JP2593828Y2 - ショーケース棚の取付構造 - Google Patents

ショーケース棚の取付構造

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JP2593828Y2
JP2593828Y2 JP1992034228U JP3422892U JP2593828Y2 JP 2593828 Y2 JP2593828 Y2 JP 2593828Y2 JP 1992034228 U JP1992034228 U JP 1992034228U JP 3422892 U JP3422892 U JP 3422892U JP 2593828 Y2 JP2593828 Y2 JP 2593828Y2
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文男 深沢
宏 大出
清 美濃輪
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、特に多段式オープンシ
ョーケースに好適で、商品陳列棚の取付構造に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来より、多段式オープンショーケース
において商品を保存陳列する棚板の取付構造としては、
例えば図5や図6に示すものが知られている。図5に示
される取付構造にあっては、棚柱1に対して棚受2が後
端部のフック3、3による落とし込みで取り付けられ、
棚受2上には棚板5が担持される。図示のように、棚受
2の上縁の前後2個所に側面L字形の係止溝4、4が設
けられ、棚板5には棚受2側の係止溝4、4に係合する
同じく断面L字形で相当数の係止片6、6を設けてあ
る。
【0003】棚受2に棚板5を取り付けるにあたって
は、棚板5の係止片6、6を棚受2の係止溝4、4に位
置合わせしながら落とし込む。係止片6は当初この全体
が係止溝4の縦溝4aに一旦係入し、係入後に棚板5を
手前に引くと、係止片6の横片6bが係止溝4の横溝4
bに係合する。このようにして係止溝4と係止片6とを
噛み合わせ、棚受2に棚板5を殆どワンタッチで取り付
けることができる。
【0004】また、図6の取付構造は、棚板5に設けら
れる係止片の形状が異なるものである。この場合の係止
片7もまた全体的には断面L字形で縦片7a及び横片7
bを有し、縦片7aにはスリット7cが設けられてい
る。棚受2に棚板5を取り付けるにあたって、棚板5の
係止片7を棚受2の係止溝4に位置合わせしながら落と
し込み、係止片7の全体が係止溝4の縦溝4aに係入
後,棚板5を手前に引くと、棚受2側の横溝4bを形成
する突起部4cがスリット7cに係入する。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】ところで、これら図5
及び図6に示される従来の棚取付構造にあっては、いず
れも次のような解決すべき問題を残している。即ち、図
5の構造では、棚受2もしくは棚板5に対して左右方向
から相対に力が加わると、棚板5の係止片6が棚受2の
係止溝4から横すべりして外れ易い。また、棚板5に対
して後方の棚柱1に向かって押し込むような力が作用す
ると、当初挿入の逆進路をたどって係止片6全体が係止
溝4の縦溝4aから抜脱する心配がある。
【0006】また、図6の構造では、棚板5のスリット
7cに棚受2の突起部4cが係入することによって、図
5の構造のように、左右方向からの力を受けて係止片7
が係止溝4から抜脱することからは免れることができ
る。しかし、図5と同じく、前後方向の力を受けると、
スリット7cから突起部4が容易に抜けてしまうといっ
た不具合がある。
【0007】本考案の目的は、簡易な装着性を踏まえた
うえで、棚板の脱落防止に効果のあるショーケース棚の
取付構造を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本考案は前記課題を解決
するため、請求項1の発明は、ケース本体に固定された
棚受と、棚受に担持された棚板とを備え、棚受の上縁に
は前後に係止溝を2個設け、棚板には各係止溝への落と
し込みにより係合する係止片を設けたショーケース棚の
