JP5420445B2 - テーパ鋼板の勾配変更点の探索方法及びテーパ鋼板の製造方法 - Google Patents

テーパ鋼板の勾配変更点の探索方法及びテーパ鋼板の製造方法 Download PDF

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本発明は、テーパ鋼板の板厚勾配が変化する位置(以下において、「勾配変更点」という。)を探索する方法、及び、これを利用したテーパ鋼板の製造方法に関する。
テーパ鋼板とは鋼板の長手方向の少なくとも一部で板厚が変化する鋼板をいう。テーパ鋼板には、鋼板の一端から他端へ板厚が単調に変化する片テーパ鋼板や、鋼板の中央部の板厚が厚い山形テーパ鋼板など様々な形状のものがある。このように板厚を変化させるのは、鋼構造物の製造に際し長手方向で荷重モーメントが変化することを利用するためである。
テーパ鋼板を利用する技術分野は、造船・建築・橋梁・産業機械などの分野である。テーパ鋼板には一定の製造限界があるものの、昨今の合理化設計の要請から構造物の鋼材重量や溶接の施工工数を削減するためにテーパ鋼板を用いる場合が増加してきており、その応用分野も拡大しつつある。
テーパ鋼板の製造は鋼板の長手方向に圧下率を変化させながら圧延することで行う。圧延後は最終製品のスペックに合うように勾配変更点を基準として長手方向の端部が切断される。したがって、勾配変更点を正確に探知することはテーパ鋼板の製造上、重要である。
このようなテーパ鋼板に関する技術として、例えば特許文献1には、被圧延材の全長にわたって所定の板厚プロフィルを付与する圧延工程と、該圧延工程で所定の板厚プロフィルを付与された圧延板について長手方向に板厚の実績値を測定し実績板厚プロフィルを求めるプロフィル測定工程と、該実績板厚プロフィルに基づき、長手方向全長にわたって所定の板厚公差を満足するように、演算により板厚変更点(上記「勾配変更点」に相当)を算出し、切断位置を決定する演算工程とを含む異形鋼板の製造方法が開示されている。また、特許文献2には、板厚の測定値を、板厚計位置の実績通板速度及びテーパ勾配に基づいて補正するテーパ鋼板の板厚推定方法が開示されている。そして、特許文献2には、板厚の測定値を、板厚計位置の実績通板速度及びテーパ勾配に基づいて補正し、勾配の変更点の近傍における両勾配の補正済み測定値の外挿線の交点を持ってテーパ勾配の変更点とするテーパ鋼板の板厚推定方法も開示されている。
特開2002−346609号公報 特開平10−202304号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている技術では、公差の範囲でテーパ鋼板を製造すれば良いと考えており、勾配変更点を算出しようとはしていない。それゆえ、特許文献1に開示されている技術では、最終製品のスペックに合わせてテーパ鋼板を切断できない虞があるという問題があった。かかる問題は、特許文献1に開示されている技術と特許文献2に開示されている技術とを単に組み合わせたとしても、解決することが困難であった。
そこで、本発明は、最終製品に合わせたテーパ鋼板の切断を可能にするテーパ鋼板の勾配変更点の探索方法、及び、テーパ鋼板の製造方法を提供することを課題とする。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするため、添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
