JP2536668B2 - 鋼板の平坦度測定装置 - Google Patents

鋼板の平坦度測定装置

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、鋼板の平坦度測定装置に関し、詳しくは、
搬送される鋼板の平坦度を高精度、高速に測定する装置
に関する。
[従来の技術] 鋼板の自動切断や自動溶接の普及、品質上の要請等か
ら、鋼板の平坦度に対する要求が高まっているが、平坦
度の自動測定の従来の試みとして、例えば実開昭57−15
6810号公報がある。
この方式は、搬送テーブル上に載置された鋼板の長手
方向に移動可能な門型の架台を設け、該架台の水平部材
に接触式の測定器を複数個板幅方向に等間隔に配置し、
これらの測定器により鋼痛から測定器が取り付けられた
架台の水平部材までの距離を測定し、演算器で比較計算
して平坦度を測定するものである。
[発明が解決しようとする課題] しかし、例えば再矯正過程の前後あるいは平坦度検査
ラインにおいては、鋼板は通常ロールピッチ600〜900mm
の搬送ロール上を30〜90m/minの速度で搬送する。それ
故、ロールの曲がり、偏心、摩耗等に起因するロールの
形状不良やロール軸受のガタツキ等により鋼板のパスラ
インが変動する。また、搬送中に鋼板は振動し、バタツ
キが起こる。
加えて、オンライン測定器に対する要求はかなり厳し
く、測定スパン0〜20mmにおいて±1mm以内とされる。
したがって、測定器の探触針を常時鋼板表面に接触させ
ておかなければならない従来方式では、鋼板のパスライ
ン変動やバタツキの影響を受け、高精度の平坦度測定は
不可能である。
また、従来法に限らず非接触式距離計を用いた場合と
いえども、第9図に示すように、個々の距離計の出力は
波打ち、複数の出力を並べて表示しても鋼板の歪、急峻
度を明確に把握できない。この原因は、鋼板のパスライ
ンが変動することにあると考えられる。
すなわち、たとえ歪のほとんどない標準的な鋼板の平坦
度を計測する場合でさえも、第8図に示すように、距離
計の出力は、周期的な波形信号となってしまう。この波
形は鋼板の幅、厚さ、長さとは無関係に現れること、し
かもその周期は正確にロール周長(データ数にして20デ
ータに相当)であること、これを受けて実際に距離計設
置位置前後のロールについてロール真円度を調べたとこ
ろ非真円性が有ること、を出願人は確認している。つま
り、距離計の出力が周期的な波形信号となるのは、主と
してロールの曲がり、偏心、摩耗等に起因するロールの
形状不良やロール軸受のガタツキ等により鋼板のパスラ
インが変動することが原因と推察できる。
結局、非接触式距離計を用いる等の種々の工夫をした
ところで、距離計の原出力波形から、鋼板のパスライン
変動の影響成分を除去しない限り、高精度の平坦度測定
は不可能というわけである。
本発明は、上記の知見に基づき、鋼板のパスライン変
動やバタツキの影響を、設置した距離計の出力から除去
し、高精度かつ高速の平坦度測定を可能にする装置を提
供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記の目的を達成する本発明に係る装置は、 まず第一に、搬送される鋼板の平坦度測定装置であっ
て、隣接する一組の搬送ロール間で板幅方向に等間隔で
配置する複数の非接触式距離計と、鋼板のパスライン変
動の影響成分をこの距離計の出力から除去する第1の演
算器と、該第1の演算器の出力に基づき鋼板の平坦度ち
関する指標、すなわち、長手方向歪、幅方向歪、最大急
峻度、先端または尾端の反り、2m歪、1m歪のうち少なく
とも一つを演算する第2の演算器と、を備え、、第1の
演算器が、搬送ロールの周長に等しい周期の近似周期関
数に係る基本波形を、非接触式距離計からの原信号波形
から除去する機能を有するものである。
第二に、第1の演算器が、上記基本波形のみならずそ
の高調波成分をも、非接触式距離計からの原信号波形か
ら除去する機能を有するものである。
第三に、第1の演算器が、上記基本波形成分を、差動