取付構造において、係止溝のうち後方の係止溝は上下に
延びる縦溝部とこの縦溝部の下端から前方に向かって延
びる横溝部とを有し、この後方の係止溝に落とし込まれ
る一方の係止片は後方の係止溝に対応するよう縦片と縦
片の下端から前方に延びる横片とを有するとともに、該
一方の係止片を縦溝部に落とし込み縦溝部と横溝部との
コーナ部に係止する一方、前方の係止溝に落とし込まれ
る他方の係止片は棚受の板厚方向の両側面に沿って延び
る一対の横抜止め部を有するとともに、一方の係止片を
後方の係止溝に係止しかつ前方の係止溝に落とし込んだ
状態で前方の係止溝の後端に近接するストッパ部を有す
る構造となっている。
【0009】また、請求項2の発明は請求項1に係るシ
ョーケース棚の取付構造において、一方の係止片の縦片
と横片とのなす角度は鈍角になっている。
【0010】
【作用】請求項1の発明に係るショーケース棚の取付構
造において、棚板を棚受けに取り付けることきは、ま
ず、棚板の一方の係止片を棚受の後方の係止溝に落とし
込んで係止溝の縦溝部と横溝部とのコーナ部分に係止
し、棚板の後側を固定する。しかる後、この係止された
一方の係止片を中心に棚板を棚受側に倒し、他方の係止
片を棚受の前方の係止溝に落とし込む。このとき、他方
の係止片で一対の横抜け部は棚受の板厚方向の両側面に
沿って配置され、棚板の左右方向への抜けが防止され
る。また、他方の係止片のストッパ部は前方の係止溝の
後端に近接している。従って、各係止片と各係止溝との
前後方向のクリアランスが僅かとなり、棚板の前後方向
への移動が僅かで、棚板の前後方向のガタ付きが抑制さ
れる。
【0011】請求項2の発明は請求項1に係るショーケ
ース棚の取付構造において、一方の係止片の縦片と横片
とのなす角度を鈍角にしているため、一方の係止片を後
方の係止溝に係止する際、また、この一方の係止片を後
方の係止溝から取り外す際にこれらの作業を容易にでき
る。
【0012】
【実施例】以下、本考案によるショーケース棚の取付構
造の実施例を図に基づいて説明する。
【0013】図1は実施例の取付構造が適用された多段
式オープンショーケースの部分断面による側面図であ
る。各段における棚受10と棚板20との取付構造を図
2の側面図及び図3の要部斜視図に示すように、ケース
本体1の内部に設けられた棚柱30に対して、棚受10
が後端部のフック16,16による落とし込みで取り付
けられる。棚柱30は簡略化して図示されているが、多
数の係止孔が適当なピッチで設けてあって、この係止孔
にフック16を掛止することによって棚受10を任意の
段に取り付け可能とするものである。棚受本体11の上
縁には、この前後2個所に側面L字形の係止溝12,1
2が設けられている。係止溝12は垂直方向に延びる縦
溝部13と、この縦溝部13から水平方向に手前に向か
って延びる横溝部14からなっていて、この形状により
棚受本体11側に突起部15が形成される。
【0014】また、棚板20は曲げ加工による四辺折縁
付きの矩形状で、隣り合う2つの棚受10,10に跨が
り得る横幅と、棚受10の奥行き長さにぼぼ等しい縦幅
をもつ大きさのものである。この棚板20の本体21の
裏側には横幅方向の両端部に、棚受10側の係止溝1
2,12に対応する数の同じく断面L字形の係止片22
A,22Bが突設されている。このうちショーケースに
向かって後側の係止片22Bとしては、図5で示された
係止片6と同一形状のものである。
【0015】図3に示すように、ショーケースに向かっ
て手前側の係止片22Aは、垂直に延びる左右一対の縦
片23,23を有し、これら縦片23,23の各根元部
は棚板本体21の裏面に例えば溶接などして固定されて
いる。溶接工程を省くために、事情によっては係止片2
2A(22B)を棚板本体21からプレス成形で打ち抜
くことも可能である。左右の縦片23、23はほぼ直角
方向に屈曲して横片24、24としてそのまま水平方向
に延び、つなぎ部25によって一体になっている。こう
した形状によって中央に閉じた溝部26が形成される。
左右の縦片23,23は棚受本体11の突起部15を挟
むようにして、この板厚方向の両側からの当接が可能に
なることで、横ずれストッパとしての「横抜止め部」を
構成している。また、横片24,24から延びるつなぎ
