JP4647161B2 - 抽斗収納体の傾倒防止輪 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、抽斗収納体における最下段の抽斗の前側下部に取り付けられて、この最下段の抽斗の引き出し操作に伴って抽斗収納体が前傾することを防止する傾倒防止輪の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
袖机などの抽斗収納体における最下段の抽斗の前板下部に取り付けられて、この最下段の抽斗の引き出し操作に伴って抽斗収納体が前傾することを防止するものとして、実用新案登録公報所載の実用新案登録第2543413号の転倒防止装置、公開実用新案公報所載の実開昭55−483号の転倒防止装置がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、この種の転倒防止装置を備えた抽斗収納体のアッセンブリーを容易にする観点からは、この種の転倒防止装置の構造をできるだけ簡素にすると共に、ワンタッチで適切に前記最下段の抽斗の前側下部に取り付けることができるようにすることが望まれる。
【0004】
また、これら従来の転倒防止装置にあっては、前記最下段の抽斗の引き出し操作に伴って床面に接するローラと、このローラをこの最下段の抽斗に取り付けるための本体部とが最終的なアッセンブリーによって組み合わされる別体のものとして構成されている。
【0005】
床面に接する前記ローラに相当する部材と前記本体部とプラスチック材料により一体に成形できれば、部品点数を減少させることができるばかりか、こうしたアッセンブリーを不要とすることができるが、前記ローラに相当する部材は少なくとも床面への接地状態から抽斗を押し込み操作するにあたりこの操作を妨げないように回転するものであることが求められることから、単純には前記ローラに相当する部材と本体部とを一体に成形することはできない。
【0006】
そこでこの発明は、この種の転倒防止装置を、抽斗収納体の最下段の抽斗の前側下部にワンタッチで適切に取り付けることができるようにすること、及び、この最下段の抽斗の引き出し操作に伴ってフロア面などに接し得ると共に回転可能なローラと、このローラを抽斗に取り付けるためのベースとを、プラスチック材料を用いて一体に形成できるようにすることを主たる目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1記載の発明にあっては、抽斗収納体の傾倒防止輪を、以下の(1)〜(6)の構成を備えたものとした。
(1)最下段の抽斗の前側下部に取り付けられて抽斗の引き出し操作に伴う抽斗収納体の前傾を防止するプラスチック製の傾倒防止輪であって、
(2)ローラとベースとを備えており、
(3)前記ローラは、その両面からそれぞれ回転軸を突き出させており、
(4)前記ベースは、抽斗の前側下部に形成されたはめ込み凹部に下方からはめ込まれる取付部と、
前記ローラの回転軸の軸受け穴であって、当該回転軸の外径よりも穴径を太くする軸受け穴を貫通状態に備えた一対の軸受け部とを備えており、
(5)この回転軸の外径と軸受け穴の穴径との差を利用して、当該回転軸の軸線方向に離れ出す射出成形の金型を構成するスライダによって、前記ローラの回転軸の一方が一方の軸受け部の軸受け穴に挿通され、かつ、前記ローラの回転軸の他方が他方の軸受け部の軸受け穴に挿通された状態で、前記ベースとローラとが射出成形によって一体に成形されており、
(6)しかも、前記ベースの取付部には、前記はめ込み凹部へのはめ込みに伴ってこのはめ込み凹部内に形成された被掛合部に弾性的に掛合される掛合部が備えられている。
【0008】
かかる構成によれば、最下段の抽斗を引き出した際に、引き出された抽斗に納められた収納物の重量によって抽斗収納体が前傾しようとした場合に、前記ローラの前記フロア面などへの接地によりこの前傾を阻止させることができる。
【0009】
また、このように前記ローラを前記フロア面などに接地させて前記前傾を阻止させた抽斗の引き出し状態からこの抽斗を元の収納状態に押し戻すにあたっては、フロア面などに下端を接地させるローラの回転によってこの押し戻しをスムースに行わしむることができる。