くし型フィルタを用いて、非接触式距離計からの原信号
波形から除去する機能を有するものである。
[作 用] 非接触式距離計を用いることにより、接触式距離計を
用いる場合に起こる鋼板のパスライン変動やバタツキに
係る悪影響を回避できる。しかも非接触式距離計を板幅
方向に複数個等間隔で配置することにより、鋼板長手方
向及び板幅方向において、所定のピッチで鋼板搬送中に
鋼板面からパスラインまでの距離情報を一度に、したが
って高速に得ることができる。
構造的観点から、非接触式距離計の設置位置を隣接す
る搬送ロール間に設けたアイドルころ近傍の搬送方向前
方とし、しかも電気信号処理の観点から、この距離計の
出力信号をローパスフィルタを通して演算することによ
り、鋼板のバタツキによる振動の影響成分をほとんど問
題のない程度に除去できる。すなわち、鋼板の振動に起
因して距離計の出力に現れていたショックノイズ状の信
号がほとんど現れなくなる。
なお、アオドルころを搬送ロール間だけでなく搬送ロー
ルの鋼板搬送方向前方及び後方にも設けることにより、
上記鋼板の振動の影響成分をほとんど全部除去できる。
次に、鋼板の振動は搬送ロールの偏心、曲がり、摩耗
等によっても発生する。第7図は搬送ロールの偏心があ
る場合の非接触式距離計の出力画面の一例を示すもの
で、第8図は第7図の或るチャンネルの一区間を取り出
したものである。第8図にみられるように、この振動波
形はロール周長に関係する周期T(この場合T=20デー
タ分に相当する)の規則正しい周期関数である。そして
これをスペクトル解析したものが第9図である。これよ
り、上記周期関数はロール周長を周期とする基本波成分
が主であり、高調波成分は高次になるに従い減少するこ
とがわかる。
第10図は原信号波形が波打ち波形と歪信号波形との重
畳したものであることを示している。
そこで、歪波形(第10図(c))を求めるには、非接触
式距離計の原出力波形(同図(a))から鋼板のパスラ
イン変動の影響成分を現す波打ち波形(同図(b))を
差し引けばよい。
ところで、先に述べたように本課題の波打ち波形は基本
波が主なので、基本波のみを原信号波形より差し引け
ば、歪信号波形に近似した波形が得られることになる。
そしてまた、より高精度の結論を得ようとする場合に
は、基本波のみに止まらず、より高調波まで考慮した近
似を行えば足りる。本発明は、より高調波まで考慮する
場合を排除するものではない。
そこで、いま、鋼板のパスライン変動の影響成分を、
(1)式のように近似する。
ここで、Aは振幅であり、 とする。ψは初期位相であり、tan-1(a1/b1)とする。
a1,b1はそれぞれ(2)式、(3)式で表される。
但し、f(i)は引接触式距離計からの原信号波形であ
り、n1は最初のデータ番号、n2は最後のデータ番号であ
る。
Tは搬送ロール周長相当距離間で等間隔に採るデータ数
である。第8図、第9図ではT=20であったが、これに
限定されないことはいうまでもない。iはデータ番号、
すなわち、n1からn2までの総計T個あるデータのうちの
任意のデータの番号である。
すると、距離計により得られた距離情報から歪信号波
形h(i)は、(4)式により求めることができる。
第1の演算器は、(4)式に基づいて演算を行い、各
距離計毎に所定ピッチで個々のデータ採取を行う。
第2の演算器は、この採取されたデータに基づき平坦
度を求める。すなわち、鋼板の平坦度に関する長手方向
歪、幅方向歪、最大急峻度、先端または尾端の反り、2m
歪、1m歪のうち少なくとも一つを演算する。
以上により、距離計により得られた距離情報から鋼板
のパスライン変動の影響成分を除去することができ、高
精度の歪信号の抽出が可能となる。
また、上記(1)式中のA,ψの値を求めるのに、一般
にはフーリェ級数法が利用されるが、公知のくし型フィ
ルタを応用した差動くし型フィルタを用いることもでき
る。
第11図に示すように、差動くし型関数g(i)を、i
=0からT/2毎に値+1,−1,+1,…と交互にとる関数と
する。これを一般式に書き直すと次のようになる。
ここで、δはδ関数で、( )内の中の変数が0の値
