JPH0519204Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は自動車等の車輌のフロント部分の車
体パネルとガラスパネルとの間に介在するモール
デイングであり、１種類のモールデイングを用い
て雨水排水をする側部モール部分と上部モール部
分との両方の役目を連続して果すための自動車の
フロントガラス用モールデイングに関する。

（従来の技術） 従来この種の自動車等のフロントガラスに使用
するモールデイングは、車輌パネルとガラスパネ
ルとを接着剤を介して接着するものでは、車体パ
ネルの開口縁とガラスパネルとの境界とに生ずる
隙間を閉塞する目的と、外観を美しくするために
モールデイングを被嵌するものである。そして、
近年このモールデイングはフロントガラスの左右
側部には、ガラスパネルを嵌着する凹溝と、その
凹溝の上部に隣接して雨水が運行中に飛散して運
転席に浸入するのを防止するための雨水の流下溝
を設けたものが使用されている。然し、この上下
２段に凹溝部を設けたモールデイングは、同じフ
ロントガラスの上部モールとしては使用できない
ために、別個の断面形状に成形したモールデイン
グとＬ型のコーナージヨイントを使用してガラス
パネルを張設するように構成されている。従つ
て、これ等のフロントガラスのモールデイング
は、左右のモールと上部のモール及びモールデイ
ングとの３種類の部品によつて装着する構造とな
つているため作業性が大変に悪いと共に高価とな
る欠点と、コーナージヨイント部分の重合部が突
出したりして大変に体裁が悪く、且つ破損しやす
い原因となつている。

（考案が解決しようとする問題点） この考案は上述の各欠点であるフロントガラス
のモールデイングにおいて、ガラスパネルの左右
の側部モールと上方の上部モールとが別個の断面
形状の２種類を以てガラスを張着したものを１種
類のモールデイングを以てガラスを挟持させ、コ
ーナー部分の作業性を良好とすると共に、全体の
美麗に仕上げるようにし、且つコーナー継手を不
要とすることによつて、体裁の優れた強固なモー
ルデイングを得ようとするものである。

（問題点を解決するための手段） この考案のモールデイングは、上述の問題点を
すべて解決するために、挿着脚部３の側壁に長手
方向の嵌合凹溝６を設け、モール頭部２の端部に
下向の折曲片５を設ける。この折曲片５には上部
より切除片８、上部支持突片９とを形成させる。
また、該上部支持突片の先端には、該嵌合凹溝６
に嵌着する嵌合突部１０を形成することによつて
上記目的の達成を計つている。

（実施例） 次にこの考案の実施例を図面について説明する
と、自動車等の各車輌における車体パネル１９
と、フロントのガラスパネル１８との間に嵌装す
るモールデイング本体１は、合成樹脂を以て長手
方向に成形され、その上部のモール頭部２と、隙
間に固定される下部の挿着脚部３とを１体成形し
てある。この挿着脚部３には、パネルガラス１８
側の側面には、円形等の嵌合凹溝６を長手方向に
形成すると共に、下端には上向に折曲した下部支
持突片７を形成せしめてある。次に、該モール頭
部２のパネルガラス１８側には、端部下面に折曲
片５を垂下形成せしめてある。前記折曲片５は、
上部より切除片８とガラスパネル１８を挾持する
上部支持突片９を連接せしめる。この上部支持突
片９の下端には、該嵌合凹溝６に嵌着する嵌合突
部１０を形成せしめてある。符号１１は、折曲片
５の組立によつて形成される嵌合室を示し、この
嵌合室１１は、上部モール１６では切除片８を切
り取つて第６図に示す如くガラスパネル１８の上
端縁を挿着する溝の役目を果すものである。１２
は、第５図に示す如く、下部支持突片７と上部支
持突片９との間にガラスパネル１８を挿入するガ
ラスの嵌合溝である。また、１３は、上部モール
１６に使用する場合の切断線を示し、１４は、第
３図に示す如く、該折曲片５の切除片８の上下端
に位置する切断部を示したものである。次に、符
号１５は、モールデイング本体１をフロントに使
用した場合の左右に位置する側部モールであつ
て、この側部モール１５，１５は、コーナー部分
１７，１７と連続して該上部モール１６と１体的
に構成されている。２０は、車体パネル１９と挿
着脚部３との間に注入する接着剤である。２１
は、該切除片８と上部支持突片９との内面区境に
設けた屈曲用の凹条溝を示すものである。符号２
２は、第８図に示す従来例に使用する合成樹脂製
のＬ型状のコーナージヨイントを示し、このコー
ナージヨイント２２を介在して各々断面形状の異
なる側部モール１５と上部モール１６との２種類
のモールデイングを以てガラスパネル１８を張着
するものである。２５は、自動車等の車体を示し
たものである。

