JP3189721B2 - テーパ鋼板の板厚推定方法 - Google Patents

テーパ鋼板の板厚推定方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、長手方向に徐々に
板厚の変化するテーパ鋼板を製造する際に有効なテーパ
鋼板の板厚推定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】長手方向に徐々に板厚の変化するテーパ
鋼板の製造に際しては、主に圧延法によってその板厚分
布、つまりテーパ勾配が付与される。圧延法を用いた場
合、所定のテーパ勾配を有するように圧延された鋼板
は、まず板厚分布が測定され、その後に切断や矯正等の
精整工程を経て、最終製品となる。
【0003】このテーパ鋼板の精整方法としては、たと
えば特開平7−185604号公報に開示されている方法で
は、圧延後のテーパ鋼板の長手方向板厚分布の測定結果
に基づき、被圧延材から所定寸法のテーパ鋼板の採取位
置を決定する。この方法は、圧延における板厚制御精度
の不良に起因する問題を解決するために、切断点の変更
を行おうとするものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たような従来技術において、圧延後のテーパ鋼板の板厚
分布測定の重要性は示されているものの、板厚分布の測
定方法には全く触れられていない。テーパ鋼板において
は、通常のフラットな鋼板と違い、勾配があるため板厚
を測定する場合に大きな誤差を生じ、これが実際の製造
上の大きな問題となるのである。
【0005】より詳細に説明すると、通常、鋼板の板厚
を測定する場合は、X線やγ線を鋼板に照射しその透過
量を検出する方法が用いられるが、この際に、統計ノイ
ズの影響を除去するために移動平均処理を行うのが普通
である。移動平均処理は、ある時点での測定値としてそ
の時点より過去のα secの間の測定値の平均を出力する
ため、テーパ鋼板のように板厚が徐々に変化する場合
は、特にその変化率が大きいほど測定値に誤差が生じて
くるのである。
【0006】また、同一板内で板厚の変化率が一定であ
れば板厚測定値の誤差の傾向はある程度一定であるが、
同一板内で板厚の変化率が変わる場合、すなわち同一板
内で複数のテーパ勾配を持つテーパ鋼板の場合、そのテ
ーパ勾配の変更点付近の板厚測定誤差の推定は極めて困
難である。
【0007】このような多くの誤差を含んだ板厚測定値
に基づいて鋼板の精整を行おうとすると、例えば切断後
の板厚が所定の基準外となって板が検査工程で不合格と
なったり、あるいは、ローラ・レベラにて矯正を行おう
とした場合に矯正機の負荷が過小または過大となって、
充分な矯正効果が得られなかったり矯正機に損傷を与え
たりする。
【0008】本発明は、このようなテーパ鋼板の板厚測
定精度の誤差を極力補正し、後の精整工程における不具
合の発生を最小にするテーパ鋼板の板厚推定方法を提供
することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、長手方向に徐
々に板厚の変化するテーパ鋼板を製造するにあたり、板
厚を連続的に測定すること、得られた測定値を、板厚計
位置の実績通板速度と、目標あるいは実績のテーパ勾
配、つまり板厚の変化率と、測定の移動平均時間と、お
よび測定の応答遅れ時間とに基づいて前記測定値を補正
することを特徴とするテーパ鋼板の板厚推定方法であ
る。
【0010】別の面からは本発明は、長手方向に徐々に
板厚の変化する複数のテーパ勾配を有するテーパ鋼板を
製造するにあたり、板厚を連続的に測定すること、得ら
れた測定値を、板厚計位置の実績通板速度と、目標ある
いは実績のテーパ勾配、つまり板厚の変化率と、測定の
移動平均時間と、および測定の応答遅れ時間とに基づい
て前記測定値を補正すること、勾配の変更点の近傍での
両勾配の補正済み測定値の外挿線の交点をもってテーパ
勾配の変更点とすることを特徴とするテーパ鋼板の板厚
推定方法である。
【0011】このように、本発明は、その一つの態様に
よれば、長手方向に板厚の徐々に変化するテーパ鋼板の
板厚分布を連続的に測定し、その測定値に基づいて板の
精整を行うに際し、板厚計位置の実績通板速度と、目標
あるいは実績のテーパ勾配と、測定の移動平均時間と、
および測定の遅れ時間とに基づいて板厚測定結果を補正
することを特徴とするテーパ鋼板の製造方法である。
【0012】また、本発明は、別の態様によれば、複数
