JPH0544165Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車等の車輛のフロント部分におけ
る車体パネルとガラスとの間に介在するモールデ
イングであつて、その目的とする所は、一種類の
モールデイングを以て左右の側部と上部との両方
の役目を連繁して果たすための車輛等のフロント
ガラス用モールデイングに関するものである。

（従来の技術） 従来この種の車輛等におけるフロントのガラス
に使用するモールデイングは、車輛パネルとガラ
スとを接着剤を介在して連接するものでは、車体
パネルの開口縁とガラスとの境界とに生ずる隙間
を閉塞する目的と、外観を綺麗にするためにモー
ルデイングを被嵌するものである。近年、このモ
ールデイングは、フロントガラスの左右の側部に
は、ガラスの嵌着する凹溝と、その凹溝の上部に
隣接して雨水が運行中に飛散して運転席に浸入す
るのを防止するための雨水受溝を設けたものが使
用されている。然し、この上下二段の溝付のモー
ルデイングは、同じフロントのガラスの上部には
使用できないため、別個の断面形状を有するモー
ルデイングとＬ型のコーナー継手を用いて連接す
る構成となつている。そして、これ等のフロント
ガラスのモールデイングは、左右と上部及びコー
ナー継手部材との三種類の部品によつて構成され
る構造となつている。従つて、この種のフロント
ガラスに使用されるモールデイングは、三種類の
部品が必要なため複雑でコスト高となる欠点と、
コーナー継手によつて外観が不体裁となると共
に、破損しやすい欠点がある。

（考案が解決しようとする課題） このフロントのガラスのモールデイングにおい
ては、ガラスの左右の側部と上方の上部とが別個
の断面形状で形成されたモールデイングを一種類
のモールデイングを以てガラスの挟持と、雨水排
水溝とができるようにすれば、大変に作業性が良
好となり、全体が美麗に仕上がるばかりか、且つ
コーナー継手が不要とすることによつて、体裁の
優れた強固なモールデイングを得ようとするもの
である。

（課題を解決するための手段） 本考案のモールデイングは、上述の問題点を全
て解決するために考案したものであつて、モール
デイング１の挿入脚部３のガラス側には、頭部２
の下方に上部切取片５、中央切取片６及び下部切
取片７とを所定間隔を設けて突設させる。該中央
切取片６の下方の該挿入脚部３に切断部８を設け
る。フロントの左右の側部１１，１１では、該中
央切取片６を切除した嵌込溝９にガラスの左右端
縁を挿嵌させ、フロントの上方の上部１２では、
該上部切取片５を切除して該頭部２と中央切取片
６との間にガラスの上方端縁を挿嵌し、且つ中央
切取片６の下方の該切断部８より切除することに
よつて、一種類のモールデイングを以て、上記目
的の達成を計つている。

（実施例） 本考案の実施例を図面について説明すると、自
動車等の各種車輛における車体パネル１６とフロ
ントのガラス１３との間に嵌装するモールデイン
グ１は、各種合成樹脂等を以て長手方向に成形さ
れ、その表面に露出する部分の開口部の隙間を覆
う頭部２と、隙間に挿着する挿入脚部３とを一体
的に成形してある。前記挿入脚部３のガラス１３
側には、該頭部２の下部より上部切取片５、中央
切取片６及び下部切取片７を所定間隔を設けて
各々突設せしめてある。この頭部２と上部切取片
５との間には雨水を受け流す雨水受溝４を形成し
てある。次に、モールデイング１は、フロントの
ガラス１３の左右側面１１，１１では、第４図に
示す如く、中央切取片６の基部の切取部１５より
切除して下部嵌込溝９を形成し、その下部嵌込溝
９にガラス１３の上方に位置する上部１２におい
ては、第５図に示す如く、該上部切取片５の切取
部１４より切除して上部嵌込溝１０を形成する。
この該上部嵌込溝１０にガラス１３の上方端縁を
挿嵌するものである。符号８は、前記中央切取片
６の下部で該挿入脚部３に設けた切断部であつ
た。この切断部８の切除により上部１２部分の厚
さが適宜調整されるものである。

