JP2543418Y2 - 引出しの側板構造 - Google Patents

引出しの側板構造

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JP2543418Y2
JP2543418Y2 JP4867392U JP4867392U JP2543418Y2 JP 2543418 Y2 JP2543418 Y2 JP 2543418Y2 JP 4867392 U JP4867392 U JP 4867392U JP 4867392 U JP4867392 U JP 4867392U JP 2543418 Y2 JP2543418 Y2 JP 2543418Y2
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正昭 徳田
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株式会社イトーキクレビオ
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、引出しの側板構造の改
良に係わり、更に詳しくは側板に突設するレール部材の
レールを隠蔽可能であるとともに、側板に固着するレー
ル部材の固定板の下縁線が側面に大きく現れないように
なした引出しの側板構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、側板に突設したレールを隠蔽可能
となした引出しの側板構造は、本出願人の先願として図
10及び図11に示した構造のものが実願平3−105
266号にて既に提供されている。即ち、引出しの側板
aの上縁に係合縁bを形成し、該側板aの上部外面であ
って係合縁bの下方に沿ってレール部材cをその下部の
固定板dをスポット溶接等によって固着し、該レール部
材cの上部に外側へ突出するように折曲形成したレール
eを、前記係合縁bに着脱自在にカバー部材fを設けて
隠蔽した構造のものである。この状態では、前記固定板
dの下縁線gは、カバー部材fの下縁線hより上方に位
置して、側面視においてレールe及び固定板dは隠れて
おり、外観性の改善がなされている。
【0003】しかし、固定板dを側板aにスポット溶接
等で固着するには、カバー部材fを外した状態で行うこ
とが必要であり、即ちカバー部材fを側板aとは別部材
として製造しなければならず、そのため部品点数が増加
し、コスト高となる傾向にある。一方、カバー部材fと
側板aとを一体化した場合には、固定板dを側板aに固
着するために、その作業性を考慮すれば、固定板dの下
縁線gがカバー部材fの下縁線hより十分下方に位置す
る必要があり、この状態は外観性の改善が不可能であ
る。
【0004】このように、従来の引出しの側板構造で
は、外観性の向上を図ることと、部品点数の増加を抑制
して製造コストの上昇を抑えることを両立させることは
できなかった。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】本考案が前述の状況に
鑑み、解決しようとするところは、外観性の向上を図る
とともに、部品点数の増加を抑制して製造コストの上昇
を抑え得る引出しの側板構造を提供する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本考案は、前述の課題解
決のために、側板に突設したレールの下面を、キャビネ
ット等の本体の内側板前部に取付けたローラで載支して
前後引き出し可能としてなる引出しにおいて、引出しの
側板上縁を外側下方へ折返して該側板との間に所定間隙
を設けてカバー板を一体形成し、基板の上縁部を外向き
折曲して前記レールを形成するとともに、その下縁の略
全長を内向き折曲して屈曲板を形成してなるレール部材
を、該レールが前記間隙内に位置し且つ該屈曲板が引出
しの底板下面に当接した状態で固着してなる引出しの側
板構造を構成した。
【0007】
【作用】以上の如き内容からなる本考案の引出しの側板
構造は、引出しの側板上縁を外側下方へ折返して該側板
との間に所定間隙を設けてカバー板を一体形成したこと
により、部品点数の増加を抑制し、またレール部材の基
板の上縁部を外向き折曲して形成したレールを前記側板
