JP2541647Y2 - 車輌用のモールデイング - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、各種車輌のフロント硝
子における開口した車体パネルと硝子パネルとの間に介
在する車輌用のモールディングに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】この種のモールディングは、フロント硝
子の左右側部モール部では、硝子パネルの凹溝と上部の
雨水排出用の凹溝との上下二段の溝付きモールディング
が使用される。然し、フロント硝子の上部モール部には
使用できないために別個の断面形状を有するモールディ
ングと、更にコーナー継手部材とが使用されている。従
つて、この種のフロント硝子に装着されるモールディン
グは、その各部品の断面形状が異なるため組立が面倒で
あると共に、左右の側部モールでは風力等によつてモー
ル装飾頭部が分離する等の破損する原因となつている。
この様な従来の車輌等のモールディングは、強靱化を必
要とする左右の側部モールでは、モール装飾頭部と挿着
脚部との嵌着状態が使用中に分離したりする問題点があ
つた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】本考案は、モールディ
ング本体のモール装飾頭部と下部の挿着脚部との構成材
料を硬軟の合成樹脂材料を適宜選定使用して強固にしよ
うとする点と、上部のモール装飾頭部と下部に係合する
挿着脚部との嵌着状態を強固として脱離を防止する点に
ある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本考案は、上記の目的を
達成するために、モール装飾頭部は、上部のモール頭部
と下部の脚部を有し、このモール頭部の下面には、相対
する係合突部を設けて長手方向に開口長孔と凹嵌部を内
部に形成する。また、脚部の側面に硝子挿嵌溝を形成し
てある。また、モール装飾頭部の脚部の下方を側方に湾
曲して屈曲脚部を形成するものである。次に、挿着脚部
には、上部から係吊頭部と突出した雨水排出突部と垂直
脚とを形成してある。また、雨水排出突部の後方に係止
突部を設けて係止凹部を形成すると共に、垂直脚の側面
に硝子挿嵌溝を設けた構成となつている。そして、下部
の硝子挿嵌溝に硝子パネルの左右の端縁を挿嵌し、硝子
パネルの左右の側部モール部では、モール装飾頭部に挿
着脚部を嵌着して固定し、硝子パネルの上部の上部モー
ル部では、モール装飾頭部のみを使用して硝子パネルの
上端縁を挿着することによつて所期の目的を達成するこ
のである。

【０００５】

【作用】本考案のモールディング（１）を図１に示す車
輌（４０）のフロントに装着するには、硝子パネル（３
２）と車体パネル（３３）との間に接着剤（３４）を以
て接着する。この時、モールディング（１）の左右の側
部モール部（２９）（２９）では、図４に示す如く、モ
ール装飾頭部（２）の該凹嵌部（８）と係合凹部（１
２）とに対して該挿着脚部（３）の係吊頭部（１３）と
係止突部（１９）とを側方から嵌合して強固に固定す
る。次に、コーナーモール部（３０）から上部の上部モ
ール部（３１）では、コーナー挿着脚部（４）の使用又
は使用せず、図５に示す如くモール装飾頭部（２）に設
けた硝子挿嵌溝（１０）に硝子パネル（３２）の上端縁
を挿着して、モールディング（１）の表面全体にモール
装飾頭部（２）が表面が現出して外観を美麗に仕上げる
ものである。

【０００６】

【実施例】次に、本考案の実施例を図面について説明す
ると、自動車等の車輌（４０）におけるフロントの硝子
パネル（３２）と車体パネル（３３）との間に介在され
るモールディング本体（１）は、合成樹脂の押し出し成
形より長手方向に形成された表面に表現されるモール装
飾頭部（２）と硝子パネル（３２）と雨水排水突部（１
５）とを形成した挿着脚部（３）とによつて構成され
る。また、必要に応じて使用又は使用しない短寸法のコ
ーナー挿着脚部（４）を以て構成されている。

【０００７】モール装飾頭部（２）には、図２に示す如
く長手方向に形成される表面に現出されるモール頭部
（５）と、その下部に脚部（６）を形成する。モール頭
部（５）の下面の一部に相対する係合突部（９）（９）
を設けて長手方向の開口長孔（７）を開設して内部に凹
嵌部（８）を形成してある。また、脚部（６）には、側
方に硝子挿嵌溝（１０）を設けると共に、下端に上方に
向けて屈曲する屈曲係止片（１１）を形成して係合凹部
（１２）を設けてある。