次に、第６図、第７図に示すものは、従来例を
示し、Ｌ型状のコーナー継手１８を以て左右側部
１１，１１及び上部１２の断面形状の異なる二種
類のモールデイングによつてガラス１３を挾持張
設するものである。

（作用） 本考案は上記の如き構成からなり、今この使用
法を説明すると、第１図に示す車体１９の車体パ
ネル１６との間にモールデイング１を接着剤１７
を以て接着するものであるが、本考案のモールデ
イング１のものは、ガラス１３の左右側部１１，
１１では第４図に示す如く、ガラス１３の左右端
縁をモールデイング１に設けた中央切取片６を切
除した下部嵌込溝９に挿嵌する。また、コーナー
部分を境とした上部１２の部分では第５図に示す
如く、挿入脚部３の上部切取片５の切除によつて
形成された上部嵌込溝１０にガラス１３の上方端
縁を挿嵌すると共に、挿入脚部３の中央切取片６
の下方に位置する該挿入脚部３の切断部８より切
除する構成となつている。

（考案の効果） 上記の如く、本考案のモールデイングによれ
ば、一種類の断面形状よりなるモールデイングを
以てフロントのガラスの左右の雨水受溝付の側面
と、上方の雨水受溝のない上部とを簡単確実に構
成してフロントのガラスを容易に張着できる効果
と、従来の様にモールデイングのコーナー継手部
を使用する必要がなく、且つ一種類のモールデイ
ングを屈曲して使用するため表面が大変に美麗で
外観の優れた仕上がりとなる効果がある。そし
て、モールデイングの挿入脚部のガラス側に突設
した上部切取片、中央切取片及び下部切取片によ
つては、左右の側部に用いる時は、中央切取片の
切断部で切除すれば、ガラスの挿着が容易にでき
ると共に、その上部に雨水受溝が容易に構成され
る効果がある。また、前記上部切取片を切除する
ことによつて、フロントの上部には雨水受溝の存
在しないモールデイングが極めて容易に構成され
る便利な効果がある。更に、前記挿入脚部の中央
切取片の下方位置に設けた切断部によつては、挿
入脚部が短くなつて車体パネル部分が薄肉に形成
できる効果がある。更に、本考案によれば、従来
のモールデイングのように、左右側部と、上部及
びコーナー継手部との三種類を製作する必要がな
く、一種類の部品で充分に目的が達成できるから
著しく安価であると共に、品質の優れた従来のも
のより多大な効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を使用した車体の斜面図、第２
図はモールデイングとガラスとの張着部の切断斜
面図、第３図はモールデイングの斜面図、第４図
は側部の断面図、第５図は第１図Ａ−Ａ線の上部
の断面図、第６図は従来例のフロントの正面図、
第７図は従来のフロントガラスのコーナー部分を
切除した斜面図である。 符号１はモールデイング、２は頭部、３は挿入
脚部、４は雨水受溝、５は上部切取片、６は中央
切取片、７は下部切取片、８は切断部、９は下部
嵌込部、１０は上部嵌込部、１１は側部、１２は
上部、１４，１５は切取部である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 合成樹脂製よりなり、車体パネルの開口部とフ
   ロントのガラスとの隙間を覆う頭部と、該頭部の
   裏面から下部に垂下する挿入脚部とから形成さ
   れ、前記挿入脚部のガラス側には、上方より上部
   切取片、中央切取片及び下部切取片とを所定間隔
   を設けて各々突設し、且つ、該中央切取片の下方
   の該挿入脚部に切断部を設け、フロントの左右側
   部では、該中央切取片を切除してガラスの左右端
   縁を該上部切取片と該下部切取片との間に挿嵌す
   ると共に、上部に雨水受溝を形成し、フロントの
   上部では、該上部切取片を切除して該頭部と該中
   央切取片との間にガラスの上方端縁を挿嵌すると
   共に、該中央切取片の下方の該切断部より長手方
   向に切除したことを特徴とする車輛等のフロント
   ガラス用モールデイング。