【0010】
また、前記はめ込み凹部への取付部のはめ込みに伴って前記被掛合部に弾性的に掛合される掛合部がこの取付部に設けられていることから、この掛合によって前記取付部の前記はめ込み凹部へのはめ付け状態を安定的に維持させることができる。
【0011】
また、前記ローラの回転軸の外径と前記軸受け穴の穴径との差を利用して、当該回転軸の軸線方向に離れ出す射出成形の金型を構成するスライダによって、前記ローラの回転軸の一方が一方の軸受け部の軸受け穴に挿通され、かつ、前記ローラの回転軸の他方が他方の軸受け部の軸受け穴に挿通された状態で、前記ベースとローラとを射出成形によって一体に成形するようにしてあることから、傾倒防止輪を、単一の金型をもって成形することができ、また、前記ベース側とローラ側とのアッセンブリーを別途行う必要もないことから、容易かつ低廉に傾倒防止輪を提供させることができる。
【0012】
また、請求項2記載の発明にあっては、請求項1記載の抽斗収納体の傾倒防止輪における掛合部が、ローラの回転軸線を通る鉛直線を挟んだ抽斗の引き出し前方側に形成してあることを特徴としている。
【0013】
かかる構成によれば、特に、前記ローラを前記フロア面などに接地させて前記前傾を阻止させた抽斗の引き出し状態から当該抽斗を元の収納状態に押し戻すにあたって前記取付部に作用される前記はめ込み凹部からこの取付部を抜き出せる向きの力に、前記の位置に設けられた掛合部の被掛合部への掛合によって適切に抗することができる。すなわち、前記取付部に必要最小限の掛合部を設けさせることにより、この取付部のはめ込み凹部へのはめ込み時の抵抗を徒に増大させることなく、前記取付部の前記はめ込み凹部へのはめ付け状態を安定的に維持させることができる。
【0014】
また、請求項3記載の発明にあっては、請求項1又は請求項2記載の抽斗収納体の傾倒防止輪におけるベースの取付部における抽斗に形成されたはめ込み凹部へのはめ込み方向にある側部に、このはめ込み凹部への取付部のはめ込みに伴ってはめ込み凹部の内面に弾性的に密着するリブが前記はめ込み方向に沿って形成してあることを特徴としている。
【0015】
かかる構成によれば、このリブによって、前記はめ込み凹部にガタつきなく取付部をはめ込ませて、抽斗に対し適切に傾倒防止輪を備え付けさせることができる。
【0016】
また、請求項4記載の発明にあっては、請求項1、請求項2又は請求項3記載の抽斗収納体の傾倒防止輪におけるベースの取付部における上部に、抽斗に形成されたはめ込み凹部への取付部のはめ込みに伴って、このはめ込み凹部の内奥部に形成された被嵌合部と嵌り合う嵌合部が形成してあることを特徴としている。
【0017】
かかる構成によれば、前記被嵌合部に嵌合部をはめ込ませることによって、はめ込み凹部に対し前後左右にズレなく取付部をはめ込ませて、抽斗に対し適切に傾倒防止輪を備え付けさせることができる。
【0018】
また、請求項5記載の発明にあっては、請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4記載の抽斗収納体の傾倒防止輪におけるベースにおける軸受け部に、ローラの回転軸の外径とほぼ等しい直径を備えた仮想の円の円弧に穴内周面を沿わせた副軸受け穴が貫通状態に形成してあると共に、
この副軸受け穴が、軸受け穴の上部において、この軸受け穴内に位置される前記回転軸を副軸受け穴内に入り込ませることを許容させるように、この軸受け穴に連通していることを特徴としている。
【0019】
かかる構成によれば、前記フロア面などに、前記ローラの下端が接地しない状態においては、このローラの回転軸は前記軸受け穴内に位置され、一方、少なくとも前記抽斗の引き出しに伴って抽斗収納体に前傾する向きの力が作用された場合には、このローラの下端が前記フロア面などに接地することを通じて、このローラの回転軸を前記副軸受け穴内に入り込ませることができる。
【0020】