【０００８】次に、挿着脚部（３）には、上部に係吊頭
部（１３）を形成すると共に、下部に係吊凹部（１４）
（１４）を設けて突出した雨水排水突部（１５）と垂直
脚（１６）を形成してある。雨水排水突部（１５）は、
前面に排水傾斜面（３６）を後方に係止突部（１９）を
設けて係止凹部（２０）を形成してある。該垂直脚（１
６）の側面には、硝子挿嵌溝（１７）と下端に硝子受片
（１８）を形成してある。

【０００９】次に、図６に示すものは、車輌（４０）の
コーナーモール部（３０）に必要に応じて用いるコーナ
ー挿入脚部（４）を示し、比較的に屈曲が容易な軟質合
成樹脂の柔軟な材料より成形されている。その長手方向
の上部には、上部より係吊凹部（２２）（２２）を形成
して雨水排水突部（２３）及び脚部（２４）とを一体的
に形成する。雨水排水突部（２３）の前面に長手方向に
巾狭くなつた傾斜排水面（２８）を形成し、その下部に
脚部（２４）の前面に硝子挿嵌溝（２５）を形成してあ
る。また、脚部（２４）の後面に係合凹部（１２）に係
合する係止突部（２６）を設けた係止凹部（２７）を形
成してある。

【００１０】次に、フロントの硝子パネル（３２）の左
右における側部モール部（２９）（２９）では、図４に
示す如く、モール装飾頭部（２）の内部の凹嵌部（８）
と脚部（６）の下部に設けた係合凹部（１２）に挿着脚
部（３）の上部の該係吊頭部（１３）と雨水排水突部
（１５）の後方に設けた係止突部（１９）を側方から挿
嵌して上部に雨水排水部を構成し、下部の硝子挿嵌溝
（１７）に硝子パネル（３２）の左右の端縁を挿嵌し、
上部モール部（３１）では、図５に示すように挿着脚部
（３）を使用しないでモール装飾頭部（２）の側方の硝
子挿嵌溝（１０）に硝子パネル（３２）の上端縁を挿着
するものである。

【００１１】次に、モール装飾頭部（２）には、図７に
示す如く、脚部（６）の下方を側方に折り曲げて屈曲脚
部（３５）を形成してある。この屈曲脚部（３５）によ
つて硝子パネル（３２）の下面が接着剤（３４）との接
着面積を増大して車体パネルとの接着強度を高めたもの
である。符号（３７）はモール装飾頭部（２）の脚部
（６）に設けた接着支持用の補助支持片である。

【００１２】

【考案の効果】本考案は、以上説明したように、モール
ディングをモール装飾頭部と挿着脚部との係合によつ
て、左右の雨水排水溝付きの左右の側部モール部と、上
部の雨水排水溝のない上部モール部とに硝子パネルを簡
単確実に張着できる効果と、モール装飾モール頭部の表
面が左右の側部モール部と上部モール部とが共通な頭部
となるため表面に継ぎ目や突出部が生ぜず大変に美麗に
仕上がる効果がある。また、表面に現出するモール装飾
頭部の構成材料と、その下部に吊持状態に係合れさる挿
着脚部の構成材料を各々別個の硬軟な合成樹脂を以て容
易に成形できることにより、従来の欠点であつた軟弱な
挿着脚部を著しく強靭化することが容易なる効果と、モ
ール装飾頭部と挿着脚部との各構成材料を目的に応じて
自由に選定できる効果がある。