をとるiの値に対して+1を与える関数であり、それ以
外は0となる。1nt(x)は実数値xを超えない最大の
整数値を与える関数である。そしてこの差動くし型関数
g(i)と原信号波形f(i)の相互相関をとると、 となる。これは、f(i)とg(i)のたたみ込みでも
あり、f(i)に差動くし型フィルタを作用させたのと
同じである。g(i)のフィルタ特性は第12図のようで
あり(図中、Δはデータ採取間隔)、基本波(1次)と
3次、5次…等の奇数次高調波をパスする。奇数次高調
波成分は第9図のように基本波に比して十分小さいの
で、 は基本波振幅Aに近似する。
したがって、求める基本波は振幅A,初期位相ψを用いる
と、近似的にA・sin(2πi/T+ψ)となって、上記
(1)式と同じになる。
よって、A,ψの値はそれぞれ(8)式、(9)式より計
算することができる。
但し、n1は最初のデータ番号、n2は最後のデータ番号、
Tはロール周長相当距離間で等間隔に採るデータ数、
m′は(8)式の{ }内を最大にするmである。
[実施例] 第1図は本発明に係る鋼板の平坦度測定装置の一実施
例を示す概略構成図、第2図は第1図の測定領域の側面
図である。
この実施例では、複数ある鋼板10の搬送ロールのうち
所定の隣接する搬送ロール2a及び2bと、鋼板10のパスラ
イン4と一致するように搬送ロール2a及び2bの間に設置
したアイドルころ5aと、隣接する搬送ロール2a及び2bに
関し鋼板搬送方向のそれぞれ前方に及び後方に設置した
アイドルころ5b及び5cと、により鋼板10の搬送テーブル
1が構成される。
測定領域3においては、複数込の非接触式距離計6が
鋼板10の下側で、鋼板の幅方向に等間隔で配置されてお
り、しかもその配置位置はアイドルころ5aの近傍で、鋼
板搬送方向前方である。もっとも鋼板搬送方向後方の位
置でもよい。なお、それぞれのアイドルころ5a,5b,5cは
ローラ状のものを10個位に分割したものであり、搬送テ
ーブル1の全長にわたって設置する必要はなく、測定領
域3及びその前後の所定範囲にわたって設置すればよ
い。
非接触式距離計6としては、測距精度、リフト・オフ、
測定レンジ、対象物体の反射率変化に対する応答性等の
点で優れている三角測距方式のレーザ距離計を用いてい
る。
なお、三角測距方式またはレーザ距離計に限定されるも
のではない。
非接触式距離計6は、250〜250mmの間隔で16個設置して
いる。この測定メッシュは、鋼板の幅方向の歪の変化を
とらえるのに必要かつ十分な細さである。
各非接触式距離計6より搬送中の鋼板10の下面にレー
ザビームを垂直に投光し、反射光を受光することにより
鋼板面からパスライン4までの距離情報を得る。この距
離情報は、各チャンネルごとコントロールルーム7内に
設置したコントローラ8にそれぞれローパスフィルタ11
及びアンプ12を通して入力される。
ローパスフィルタ11を通すことによって、非接触式距離
計6の出力波形から、まず鋼板10の振動の影響成分をほ
とんど除去できる。さらに測定領域3及びその前後の所
定範囲に設置したアイドルころ5a,5b,5cにより、搬送さ
れてくる鋼板10の先端及び尾端が搬送ロール2aに直接衝
突したり、搬送ロール2bから急に脱落したりすることが
なくなるため、円滑な支持が可能となり、これによって
鋼板10の振動の影響成分がほとんど完全に除去できる。
なお、ローパスフィルタ11は鋼板の常用搬送速度におい
て上限周波数が5Hz近辺となるように設定している。ほ
とんどの場合、鋼板のバタツキ振動数は5Hz以上である
ことによる。
各非接触式距離計6からの距離情報はコントローラ8
内の第1の演算器13に入力され、また測定領域3の近傍
にある搬送ロール2bに連結したパルス発生器14により、
その搬送ロール2bの1回転あたりの所定パルス数(例え
ば1回転あたり600パルス数)を発生するようにし、そ
のパルス数をパルスカウンタ15で計数し、ロール1周期
を決め、あらかじめ実測しておいたロール周長の距離間
を上記パルス数を基に等間隔に分周することにより、採