この結果、かかる構成によれば、特に、前記ローラを前記フロア面などに接地させて前記前傾を阻止させた抽斗の引き出し状態から当該抽斗を元の収納状態に押し戻すにあたって、前記ローラをこのローラの回転軸の外径とほぼ等しい直径を備えた仮想の円の円弧に穴内周面を沿わせた前記副軸受け穴の穴内周面を案内としてガタなく回転させることができ、この押し戻しをスムースに行わしむることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図1ないし図14に基づいて、この発明の典型的な実施の形態について、説明する。
【0022】
なお、ここで図1ないし図6は、この実施の形態にかかる抽斗収納体の傾倒防止輪をそれぞれ表しており、また、図7及び図10は、その要部を断面にして表している。また、図8及び図9は、その要部を拡大して表している。また、図11ないし図13は、抽斗Hに傾倒防止輪を取り付けた状態をそれぞれ示しており、特に、図10はフロア面Fにローラ1の下端が接地した状態を示している。また、図14は、傾倒防止輪が取り付けられる抽斗Hの前板100の下端部101の要部と傾倒防止輪とをそれぞれ分離した状態で下方から見て示している。
【0023】
この実施の形態にかかる抽斗収納体Gの傾倒防止輪は、袖机、ワゴン(キャスター付きの引き出し)、ファイリングキャビネットなどの抽斗収納体Gにおける最下段の抽斗Hの前側下部Haに取り付けられて、この最下段の抽斗Hの引き出し操作に伴って抽斗収納体Gが前傾することを防止するために用いられるものである。
【0024】
すなわち、この種の抽斗収納体Gにおける最下段の抽斗Hに収納物がある程度納められていると、この最下段の抽斗Hを引き出すことに伴って、抽斗収納体Gの重心が抽斗Hの引き出し前方側に移動してしまうことが少なからず生じる。このように抽斗収納体Gの重心が移動してしまうと、最下段の抽斗Hの引き出しに伴って、抽斗収納体Gが全体として前傾してしまうこととなる。この実施の形態にかかる傾倒防止輪は、このように抽斗収納体Gが前傾しようとするときに、フロア面Fなどに接地して、この前傾を阻止するように機能するものである。
【0025】
この実施の形態にかかる傾倒防止輪は、プラスチック製のローラ1とプラスチック製のベース2とを備えている。
【0026】
また、前記ローラ1は、その両面(すなわち、ローラ1の上下方向にある両面)からそれぞれ回転軸10を突き出させている。
【0027】
また、前記ベース2は、抽斗Hの前側下部Haに形成されたはめ込み凹部104に下方からはめ込まれる取付部20と、
前記ローラ1の回転軸10の軸受け穴21aであって、当該回転軸10の外径よりも穴径を太くする軸受け穴21aを貫通状態に備えた一対の軸受け部21、21とを備えている。
【0028】
この実施の形態にあっては、最下段の抽斗Hの前板100の下端部101であって、この前板100の左右方向ほぼ中程の位置に形成されたはめ込み凹部104に、前記ベース2の取付部20が下方からはめ込まれるようにしてある。
【0029】
そして、このようにはめ込み凹部104に取付部20をはめ込ませた状態において、前記ローラ1が、ローラ1の下端と抽斗収納体Gの設置されたフロア面Fなどとの間に、若干の間隔を開けた状態で、配されるようにしてある。(図13)
【0030】
この結果、この実施の形態にあっては、最下段の抽斗Hを引き出した際に、引き出された抽斗Hに納められた収納物の重量によって抽斗収納体Gが前傾しようとした場合に、前記ローラ1の前記フロア面Fなどへの接地によりこの前傾を阻止させることができる。
【0031】
また、このように前記ローラ1を前記フロア面Fなどに接地させて前記前傾を阻止させた抽斗Hの引き出し状態からこの抽斗Hを元の収納状態に押し戻すにあたっては、フロア面Fなどに下端を接地させるローラ1の回転によってこの押し戻しをスムースに行わしむることができる。
【0032】
前記はめ込み凹部104は、この実施の形態にあっては、前記前板100の肉厚内において、この前板100の下端部101から上方に向けて窪まされた構成とされており、下方において開放されている。
【0033】
また、このはめ込み凹部104は、
(1)前板100の前面102側にあるこの前板100の左右方向に沿った前部内面104aと、
(2)この前部内面104aに向き合う後部内面104bと、
(3)前部内面104aと後部内面104bとの間に亙る側部内面104cと、
