JP2541615B2 - 漏洩検査器及びこれの運転法 - Google Patents

漏洩検査器及びこれの運転法

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は向流原理で作動する漏洩検査器であつて、入
口側を漏洩検査器に接続した第1の高真空ポンプ段と、
入口側をテストガス検出器(例えば質量スペクトロメー
タ)に接続した第2の高真空ポンプ段と、入口側を高真
空ポンプ段の出口側に接続した前真空ポンプとを備えた
形式のものに関する。
従来の技術 この種の漏洩検査器はDE-PS第2049117号明細書に基づ
き公知である。ヘリウム分囲気又はヘリウム・空気混合
物を充てんした試験室の内部に位置する試験容器内に漏
れが生じた場合、テストガスは第1の高真空ポンプ段に
よつて搬送方向に漏れ個所を通つてプローベの内部へ流
入し、次いで−軽いガスのための圧縮能力が比較的小さ
いために−第2の高真空ポンプ段によつて搬送方向とは
逆の方向に質量スペクトロメータ(アナライザパイプ)
へ流れる。この種の漏洩検査器では、漏れが大きい場
合、比較的大量のテストガスが装置内へ達する危険が生
じる。このことは短時間の過負荷を招くのみならず、質
量スペクトロメータの長期間の汚染をも生じる。なぜな
らば、質量スペクトロメータからのヘリウムの最終的な
排除が比較的長いポンプ時間を要するからである。その
他の部材、特に前真空ポンプも比較的長くヘリウムによ
つて汚染され、従つて、過負荷の直後に行なわれる漏れ
測定には大きなエラーが付随する。
プローベが−しばしば行なわれるように−高真空ポン
プ段に接続できるようになるまでの間別体の導管を介し
て予め前真空ポンプに接続されていると、特に大きな漏
れが生じたさいにこの前真空作業中に、試験室中に存在
するヘリウムが大部分又は完全に排出されてしまうとい
う危険を生じる。その後、プローベが高真空ポンプ段に
接続され、本来の漏れ検査が開始されても、テストガス
はわずかにしか又はまつたく検出されない。その結果、
プローベは大きな非気密性を有するにもかかわらず、わ
ずかな漏洩しか有しないか又は気密性を有すると判断さ
れる。
本発明が解決しようとする問題点 本発明の課題は質量スペクトロメータの過負荷が生じ
ないように、かつ特に大きな漏れにさいしても検出が保
証されるように、かつ極めて大きな感度範囲にわたつて
自動的に進行する漏れ検査が可能であるように、冒頭に
述べた形式の漏洩検査器を構成することにある。
問題点を解決するための手段 上記課題を解決した本発明の要旨は、第2の前真空ポ
ンプが設けられており、その入口側が、調整弁を備えた
導管を介して漏洩検査器の入口に接続されていると共
に、絞りを備えた導管を介して第1の前真空ポンプの入
口側に接続されていることにある。
本発明の作用・効果 本発明に基づいて構成された漏洩検査器によれば、プ
ローベの排気の開始時にすでに漏れ検査を開始すること
ができる。このことのために、プローベは第2の前真空
ポンプによつて真空にされる。特別大きな漏れが存在す
ると、この時点ですでにテストガスが吸込まれる。両方
の前真空ポンプを入口側で互いに接続している、絞りを
備えた導管を介して、テストガスのわずかな部分が第2
の高真空ポンプ段の出口側へ達し、その場所からその搬
送方向とは逆の方向に質量スペクトルメータへ到達す
る。これによつて、プローベ内の著しく大きな漏れでも
検査可能である。絞りは充分小さく形成され、その結
果、過負荷の危険又は質量スペクトロメータの汚染の危
険が生じない。プローベのこの第1の排気過程でテスト
ガスが検出されなかつた場合、プローベ内の所定圧到達
後、第1の高真空ポンプ段の入口側がプローベにじかに
接続され、より高感度の漏れ検査が開始される。この排
気段階はプローベ圧力に依存して簡単に自動化可能であ
る。
実施例 図面に漏洩検査器が略示されており、その入口が符号
1で示されている。この入口1は互いに平行に案内され
た導管2と5及び導管7を介して高真空ポンプ段9に接
続されている。導管2内には絞り3及び弁4が、導管5
内には弁6が挿入されている。
この高真空ポンプ段は2段式ターボ・分子ポンプ11の
第1の段であり、その第2の段は第2の高真空ポンプ段