とカバー板との間の間隙内に位置させて、該レールを隠
蔽するとともに、レール部材の基板下縁の略全長に内向
き折曲して形成した屈曲板を、引出しの底板下面に当接
したことにより、基板の下縁線等が側面に大きく現れな
いので、外観性の向上が図れるのである。
【0008】
【実施例】次に添付図面に示した実施例に基づき更に本
考案の詳細を説明する。図1〜図4は本考案の代表的実
施例を示したものであり、図中1は引出し、2はレール
部材をそれぞれ示している。
【0009】前記引出し1は、底板3の両側に側板4,
4を一体成形して胴板を形成し、該胴板の前部に前板5
を取付けるとともに、後部には後板6を固着し、更に前
板5の背後には前板裏カバー7を取付けている。実際に
は、前板裏カバー7を胴板の前部に固着し、該前板裏カ
バー7に前板5を嵌合、ビス止め装着している。
【0010】そして、前記側板4の上端には、その上縁
を外側方へ折曲して肩部8を形成し、該肩部8から上方
へ立ち上げるとともに、外側へ折曲して倒L字形の側縁
9を形成し、そして該側縁9の外側縁を下方へ折返して
カバー板10を形成している。個々で、前記カバー板1
0と側板4との間には所定の間隙11を設けるととも
に、該カバー板10の下縁は前記肩部8より下方に位置
設定している。また、このカバー板10の下端には補強
片12を内側にハゼ折りして形成している。
【0011】前記レール部材2は、前記引出し1の両側
板4,4の外側に、前端を前板5の背面に当接又は嵌合
し且つ後端を後板6より後方に突出させてスポット溶接
等によって固着するものであり、側板4の外側に当接す
る基板13の上縁部を外向き折曲して略水平な下面を有
するレール14を形成するとともに、その下縁の略全長
を内向き折曲して前記底板3に下面に当接し得る屈曲板
15を形成したものである。更に、前記レール14の外
側縁には、該レール14の補強とカバー板10の変形防
止のための立片16を折曲形成している。ここで、本実
施例においては、前記基板13の前下部に切欠部17を
形成して、該切欠部17に対応する側板4の前下部にロ
ック装置の係合具18を突設できるようにしている。ま
た、レール14の基板13の後端部下方には、後述のキ
ャビネットの内側板に固定する案内レールに関係づけた
ローラ19を突設している。
【0012】そして、前記レール部材2のレール14
を、前記側板4とカバー板10との間の間隙11内に位
置させるとともに、下端の屈曲板15を底板3の下面に
当接した状態で、カバー板10より下方の基板13を側
板4にスポット溶接等によって固着して取付けるのであ
る。この状態では、前記レール14がカバー板10の下
縁より上方に位置して、側面視において該レール14が
カバー板10で隠蔽されている。また、この状態におい
て、レール部材2の立片16は、カバー板10の内面に
当接し、該カバー板10の内面への変形を防止してい
る。
【0013】尚、前記立片16をカバー板10の内面に
当接させ、レール14を側板4とカバー板10とで挟ん
でいるので、前記屈曲板15のみを底板3にスポット溶
接等によって固着しても実用的な強度を有するととも
に、側面にスポット溶接痕がないので、更に外観性の向
上が図れるのである。更に、図示しないが、前記カバー
板10の補強片12の上縁内方へ水平板を延設するとと
もに、該水平板に係合孔を設け、前記レール部材2の立
片16の上端に前記係合孔に下方から挿入し且つ前方へ
移動させることによって係合する前向きフックを設けて
おけば、該レール部材2を側板4又は底板3に固着する
と同時に、レール部材2とカバー板10との連結がなさ
れるのである。
【0014】また、図5に示したものは、他の実施例を
示し、前記レール部材2の基板13に切欠部17を設け
ないで、該基板13の前下部に係合具18を装着できる
嵌合部20を切起し形成したものである。尚、この嵌合
部20は、図5において反対側の側板4に取付けたレー
ル部材2に設けている。
【0015】また、図6に示したものは、更に他の実施
例を示し、前記レール部材2の立片16を上方に延長
し、該立片16の上端を側縁9の下面に当接させ、該側
縁9の強度をより高めたものである。
【0016】次に、本考案に係る引出し1をキャビネッ