(4)内奥面104dとを有すると共に、
(5)後部内面104bの左右両側を除いた部分を前部内面104aに近づけるように形成されており、
(6)はめ込み凹部104の左右両側部をそれぞれ、このはめ込み凹部104を下方から見た状態において、前板100の背面103側に向けて、ほぼ直角に屈曲させるように構成されている。(図14)
【0034】
一方、この実施の形態にあっては、前記ベース2の取付部20は、水平方向に延びる基板部20aの上面側に、この上面から突き出すように形成されている。
【0035】
また、かかる取付部20は、前記はめ込み凹部104の内郭形状に倣った外郭形状を持つように形成されている。
すなわち、かかる取付部20は、
(1)前記はめ込み凹部104へのはめ込みに伴ってこのはめ込み凹部104の前部内面104aに密着する前部外面20bと、
(2)前記はめ込み凹部104へのはめ込みに伴ってこのはめ込み凹部104の側部内面104cに密着する側部外面20cと、
(3)前記はめ込み凹部104へのはめ込みに伴ってこのはめ込み凹部104の後部内面104bのうち、前記屈曲によってこのはめ込み凹部104の前部内面104aから離れるように形成された後部内面104bの一部104b’に密着する後部外面20dと、
(4)前記はめ込み凹部104へのはめ込みに伴ってこのはめ込み凹部104の内奥面104dに押し当てられる上部外面20eとを備えている。
【0036】
また、このベース2の取付部20には、前記はめ込み凹部104へのはめ込みに伴ってこのはめ込み凹部104内に形成された被掛合部105に弾性的に掛合される掛合部20fが備えられている。
【0037】
この実施の形態にあっては、この掛合部20fを、前記はめ込み凹部104への取付部20のはめ込みに伴って一旦弾性的に変形させられた後、この取付部20をはめ込み凹部104にはめ込み切った位置(つまり、取付部20の上部外面20eがはめ込み凹部104の内奥面104dに突き当たった位置)において弾性復帰して、掛合凹部105aとして形成されているはめ込み凹部104側の被掛合部105に掛合される掛合突部20gとして構成している。
【0038】
なお、この実施の形態とは逆に、前記掛合部20fを、前記はめ込み凹部104への取付部20のはめ込みに伴って一旦弾性的に変形させられた後、この取付部20をはめ込み凹部104にはめ込み切った位置において弾性復帰される掛合突部として形成されたはめ込み凹部104側の被掛合部105が、この弾性復帰によって掛合される掛合凹部として構成することも可能である。
【0039】
この実施の形態にあっては、前記取付部20の掛合突部20gは、取付部20の前記前部外面20bから突き出すように形成されている。また、はめ込み凹部104の掛合凹部105aは、はめ込み凹部104の前記前部内面104aから前板100の前面102側に向けて窪み込むように形成されている。また、この掛合突部20gは取付部20の左右にそれぞれ形成されており、これに対応して、前記掛合凹部105aもはめ込み凹部104の左右にそれぞれ形成されている。
【0040】
具体的には、この実施の形態にあっては、前記取付部20の掛合突部20gは、この取付部20の前部外面20bを構成する突き出し板部の内外を連通する略U字状をなす割溝20jによって区分された弾性片20kの外面側に形成されている。
【0041】
また、この取付部20の掛合突部20gは、前記弾性片20kの下端側に頂部を有し、この頂部の下側に掛合面20hを有すると共に、この頂部から上方に向かうに連れて次第に低まる傾斜面20iを有している。
【0042】
そして、この実施の形態にあっては、このように形成された掛合突部20gの頂部から取付部20の後部外面20dまでの間隔が、はめ込み凹部104の前部内面104aから前記屈曲によってこのはめ込み凹部104の前部内面104aから離れるように形成された後部内面104bの一部104b’までの間隔よりも、やや大きくなるように構成されている。
【0043】