12から成る。第2の高真空ポンプ段12の入口側13にテス
トガス検出器、有利には質量スペクトロメータ14が接続
されている。高真空ポンプ段9,12の両方の出口側15,16
は共通して前真空導管17を介して第1の前真空ポンプ19
の入口側18に接続されている。前真空導管17にはさらに
圧力測定器20も接続されている。
ターボ・分子ポンプ11の両方の高真空ポンプ段9,12は
共通の1軸に配置されている。両入口側8,13はターボ・
分子ポンプ11の外端面領域内に設けられている。両方の
高真空ポンプ段9,12は運転中外側から内側へ(矢印21)
貫流され、その結果、1つの前真空接続部22だけが設け
られている。
漏洩検査器の入口1はさらに導管23を介して第2の前
真空ポンプ26の入口側25に接続されており、導管23内に
は弁24が挿入されている。この導管23にはさらに換気弁
27′及び圧力測定器28′が接続されている。
両方の前真空ポンプ19,26の入口側18,25は互いに平行
な2つの導管27,28を介して互いに接続されている。導
管27内には絞り29が設けられており、導管28内には調整
弁30が設けられている。
漏れ検査の経過を自動化するために中央制御装置31が
設けられており、これは符号を付さない制御導管を介し
て個個に弁4,6,24,27′,30並びに圧力測定器20,28′に
接続されている。
図示の漏洩検査器による漏れ検査は次のようにして行
なわれる。
まず弁4,6,24,30を閉じた状態でターボ・分子ポンプ1
1及び前真空ポンプ19をonにして漏洩検査器を運転準備
状態にする。質量スペクトロメータ14内の圧力が10-4
リバールより低くなるか、又はターボ・分子ポンプ11の
回転数がその目標値に達し、かつ前真空圧(測定器20)
が最大許容圧(例えば0.1ミリバール)より低くなつた
ときに、運転準備が完了する。
プローベ32は試験室33内に配置されて漏洩検査器の入
口1に接続される。試験室33内にはテストガス、有利に
はヘリウムが充てんされており、プローベに漏れが存在
すると漏れ検査時にテストガスがプローベ内に侵入す
る。−しばしば行なわれるように−ヘリウムをプローベ
に吹付ける方式では試験室33は不要である。
漏れ検査の導入のために、万一開いている通気弁27′
が閉じられ、導管23内に配置された弁24が開らかれる。
これによつて、プローベ32と前真空ポンプ26との接続が
形成され、これによつてプローベが真空にされる。
プローベが特別大きな漏れ(例えば1000〜0.1ミリバ
ールl/sの漏れ率)を有していると、すでにこの第1の
真空過程でヘリウムが吸出される。ヘリウムは導管27内
の絞り29及び前真空導管17を介してターボ・分子ポンプ
11の高真空ポンプ段12を通つて向流で質量スペクトロメ
ータ14へ達し、そこにおいて記録される。この場合漏れ
検査は中断され、弁24が閉じられる。通気弁27′を介し
てプローベ32の通気が行なわれ、プローベ32が入口1か
ら取出され、新しいプローベに替えられる。
プローベが大きく非気密性でないときは、プローベの
内部の圧力は、圧力測定器28′によつて記録されなが
ら、比較的迅速に低下する。圧力がほぼ100ミリバール
に達すると弁4が開らかれ、その結果、高真空ポンプ段
9が絞り3を介して導管23若しくは入口1に、ひいては
プローベに接続される。ほぼ0.1ミリバールの圧力まで
さらに真空にすると、ヘリウムがプローベ32内に侵入
し、次いでヘリウムは絞り3と両方の高真空ポンプ段9,
12を介して質量スペクトロメータ14に達する。この場
合、漏れ検査は中断される。ほぼ10〜10-5ミリバールl/
s程度の漏れ率を有する漏れがこの漏れ検査過程中に検
出される。
この過程中にヘリウムが質量スペクトロメータ14によ
つてまだ記録されなければ、高真空ポンプ段9への接続
が絞らずに開放してより高感度での漏れ検査が開始され
る。
そのことのために、プローベ32の圧力がほぼ0.1ミリ
バールに達したさいに弁24が閉じられ、弁30が開らかれ
る。これによつてプローベの排気は高真空ポンプ段9及
び両前真空ポンプ19,26によつて行なわれる。場合によ
つて連行搬送されたヘリウムはターボ・分子ポンプ11の
高真空ポンプ段12を通つて質量スペクトロメータ14に達
する。この漏れ検査過程ではほぼ10-3〜10-9ミリバール
