JPH04138337U - 家具のキヤスター装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 キャスター装置にバンパー体を取り付ける場
合でも取り付けない場合でも、接地コロ付きの支持体を
一種類で足りるようにする。 【構成】 支持体７のうち上面以外の適宜部位に、係合
部１２，１３，８ａを設ける。支持体７は、その上面を
抽斗５等の底面に接当した状態で抽斗５等に固定する。
バンパー体９に、前記支持体７の係合部１２，１３，８
ａに係合してバンパー体９をずれ不能に保持する係止部
９ｂ，１６，１７を設けて、この係止部９ｂ，１６，１
７を、支持体７の係合部１２，１３，８ａに対して係脱
自在に構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、例えば、キャビネットにおける最下段の抽斗を引き出したときキャ ビネットが前傾するのを防止するため、前記最下段の抽斗における前端部の底面 に取り付けるようにしたキャスター装置のように、家具における抽斗等の可動体 とか、ワゴン等の移動式家具の底面に取り付けるようにしたキャスター装置の改 良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

抽斗を複数段備えたキャビネットにおいて、最下段の抽斗を引き出したときキ ャビネットが前傾することを防止するため、前記最下段の抽斗における前端部の 底面に、床面に接当するようにした接地コロを設けることが行われている。 その場合、最下段の抽斗を引き出した状態で抽斗又は接地コロを保護するため に、バンパー体を設けることが行われている。

【０００３】 このバンパー体を取り付ける手段として、従来は、実開平１−１５２５４４号 公報に記載され、且つ、図８に示すように、バンパー体３０に、抽斗３１の底板 ３１ａに設けた取り付け部材３１の下面に重なるようにした取り付け板３０ａを 一体的に設け、この取り付け板３０ａの下面に、接地コロ３２が取り付く支持体 ３３の上面板３３ａを重ね合わせて、バンパー体３０の取り付け板３０ａと支持 体３３の上面板３０ａとを、ビス３４にて取り付け部材３１に固定するようにし ていた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、キャビネットにおいては、必ずしもバンパー体３０を必要とすると は限らず、バンパー体３０を設けたタイプのキャビネットと、バンパー体３０を 設けていないタイプのキャビネットとの二つのタイプのものが存在する。 ところが、従来のように、支持体３３の上面板３３ａを、バンパー体３０の取 り付け板３０ａに重ね合わせた状態で固定したものでは、バンパー体３０を取り 外して支持体３３のみを取り付け部材３１に固定すると、接地コロ３２の高さ位 置が、バンパー体３０における取り付け板３０ａの厚さ寸法ｔだけ高くなるため 、支持体３３が一種類であると、バンパー体３０を取り外した状態では接地コロ ３２が床面Ａに接当せず、キャスターとしての機能を果たせなくなる。

【０００５】 このため従来は、バンパー体３０を設ける場合用の支持体３３と、バンパー体 ３０を設けない場合用の支持体３３との２種類の支持体３３を用意するようにし ており、このため、支持体３３の製造と管理とに手間がかかり、延いてはキャス ター装置全体のコストをアップさせると言う問題があった。 本考案は、この問題を解消したキャスター装置を提供することを目的とするも のである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

この目的を達成するため本考案は、家具本体の底面又は家具における最下段抽 斗等の可動体の底面に取り付く接地コロ付きの支持体と、該支持体の前方に配設 するようにしたバンパー体とを備え、前記支持体のうち上面以外の適宜部位に係 合部を設ける一方、前記バンパー体には、前記支持体の係合部に係合してバンパ ー体をずれ不能に保持する係止部を設け、該係止部を、前記係合部に対して係脱 自在に構成した。

【０００７】

【考案の作用・効果】

このように構成すると、バンパー体は、その係止部を支持体の係合部に係脱さ せることにより、支持体に対して着脱することができる。 その場合、支持体の係合部を、支持体の上面以外の部位に形成したことにより 、バンパー体を支持体に取り付けた状態でも取り外した状態でも、支持体の上面 が家具本体又は可動体の底面に接当しており、バンパー体を支持体に取り付けた 状態でも取り外した状態でも、家具本体又は可動体の底面から支持体における接 地コロの下端までの高さ寸法は変わりはないから、１種類の支持体を、バンパー 体を設ける場合と設けない場合とに共用できることになる。

【０００８】 従って本考案によると、バンパー体を設ける場合と設けない場合とに関係なく １種類の支持体で足りるから、支持体の製造及び管理に要する手間を軽減するこ とができ、延いてはキャスター装置の製造コストを低減できるのである。

【０００９】

【実施例】

次に、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 図１〜図６は、本考案をキャビネットの転倒防止用キャスター装置に適用した 場合の実施例であり、これらの図において符号１は、キャビネット本体２内に上 下３段の抽斗３，４，５を装架したキャビネットを示し、前記キャビネット１に おける最下段の抽斗５の前端部の底面に、本考案に係るキャスター装置６を設け ている。

【００１０】 前記キャスター装置６は、接地コロ８を備えた合成樹脂製の支持体７と、同じ く合成樹脂製のバンパー体９とを備えている。 前記支持体７は、最下段の抽斗５の底板５ａに固着した取り付け部材１０の下 面に接当する上面板７ａを備えており、この上面板７ａの前端部に、前記最下段 の抽斗５における鏡板５ｂの下端部に被嵌する段部７ｂを形成する一方、上面板 ７ａの下面に、平行に延びる左右一対の足片７ｃ，７ｃを一体的に連接し、この 左右両足片７ｃ，７ｃの下端に、支持孔１１を、当該支持孔１１における最下端 の溝幅Ｓが接地コロ８における軸部８ａの直径Ｄよりも若干小さくなるようにし て切り開き形成し（図６参照）、この左右両支持孔１１，１１に、その弾性に抗 して前記接地コロ８における軸部８ａを各々嵌め込むことにより、接地コロ８を 回転自在に軸支する。