取すべきデータ数T(実施例では20データ分)を入力装
置17で設定する。このデータ数Tは第1の演算器13に入
力される。そして第1の演算器13において、前記(4)
式に基づき演算を行うことにより、各非接触式距離計6
からの原信号波形f(i)から鋼板10のパスライン4の
変動に起因する影響成分を除去した歪信号波形h(i)
が個々に得られる。
第3図(a)はパスライン変動修正前の、すなわち任
意の1基の非接触式距離計6からの原信号波形それ自体
を示すものであり、第10図(a)に相当するものであ
る。
パスライン変動修正前は、搬送ロールの曲がり、偏心、
摩耗等に起因するロール形状不良やロール軸受のガタツ
キ等による鋼板の振動影響成分が除去されていないの
で、歪発生位置等の異常個所を検知できない。
そこで、第1の演算器13において非接触式距離計6から
の出力からパスライン変動の影響成分を除去する処理を
行う。
この除去処理は、鋼板10のパスライン変動の影響成分
を、前記(1)式のように近似することによって、行う
ことができる。すなわち、鋼板の振動の周波数解析の結
果、鋼板のパスライン変動の影響成分は、ほとんどの場
合第10図(b)に示すような波付ち波形となって現れ、
この波打ち波形は、ロール周長を周期とする基本波 Asin(2πi/T+ψ) …(1) で近似できるのである。
但し、A:振幅(mm) i:データ番号 T:採取するデータ数 ψ:初期位相 (1)式はまた、 Asin(2πi/T+ψ) =Acosψ・sin2πi/T+Asinψ・ cos2πi/T …(1a) とも書ける。
目的は、原信号波形(第10図(a)参照)に含まれる。
波打ち波形のA,ψの値を求めて、(1a)式の値を原信号
から差し引くことである。
そこで、目的の歪信号波形をh(i)とすれば、原信号
波形f(i)は、 f(i)=h(i)+Asin(2πi/T+ψ) で表される。
この原信号波形f(i)は歪信号波形h(i)が加わ
っているので、厳密な意味での周期関数ではないが、波
打ち波形のみを誤差少なく抽出する方法として、フーリ
ェ級数の第1項a1,b1を求める方法を拡張利用するもの
である。
a1,b1を次式で定義すると、 但し、n1:最初のデータ番号 n2:最後のデータ番号 ここで両式の右辺第1項は、cos2πi/T,sin2πi/T共
に順次正負の値を採り、h(i)との積の和は相殺され
て余り大きくならず、n2−n1はデータ数が大きいほど大
きくなるので、多くの場合この第1項は無視できる。し
たがって、 a1≒Asinψ b1≒Acosψ または ψ≒tan-1a1/b1 …(11) (10)式、(11)式により、a1,b1の値が求まればA,ψ
の値が計算できるので、(1a)式の値が求まる。
以上の方法で鋼板10のパスライン変動の影響成分を除
去して得られた波形、つまりパスライン変動修正後の波
形が、第3図(b)に示すものである。この第3図
(b)は第10図(a)の非接触式距離計6からの原信号
波形から第10図(b)の波打ち波形を除去した実際の歪
信号波形を示すものであり、したがってこの歪信号波形
に基づき以下に述べる鋼板の各種の歪(平坦度)を測定
することができる。
すなわち、第1の演算器13の出力は次に第2の演算器16
に入力され、この第2の演算器16において第1の演算器
13の出力から鋼板10の平坦度に関する所要の歪計算を行
う。
歪計算の事項は、第4図に示すように、次の5項目のう
ち少なくとも1つである。実施例では全部の項目につい
て行っている。
(1)長手方向歪(第4図(a)参照) 長手方向歪は、各チャンネルの歪最大値と歪最小値の
差である。すなわち、 長手方向歪=|歪最大値−歪最小値| さらにその値のチャンネル間での最大値も求める。
(2)幅方向歪(第4図(b)参照) 幅方向歪は、各幅方向断面での歪最大値と歪最小値の
差の、全長にわたる最大値である。
幅方向歪=|歪最大値−歪最小値| (3)最大急峻度(第4図(c)参照) 最大急峻度は、山の高さを山ピッチで除した値の全山
での最大値である。
最大急峻度=[hi/li]全山最大 (4)先端または尾端の反り(第4図(d)参照) 先端または尾端の反りは先端・尾端の不感帯を除く部