（作用） この考案は上記の如き構成であるから、今この
用法を説明すると、第１図に示す車体２５の車体
パネル１９とガラスパネル１８との間にモールデ
イング本体１を接着剤２０を以て接着するもので
あるが、予め、ガラスパネル１８の左右側面と上
部との外周に該モールデイング本体１を嵌着す
る。即ち、モールデイング本体１をガラスパネル
１８に装着するには、先ず、ガラスパネル１８が
第１図に示す様な左右の側面モール１５，１５で
は、第３図と第５図とに示す如く折曲片５の下方
先端の嵌合突部１０を嵌合凹溝６に嵌着した状態
で上部支持突片９と下部支持突片７との下方のガ
ラス嵌合溝１２にガラスパネル１８の左右側部を
第５図に示す如く挿着し、切除片８の表面より雨
水は流下するものである。この時、コーナー部分
の近くでは該挿着脚部３の下部の切断線１３と該
上部支持突片９は順次傾斜して切除し、上部モー
ル１６の部分では第４図と第６図に示す如くモー
ル頭部２と上部支持突片９との間の嵌合室１１に
ガラスパネル１８の上部縁辺を挿嵌してフロント
ガラスを１本のモールデイングを以て張着するも
のである。

（考案の効果） 以上のように、この考案のモールデイングによ
れば、１種類の断面形状に成形したモールデイン
グを以て左右の雨水排水用の側面モールと、上方
の雨水排水の必要がない上部モールとを容易に構
成してガラスパネルを張着できる効果と、従来の
様にモールデイングのコーナージヨイントを使用
する必要がなく大変に経済的であると共に、表面
が美しく外観の優れた仕上がりとなる効果があ
る。たま、１種類のモールデイングを屈曲して使
用できるため著しく強固に装着できる効果があ
る。そして、モール頭部の端部に下方に向つた切
除片と上部支持突片の下端に嵌合突部を設けた折
曲片を形成せしめたので、成形が容易であると共
に組立が簡単で、且つ運搬に対して大変便利とな
る効果と、使用時に該上部支持突片の先端を挿着
脚部の嵌合凹溝に嵌着することによつて上部支持
突片が確実に形成できる効果がある。また、フロ
ントガラスの上部モール部分を構成するには、挿
着脚部の下方の切断と該切除片との削除によつて
嵌合室にガラスパネルの上端縁を容易に挿着して
上部モールが簡単に構成できると云う従来にない
効果がある。

なお、この考案のモールデイングによれば、挿
着脚部の切断線による下部の切断と、切除片との
切り取りによつて嵌合室にガラスパネルの左右の
側部と上部とを嵌着することができ、普通のモー
ルデイングとしても使用できる効果がある。更
に、該切除片を切除しないで嵌合室を設けた状態
でも上部支持片と下部支持片と間にガラスパネル
を挿嵌すれば、１種類のモールデイングとしても
使用できる便利な効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の車輌のフロント部分の一部
欠除した正面図、第２図はモールデイングの斜面
図、第３図は同じく組立した断面図、第４図は上
部モール部分の断面図、第５図は、第１図Ａ−Ａ
線における左右の側部モールを車体パネルに装着
した断面図、第６図は、第１図Ｂ−Ｂ線の車体パ
ネルに装着した上部モール部分の断面図、第７図
は同じく側面モールと上部モールとのコーナー部
分にガラスパネルを張着した斜面図、第８図は従
来のモールデイングを用いた正面図である。符号
１はモールデイング本体、２はモール頭部、３は
挿着脚部、５は折曲片、６は嵌合凹溝、７は下部
支持突片、８は切除片、９は上部支持突片、１０
は嵌合突部、１１は嵌合室、１２はガラス嵌合
溝、１３，１４は切断部、１５は側部モール、１
６は上部モール、１７はコーナー部分、１８はガ
ラスパネル、１９は車体パネルである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 合成樹脂よりなるモールデイング本体は、上部
   のモール頭部と下部の挿着脚部とから成形され、
   該挿着脚部には一方の側面に嵌合凹溝を長手方向
   に形成し、該モール頭部の端部には、下方に向つ
   た折曲片を一体成形させ、該折曲片は基部より切
   除片と上部支持突片とを連接し、前記上部支持突
   片の下端には、該嵌合凹溝に嵌着する嵌合突部を
   形成した事を特徴とする自動車等のフロントガラ
   ス用モールデイング。