l/sの漏れ率が検出される。
プローベが依然として気密であれば、その内圧はひき
続き低下する。内圧がほぼ2.10-2ミリバール(測定器2
0)に降下すると、弁30を閉じることによつて、さらに
高感度の漏れ検査過程が開始される。これによつて前真
空ポンプ系の吸込能力が著しく減少し、その結果、それ
に相応して漏れ検査が高感度となる。この過程でヘリウ
ムが質量スペクトロメータ14によつて記録されないと
き、このプローベ32は気密であると認定される。
前真空ポンプ26の吸込能力(例えば25又は36m3/h)は
効果的には前真空ポンプ19の吸込能力(例えば4m3/h)
に比して5〜10倍大きい。これによつてもたらされる利
点は、第1の漏れ検査過程でプローベ32の排気が比較的
迅速に行なわれることである。最終の漏れ過程で比較的
小さな前真空ポンプが有効であれば、漏れ検査の感度は
10-10ミリバールl/sまでの漏れが検出されるほど高い。
絞り29の大きさはほぼ1000ミリバールの圧力差でほぼ
0.1ミリバールl/sの漏れ率の漏れが示されるように選択
される。特別大きな漏れの第1の漏れ検査過程ではこの
値で充分である。圧力差が小さくなるにつれて、絞り29
を流れるガス流率は著しく迅速に減少し、そのため、他
の漏れ検査過程では無視できる。
絞り3は入力圧力(測定器28)が100ミリバールに等
しいか小さいときに前真空圧(測定器20)が0.1ミリバ
ールに等しいか小さいように調整される。4m3/hの吸込
能力(換言すればほぼ1/sに等しい)を有する前真空
ポンプでは0.1ミリバールl/sのガス流が流れる。絞り29
及び弁30に代えて調整可能な絞り弁を設けてもよい。
図面及び本文説明では試験室33内に配置されたプロー
ベ32が漏洩検査器の入口1に接続される場合だけが考慮
されているが、プローベ32自体をヘリウムによつて充て
んしてもよいのは勿論である。この場合には試験室33の
内部が漏洩検査器の入口1に接続される。さらに、探り
ホースを入口1に接続することもでき、これによつてヘ
リウムによつて充てんされたプローベが試験される。
図示の実施例では漏洩検査器の入口1と高真空ポンプ
段9との接続を最初は絞り、次いで絞らずに行なうため
に、弁4,5及び絞り3を備えた2つの互いに平行な導管
2,5が設けられているが、これらの部材の代りに所望の
最小ガス流率位置と、絞られない開位置との間で調整さ
れるただ1つの調整弁を設けることも可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の1実施例の略示図である。 1……入口、2……導管、3……絞り、4……弁、5…
…導管、6……弁、7……導管、8……入口側、9……
高真空ポンプ段、11……ターボ・分子ポンプ、12……高
真空ポンプ段、13……入口側、14……質量スペクトロメ
ータ、15,16……出力側、17……前真空導管、18……入
口側、19……前真空ポンプ、20……圧力測定器、21……
矢印、22……前真空接続部、23……導管、24……弁、25
……入口側、26……前真空ポンプ、27……導管、27′…
…換気弁、28……導管、28′……圧力測定器、29……絞
り、30……調整弁、31……中央制御装置

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】向流原理で作動する漏洩検査器であつて、
    入口側(8)を漏洩検査器の入口(1)に接続した第1
    の高真空ポンプ段(9)と、入口側(13)を質量スペク
    トロメータ(14)に接続した第2の高真空ポンプ段(1
    2)と、入口側(18)を両高真空ポンプ段(9,12)の出
    口側(15,16)に接続した前真空ポンプ(19)とを備え
    ている形式のものにおいて、第2の前真空ポンプ(26)
    が設けられており、その入口側(25)が、調整弁(24)
    を備えた導管(23)を介して漏洩検査器の入口(1)に
    接続されていると共に、絞り(29)を備えた導管(27)
    を介して第1の前真空ポンプ(19)の入口側(18)に接
    続されていることを特徴とする漏洩検査器。
  2. 【請求項2】漏洩検査器の入口(1)と第1の高真空ポ
