領域(第6図の領域V)に移
行するときにも、オープン制御領域からフィードバック
制御領域へ移行した前述の場合と同様に、補正係数Ko2
の初期値がリッチ化所定値CRに対応する分だけリッチ側
に設定され、NOx成分の排出量が低減される。
前記ステップ442の答が肯定(Yes)、即ちO2センサ15
の出力レベルが反転したときには比例制御(P項制御)
を行う。即ち、O2センサ15の出力レベルがローレベル
(LOW)であるか否かを判別し(ステップ449)、その答
が肯定(Yes)のときにはNe−tpRテーブルよりエンジン
回転数Neに応じた所定時間tpRを求める(ステップ45
0)。この所定時間tpRは、後述する第2の補正値PRの適
用周期を全エンジン回転域にわたって一定に保つための
ものであり、したがってエンジン回転数Neが大きいほど
小さい値に設定される。
次に、第2の補正値PRの前回適用時から前記所定時間
tpRが経過したか否かを判別する(ステップ451)。その
答が肯定(Yes)のときにはNe−PRテーブルよりエンジ
ン回転数Neに応じた第2の補正値PRを求め(ステップ45
2)、否定(No)のときにはNe−Pテーブルよりエンジ
ン回転数Neに応じた第1の補正値Pを求める(ステップ
453)。該第1の補正値Pは前記第2の補正値PRより小
さい値に設定されている。次に、補正係数Ko2に補正値P
i、即ち第1の補正値Pまたは第2の補正値PRを加算す
る(ステップ454)。前記ステップ449の答が否定(No)
のときには、前記ステップ453と同様にNe−Pテーブル
よりエンジン回転数Neに応じた第1の補正値Pを求め
(ステップ455)、補正係数Ko2から当該補正値Pを減算
する(ステップ456)。
このようにしてO2センサの出力信号の反転時に、この
反転を補正する方向のエンジン回転数Neに応じた第2の
補正値P又は第2の補正値PRを補正係数Ko2に加算又は
減算する。
このようにして求めた補正係数Ko2の値を使用して次
式(2)に基づいてKo2の平均値KREFを算出し(ステッ
プ457)、メモリに記憶する。この平均値KREFとして、
今回ループがフィードバック制御領域のうち、アイドル
域にある場合にはアイドル域用の平均値KREF0が、アイ
ドル域以外の領域にある場合にはオフアイドル域用の平
均値KREF1がそれぞれ算出される。
KREF=Ko2p・(CREF/A) +KREF′・(A−CREF)/A …(2) ここに、値Ko2pは比例項(P項)動作直前または直後
のKo2の値、Aは定数、CREFは実験的に設定される変数
で1〜Aのうち適当な値に設定されるもの、KREF′は今
回ループが該当する運転領域において前回までに得られ
たKo2の平均値である。
変数CREFの値によって各P項動作時のKo2pのKREFに対
する割合が変化するので、このCREF値を、対象とされる
空燃比フィードバック制御装置、エンジン等の仕様に応
じて前記1〜Aの範囲で適当な値に設定することによ
り、最適なKREF(KREF0またはKREF1)を得ることができ
る。
前記ステップ442の答が否定(No)、即ちO2センサ15
の出力レベルが反転していないときには、前記ステップ
458以下において積分制御(I項制御)を行う。まず、
前記ステップ449と同様に、O2センサ15の出力レベルが
ローレベルであるか否かを判別する(ステップ458)。
その答が肯定(Yes)のとき、即ちO2センサ15の出力レ
ベルがローレベルのときにはTDC信号のパルス数をカウ
ントし(ステップ459)、そのカウント数NILが所定値NI
に達したか否かを判別する(ステップ460)。ステップ4
60の答が否定(No)のときには補正係数Ko2をその直前
の値に保持し(ステップ461)、肯定(Yes)のときには
係数Ko2に所定値Δkを加算する(ステップ462)と共
に、前記カウント数NILを0にリセットして(ステップ4
63)、NILがNIに達する毎にKo2に所定値Δkを加算す
る。
また、ステップ458の答が否定(No)のときにはTDC信
号のパルス数をカウントし(ステップ464)、そのカウ
ント数NIHが所定値NIに達したか否かを判別し(ステッ
プ465)、その答が否定(No)のときには補正係数Ko2
その直前の値に保持する(ステップ466)。
ステップ465の答が肯定(Yes)のときには、補正係数
Ko2から所定値Δkを減算する(ステップ467)と共に前
記カウント数NIHを0にリセットし(ステップ468)、こ
のカウント数NIHが所定値NIに達する毎に係数Ko2から所
定値Δkを減算する。
このようにしてO2センサの出力がリーン又はリッチレ
ベルを持続する時には、これを補正する方向にTDC信号
が所定のパルス数NIに達する毎に補正係数Ko2に一定値
Δkを加算または減算する。
以上のように本発明によれば、エンジンの運転状態が
フィードバック制御領域以外からフィードバック制御領
域へ移行したときに、O2フィードバック補正係数Ko2
初期値が、フィードバック制御領域での運転時に得られ
たKo2の平均値KREFを、エンジン水温に応じた所定値で
補正した値として設定される。
本発明及び前記従来の制御方法を適用して排出ガス試
験を行ったときの作動図を第7図及び第8図に示す。第
7図は11モード試験法(コールドスタート)、第8図は
10モード試験法(ホットスタート)の例である。
両図に示すように、車両が減速状態から停止状態へ移
行する間に、エンジンの運転状態は混合気リーン化領域
(第6図の領域IV)等のオープン制御領域(OPEN領域)
からフィードバック制御領域(F.B.領域)のアイドル域
(IDLE域)(第6図の領域VI)に移行する。前述したよ