この結果、この実施の形態にあっては、前記取付部20の前記はめ込み凹部104へのはめ込みに伴って、このはめ込み凹部104の前部内面104aに前記掛合突部20gを押し当てさせることができると共に、この押し当てによって前記弾性片20kを内向きに撓み込ませることができる。この弾性片20kの撓み込ませは、前記傾斜面20iによって叙々になされるものとなるため、前記はめ込みを円滑になすことができる。そして、この後、前記はめ込み凹部104に取付部20をはめ込みきった位置においてこの弾性片20kを弾性復帰させて前記掛合突部20gの掛合面20hをはめ込み凹部104に形成された掛合凹部105aの下側内面に掛合させることができ、この掛合によって前記取付部20の前記はめ込み凹部104へのはめ付け状態を安定的に維持させることができる。
【0044】
また、この実施の形態にあっては、前記掛合部20fが、前記ローラ1の回転軸線を通る鉛直線xを挟んだ抽斗Hの引き出し前方側に形成してある。
【0045】
この結果、この実施の形態にあっては、特に、前記のように前記ローラ1を前記フロア面Fなどに接地させて前記前傾を阻止させた抽斗Hの引き出し状態から当該抽斗Hを元の収納状態に押し戻すにあたって前記取付部20に作用される前記はめ込み凹部104からこの取付部20を抜き出せる向きの力に、前記の位置に設けられた掛合部20fの被掛合部105への掛合によって適切に抗することができる。すなわち、前記取付部20に必要最小限の掛合部20fを設けさせることにより、この取付部20のはめ込み凹部104へのはめ込み時の抵抗を徒に増大させることなく、前記取付部20の前記はめ込み凹部104へのはめ付け状態を安定的に維持させることができる。
【0046】
また、この実施の形態にあっては、前記ベース2の取付部20における抽斗Hに形成されたはめ込み凹部104へのはめ込み方向にある側部に、このはめ込み凹部104への取付部20のはめ込みに伴ってはめ込み凹部104の内面に弾性的に密着するリブ20mが前記はめ込み方向に沿って形成してある。
【0047】
この実施の形態にあっては、前記取付部20における側部外面20cと後部外面20dにそれぞれ、この取付部20の前記基板部20aの上面からの突き出し方向に沿うように、前記リブ20mが形成してある。側部外面20cには、この側部外面20cと前部外面20bとの間の隅部に近接した位置と、この側部外面20cと後部外面20dとの間の隅部に近接した位置とにそれぞれ、前記リブ20mが形成してある。各リブ20mはそれぞれ、前記はめ込み凹部104に取付部20をはめ入れることに伴って、やや弾性変形をしてその突き出し面をはめ込み凹部104の内面に押し付けさせるように構成してある。
【0048】
この結果、この実施の形態にあっては、前記はめ込み凹部104にガタつきなく取付部20をはめ込ませて、抽斗Hに対し適切に傾倒防止輪を備え付けさせることができる。
【0049】
なお、この実施の形態にあっては、各リブ20mはそれぞれ、その上端部に、取付部20の上部外面20e側に向かうに連れて次第にリブ20mの突き出し寸法を小さくする向きに傾斜した傾斜面20nを備えており、前記はめ込み凹部104への取付部20のはめ込みにあたってこのように形成されたリブ20mが強い抵抗にならないようにしてある。
【0050】
また、この実施の形態にあっては、前記ベース2の取付部20における上部に、抽斗Hに形成されたはめ込み凹部104への取付部20のはめ込みに伴って、このはめ込み凹部104の内奥部に形成された被嵌合部106と嵌り合う嵌合部20pが形成してある。
【0051】
この実施の形態にあっては、前記嵌合部20pは、前記取付部20の左右両側において、この取付部20の上部外面20eから突き出すように形成された方形の角柱状をなす嵌合突部20qとして構成されている。また、前記被嵌合部106は、前記はめ込み凹部104における左右両側において、内奥面104dから上方に向けて窪み込むように形成された前記嵌合突部20qがはまり込む当該嵌合突部20qの外郭形状に穴の内郭形状を倣わした嵌合凹部106aとして構成されている。
【0052】
この結果、この実施の形態にあっては、前記被嵌合部106に嵌合部20pをはめ込ませることによって、はめ込み凹部104に対し前後左右にズレなく取付部20をはめ込ませて、抽斗Hに対し適切に傾倒防止輪を備え付けさせることができる。
【0053】