部25は棚板本体21の係止溝12における縦溝部13
の壁に当接することで縦ずれストッパとしての「縦抜止
め部」を構成している。
【0016】ここで、係止片22Aの横片24は寸法L
の長さを有し、この長さ寸法Lは係止溝12側における
横溝部14の長さlにほぼ等しくし、係止片22Aの溝
部26を大きくしている。従って、図3中の仮想線に示
すように、係止片22Aを係止溝12に落とし込んだ
際、係止片22Aは溝部26によって係止溝12側の突
起部15に干渉しない。一方、後方の係止片22Bは前
述の如く図5で示された係止片6と同様の構造となって
いるが、係止片22Bを構成する縦片23と横片24と
が鈍角で屈曲しており、この横片24が前方に延設され
ている。従って、この屈曲部分が鈍角となった分だけ係
止片22Bの前後方向の挿入幅が狭くなり、係止溝12
の縦溝部13の幅に余裕ができる。これにより、後方の
係止溝12への後方の係止片22Bの落とし込み、或い
は、係止溝12からの係止片22Bの引抜きが容易に
なる。
【0017】次に、以上の構成による実施例の組立態様
及び作用を説明する。
【0018】棚受10に棚板20を取り付けるにあたっ
て、図2のように、まず棚板20の後方の係止片22B
を棚受本体11の後方の係止溝12に位置合わせしなが
ら落とし込む。次いで、この係止片22Bの屈曲部分を
係止溝12の各溝部13,14のコーナ部分に係止し、
棚板20の後側を固定する。しかる後、この係止された
後方の係止片22Bを中心に棚板20を棚受10側に倒
し、前方の係止片22Aを棚受20の前方の係止溝12
に落とし込む。これにより、棚板20が棚受10に固定
される。
【0019】係止片22Aは係止溝12への落とし込み
に際し、溝部26が突起部15を跨ぐことで干渉が避け
られる。落とし込まれた状態のセット後、棚板20に対
して左右方向から力が作用しても、係止片22Aの左右
の縦片23,23が棚受本体21に板厚方向から当接す
る。即ち、係止片22Aを係止溝12に落とし込みさえ
すれば、左右の縦片23,23が横ずれストッパとして
機能し、棚板20の棚受10からの脱落を防止できる。
【0020】また、係止片22Aの係止溝12への落と
し込み後、セットのために意図的に棚板20全体を手前
に引いた場合、もしくは棚板20を手前に引く力が作用
した場合、係止片22Aがそのままスライドして、つな
ぎ部25が係止溝12の突起部15の下に潜り、横溝部
14の前壁に突き当たって係合する形になる。これによ
って棚板20の手前方向への脱落は防止され、同時に棚
板20の上方への「持ち上がり」も阻止される。
【0021】また、後方の係止片22Bを後方の係止溝
12に係止した状態で前方の係止片22Aを前方の係止
溝12に落とし込み固定するとき、係止片22Aのつな
ぎ部25が係止溝12の後端側に近接した状態となって
いるため(図2に示すようにそのクリアランスが僅かと
なっているため)、棚板20をセット後、この棚板20
に対して後方に押し込む力が作用した場合、係止片22
Aのつなぎ部25が係止溝12の縦溝部13の後壁に直
ぐに突き当たり、「縦抜け止めストッパ」として機能す
とともに、棚板20の前後方向へのガタ付きを抑制す
る機能を有する。
【0022】以上の実施例に対して、図4は棚板20側
の係止片の形状が異なる本考案の第2実施例を示してい
る。この第2実施例においては、係止片40が棚板20
の本体21から垂直に延びる縦片41を有し、この縦片
41の根元部は溶接などで溶着されている。縦片41の
下部両端は左右対称の一対による横抜止め部43、43
として設けられ、下部中央は水平方向に折り曲げられた
幅寸法Wの縦抜止め部44として成形されている。縦抜
け部44の幅寸法Wは係止溝12の縦溝部13の幅寸法
wにほぼ等しくしてある。この場合も、左右一対の横抜
止め部43、43を設けたことで、先の第1実施例と同
様に、係止片40を係止溝12に落とし込んだ状態で、
棚板20に対して左右方向から力が作用しても、左右の
横抜止め部43,43が棚受本体21に板厚方向から当
接して、横ずれストッパとして機能し、棚板20の棚受
10からの脱落を防止できる。
【0023】また、係止片40を係止溝12に落とし込