ト本体21に、前後引き出し可能に装着する構造につい
て、図7〜図9に基づいて簡単に説明する。キャビネッ
ト本体21の内側板22には、前補強23と後補強24
が縦方向に固着されており、該前補強23に前記レール
14の下面を載支するローラ25を有する支持金具26
を取付けるとともに、該支持金具26のやや下方に前後
部を前補強23と後補強24に固定した案内レール27
が横設されている。前記支持金具26は、取付板28の
前後に形成した前向きフック29,29を前補強23に
形成した前後取付孔30,30に係合させるとともに、
抜け止め用の三角ダボ31を取付孔30の内縁に係合さ
せて取付け、前記取付板28の下縁から内方に折曲し、
更に上方に立ち上げた支持板32の内方に前記ローラ2
5を突設している。そして、前記ローラ25と支持板3
2の上部は、前記間隙11内に位置するように設定して
いる。また、前記案内レール27は、内方に開放した断
面略コ字形の案内溝33を有し、該案内溝33を形成す
る下レール34と上レール35との間に前記ローラ19
が位置し、引出し1の引き出し長さに応じて、該ローラ
19が下レール34と上レール35の一方に接触するよ
うになしている。また、該案内レール27の後端部に
は、引出し1をキャビネット本体21に押し込み格納し
た状態で、前記ローラ19を吸い込むための凹部36が
形成されている。
【0017】
【考案の効果】以上にしてなる本考案の引出しの側板構
造は、側板に突設したレールの下面を、キャビネット等
の本体の内側板前部に取付けたローラで載支して前後引
き出し可能としてなる引出しにおいて、引出しの側板上
縁を外側下方へ折返して該側板との間に所定間隙を設け
てカバー板を一体形成し、基板の上縁部を外向き折曲し
て前記レールを形成するとともに、その下縁の略全長を
内向き折曲して屈曲板を形成してなるレール部材を、該
レールが前記間隙内に位置し且つ該屈曲板が引出しの底
板下面に当接した状態で固着してなるので、側板とカバ
ー部材とを一体化したことで部品点数の増加を抑制して
コストの上昇を抑えることができるとともに、レール部
材の基板下縁の略全長に形成した屈曲板を引出しの底板
下面に当接したことにより、基板の下縁線等が側面に大
きく現れないので、外観性の向上も同時に図れるのであ
る。更に、レール部材の屈曲板を引出しの底板に当接し
た状態で固着するものであるから、レールの位置決めを
正確且つ容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る引出しの全体斜視図である。
【図2】同じく側面図である。
【図3】同じく平面図である。
【図4】図2のX−X線部分拡大断面図である。
【図5】他の実施例を示す要部側面図である。
【図6】更に他の実施例を示す要部断面図である。
【図7】引出しをキャビネット本体に装着した状態の簡
略縦断面図である。
【図8】同じく要部の拡大断面図である。
【図9】図8のY−Y線断面図である。
【図10】従来例を示す引出しの側面図である。
【図11】図11のZ−Z線部分拡大断面図である。
【符号の説明】
1 引出し 2 レール部材 3 底板 4 側板 5 前板 6 後板 7 前板裏カバー 8 肩部 9 側縁 10 カバー板 11 間隙 12 補強片 13 基板 14 レール 15 屈曲板 16 立片 17 切欠部 18 係合具 19 ローラ 20 嵌合部

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 側板に突設したレールの下面を、キャビ
    ネット等の本体の内側板前部に取付けたローラで載支し
    て前後引き出し可能としてなる引出しにおいて、引出し
    の側板上縁を外側下方へ折返して該側板との間に所定間
    隙を設けてカバー板を一体形成し、基板の上縁部を外向
    き折曲して前記レールを形成するとともに、その下縁の
    略全長を内向き折曲して屈曲板を形成してなるレール部
    材を、該レールが前記間隙内に位置し且つ該屈曲板が引
    出しの底板下面に当接した状態で固着してなることを特
    徴とする引出しの側板構造。
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