うに、従来の制御方法によれば、この移行時における補
正係数Ko2の初期値はアイドル域用のKo2の平均値KREF0
をエンジン水温Twによらない所定値で補正した値として
設定される。したがって、10モード試験、即ち暖機時に
適合するように前記所定値を設定した場合、例えば所定
値を1.0に設定した場合には、11モード試験、即ち暖機
状態において空燃比のリーン側への収束が遅れ、CO成分
の排出量を抑制できない(第7図の(a))。逆に、11
モード試験に適合するように前記所定値を値1より小さ
いリーン化所定値CLに設定した場合には、10モード試験
においても空燃比がリーン化されてしまうため、NOx成
分の排出量を抑制し得ない(第8図の(a))。
これに対して本発明の制御方法によれば、11モード試
験においてはエンジン水温が低温であるため、補正係数
Ko2の初期値は平均値KREF0にリーン化所定値CLが適用さ
れて設定されることにより、空燃比がリーン化側へ速や
かに収束し、従来の制御方法に対して、第7図(b)の
破線に示す分だけCO成分の排出量が低減される。この場
合、低水温であるため、リーン化によるNOx成分の排出
量はほとんど増加しない。また、10モード試験において
はエンジン水温が高温であるため、リーン化所定値CL
適用されず、補正係数Ko2の初期値が平均値KREF0に設定
されるので、空燃比のリーン化が生ずることはなく、従
来の制御方法に対して、第8図(b)の破線に示す分だ
けNOxの成分の排出量が低減され、またリーン化防止に
よりエンジン回転数の低下も防止できる。
このように、本発明は2種のモード試験に対する適合
を可能とするものであるが、このことは外国における同
種の排出ガス試験、例えばアメリカのLA−4モード試
験、欧州のECEモード試験に対しても同様である。
(発明の効果) 以上詳述したように本発明は内燃エンジンの空燃比フ
ィードバック制御方法において、エンジンがフィードバ
ック制御運転領域又はフィードバック制御運転領域以外
のいずれの領域において運転されているかを検出すると
共に、前記フィードバック制御運転領域での運転時に得
られた前記係数の平均値を算出し、運転状態が前記フィ
ードバック制御運転領域以外の運転領域から前記フィー
ドバック制御運転領域に移行したときには前記係数とし
て前記係数の平均値にエンジン水温に応じた所定値で補
正した値を初期値として用いて前記移行先の領域におけ
るフィードバック制御を開始するようにしたものである
ので、フィードバック制御領域以外からフィードバック
制御領域に移行したときに、当該移行先の領域における
空燃比を、広範囲のエンジン水温域に対して適切に設定
することができ、低水温時及び高水温時の双方において
良好な排気ガス特性の確保、即ち低水温時におけるCO、
HC成分の排出量の低減と、高水温時におけるNOx成分の
排出量の低減との双方を達成することができるという効
果を奏する。また、これにより、10モード試験及び11モ
ード試験等の排出ガス試験に対する適合性を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る内燃エンジンの空燃比フィードバ
ック制御方法を実施するための燃料供給制御装置の一実
施例を示すブロック図、第2図は第1図の電子コントロ
ールユニットの内部構成の一実施例を示すブロック図、
第3図は本発明の制御方法を実施する手順を示すフロー
チャート、第4図は第3図における係数Ko2の算出サブ
ルーチンを示すフローチャート、第5図は第4図のアイ
ドル判別サブルーチンを示すフローチャート、第6図は
エンジンの運転領域を示す図、第7図は11モード試験に
従来及び本発明の制御方法を適用したときの係数Ko2
推移及び排気ガスの特性を示す図、第8図は10モード試
験に対する第7図と同様の図である。 1……内燃エンジン、5……電子コントロールユニット
(ECU)、8……吸気管内絶対圧センサ、10……エンジ
ン水温センサ、11……エンジン回転数センサ、13……排
気管、15……O2センサ(排気ガス濃度検出器)。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃エンジンの空燃比フィードバック制御
    運転領域における運転時に、当該エンジンの排気系に配
    置される排気ガス濃度検出器の出力に応じて変化する係
    数を用いて前記エンジンに供給する混合気の空燃比を制
    御する内燃エンジンの空燃比フィードバック制御方法に
    おいて、エンジンがフィードバック制御運転領域又はフ
    ィードバック制御運転領域以外のいずれの領域において
    運転されているかを検出すると共に、前記フィードバッ
    ク制御運転領域での運転時に得られた前記係数の平均値
    を算出し、運転状態が前記フィードバック制御運転領域
    以外の運転領域から前記フィードバック制御運転領域に
    移行したときには前記係数として前記係数の平均値にエ
    ンジン水温に応じた所定値で補正した値を初期値とし
    て、用いて前記移行先の領域におけるフィードバック制
    御を開始することを特徴とする内燃エンジンの空燃比フ
    ィードバック制御方法。
  2. 【請求項2】前記初期値は、前記エンジン水温が低いと
    きには前記エンジンに供給する混合気をリーン化するよ
    うに補正することを特徴とする特許請求の範囲第1項記
    載の内燃エンジンの空燃比フィードバック制御方法。
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