なお、これとは逆に、前記嵌合部20pを、取付部20の上部外面20eから下方に窪み込むように形成された穴状をなす嵌合凹部として構成し、また、前記被嵌合部106を、内奥面104dから下方に向けて突き出すように形成され前記嵌合凹部として構成された嵌合部20pに入り込む嵌合突部として構成しておくこともできる。
【0054】
また、この実施の形態にあっては、前記ベース2における基板部20aの下面側に、前記ローラ1の軸受け部21が形成されている。
【0055】
具体的には、この実施の形態にあっては、かかる軸受け部21は、前記ローラ1を間に納める間隔を開けて、前記基板部20aの下面側から下方に向けて突き出す一対の板状体として構成してある。
【0056】
そして、この一対の軸受け部21、21にそれぞれ、前記ローラ1の回転軸10の外径よりも穴径を太くする軸受け穴21aが貫通状態に備えられている。
【0057】
一対の軸受け部21、21は、前記抽斗Hの引き出し方向に沿った向きに板面を向けるように形成され、また、前記軸受け穴21aはこの抽斗Hの引き出し方向にほぼ直交する向きに沿って形成されている。従って、このように形成される軸受け部21の軸受け穴21aに回転軸10を挿通される前記ローラ1は、その回転軸10の軸線を抽斗Hの引き出し方向にほぼ直交する向きに沿わせるように配される。
【0058】
そして、この実施の形態にあっては、前記ローラ1の回転軸10の外径と前記軸受け穴21aの穴径との差を利用して、当該回転軸10の軸線方向に離れ出す射出成形の金型を構成するスライダによって、前記ローラ1の回転軸10の一方が一方の軸受け部21の軸受け穴21aに挿通され、かつ、前記ローラ1の回転軸10の他方が他方の軸受け部21の軸受け穴21aに挿通された状態で、前記ベース2とローラ1とを射出成形によって一体に成形するようにしてある。
【0059】
この結果、この実施の形態によれば、傾倒防止輪を、単一の金型をもって成形することができ、また、前記ベース2側とローラ1側とのアッセンブリーを別途行う必要もないことから、容易かつ低廉に傾倒防止輪を提供させることができる。
【0060】
また、この実施の形態にあっては、前記ベース2における軸受け部21に、ローラ1の回転軸10の外径とほぼ等しい直径を備えた仮想の円の円弧に穴内周面を沿わせた副軸受け穴21bが貫通状態に形成してあると共に、この副軸受け穴21bが、軸受け穴21aの上部において、この軸受け穴21a内に位置される前記回転軸10を副軸受け穴21b内に入り込ませることを許容させるように、この軸受け穴21aに連通した構成としてある。
【0061】
具体的には、実施の形態にあっては、前記軸受け部21を前記抽斗Hの引き出し方向に沿った向きから見た状態において、前記軸受け穴21aとこの軸受け穴21aに前記のように連通した副軸受け穴21bとによって形成されたダルマ穴状をなす穴に前記ローラ1の回転軸10が挿通された構成としてある。
【0062】
そして、前記フロア面Fなどに、前記ローラ1の下端が接地しない状態においては、このローラ1の回転軸10は前記軸受け穴21a内に位置され、(図11、図13)一方、少なくとも前記抽斗Hの引き出しに伴って抽斗収納体Gに前傾する向きの力が作用された場合には、このローラ1の下端が前記フロア面Fなどに接地することを通じて、このローラ1の回転軸10が前記副軸受け穴21b内に入り込む構成としてある。(図12)
【0063】
この結果、この実施の形態にあっては、特に、前記ローラ1を前記フロア面Fなどに接地させて前記前傾を阻止させた抽斗Hの引き出し状態から当該抽斗Hを元の収納状態に押し戻すにあたっては、前記ローラ1をこのローラ1の回転軸10の外径とほぼ等しい直径を備えた仮想の円の円弧に穴内周面を沿わせた前記副軸受け穴21bの穴内周面を案内としてガタなく回転させることができ、この押し戻しをスムースに行わしむることができる。
【0064】
なお、この実施の形態にあっては、前記ローラ1の軸受け部21の外面に一辺を一体に接合させると共に、前記ベース2の基板部20aの下面に他の一辺を一体に接合させた略三角形状をなす補強板22が、一対の軸受け部21、21の外側に、前記ローラ1の回転軸10線を通る鉛直線に板面を沿わせるようにして、それぞれ設けられており、軸受け部21側が適切な剛性を持つようにしてある。
