JPH0521449Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、自動車等の車輌のフロントに用い
る車体パネルとガラス板との間に介在して両者を
連接するモールデイングであつて、その目的とす
る所は、１種類のモールデイングを用いて側部モ
ール部分と上部モール部分との両方の役目を連繋
して果すための車輌等のフロント用モールデイン
グに関する。

（従来の技術） 一般にこの種の車輌用のフロントガラスに使用
するモールデイングは、車輌パネルとガラス板と
を接着剤を介装して接合するものでは、車体パネ
ルの開口縁とガラス板との境界とに生ずる隙間を
閉塞する目的と、外観を美しくするためにモール
デイングを被嵌するものである。そして、近年こ
のモールデイングはフロントガラスの左右側部に
は、ズラス板を嵌合する凹溝と、その凹溝の上部
に隣接して雨水が運行中に飛散して運転席に浸入
するのを防止するために雨水受溝を設けたものが
使用されている。しかるに、この上下２段の溝付
のモールデイングは、同じフロントガラス板の上
部モールとしては使用できないため、別個の断面
形状に成形したモールデイングとＬ型のコーナー
継手を以て装着する構造となつている。従つて、
これらのフロントガラスのモールデイングは、左
右のモールと上部のモール及びＬ型のモール継手
との３種類の部品によつて装着する構造となつて
いるため作業性が大変に悪いと共に高価となる欠
点と、コーナー継手部分が非常に体裁が悪く、且
つ破損しやすい等の原因になつている。

（考案が解決しようとする問題点） フロントガラスのモールデイングにおいて、ガ
ラス板の左右の側部モールと上方の上部モールと
が個別の断面形状を有する２種類のモールを以て
ガラス板を張着したのを１種類のモールデイング
を以てガラス板を挟持させ、且つコーナー部分の
作業性を良好とすると共に、全体を美しく仕上げ
るようにし、そして、従来普通に使用されるコー
ナー継手を不要とすることによつて、体裁の大変
優れた強固なモールデイングを図ろうとするもの
である。

（問題点を解決するための手段） この考案におけるモールデイングは、挿着脚部
３の長手方向の側壁にモール頭部２の間に雨水受
溝７を設けて上部支持片５を突設させ、上部支持
片５の下方にはガラス挿入溝８を設けて下部支持
片６を形成する。前記挿入溝８の底部に所定間隔
を設けて係止孔９，９させ、この係止孔９，９に
係合する係合突部１３，１３を設けた挿入支持片
４を形成することによつて、上記目的の達成を計
つている。

（実施例） 次に、この考案の実施例を図面について説明す
ると、各種自動車等の各車輌１９における車体パ
ネル１６と、フロントのガラス板１０との間に嵌
装するモールデイング１は、硬質合成樹脂等を以
つて長手方向に形成され、その表面に露出する部
分のモール頭部２と、隙間に挿入する挿着部３と
を１体成形してある。この挿着脚部３には、その
長手方向の側壁にモール頭部２の下部に雨水受溝
７を形成して上部支持片５を水平方向に突設せし
めてある。次に該上部支持片５の下方には、ガラ
ス板１０が入る挿入溝８を設けて下部支持片６を
突設してある。この上部支持片５と下部支持片６
の間に設けた該挿入溝８には、その内底部に所定
間隔を設けて各種形成の係止孔９，９……を多数
列設せしめてある。

次に、該モールデイング１がガラス板１０の上
方の上部モール１２部分では、第６図に示す如
く、上部支持片５と下部支持片６とを基部の切断
部１８，１８から切除せしめてある。また、前記
係止孔９，９……に係合する挿入支持片４は、合
成樹脂を以て長手帯状に成形され、その長手方向
の１側に凹部１４，１４と係合突部１３，１３と
を各々所定間隔に形成せしめてある。また、該挿
入支持片４の他側には上方に膨出部１５を各々１
本的に成形せしめてある。符号１１は、ガラス板
１０の側面モール部であつて、この側面モール１
１，１１は、第５図に示す如く、上部支持片５と
下部支持片６との間に設けた挿入溝８にガラス板
１０の左右の両端縁を装着するものである。ま
た、前記上部モール１１の部分では、モール頭部
２と該挿入支持片４との間に該ガラス板１０の上
端縁を挿着するものである。１７は接着剤を示す
ものである。