のテーパ勾配をもつテーパ鋼板の板厚分布を測定する場
合には、テーパ勾配の変更点付近の板厚測定結果を上述
のようにして補正し、補正により得られた変更点前後の
測定値の各外挿線の交点をもってテーパ勾配の変更点と
することを特徴とするテーパ鋼板の製造方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】まず、テーパ勾配が一定の鋼板の
板厚分布を推定する方法について、本発明の内容を説明
する。なお、以下において板厚計とはX線やγ線を用い
た非接触式板厚計の場合を例にとって示すが、接触式の
板厚計であっても同様である。
【0014】例えば、X線やγ線を用いた非接触式板厚
計の場合、測定の瞬時値を結果として出力すると統計ノ
イズによる誤差が大きくなるので、先に述べたように移
動平均処理を施した結果が測定値として出力される。つ
まり、1つの測定点から平均移動時間内で先行するいく
つかの測定値の平均値をもって真の値とするのである。
【0015】しかし、板厚が徐々に増加する鋼板を測定
対象として考えた場合、図1に示すように、この移動平
均処理により、板厚測定値to は真の値ta より小さな
ものとなる。板厚測定値と真の値との差は、当然のこと
ながら板厚計の移動平均時間が大きい程大きくなるが、
これ以外にも、板厚計位置の通板速度が大きい程、また
板厚の変化率が大きい程、大きくなる。
【0016】しかし、一方、この差は、板厚変化率や板
厚計位置の通板速度を知ることができれば予測が可能で
あり、よってその予測に基づいて移動平均処理による補
正値に通板速度を乗ずることにより板厚測定値が補正可
能である。本発明にかかる測定値補正方法を実施する装
置の構成例を図2に示す。
【0017】図2の例において、テーパ鋼板aの板厚変
化率は圧延工程での目標板厚変更率、あるいは実績板厚
変更率を用い、また、板厚計位置の通板速度は、板厚計
直近の搬送ロールbの回転数と搬送ロールの径より速度
演算装置cで計算した値を用いる。板厚計dの移動平均
時間は既知のものであるので、これらの値より、板厚測
定値の誤差を推定板厚演算装置eにて推定できる。
【0018】具体的には、下記の(1) 式に従って真の板
厚を推定する。 te =to + (Δt/Δl) × (v×T1/2+T2) ・・・(1) (1) 式で、te は真の板厚の推定値、to は板厚計で測
定した板厚、 (Δt/Δl) は目標あるいは実績の板厚
変化率、つまりテーパ勾配、vは板厚計位置の通板速
度、T1 は移動平均時間、そしてT2 は測定の応答遅れ
時間である。なお、テーパ鋼板の板厚測定誤差の最大の
原因は移動平均処理によるものであるが、測定の応答遅
れも誤差の原因となるので(1) 式ではこれも補正してい
る。
【0019】次に、同一板内で複数のテーパ勾配をもつ
テーパ鋼板の板厚分布を推定する方法について述べる。
例えば、図3(a) に示すようなテーパ勾配の変更点付近
の板厚分布は、板厚計により図3(b) に示すように測定
される。図3(b) で、ta は真の板厚、to は板厚計の
測定厚である。
【0020】ここで、もしテーパ勾配の変更点を正確に
知ることができれば上記の方法と同様に板厚計の測定値
より真の板厚分布を測定できるが、テーパ勾配の変更点
は正確に板厚分布を測定することができなければ正確に
知ることはできず、ここに矛盾が生じる。この問題を解
決するためには、板厚計にて測定したテーパ勾配が変化
する前、およびテーパ勾配の変化が落ち着いた後、つま
り第二のテーパ勾配における板厚の測定値より、勾配変
更点付近の板厚分布を推定すれば良い。
【0021】この方法の要領を図4をもって説明する。
まず、図4(a) に示すように、板厚計測定値の勾配が一
定な部分を勾配変更点付近まで外挿し、それぞれの測定
勾配より真の板厚の推定を(1) 式を用いて行う。図4
(b) は、この推定結果を示す。ここで、推定板厚分布t
e の点Aに示す2つのテーパ勾配の交点が、テーパ勾配
の変更点と推定できるのである。
【0022】
【実施例】次に、本発明の具体的作用効果について実施
例によって説明する。なお、いずれの例においてもテー
パ勾配は目標値であり、板厚計位置における実績通板速
度は150 〜1500mm/secであった。そして、板厚の測定値
の補正は前述の式(1) にしたがって行った。ただし、T
2 =0.01 secとした。
【0023】まず、第1の例として、表1に示す条件に
おいて本発明の方法を適用した場合のテーパ鋼板の板厚