本発明の第1の態様は、テーパ鋼板の板厚勾配が変化する勾配変更点を探索する方法であって、テーパ鋼板の長手方向のn箇所(nは2以上の自然数)で板厚tを測定する、板厚測定工程(S11)と、板厚測定工程の後に、任意の2つの板厚測定箇所における板厚の差Δt(i=1、2、…、n−1)を算出する、板厚差算出工程(S13)と、Δt及び上記任意の2つの板厚測定箇所の距離Δl (i=1、2、…、n−1)を用いてテーパ度θ(i=1、2、…、n−1)を算出する、テーパ度算出工程(S14)と、テーパ度算出工程で算出されたテーパ度θがテーパ基準値θ以上であるか否かを判断する、テーパ度判断工程(S15)と、x個(xは1以上n−1以下の任意の数)のテーパ度θのうち、すべてのテーパ度θがテーパ基準値θ以上であるか否かを判断する、テーパ数判断工程(S16)と、を有し、テーパ数判断工程で肯定判断された場合、x個のテーパ度θのうち最初のテーパ度θと対応する最初の板厚測定箇所をテーパ鋼板の勾配変更点として決定することを特徴とする、テーパ鋼板の勾配変更点の探索方法である。
ここに、本発明における「テーパ度θ(i=1、2、…、n−1)」とは、Δt及びΔlを用いて計算される、テーパに関する指標であれば特に限定されるものではなく、例えば、α=tan−1Δt/Δlによって表される角度αをテーパ度θとすることができる。また、「x個のテーパ度θのうち最初のテーパ度θと対応する最初の板厚測定箇所」とは、x個のテーパ度θのうちiが最小のテーパ度θを算出する際に使用された、2つの板厚測定箇所のうち、テーパ鋼板の先端側(搬送方向下流側)の板厚測定箇所をいう。また、本発明において、「x」は、1以上n−1以下の任意の数である。
上記本発明の第1の態様において、板厚差算出工程(S13)は一部の板厚測定箇所を用いてΔtを算出する工程であり、テーパ数判断工程(S16)で否定判断された場合、板厚差算出工程において残りの板厚測定箇所の少なくとも一部を用いて新たにΔtが算出され、テーパ数判断工程で肯定判断されるまで、板厚差算出工程、テーパ度算出工程(S14)、テーパ度判断工程(S15)、及び、テーパ数判断工程(S16)が繰り返され、該テーパ数判断工程において、新たに算出されたΔtを用いて算出されたテーパ度θを含めたx個について判断されることが好ましい。
測定したすべての板厚測定箇所から板厚の差Δt、テーパ度θを算出し、テーパ度判断及びテーパ数判断をしても良いが、この場合には計算機への負荷が大きくなる。したがって、計算機への負荷を低減する観点から、板厚差算出工程(S13)は、一部の板厚測定箇所を用いてΔtを算出する形態とすることが好ましい。そして、テーパ数判断工程(S16)で否定判断がなされた場合にのみ、板厚差算出工程に戻って残りの板厚測定箇所を用いて新たにΔtを算出し、新たに算出したΔtを用いてテーパ度θを算出し、新たに算出したテーパ度θがテーパ基準値θ以上であるか否かを判断し、新たにテーパ基準値θ以上であるか否かが判断されたテーパ度θを含むx個について、テーパ数判断工程(S16)で判断する過程を経て、テーパ鋼板の勾配変更点を探索することが好ましい。
本発明の第2の態様は、上記本発明の第1の態様にかかるテーパ鋼板の勾配変更点の探索方法によって決定された勾配変更点を基準にテーパ鋼板の切断位置を決定する切断位置決定工程と、該切断位置決定工程で決定された切断位置でテーパ鋼板を切断する切断工程と、を有することを特徴とする、テーパ鋼板の製造方法である。
本発明のテーパ鋼板の勾配変更点の探索方法によれば、勾配変更点を正確且つ簡便に探索することができる。そして、探索した勾配変更点を基準としてテーパ鋼板の端部を切断することにより、最終製品に合わせてテーパ鋼板を切断することが可能な、テーパ鋼板の製造方法を提供することができる。
テーパ鋼板の圧延設備の形態例を示す図である。 テーパ鋼板の形態例を示す図である。 本発明のテーパ鋼板の勾配変更点の探索方法に含まれる工程の流れを示すフローチャートである。 本発明のテーパ鋼板の勾配変更点の探索方法を説明する概念図である。 本発明のテーパ鋼板の製造方法に含まれる工程の流れを示すフローチャートである。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。