    ンプ段(9)の入口側(8)とを接続させている導管
    (2)内に、調整弁(4)と絞り(3)とが相前後して
    配置されている請求項1記載の漏洩検査器。
  3. 【請求項3】調整弁(4)及び絞り(3)を備えた導管
    (2)に対して並列に別の導管(5)が設けられてお
    り、この導管(5)内に別の調整弁(6)が配置されて
    いる請求項2記載の漏洩検査器。
  4. 【請求項4】漏洩検査器の入口(1)と第1の高真空ポ
    ンプ段(9)の入口側(8)とを接続させる導管(2,
    5)の代りに、調整可能な絞り弁を備えた1つの導管が
    配置されている請求項1記載の漏洩検査器。
  5. 【請求項5】絞り(29)を備え両前真空ポンプ(19,2
    6)を接続させている導管(27)に対して並列に、調整
    弁(30)を備えた導管(28)が設けられている請求項1
    〜4のいずれかに記載の漏洩検査器。
  6. 【請求項6】絞り(29)及び調整弁(30)を備えた両導
    管(27,28)の代りに、調整可能な絞り弁を備えた1つ
    の導管が設けられている請求項5記載の漏洩検査器。
  7. 【請求項7】第2の前真空ポンプ(26)の吸込能力が第
    1の前真空ポンプ(19)の吸込能力に比して大きい請求
    項1〜6のいずれかに記載の漏洩検査器。
  8. 【請求項8】両前真空ポンプ(19,26)の入口側(18,2
    5)を互いに接続させている導管(27)内の絞り(29)
    の漏れ率が、ほぼ1000ミリバールの圧力差でほぼ0.1ミ
    リバールl/sである請求項1〜7のいずれかに記載の漏
    洩検査器。
  9. 【請求項9】両高真空ポンプ段(9,12)がターボ・分子
    ポンプ段として形成されており、そのロータが共通の1
    軸に配置されており、かつ、両高真空ポンプ段(9,12)
    が運転中外から内へ通流されるように、質量スペクトロ
    メータ(14)のための接続部(13)と、漏洩検査器の入
    口(1)のための接続部(8)とが互いに対向してポン
    プ系の外側の端面領域に配置されており、さらに、両高
    真空ポンプ段の間に共通の1前真空接続部(22)が設け
    られている請求項1〜8のいずれかに記載の漏洩検査
    器。
  10. 【請求項10】最初に漏洩検査器の入口(1)と第2の
    前真空ポンプ(26)とを接続させることを特徴とする、
    漏れ検査器の入口(1)に接続されたプローベ(32)を
    備えた請求項1記載の漏洩検査器の運転法。
  11. 【請求項11】請求項2記載の漏洩検査器の運転法にお
    いて、漏れ検査器の入口(1)と第2の前真空ポンプ
    (26)とを接続してプローベ(32)内の圧力をほぼ100
    ミリバールまで低下させた後に、入口(1)と第1の高
    真空ポンプ段(9)とを絞り(3)及び弁(4)を介し
    て接続させる請求項10記載の運転法。
  12. 【請求項12】請求項3記載の漏洩検査器の運転法にお
    いて、プローベ(32)内の圧力をさらにほぼ0.1ミリバ
    ールまで低下させた後に、漏洩検査器の入口(1)と第
    1の高真空ポンプ段(9)との接続を絞らずに開放する
    請求項11記載の運転法。
  13. 【請求項13】請求項5記載の漏洩検査器の運転法にお
    いて、プローベ(32)内の圧力をほぼ0.1ミリバールま
    で低下させた後に、漏洩検査器の入口(1)と第2の前
    真空ポンプ(26)の入口側(25)との接続を閉鎖して、
    漏洩検査器の入口(1)と第1の高真空ポンプ段(9)
    との接続並びに両前真空ポンプ(19,26)の入口側(18,
    25)相互間の接続を絞らずに開放する請求項10記載の運
    転法。
  14. 【請求項14】請求項5記載の漏洩検査器の運転法にお
    いて、ほぼ10-2ミリバールの圧力のさいに、両前真空ポ
    ンプ(19,26)の入口側(18,25)相互間の絞られなかつ
    た接続を閉鎖する請求項13記載の運転法。
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