分布推定結果を図5に示す。図5の線aは真の板厚、線
oは従来の方法、すなわち本発明の方法を適用せずに、
板厚の計測結果をそのまま実際の板厚分布と仮定したも
の、そして線eは本発明の方法を適用した板厚分布の推
定値である。これによると、線oと線aの差、すなわち
従来法の測定誤差が約0.3 mmであるのに対し、線eと線
aの差、すなわち本発明の方法による推定誤差は約0.1
mmである。
【0024】また、第2の例として、表2に示す条件に
おいて本発明の方法を適用した場合の同様の結果を図6
に示す。線a、o、eは、図5と同じくそれぞれ真の板
厚、従来の方法による板厚、および本発明の方法を適用
した場合の板厚を示す。これによると、従来の方法では
最大約0.9 mmの測定誤差があり、しかも、板厚勾配の変
更点が極めて不明確となっているのに対し、本発明の方
法では、板厚の推定誤差は最大でも0.1 mm程度あり、板
厚勾配の変更点も正確に知ることができる。
【0025】さらに、第3の例として、表3に示す条件
において本発明の方法を適用した場合の同様の結果を図
7に示す。これによると、従来の方法では最大約0.6 mm
の測定誤差があり、板厚勾配の変更点も大きくずれてい
るのに対し、本発明の方法では、板厚の推定誤差は最大
でも0.1 mm程度であり、板厚勾配の変更点も正確に知る
ことができている。
【0026】
【表1】
【0027】
【表3】
【0028】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の方法による
と長手方向に板厚の徐々に変化するテーパ鋼板の板厚分
布を正確に推定できる。例えば、本発明にかかる方法を
表3に示すような範囲のテーパ鋼板の製造に適用した場
合、従来法に比べて50%以上寸法外れによる不合格を減
少することができ、さらに、矯正の能率も約10%向上し
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の方法における板厚測定誤差の説明図であ
る。
【図2】本発明の方法を実施する装置構成例を示す模式
的説明図である。
【図3】図3(a) は、二つのテーパ勾配を有するテーパ
鋼板の略式断面図、図3(b) は、従来の方法におけるそ
のようなテーパ鋼板の板厚測定誤差の説明図である。
【図4】図4(a) 、(b) は本発明の作用効果の説明図で
ある。
【図5】本発明の実施例において、本発明の方法による
板厚推定結果と従来の方法による板厚測定結果との差を
示す説明図である。
【図6】本発明の実施例において、本発明の方法による
板厚推定結果と従来の方法による板厚測定結果との差を
示す説明図である。
【図7】本発明の実施例において、本発明の方法による
板厚推定結果と従来の方法による板厚測定結果との差を
示す説明図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B21C 51/00 B21B 37/14 BBJ (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 1/38 B21B 37/00 B21C 51/00 G01N 23/00 - 23/227 G01B 15/00 - 21/32

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長手方向に徐々に板厚の変化するテーパ
    鋼板を製造するにあたり、板厚を連続的に測定するこ
    と、得られた測定値を、板厚計位置の実績通板速度と、
    目標あるいは実績のテーパ勾配と、測定の移動平均時間
    と、および測定の応答遅れ時間とに基づいて前記測定値
    を補正することを特徴とするテーパ鋼板の板厚推定方
    法。
  2. 【請求項2】 長手方向に徐々に板厚の変化する複数の
    テーパ勾配を有するテーパ鋼板を製造するにあたり、板
    厚を連続的に測定すること、得られた測定値を、板厚計
    位置の実績通板速度と、目標あるいは実績のテーパ勾配
    と、測定の移動平均時間と、および測定の応答遅れ時間
    とに基づいて前記測定値を補正すること、勾配の変更点
    の近傍での両勾配の補正済み測定値の外挿線の交点をも
    ってテーパ勾配の変更点とすることを特徴とするテーパ
    鋼板の板厚推定方法。
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