1.テーパ鋼板の勾配変更点の探索方法
本発明の理解を容易にするため、まず、テーパ鋼板の圧延設備、及び、テーパ鋼板の形態例について説明し、その後、本発明にかかるテーパ鋼板の勾配変更点の探索方法(以下において、「本発明の探索方法」ということがある。)について説明する。
図1は、テーパ鋼板の圧延設備10の形態例を示す図である。圧延設備10は、上下一対のワークロール10a、10a、及び、バックアップロール10b、10bと、圧下装置11と、圧下位置検出器12と、圧下装置11の動作を制御する制御装置13と、を備え、圧延設備10を用いて被圧延材1を圧延する過程を経て、長手方向の少なくとも一部で板厚が変化するテーパ鋼板が製造される。圧延設備10を用いた被圧延材1の圧延では、正逆方向(図4の紙面右から左へと向かう方向、及び、図4の紙面左から右へと向かう方向)へ、交互に、数回に亘って圧延される。そして、正逆方向のそれぞれの圧延において、圧下位置検出器12により測定された情報に基づいて、制御装置13により、下置きのシリンダーを備えた圧下装置11の動作が制御される。
図2は、テーパ鋼板の形態例を示す側面図である。図2の紙面左右方向が、テーパ鋼板の長手方向である。図2(a)〜(d)に示すように、テーパ鋼板は、いずれも少なくとも一部で板厚が変化している。このうち、図2(a)に示すテーパ鋼板は、テーパ鋼板の長手方向の全長に亘って勾配が一定である。そのため、本発明の探索方法では、勾配変更点の探索をすることができない。本発明の探索方法は、長手方向の途中で勾配が変化するテーパ鋼板を対象とし、例えば図2(b)〜(d)に示すような形状のテーパ鋼板の勾配変更点を探索することができる。
図3は、本発明の探索方法に含まれる工程の流れを示すフローチャートである。図4は、x=5とした場合における本発明のテーパ鋼板の勾配変更点の探索方法を説明する概念図である。図3に示すように、本発明の探索方法は、板厚測定工程(S11)と、距離算出工程(S12)と、板厚差算出工程(S13)と、テーパ度算出工程(S14)と、テーパ度θがテーパ基準値θ以上であるか否かを判断するテーパ度判断工程(S15)と、x個すべてのテーパ度θがテーパ基準値θ以上であるか否かを判断するテーパ数判断工程(S16)と、勾配変更点決定工程(S17)と、を有している。本発明の探索方法では、S11〜S17を経ることにより、テーパ鋼板の勾配変更点を探索することができる。以下、図3及び図4を参照しつつ、本発明の探索方法について説明する。
1.1.板厚測定工程(S11)
板厚測定工程(以下において、「工程S11」という。)は、テーパ鋼板の長手方向のn箇所(nは2以上の自然数)で板厚tを測定する工程である。この測定値を基に、次工程以降で、テーパの勾配が計算される。本発明の探索方法において、板厚の測定方法は特に限定されるものではなく、公知の方法によって板厚を測定することができる。例えば、テーパ鋼板の上面側及び下面側からレーザ光を照射して板厚を測定するレーザ厚み計等を用いて、板厚を測定することができる。
工程S11において、板厚の測定は、テーパ鋼板の長手方向に沿って行う。測定は鋼板の先端から後端まで全長に亘って行えば良いが、勾配変更点のおおよその位置が分かっている場合には、勾配変更点近傍のみの測定でも良い。
本発明の探索方法において、工程S11で板厚が測定される測定箇所の間隔は特に限定されるものではないが、勾配変更点の探索精度を向上させやすい形態にする等の観点からは、測定箇所の間隔を狭くすることが好ましい。また、次工程である距離算出工程を省略し、計算機への負荷を軽減しやすい形態にする観点から、測定箇所の間隔は等間隔とすることが好ましい。工程S11は、板幅中央部の板厚を等間隔で測定する工程とすることができる。
