JPS6326466Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （考案の対象、産業上の利用分野） 本考案は衛生設備の分野に使用される。

更に具体的には浴槽の分野に使用される。

本考案は、排水枡付き浴槽に関するものであ
る。

（従来技術とその問題点） 従来、風呂場の洗い場の排水口には、頭髪等の
ゴミと排水とを分離すべく、円盤に所要数の穴を
穿設した、いわゆる丸の目皿が設置使用されてい
たが、下水から虫や悪臭が上がつてくるため近年
では防虫、防臭対策を施こしたトラツプ付分離装
置が使用されるようになつている。

しかしながらトラツプ付分離装置には、 (イ) トラツプを有するため排水効率が悪く、排水
の量が少し多い場合や、丸の目皿に髪の毛がた
まつたりするとすぐに排水はとどこおり、排水
口周辺には排水があふれ不潔である。

(ロ) トラツプ付分離装置は洗い場の隅一箇所に設
けられるため、洗い場の床全体を分離装置に向
つて傾斜をつけなければならないが、このこと
は工事の際に非常に手間がかかり、また床タイ
ル等も大きいものを使用すると、この勾配がつ
けにくいため、タイルの寸法はどうしても小さ
いものになつてしまう。

という欠点がある。

本考案者はこの欠点を解決すべく実願昭57−
173730号、実願昭59−70015号においてトラツプ
付分離装置を設けた排水枡を提案している。

また、トラツプ付分離装置を設けた排水枡は主
として浴室に設置されるため、実願昭57−194176
号においてトラツプ付分離装置を設けた排水枡を
浴槽と一体化した浴槽を提案している。

しかし、この浴槽は排水枡を浴槽と一体化して
いるので次のような問題点がある。

(イ) 家屋からの排水は排水溝（下水溝）に流され
るのであるが、浴室の洗場の高さと、浴槽の高
さは排水溝の高さによつて左右される。

しかし上記した浴槽の場合は排水枡が取り外
せないため自由がきかず、すべての家屋には適
合しない。

(ロ) 排水枡の設置位置は一定ではなく、洗場の形
状によつて変えた方が好ましい場合もあるが、
排水枡が取り外せないため自由がきかない。

（本考案の目的） 本考案の目的は、 (イ) トラツプ付分離装置を使用しても排水が洗い
場にたまらず、また洗い場に傾斜をつけやすく
して床に大型のタイルを使用しやすいようにす
ること、 (ロ) トラツプ付分離装置を設けた排水枡を浴槽と
別体とし、排水溝の高さによつて左右されず、
また排水枡を、洗場の形状かかわらずどのよう
な位置にでも設置できるようにすること、 (ハ) 排水設備を簡素化すること 等を満足する排水枡付き浴槽を提供するものであ
る。

（考案の構成） 上記目的を達成するために講じた本考案の技術
的手段は次のとうりである。

即ち、 浴槽本体と； 浴槽本体とは分離して形成され、排水口にトラ
ツプ分離装置を装着している排水枡と； を備えており、 浴槽本体の排水部と排水枡の排水部とは連結管
を介して接続してあること、 である。

（実施例） 本考案を図面に示した実施例に基づき更に詳細
に説明する。

第１図は浴槽を斜め下方から見た斜視図、第２
図は浴槽と排水枡の配置例を示す平面図、第３図
は浴槽と排水枡の他の配置例を示す平面図であ
る。

１００は浴槽で、プラスチツク、ホーロー、ス
テンレス、木、タイル等各種のものがあげられ
る。

１は浴槽とは別体に形成してある排水枡で、詳
細な構造については後述する。

なお、浴槽１００に排水枡１を装着できるよう
にしても良い。

浴槽１００の底部に設けてある排水口１０２か
ら排水管１０１が垂設してある。

排水枡１の底板１２に取りつけてあるトラツプ
付分離装置３の排水口には、蛇腹管等の可撓性を
有する連結管２００の一端が装着してあり、他端
は前記排水管１０１に連結して排水管を一本化し
ている。