【００１３】そして、モール頭部の下面に相対する係合
突部を設けて長手方向の開口長孔と凹嵌部とを形成した
ので、挿着脚部は強固に挿嵌できると共に、両者は絶対
に脱離することがない効果がある。また、脚部の下端に
屈曲係止片を設けて形成した係合凹部によつては、挿着
脚部の係止突部と下方で係合するため、挿着脚部はモー
ル装飾頭部より分離するのを確実に防止できるものであ
る。更に、挿着脚部には、上部に係吊頭部と雨水排水突
部及び垂直脚とを各々一体的に成形したので、成形が大
変に容易であると共に、挿入脚部は全体が強固に形成さ
れる効果がある。また、雨水排水突部の後方に係止突部
を設けて係止凹部を形成したので、モール装飾頭部の脚
部の下端と強固に嵌着して挿着脚部の前後の移動を不動
のものとする効果がある。また、挿入脚部の雨水排水突
部の下部に設けた硝子挿嵌溝によつて、硝子パネルの端
縁を押着と同時に該雨水排水突部の下面で強固に圧着挾
持できる効果がある。更に、モール装飾頭部の脚部の下
方を側方に向けた屈曲脚部によつて、モール装飾頭部の
みを使用する上部モール部では、硝子パネルの下面端縁
の接着面積を著しく大きくして接着剤による接着効果を
果たすと云う優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案をフロント硝子に用いた全体斜面図であ
る。

【図２】同じくモール装飾頭部の斜面図である。

【図３】同じく挿着脚部の斜面図である。

【図４】図１のＡ−Ａ線の縦断側面図である。

【図５】図１のＢ−Ｂ線の縦断側面図である。

【図６】同じくコーナー挿着脚部の斜面図である。

【図７】本考案の上部モール部の他の実施例を示す縦断
側面図である。

【符号の説明】

１ モールディング ２ モール装飾頭部 ３ 挿着脚部 ５ モール頭部 ６ 脚部 ７ 開口長孔 ８ 凹嵌部 ９ 係合突部 １０ 硝子挿嵌溝 １１ 屈曲係止片 １２ 係合凹部 １３ 係吊頭部 １４ 係吊頭部 １５ 雨水排水突部 １６ 垂直脚 １９ 係止突部 ２０ 係止凹部 ２１ 係吊頭部 ２３ 雨水排水突部 ２４ 脚部 ２８ 傾斜排水面 ２９ 側部モール部 ３１ 上部モール部 ３２ 硝子パネル ３３ 車体パネル ３５ 屈曲脚部 ４０ 車輌

フロントページの続き (56)参考文献 特開 平２−254015（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−65430（ＪＰ，Ａ) 実開 平３−88814（ＪＰ，Ｕ) 実開 平３−88816（ＪＰ，Ｕ) 実開 平３−86814（ＪＰ，Ｕ) 実開 平３−82211（ＪＰ，Ｕ) 実開 平２−15511（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭62−192913（ＪＰ，Ｕ)

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 長手方向に成形されるモール装飾頭部
   （２）と下部の挿着脚部（３）で構成される車輌用のモ
   ールディングにおいて、モール装飾頭部（２）には、長
   手方向の上部にモール頭部（５）と下部の脚部（６）と
   を形成し、モール頭部（５）には、下面に相対する係合
   突部（９）（９）を設けて長手方向に開口長孔（７）と
   凹嵌部（８）を形成し、脚部（６）には、下端に屈曲係
   止片（１１）を設けて係合凹部（１２）を形成し、挿着
   脚部（３）には、上部に係吊頭部（１３）を形成すると
   共に、下部に突出した雨水排水突部（１５）と垂直脚
   （１６）を形成し、雨水排水突部（１５）の後方には係
   止突部（１９）を設けて係止凹部（２０）を形成し、垂
   直脚（１６）の一方の側面に硝子挿嵌溝（１７）を形成
   し、フロントの硝子パネル（３２）の左右の側部モール
   部（２９）（２９）では、モール装飾頭部（２）の凹嵌
   部（８）と係合凹部（１２）に挿着脚部（３）の上部の
   係吊頭部（１３）と雨水排水突部（１５）の後方に設け
   た係止突部（１９）を各々嵌着し、下部の硝子挿嵌溝
   （１７）に硝子パネル（３２）の左右の端縁を挿嵌し、
   フロントの硝子パネル（３２）の上部の上部モール部
   （３１）では、モール装飾頭部（２）の硝子挿嵌溝（１
   ０）に硝子パネル（３２）の上端縁を挿着することを特
   徴とする車輌用のモールディング。
2. 【請求項２】 モール装飾頭部（２）の脚部（６）の下
   方を側方に湾曲して屈曲脚部（３５）を形成したことを
   特徴とする請求項１の車輌用のモールディング。