1.2.距離算出工程(S12)
距離算出工程(以下において、「工程S12」という。)は、上記工程S11で板厚を測定した2つの板厚測定箇所の間の距離Δlを算出する工程である。上記工程S11において、決められた一定間隔(ピッチP)毎にテーパ鋼板の板厚が測定される場合、工程S12ではΔlを算出する計算を必ずしも行う必要はない。この場合、Δlは例えばPとすることができ、数点(例えば10点)離れた板厚測定箇所に基づいてテーパ度を算出する場合には、ΔlはPの整数倍(例えば10P)となる。
1.3.板厚差算出工程(S13)
板厚差算出工程(以下において、「工程S13」という。)は、上記工程S11において測定した板厚tから板厚の差Δt(i=1、2、…、n−1)を算出する工程である。より具体的には、任意の2つの板厚測定箇所においてそれぞれ測定された板厚から板厚の差Δtを算出する工程である。
1.4.テーパ度算出工程(S14)
テーパ度算出工程(以下において、「工程S14」という。)は、上記工程S12で算出したΔl、又は、例えば決められた測定ピッチP、及び、上記工程S13で算出したΔtを用いて、テーパ度θ(i=1、…、n−1)を算出する工程である。工程S14で算出されるテーパ度θは、Δl又は例えばP、及びΔtを用いて算出されるテーパに関する指標であれば良い。工程S14では、例えば以下の式で表される角度αを、テーパ度θとすることができる。角度αをテーパ度θとすることにより、テーパ度θの理解が容易になる。
θ=α=tan−1Δt/Δl 、又は、
θ=α=tan−1Δt/P
1.5.テーパ度判断工程(S15)
テーパ度判断工程(以下において、「工程S15」という。)は、工程S14で算出したテーパ度を判断する。具体的には、テーパ度θがテーパ基準値θ以上であるか否かを判断する。テーパ基準値θは製造した鋼板に形成したテーパのテーパ度に基づいて決定すればよい。長手方向中央部のみテーパ部がある鋼板において、製造した鋼板に形成したテーパのテーパ度は、「(テーパ鋼板厚肉部板厚−テーパ鋼板薄肉部板厚)/テーパー部長さ」で表せるので、この値に基づいて決定すればよい。
肯定判断された場合には、次工程であるテーパ数判断工程S16(以下において、「工程S16」ということがある。)を行えば良く、否定判断された場合には、次工程である工程S16で肯定判断されることはないので、工程S16を経ずに上記工程S14で算出した次のテーパ度θについて改めて工程S15を行えば良い。
なお、図3では、工程S15が否定判断された場合、工程S12〜工程S14の工程を経て工程S15を行うよう図示したが、予め次のテーパ度θを算出している場合には、これらの工程を経ずに工程S15を行えば良い。
1.6.テーパ数判断工程(S16)
工程S16は、上記工程S15で算出したΔθの内、x個すべてのテーパ度θがテーパ基準値θ以上であるか否かを判断する工程である。
テーパ度θを算出すればその板厚測定箇所におけるテーパ鋼板のテーパ状態が予測可能である。しかし、テーパ度θを算出したとしても、1点のテーパ度θの算出によりテーパ状態を判断した場合には、誤差を生じ得る。上記工程S11で測定した板厚tが測定誤差を含んでいる可能性あるためである。したがって、複数のテーパ度θを算出した上でテーパ鋼板の勾配変更点を決定する。本発明の探索方法では、3以上のテーパ度θを判断材料とする、すなわち、工程S16におけるxを3以上の自然数として判断を行うことが好ましい。より好ましくは5以上である。一方、xを大きくすると、計算機への負荷が大きくなるので、10以下が好ましく、8以下がより好ましい。
