JP2536747Y2 - 排水器具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】 本考案は、例えばバスユニット
の防水床パンの排水孔部に装着される排水器具に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】 バスユニットなどの床排水用の器具に
は、下水の悪臭が居室内へと逆流することを防ぐため
に、排水トラップが設けられている。また、浴室の床排
水には髪の毛などが混じるので目皿の下に毛止めが配置
されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】 ところで、上述の排
水器具においては、毛止めから排水トラップの封水面ま
での距離が非常に長い構造のものがある。例えば中高層
住宅向けのバスユニットなどでは、防水床パンを建築物
の床面に対してかなり高い位置に設置する仕様となって
いるため、排水トラップの封水面を防水床パンのレベル
に対してかなり低い位置に設定した構造としている。

【０００４】このような構造の排水器具によると、機能
的には問題はないが、毛止めから封水面までの距離が長
いので、排水後に毛止め等に溜まった水が水滴となって
落下して封水に当たったときには大きな音を発生し、そ
の音が非常に耳障りであるという問題があった。

【０００５】本考案は、上記の従来の問題点を解消すべ
くなされたもので、その目的とするところは、毛止めか
ら排水トラップの封水面までの距離が長くても、毛止め
に溜まった水の落下によって発生する音を軽減できる構
造の排水器具を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】 上記の目的を達成する
ための構成を、実施例に対応する図１を参照しつつ説明
すると、本考案は、例えば防水床パン１０に設けられた
排水孔１０ａの下方に配置される縦管１ａおよびこの縦
管１ａの底部にベンド部１ｃを介して連通する排水口１
ｂを有し、縦管１ａの上方端部から下方の所定高さ位置
に封水面Ｌが形成されるよう構成された排水トラップ１
と、縦管１ａ内の上方部に装着される毛止め２およびこ
の毛止め２の上方に配置される目皿３を備えた器具にお
いて、縦管１ａ内で、かつ毛止め２と封水面Ｌの位置と
の中間位置に、この縦管１ａの内径よりも外径が所定量
だけ小さい平板４が、略水平に沿うように吊り下げられ
ていることによって特徴づけられる。

【０００７】

【作用】 毛止め２に溜まった水は、平板４を吊り下げ
る鎖４ｂを伝って平板４に達し、この平板４上に一度滞
留する。そして、その滞留した水は平板４が傾く等によ
って封水へと落下する。このように、毛止め２に溜まっ
た水は、封水に直に落下するのではなく、ワンクッショ
ンをおいて封水へと落下するので、封水に対しての落下
距離は短くなる。

【０００８】

【実施例】 本考案の実施例を、以下、図面に基づいて
説明する。図１は本考案実施例の構造を示す縦断面図
で、図２はその実施例の防音板４のみを抽出して示す斜
視図である。

【０００９】排水トラップ１は、縦管１ａと、この縦管
１ａの上端から下方の所定の高さレベルに封水を行うた
めのＵベンド部１ｃと、このベンド部１ｃを介して縦管
１ａに連通する排水口１ｂを備えている。また、縦管１
ａ内の上方端部には、毛止め２がねじ込みによって装着
されている。

【００１０】縦管１ａの上方端部の周縁にはフランジ１
ｄが一体に形成されており、このフランジ１ｄを防水床
パン１０の排水孔１０ａの周縁部に位置合わせした状態
で、止め輪５を縦管１ａにねじ込むことによって、排水
トラップ１の防水床パン１０への装着を行うことができ
る。そして、目皿３は止め輪５へと嵌め込むことによっ
て装着される。なお、６は排水孔１０ａ周りの水密を確
保するためのパッキンである。また、排水トラップ１の
底部に接続されている配管７は、他の部位の排水との接
続用の配管である。

【００１１】さて、排水トラップ１の縦管１ａ内には防
音板４が挿入されている。この防音板４は毛止め２から
鎖４ｂによって略水平に吊り下げられており、その高さ
は封水面Ｌよりも上方に位置している。

【００１２】防音板４は、図２に示すように円形平板
で、その外径は縦管１ａの内径よりも数mm程度小さい。
また、防音板４には多数の貫通孔４ａ・・４ａが穿たれて
いる。なお、防音板４の材料としては、例えばゴム、ス
テンレスあるいは樹脂等の耐腐食性の優れたものを使用
する。

【００１３】ここで、以上のような防音板４を配置して
も、この配置部位で防水床パン１からの床排水が淀むこ
とはない。すなわち、防音板４は吊り下げ支持であるの
で、床排水が排水口１ｂから流出落下したときには、そ
の排水の衝突によって防音板４は傾き、これにより下方
への排水流路が開放されて、防水床パン１からの床排水
は排水口１ｂへとスムースに流れる。

【００１４】なお、以上の実施例では、排水性をより良
くするために防音板４に貫通孔４ａ・・４ａを設けている
が、この貫通孔４ａ・・４ａは必ずしも必要ではない。

【００１５】

【考案の効果】 以上説明したように、本考案によれ
ば、排水トラップの封水面と毛止めとの間に、縦管の内
径よりも外径が所定量だけ小さい平板を、吊り下げ支持
によって配置したので、毛止めに溜まった水は、封水に
直に落下せず、平板でワンクッションをおいた後に封水
に衝突する。これによって、毛止めと封水面との距離が
長い場合であっても水滴の落下音を小さくすることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案実施例の構造を示す縦断面図

【図２】 その実施例の防音板４のみを抽出して示す斜
視図

【符号の説明】

１・・・・排水トラップ １ａ・・・・縦管 １ｂ・・・・排水口 １ｃ・・・・Ｕベンド部 Ｌ・・・・封水面 ２・・・・毛止め ３・・・・目皿 ４・・・・防音板 ４ａ・・４ａ・・・・貫通孔 ４ｂ・・・・鎖 １０・・・・防水床パン １０ａ・・・・排水口

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 床に設けられた排水孔の下方に配置され
   る縦管およびこの縦管の底部にベンド部を介して連通す
   る排水口を有し、上記縦管の上方端部から下方の所定高
   さ位置に封水面が形成されるよう構成された排水トラッ
   プと、上記縦管内の上方部に装着される毛止めおよびこ
   の毛止めの上方に配置される目皿を備えた器具におい
   て、上記縦管内で、かつ上記毛止めと上記封水面の位置
   との中間位置に、この縦管の内径よりも外径が所定量だ
   け小さい平板が、略水平に沿うように吊り下げられてい
   ることを特徴とする排水器具。