分での反り量である。なお、鋼板の先端・尾端では反り
が発生している場合があるので、この部分は不感帯とし
て測定の対象から除くようにしている。
反り=Δh (5)1m歪、2m歪(第4図(f),(e)参照) 1m歪、2m歪は、それぞれ1m,2mの区間にある最も高い
山2つの頂点の間に線分を引き、その間の最も低い谷と
その線分との間隔である。全長について最大値を求め
る。
1m歪・2m歪=[hi]全長最大 第2の演算器16の出力はオペレーションルーム18のCRT1
9,プリンタ20等に出力され、測定データを表示もしくは
記録する。なお、鋼板10の搬送中であることの検出はパ
スディテクタ21により行われる。
第5図は鋼板の平坦度測定の処理フローを示すフロー
チャートであり、次にこれについて説明する。
(1)まず、鋼板10が検査テーブル(搬送テーブル)1
に進入してきてパスディテクタ21により通検がONすると
ともに、プログラムが起動する(ステップ30)。
(2)鋼板−センサ(非接触式距離計)間の距離データ
ブロックと、鋼板−パスライン間の距離(歪)データブ
ロックをクリアする(ステップ31)。
(3)先端がセンサ列上に達し、さらに先端不感帯の間
のデータは、測定データとして採用しない(ステップ3
2)。
(4)分周器パルス(50mm毎)があるごとに全チャンネ
ルのデータをA/D変換し、上記2つのデータブロックへ
ストアする(ステップ33)。
(5)通検がOFFし、尾端がセンサ列上に達した時点か
ら遡って尾端不感帯の間のデータは、測定データとして
採用しない(ステップ34)。
(6)全チャンネルについて第4図の各種歪項目の演算
を行う(ステップ35)。
(7)CRTに演算結果を表示し、裏画面のVRAMにも画面
情報を出力する(ステップ36)。
(8)プリンタに演算結果を出力する(ステップ37)。
(9)次材が来るまで待機する(ステップ38)。
第6図は上記の手順で求めた歪のうち、長手方向歪、
幅方向歪、及び急峻度についての測定結果を示すもので
ある。
なお、第7図と第6図の関係は、第3図の(a)と
(b)との関係に等しい。つまり、修正の前後を表す比
較図であり、第7図ではパスライン変動の影響成分が全
く除去されていないので歪の実際値を把握できないのに
対し、第6図ではパスライン変動の影響成分が除去され
ているため、歪の実際値を明確かつ正確に把握できる。
さらにこれについて説明する。第13図(a)はパスラ
イン変動修正前の中央、両端の合計3基の非接触式距離
計6からの原信号波形それ自体であり、第10図(a)に
相当する。パスライン変動修正前は搬送ロールの曲が
り、偏心、摩耗等に起因するロール形状不良による鋼板
の振動影響成分が除去されていないので、歪発生位置等
の異常個所を検知できないとともにその量も正しいもの
とはならない。例えば、図中の…2…,…1…はそれぞ
れ2m歪、1m歪の場所を示し、欄外に示した1m,2mの値が1
m歪、2m歪の値であるが、鋼板の振動影響成分が除去さ
れていない分、、不明瞭、不正確なものとなっている。
なお、第13図(a)はロール偏心が比較的小さく、振幅
が0.3〜0.1mm位の場合であるが、振幅が0.6mm程度にな
るときもしばしばであり、その場合には上記の悪影響は
より顕著になる。
この除去処理は鋼板のパスライン変動の影響成分を前
記(1)式のように近似することによって行うことがで
きる。
前記(4)式より であるから、 となる。ここで、f(i)は原信号波形、h(i)は歪
信号波形であり、 である。(6)式の右辺第2項はh(i)に+1,−1を
かけて総和をとったもので右辺第1項に比べて十分小さ
くなる。つまり、差動くし型関数g(i)と原信号波形
f(i)の相互相関をとることによって が導かれる。但し、m′は(8)式の{ }内を最大に
するmである。
第11図は本発明における差動くし型フィルタの波形図
であり、T=20の場合の差動くし型関数g(i)を示す
ものである。また、第12図はこの差動くし型フィルタの