（作用） この考案は上述の如き構成からなり、今この使
用法を図面について詳記すると、第１図に示す車
輌１９の車体パネル１６とガラス板１０との間に
第５図及び第６図の様にモールデイング１を接着
剤１７を介在して接着するものであるが、この考
案のモールデイング１は、ガラス板１０の左右の
側面モール１１，１１では、第５図に示す如く、
上部支持片５と下部支持片６との間には第２図に
示す如く、コーナー部分までのガラス板１０の両
端縁を挿嵌し、上部に雨水受溝７を形成した状態
で装着される。また、モールデイング１は、コー
ナー部分を境として屈曲される上部モール１２の
部分では、第６図に示す如く、上部支持片５と下
部支持片６との基部を切断部１８，１８より切除
し、その後に挿入支持片４の係合突部１３，１３
……を係止孔９，９……に挿着し、該挿入支持片
４と上部のモール頭部２との間にガラス板１０の
上方端縁を挿着して雨水受溝７の無い上部モール
１４を構成するものである。

（考案の効果） 以以の如く、この考案のモールデイングによれ
ば、１種類のモールデイングを以てガラス板の左
右の雨水受溝が付いた側部モールと、上方の雨水
受溝の無い連続した上部モールとを簡単に構成し
てガラス板を容易に張着できる効果と、前記モー
ルデイングの上部支持片と下部支持片とを切断
し、挿入支持片を嵌着するだけで雨水受溝のない
上部モール部分にガラス板の上端を容易に挟持固
定できると云う優れた効果がある。また、従来の
この種のモールデイングの様に、コーナー継手部
材を使用する必要がなく大変に経済的で安価とな
り、且つ１種類のモールデイングを屈曲して使用
できるため仕上がりが大変に美麗であると共に、
著しく強固に装着できる効果がある。そして、挿
入溝には所定間隔を設けて数個の係止孔を穿設せ
しめたことにより、挿着する挿入支持片の係合を
極めて簡単確実にでき、且つ上部支持片と下部支
持片との基部を切除することによつて雨水受溝の
無い上部モールが容易に構成されると云う便利な
効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案を使用した車輌の斜面図、第
２図はモールとガラス板との張着した部分の一部
欠除した斜面図、第３図は同じくモールデイング
の斜面図、第４図は挿入支持片の斜面図、第５図
は側部ールの断面図、第６図は第１図Ａ−Ａ線の
上部モールの断面図である。符号１はモールデイ
ング、２はモール頭部、３は挿着脚部、４は挿入
支持片、５は上部支持片、６は下部支持片、７は
雨水受溝、８は挿入溝、９は係止孔、１０はガラ
ス板、１１は側部モール、１２は上部モール、１
３は係合突部である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 各種車輌等のフロントにガラスパネルをモール
   デイングを以て張設するフロント用モールデイン
   グにおいて、該モールデイングは上部のモール頭
   部と下方の挿着脚部とで形成され、該挿着脚部の
   長手方向の側壁には、モール頭部の間に雨水受溝
   を介して上部支持片を突設し、該上部支持片の下
   方にはガラス挿入溝を設けて下部支持片を形成す
   ると共に、該挿入溝には所定間隔を設けて係止孔
   を穿設し、フロントの左右側面モールでは、該上
   部支持片と下部支持片との間にガラス板の両端縁
   を挿着し、フロントの上方の上部モールには、該
   上部支持片と下部支持片とを切除し、該係止孔に
   は所定間隔に係合突部を設けた長手方向の挿入支
   持片を嵌着し、該挿入支持片とモール頭部との間
   にガラス板の上方を嵌合した事を特徴とするフロ
   ント用モールデイング取着装置。