なお、逆に排水管１０１の排水口に可撓管２０
０の一端を装着し、可撓管２００の他端をトラツ
プ付分離装置３の排水口に連結して排水管を一本
化しても良い。

また、連結管２００は可撓管に限定されるもの
ではなく、通常の塩化ビニル管でも支障はない。

第４図は、排水枡の第１の実施例を示す分解斜
視図である。

排水枡１は、金属板、プラスチツク、陶磁器等
で作られ、上部が開口した所要長さの直方体に形
成してある。そうして開口部周縁には洗い場の床
と同一平面になるフランジ１１が形成してある。

排水枡１の底板１２は、長さ方向の一方から他
方にかけて傾斜を設け、傾斜端には排水口１３が
形成してある。排水口１３には丸の目皿の下部周
囲に、螺子を刻設したトラツプ付分離装置３が挿
入され、締付リング３１で底板１２を挟着して固
定されている。

排水枡１に被せられる蓋２は、金属板、プラス
チツク、陶磁器等で作られ、蓋２には蓋２の上面
が排水枡１の上面と略同じ高さになる支脚部２１
を有している。そうして蓋２は排水枡１に嵌挿さ
れ、蓋２の上に重量が掛つても取り外れたり変形
したりしないようにしている。

蓋２には排水を排水枡１に流し込む所要数の排
水孔２２が形成されており、端縁には排水枡１か
ら取り外しやすいように指掛部２３を形成してい
る。

本実施例に係る排水枡は、排水枡１の底板１２
に傾斜を設けて水を流れやすくしているので排水
枡１の上面は洗い場の床と平行に設置することが
でき、工事がやりやすい。

また、排水枡１の内面は平滑であるので掃除が
しやすい。

第５図は、排水枡の第２の実施例を示す分解斜
視図である。排水枡１の開口部に段部を１５を設
けて平板状の蓋２０を載置できるようにしてい
る。

なお、第１の実施例と同一箇所には同一符号を
付して示す。

本願に係る浴槽を浴室に設置場合は、第１図に
示すように浴槽１００に沿つて設置するのが一般
的であるが、浴室の形状や状態によつては第２図
に示すように浴槽１００から離したり、第３図に
示すように浴槽１００を取り巻くように設置でき
る等、設置には色々な変形が可能である。

（考案の効果） 本考案は、浴槽本体と；浴槽本体とは分離して
形成され、排水口にトラツプ付分離装置を装着し
ている排水枡と；を備えており、浴槽本体の排水
部と排水枡の排水部とは連結管を介して接続して
ある構造としたので、次の効果を生じる。

(a) トラツプ付分離装置を設けた排水枡は浴槽と
別体であるため、排水枡は浴槽との高さ関係を
自由に変えることができ、屋外の排水溝の高さ
の影響を受けず、また排水枡を、洗場の形状か
かわらずどのような位置にでも設置できる。

(b) 浴槽の排水部と排水枡の排水部とは連結管を
介して接続してあるので、通常必要な浴槽の排
水と洗場の排水を一箇所にまとめることがで
き、排水設備を簡素化することができる。

(c) 排水口にトラツプ付分離装置を装着して使用
する場合でも、排水は排水枡に流れ込むので排
水が洗場にたまらない。

(d) 排水枡を所要長さに形成して洗い場の一隅の
辺に沿つて埋設すれば、洗場の傾斜は一方向だ
けつければ良い。

したがつて傾斜をつけやすいので床に大型の
タイルを使用することができ、工事が簡単であ
る。

(e) 床の勾配が取りやすいので洗い場に使用する
材料（タイル、石等）を幅広く選ぶことができ
る。

(f) 蓋を装着した場合でも蓋は容易に取り外すこ
とがでるので中の掃除がやりやすい。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は浴槽を
斜め下方から見た斜視図、第２図は浴槽と排水枡
の配置例を示す平面図、第３図は浴槽と排水枡の
他の配置例を示す平面図、第４図は排水枡の第１
の実施例を示す分解斜視図、第５図は排水枡の第
２の実施例を示す分解斜視図である。 １００：浴槽、２００：連結管、１：排水枡。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 浴槽本体と； 浴槽本体とは分離して形成され、排水口にトラ
   ツプ付分離装置を装着している排水枡と； を備えており、 浴槽本体の排水部と排水枡の排水部とは連結管を
   介して接続してあることを特徴とする排水枡付き
   浴槽。