【0065】
【発明の効果】
この発明にかかる抽斗収納体の傾倒防止輪によれば、抽斗収納体の最下段の抽斗の前側下部に形成されたはめ込み凹部にベースの取付部を下方からはめ込むだけでこの抽斗にワンタッチで適切に取り付けることができる。
【0066】
また、最下段の抽斗の引き出し操作に伴ってフロア面などに接し得ると共に回転可能なローラと、このローラを抽斗に取り付けるためのベースとを、プラスチック材料を用いて一体に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】傾倒防止輪の側面図
【図2】同平面図
【図3】同底面図
【図4】図1の左側から傾倒防止輪を見て示した側面図
【図5】図1の右側から傾倒防止輪を見て示した側面図
【図6】図1におけるA−A線断面図
【図7】図1におけるB−B線断面図
【図8】傾倒防止輪の要部拡大図
【図9】傾倒防止輪の要部拡大図
【図10】図1におけるC−C線断面図
【図11】傾倒防止輪の使用状態を示す側面図
【図12】傾倒防止輪の使用状態を示す側面図
【図13】傾倒防止輪の使用状態を示す側面図
【図14】抽斗Hの前板100と傾倒防止輪との分離底面図
【符号の説明】
H 抽斗
Ha 前側下部
1 ローラ
10 回転軸
2 ベース
20 取付部
20f 掛合部
21 軸受け部
21a 軸受け穴
21b 副軸受け穴
104 はめ込み凹部
105 被掛合部
Claims (5)
- 最下段の抽斗の前側下部に取り付けられて抽斗の引き出し操作に伴う抽斗収納体の前傾を防止するプラスチック製の傾倒防止輪であって、
ローラとベースとを備えており、
前記ローラは、その両面からそれぞれ回転軸を突き出させており、
前記ベースは、抽斗の前側下部に形成されたはめ込み凹部に下方からはめ込まれる取付部と、
前記ローラの回転軸の軸受け穴であって、当該回転軸の外径よりも穴径を太くする軸受け穴を貫通状態に備えた一対の軸受け部とを備えており、
この回転軸の外径と軸受け穴の穴径との差を利用して、当該回転軸の軸線方向に離れ出す射出成形の金型を構成するスライダによって、前記ローラの回転軸の一方が一方の軸受け部の軸受け穴に挿通され、かつ、前記ローラの回転軸の他方が他方の軸受け部の軸受け穴に挿通された状態で、前記ベースとローラとが射出成形によって一体に成形されており、
しかも、前記ベースの取付部には、前記はめ込み凹部へのはめ込みに伴ってこのはめ込み凹部内に形成された被掛合部に弾性的に掛合される掛合部が備えられていることを特徴とする抽斗収納体の傾倒防止輪。 - 掛合部が、ローラの回転軸線を通る鉛直線を挟んだ抽斗の引き出し前方側に形成してあることを特徴とする請求項1記載の抽斗収納体の傾倒防止輪。
- ベースの取付部における抽斗に形成されたはめ込み凹部へのはめ込み方向にある側部に、このはめ込み凹部への取付部のはめ込みに伴ってはめ込み凹部の内面に弾性的に密着するリブが前記はめ込み方向に沿って形成してあることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の抽斗収納体の傾倒防止輪。
- ベースの取付部における上部に、抽斗に形成されたはめ込み凹部への取付部のはめ込みに伴って、このはめ込み凹部の内奥部に形成された被嵌合部と嵌り合う嵌合部が形成してあることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載の抽斗収納体の傾倒防止輪。
- ベースにおける軸受け部に、ローラの回転軸の外径とほぼ等しい直径を備えた仮想の円の円弧に穴内周面を沿わせた副軸受け穴が貫通状態に形成してあると共に、
この副軸受け穴が、軸受け穴の上部において、この軸受け穴内に位置される前記回転軸を副軸受け穴内に入り込ませることを許容させるように、この軸受け穴に連通していることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4記載の抽斗収納体の傾倒防止輪。
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