工程S16において肯定判断がなされると、処理は後述する決定工程へと進められる。これに対し、工程S16において否定判断がなされると、次のx個のテーパ度θ群について改めてテーパ数判断工程を行う。本発明の探索方法では、工程S16で肯定判断がなされるまで、新たなテーパ度θが算出され、当該テーパ度θを含めた新たなテーパ度θ群について工程S15及び工程S16の判断が繰り返されることが好ましい。計算量を減らし計算機への負荷を減らすためである。
なお、図3では、工程S16が否定判断された場合、好ましい態様として工程S12〜工程S15の工程を経て工程S16を行うよう図示したが、予め次のテーパ度θを算出している場合には、直接工程S16を行えば良い。
1.7.勾配変更点決定工程(S17)
勾配変更点決定工程(以下において、「工程S17」という。)は、上記工程S16で最初に肯定判断がなされた時のiの最小値にかかる板厚測定箇所を、テーパ鋼板の勾配変更点として決定する工程である。
工程S11〜工程S17を有する本発明の探索方法によれば、勾配変更点を高精度に探索することができる。したがって、本発明の探索方法は、例えば、オンラインでテーパ鋼板の切断が行われる製造ライン等において、好適に用いることができる。
2.テーパ鋼板の製造方法
図5は、本発明のテーパ鋼板の製造方法に含まれる工程の流れを示すフローチャートである。図5に示すように、本発明のテーパ鋼板の製造方法は、切断位置決定工程(S21)と、切断工程(S22)と、を有している。本発明のテーパ鋼板の製造方法では、S21及びS22を経ることにより、テーパ鋼板を製造する。以下、図3〜図5を参照しつつ、本発明のテーパ鋼板の製造方法について説明する。
2.1.切断位置決定工程(S21)
切断位置決定工程(以下において、「工程S21」という。)は、工程S11〜工程S17を有する本発明の探索方法によって決定された勾配変更点を基準に、テーパ鋼板の切断位置を決定する工程である。上述のように、本発明の探索方法によれば、勾配変更点を高精度に探索することができるので、工程S21によれば、最終製品に合わせた切断位置を決定することができる。
2.2.切断工程(S22)
切断工程(以下において、「工程S22」という。)は、上記工程S21で決定された切断位置でテーパ鋼板を切断する工程である。上述のように、工程S21によれば、最終製品に合わせた切断位置を決定することができるので、工程S22によれば、テーパ鋼板を、最終製品に合わせて切断することができる。したがって、工程S21及び工程S22を有する本発明のテーパ鋼板の製造方法によれば、最終製品に合わせてテーパ鋼板を切断することができる。
普通鋼スラブを圧延素材として、圧延機でテーパ鋼板を作製した。より具体的には、図2(b)に示すような鋼板中央部にテーパ部を有するテーパ鋼板を作製した。ここで、作製したテーパ鋼板の板厚最大値は21.5mm、板厚最小値は18.0mmであり、テーパ部の長手方向長さは1500mmであった。
このようなテーパ鋼板に対し、本発明の勾配変更点の探索方法を使用し、テーパ部の位置を確認すると共に、勾配変更点から所定の長さの位置において先後端を切断して最終製品のスペックを満足するテーパ鋼板を製造した。
本発明の探索方法の具体的な使用形態を、以下に記載する。
まず、レーザ厚み計(TOSGAGE−LD200、株式会社東芝製。「TOSGAGE」は株式会社東芝の登録商標。)を用いて、ライン上を搬送されてくるテーパ鋼板のライン下手側(テーパ鋼板の長手方向先端側)より順に、板厚tを測定した。板厚tは、テーパ度を計算する前に測定した。本実施例では、隣り合う板厚測定点間の距離を10mmとし一定の間隔で板厚tを測定した。また、10点離れた板厚測定点での板厚tを用いて板厚差算出処理を行った。すなわち、Δlを100mm(一定値)とした。そして、Δl及びΔtを、θ=α=tan−1Δt/Δl=tan−1Δt/100に代入することにより、テーパ度θを算出した。