んだ状態で、棚板20に対して後方に押し込む力が作用
した場合でも、縦片41全体が係止溝12の縦溝部13
の後壁に当接して棚板20の後ずれを阻止する。
【0024】また、係止片40を係止溝12に落とし込
み後、セットのために意図的に棚板20全体を手前に引
いた場合、もしくは棚板20を手前に引く力が作用した
場合、係止片40がそのままスライドして、縦抜止め部
44が係止溝12の突起部15の下に潜り、横溝部14
の前壁に突き当たって係合する形になる。これによって
棚板20の手前方向への脱落は防止され、同時に棚板2
0の上方への「持ち上がり」も阻止される。
【0025】
【考案の効果】以上説明したように、請求項1の本考案
によれば、一方の係止片の縦片及び横片により棚板の持
ち上がりが規制され、他方の係止片の横抜止め部により
棚板の左右方向への移動が規制されることはもとより、
一方の係止片の係止状態で他方の係止片のストッパ部が
前方の係止溝の後端に近接するようになっているため、
各係止片と各係止溝との前後方向のクリアランスが僅か
となっており、棚板の前後方向への移動が僅かで、棚板
の前後方向のガタ付きが抑制される。
【0026】また、請求項2の発明によれば、一方の係
止片の縦片と横片とのなす角度を鈍角にしているため、
一方の係止片を後方の係止溝に係止する際、また、この
一方の係止片を後方の係止溝から取り外す際にこれらの
作業を容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案による棚の取付構造の実施例が適用され
たショーケースの部分断面による側面図
【図2】棚受と棚板による実施例の取付構造の側面図。
【図3】棚受と棚板による第1実施例の取付構造の要部
の斜視図。
【図4】棚受と棚板による第2実施例の取付構造の要部
の斜視図。
【図5】棚受と棚板による従来例の取付構造の斜視図。
【図6】棚受と棚板による同じく従来例の取付構造の斜
視図。
【符号の説明】
1…ケ−ス本体、10…棚受、12…係止溝、13…縦
溝部、14…横溝部、20…棚板、22A(22B)…
係止片、23…縦片(横抜止め部)、25…つなぎ部
(縦抜止め部)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 平5−65233(JP,U) 実開 昭62−39539(JP,U) 実公 昭55−54378(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A47B 57/30 - 57/56 A47B 96/06

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケース本体に固定された棚受と、棚受に
    担持された棚板とを備え、棚受の上縁には前後に係止溝
    を2個設け、棚板には各係止溝への落とし込みにより係
    合する係止片を設けたショーケース棚の取付構造におい
    て、 前記係止溝のうち後方の係止溝は上下に延びる縦溝部と
    この縦溝部の下端から前方に向かって延びる横溝部とを
    有し、 この後方の係止溝に落とし込まれる一方の係止片は後方
    の係止溝に対応するよう縦片と縦片の下端から前方に延
    びる横片とを有するとともに、該一方の係止片を縦溝部
    に落とし込み縦溝部と横溝部とのコーナ部に係止する一
    方、 前方の係止溝に落とし込まれる他方の係止片は棚受の板
    厚方向の両側面に沿って延びる一対の横抜止め部を有す
    るとともに、一方の係止片を後方の係止溝に係止しかつ
    前方の係止溝に落とし込んだ状態で前方の係止溝の後端
    に近接するストッパ部を有することを特徴とするショー
    ケース棚の取付構造。
  2. 【請求項2】 前記一方の係止片の縦片と横片とのなす
    角度は鈍角であることを特徴とする請求項1記載のショ
    ーケース棚の取付構造。
JP1992034228U 1992-05-22 1992-05-22 ショーケース棚の取付構造 Expired - Lifetime JP2593828Y2 (ja)

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