特性図であり、基本波W1と奇数次高調波W3,W5,…のみを
パスする。第12図において、Δはデータ採取間隔であ
る。
ここで、差動くし型フィルタを用いることとした理由は
以下のとおりである。
基本波が前記(1)式で示されるときのA,ψの値を求
めるのに、第14図(a),(b)に示すような従来のく
し型フィルタを通すこととしてもよいが、しかしこれで
は直流成分(DC)WDCも拾ってしまい、微小な元信号の
パスラインからの浮き上がりがAの値の算出に影響を与
えることになる。
そこで、第15図(a),(b)のように従来のくし型
フィルタを変形した差動くし型フィルタを用いる。つま
り、g(i)をi=0からT/2毎に+1,−1を交互にと
る関数とする。これは、そのような差動くし型フィルタ
機能を持つアルゴリズムをプログラムに組み込む。そう
すると、差動くし型フィルタを通過するのは、基本波W1
と奇数次高調波W3,W5,…のみとなり、直流成分と偶数次
高調波成分は拾わない。よって、より高精度なAの値の
算出が可能となるのである。
かくして、パスライン変動修正後の波形は第13図
(b)のようになる。これにより、異常個所がより明白
に現れ、かつ測定精度も向上する。
このようにしてロール偏心を補正した場合の、ほとん
ど歪の無い鋼板についての測定例を第16図に示す。同図
(a)はパスライン変動修正前、同図(b)はその修正
後の歪信号波形であり、同図(b)にみられるように、
ほとんど歪が無い場合であっても、より高精度の平坦度
測定が可能となっている。
[発明の効果] 本発明の効果を列記すれば次のとおりである。
(1)非接触式の距離計を用いるとともに、第1の演算
器でその距離計の出力から鋼板のパスライン変動の影響
成分を除去するようにしたので、搬送中の鋼板の実際の
歪波形を高精度に得ることができる。
(2)したがって、複数の非接触式距離計を隣接する搬
送ロール間で板幅方向に等間隔に配置し、第1の演算器
の出力に基づき第2の演算器で所要の演算を行うことに
より、搬送中の鋼板の平坦度を高精度かつ高速に測定で
きる。
(3)第1の演算器において、非接触式距離計からの原
信号波形から、搬送ロールの周長に等しい周期の近似周
期関数の基本波形を除去することで、鋼板のパスライン
の変動の影響成分を正確に除去できる。
(4)さらに、上記基本波形とその高調波成分、または
基本波形とその高調波のうち奇数次の成分を非接触式距
離計からの原信号波形から除去するようにしたので、鋼
板のパスラインの変動の影響成分をより正確に除去で
き、測定精度が向上する。
(5)搬送ロールの曲がり、偏心、摩耗等のロール形状
不良やロール軸受のガタツキ等による鋼板の振動の影響
成分も第1の演算器により除去することが可能で、さら
にアイドルころを隣接する搬送ロール間に設けることに
より、鋼板の振動を軽減することが可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による平坦度測定装置の一実施例を示す
概略構成図、第2図は第1図の測定領域の部分の側面
図、第3図(a),(b)は鋼板のパスライン変動の修
正前及び修正後の波形図、第4図(a)〜(f)はそれ
ぞれ本発明の測定項目である長手方向歪、幅方向歪、最
大急峻度、先端・尾端反り、2m歪、及び1m歪を求める場
合の説明図、第5図は鋼板の平坦度測定の処理のための
フローチャート、第6図は長手方向歪、幅方向歪、及び
急峻度についての測定結果の一例を示す図、第7図は鋼
板のパスライン変動の影響成分を除去しない場合の各非
接触式距離計の出力波形図、第8図は歪のほとんどない
鋼板の平坦度を測定した場合の非接触式距離計の出力波
形図、第9図は第8図の波形を周波数解析して得たスペ
クトル分布図、第10図は非接触式距離計の出力から歪を
得る方法を示す波形図で、同図(a)は非接触式距離計
の原信号波形図、同図(b)は鋼板の振動による波打ち
波形図、同図(c)は鋼板の実際の歪信号波形図、第11
図は本発明における差動くし型フィルタの波形図、第12
図は上記の差動くし型フィルタの特性図、第13図
(a),(b)は中央及び両端、計3基の非接触式距離