製造したテーパ鋼板の板厚最大値21.5mm、板厚最小値18.0mm、テーパ部の長手方向長さ1500mmであることから、テーパ度は計算上、tan−1{(21.5−18.0)/1500}=0.134となる。そこで、テーパ基準値θを0.13として各テーパ度θがテーパ基準値0.13以上であるか否かを判断した。さらに、5個のテーパ度θが連続してテーパ基準値0.13以上を満たすか否かを判断し、当該条件を満たす初めのテーパ度θにおける板厚測定点(板厚測定箇所)をテーパ鋼板の勾配変更点とし決定した。
上記工程を経て勾配変更点と決定した位置と、板厚実測により探索した勾配変更点とを比較・確認したところ、正確に勾配変更点を探索できていた。
さらに、探索した勾配変更点を基準として鋼板の先後端を切断することで最終製品のスペックに合ったテーパ鋼板をオンラインで切断・製造することができた。
本発明は簡便かつ容易に勾配変更点を探索することができ、テーパ鋼板を製造する際に有用である。
S11…板厚測定工程
S12…距離算出工程
S13…板厚差算出工程
S14…テーパ度算出工程
S15…テーパ度判断工程
S16…テーパ数判断工程
S17…勾配変更点決定工程
S21…切断位置決定工程
S22…切断工程
1…被圧延材(テーパ鋼板)
10…テーパ鋼板の圧延設備
10a…ワークロール
10b…バックアップロール
11…圧下装置
12…圧下位置検出器
13…制御装置

Claims (3)

  1. テーパ鋼板の板厚勾配が変化する勾配変更点を探索する方法であって、
    テーパ鋼板の長手方向のn箇所(nは2以上の自然数)で板厚tを測定する、板厚測定工程と、
    前記板厚測定工程の後に、任意の2つの板厚測定箇所における板厚の差Δt(i=1、2、…、n−1)を算出する、板厚差算出工程と、
    前記Δt及び前記任意の2つの板厚測定箇所の距離Δl (i=1、2、…、n−1)を用いてテーパ度θ(i=1、2、…、n−1)を算出する、テーパ度算出工程と、
    前記テーパ度算出工程で算出されたテーパ度θがテーパ基準値θ以上であるか否かを判断する、テーパ度判断工程と、
    x個(xは1以上n−1以下の任意の数)の前記テーパ度θのうち、すべての前記テーパ度θが前記テーパ基準値θ以上であるか否かを判断する、テーパ数判断工程と、を有し、
    前記テーパ数判断工程で肯定判断された場合、x個の前記テーパ度θのうち最初の前記テーパ度θと対応する最初の前記板厚測定箇所をテーパ鋼板の勾配変更点として決定することを特徴とする、テーパ鋼板の勾配変更点の探索方法。
  2. 前記板厚差算出工程は、一部の前記板厚測定箇所を用いて前記Δtを算出する工程であり、
    前記テーパ数判断工程で否定判断された場合、前記板厚差算出工程において、残りの前記板厚測定箇所の少なくとも一部を用いて新たにΔtが算出され、前記テーパ数判断工程で肯定判断されるまで、前記板厚差算出工程、前記テーパ度算出工程、前記テーパ度判断工程、及び、前記テーパ数判断工程が繰り返され、
    繰り返される前記テーパ数判断工程において、新たに算出された前記Δtを用いて算出されたテーパ度θを含めたx個について判断されることを特徴とする、請求項1に記載のテーパ鋼板の勾配変更点の探索方法。
  3. 請求項1または2に記載のテーパ鋼板の勾配変更点の探索方法によって決定された勾配変更点を基準にテーパ鋼板の切断位置を決定する、切断位置決定工程と、
    前記切断位置決定工程で決定された前記切断位置でテーパ鋼板を切断する切断工程と、を有することを特徴とする、テーパ鋼板の製造方法。
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