【００１１】 更に、前記支持体７における左右両足片７ｃ，７ｃの前部上端に、係合部の一 例として、前向きに開口した係合溝１２を切り開き形成し、また、左右両足片７ ｃ，７ｃの後端寄り部位に、同じく係合部の一例として、係合孔１３を各々穿設 している。 支持体７における上面板７ａには、前記取り付け板１０に固着するためのビス １４が嵌まる取り付け孔１５を穿設している。

【００１２】 他方、前記バンパー体９は、断面略コ字状の接当部９ａを備えており、この接 当部９ａに、支持部の一例として、前記支持体７における左右両足片７ｃ，７ｃ の係合溝１２に嵌まる係止片９ｂを造形すると共に、前記支持体７の左右両足片 ７ｃ，７ｃの外側面に沿って延びるようにした左右一対の挟持片９ｃ，９ｃを後 ろ向きに突設しており、この左右両挟持片９ｃ，９ｃの内側面に、係止部の一例 として、前記支持体７における足片７ｃの係合孔１３に嵌まり係合する係止爪１ ６を造形すると共に、同じく係止部の一例として、前記接地コロ８の軸部８ａに 嵌まる孔１７を穿設する。

【００１３】 なお、接地コロ８の軸部８ａは、バンパー体９に対する係合部を兼用すること になる。 以上の構成において、バンパー体９の左右両挟持片９ｃ，９ｃを、図４に一点 鎖線で示すように、互いの間隔が広がるように弾性に抗して変形させた状態で、 バンパー体９の左右両挟持片９ｃ，９ｃを、支持体７の左右両足片７ｃ，７ｃに 前方から被嵌して、係止片９ｂを係合溝１２に嵌合し、係止爪１６を係合孔１３ に嵌め込み、孔１７に接地コロ８の軸部８ａを嵌めることにより、バンパー９を を支持体７に対して、ワンタッチ的に、且つ、上下左右及び前後の何れの方向に もずれ不能の状態に装着することができる。

【００１４】 また、装着した状態のバンパー体９における左右両挟持片９ｃ，９ｃを、互い の間隔が広がるように弾性変形させて、係止爪１６と係合孔１３との係合、及び 、孔１７と接地コロ８における軸部８ａとの係合を解除し、前方に引き出すこと により、バンパー体９を支持体７から取り外すことができる。 このように、バンパー体９を、支持体７に対し、水平方向からの嵌脱操作にて 着脱するようにしたもので、バンパー体９を装着した状態と取り外した状態とで 、最下段の抽斗５の底面から接地コロ８の下端までの高さ寸法Ｈは変わりないか ら、１種類の支持体７を、バンパー体９を装着した場合と装着しない場合との両 方に使用することができ、従って、支持体７の製造と管理の手間とを低減でき、 延いてはキャスター装置６のコストを低減できるのである。

【００１５】 なお、実施例のように、接地コロ８の軸部８ａを、支持体７における足片７ｃ の下端に切り開き形成した支持孔１１に挿入した場合において、挟持片９ｃに穿 設した孔１７に接地コロ９の軸部９ａを嵌める構成にすると、接地コロ８を支持 体７にワンタッチ的に装着できるものでありながら、接地コロ８が支持体７から 外れることを確実に防止できる利点を有する。

【００１６】 上記の実施例は、キャビネットにおける最下段の抽斗のキャスター装置に適用 した場合であったが、本考案は、例えば図７に示すように、家具本体１８に前後 引き出し動自在に設けた収納棚１９におけるキャスター装置２０とか、或いは、 ワゴンのような移動式家具におけるキャスター装置のように、家具のキャスター 装置一般に適用できるものである。

【００１７】 また、支持体やバンパー体の形状、或いは、支持体における係合部の形態とバ ンパー体における係止部の形態とは、種々の形態に変更できることは言うまでも ない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案を適用したキャビネットの斜視図であ
る。

【図２】キャスター装置の分解斜視図である。

【図３】図１のIII − III視拡大断面図である。

【図４】図３のIV−IV視断面図である。

【図５】図３のＶ−Ｖ視断面図である。

【図６】バンパー体を取り外した状態での側面図であ
る。

【図７】他の適用例を示す斜視図である。

【図８】従来技術を示す図である。

【符号の説明】

１ キャビネット ５ 最下段の抽斗 ６，２０ キャスター装置 ７ 支持体 ７ａ 上面板 ７ｃ 足片 ８ 接地コロ ９ バンパー体 ９ａ 接当部 ９ｂ 係止部の一例としての係止片 ９ｃ 挟持片 １２ 係合部の一例としての係合溝 １３ 係合部の一例としての係合孔 １６ 係止部の一例としての係止爪 １８ 家具本体 １９ 収納棚

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】家具本体の底面又は家具における最下段抽
   斗等の可動体の底面に取り付く接地コロ付きの支持体
   と、該支持体の前方に配設するようにしたバンパー体と
   を備え、前記支持体のうち上面以外の適宜部位に係合部
   を設ける一方、前記バンパー体には、前記支持体の係合
   部に係合してバンパー体をずれ不能に保持する係止部を
   設け、該係止部を、前記係合部に対して係脱自在に構成
   したことを特徴とする家具のキャスター装置。