計の出力から得た歪のパスライン変動修正前及び修正後
の波形図、第14図(a),(b)は従来のくし型フィル
タの波形図及び特性図、第15図(a),(b)は本発明
の改良に係る差動くし型フィルタの波形図及び特性図、
第16図は本発明のロール偏心補正を行った場合の測定例
で、同図(a)はパスライン変動修正前の歪信号波形
図、同図(b)はパスライン変動修正後の歪信号波形図
である。 1……搬送テーブル 2a,2b……搬送ロール 3……測定領域 4……パスライン 5a,5b,5c……アイドルころ 6……非接触式距離計 8……コントローラ 10……鋼板 11……ローパスフィルタ 13……第1の演算器 16……第2の演算器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小谷 修一 東京都千代田区丸の内1丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 竹中 正樹 東京都千代田区丸の内1丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 前田 孝三 東京都千代田区丸の内1丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−82108(JP,A) 特開 昭56−14108(JP,A) 特開 昭61−282237(JP,A) 特開 昭60−118328(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】搬送される鋼板の平坦度測定装置におい
    て、 隣接する搬送ロール間で板幅方向に等間隔に配置された
    複数の非接触式距離計と、 鋼板のパスラインの変動の影響成分を前記非接触式距離
    計の出力から除去する第1の演算器と、 該第1の演算器の出力に基づき鋼板の平坦度に関する長
    手方向歪、軸方向歪、最大急峻度、先端または尾端の反
    り、2m歪、1m歪のうち少なくとも一つを演算する第2の
    演算器とを備え、 前記第1の演算器は、前記搬送ロールの周長に等しい周
    期の近似周期関数に係る基本波形を、前記非接触式距離
    計からの原信号波形から除去する演算器であることを特
    徴とする鋼板の平坦度測定装置。
  2. 【請求項2】搬送される鋼板の平坦度測定装置におい
    て、 隣接する搬送ロール間で板幅方向に等間隔に配置された
    複数の非接触式距離計と、 鋼板のパスラインの変動の影響成分を前記非接触式距離
    計の出力から除去する第1の演算器と、 該第1の演算器の出力に基づき鋼板の平坦度に関する長
    手方向歪、軸方向歪、最大急峻度、先端または尾端の反
    り、2m歪、1m歪のうち少なくとも一つを演算する第2の
    演算器とを備え、 前記第1の演算器は、前記搬送ロールの周長に等しい周
    期の近似周期関数に係る基本波形及びその高調波成分
    を、前記非接触式距離計からの原信号波形から除去する
    演算器であることを特徴とする鋼板の平坦度測定装置。
  3. 【請求項3】搬送される鋼板の平坦度測定装置におい
    て、 隣接する搬送ロール間で板幅方向に等間隔に配置された
    複数の非接触式距離計と、 鋼板のパスラインの変動の影響成分を前記非接触式距離
    計の出力から除去する第1の演算器と、 該第1の演算器の出力に基づき鋼板の平坦度に関する長
    手方向歪、軸方向歪、最大急峻度、先端または尾端の反
    り、2m歪、1m歪のうち少なくとも一つを演算する第2の
    演算器とを備え、 前記第1の演算器は、前記搬送ロールの周長に等しい周
    期の近似周期関数に係る基本波形成分を、差動くし型フ
    ィルタを用いて、前記非接触式距離計からの原信号波形
    から除去する演算器であることを特徴とする鋼板の平坦
    度測定装置。
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