JPH07234121A - 鋼板の平坦度測定装置 - Google Patents

鋼板の平坦度測定装置

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JPH07234121A
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昇 大平
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修一 小谷
Masaki Takenaka
正樹 竹中
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Abstract

(57)【要約】 電子出願以前の出願であるので 要約・選択図及び出願人の識別番号は存在しない。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、鋼板の平坦度測定装置に関し、詳し くは、搬送される鋼板の平坦度を高精度、高速に 測定する装置に関する。
[従来の技術] 鋼板の自動切断や自動溶接の普及、品質上の要 請等から、鋼板の平坦度に対する要求が高まって いるが、平坦度の自動測定の従来の試みとして、 例えば実開昭57−156810号公報がある。
この方式は、搬送テーブル上に載置された鋼板 の長手方向に移動可能な門型の架台を設け、該架 台の水平部材に接触式の測定器を複数個板幅方向 に等間隔に配置し、これらの測定器により鋼板か ら測定器が取り付けられた架台の水平部材までの 距離を測定し、演算器で比較計算して平坦度を測 定するものである。
[発明が解決しようとする課題] しかし、例えば再矯正過程の前後あるいは平坦 度検査ラインにおいては、鋼板は通常ロールピッ チ600〜900mmの搬送ロール上を30〜90 m/minの速度で搬送する。それ故、ロールの曲 がり、偏心、摩耗等に起因するロールの形状不良 やロール軸受のガタツキ等により鋼板のパスライ ンが変動する。また、搬送中に鋼板は振動し、バ タツキが起こる。
加えて、オンライン測定器に対する要求はかなり 厳しく、測定スパン0〜20mmにおいて±1mm以 内とされる。
したがって、測定器の探触針を常時鋼板表面に接 触させておかなければならない従来方式では、鋼 板のパスライン変動やバタツキの影響を受け、高 精度の平坦度測定は不可能である。
また、従来法に限らず非接触式距離計を用いた 場合といえども、第9図に示すように、個々の距 離計の出力は波打ち、複数の出力を並べて表示し ても鋼板の歪、急峻度を明確に把握できない。こ の原因は、鋼板のパスラインが変動することにあ ると考えられる。
すなわち、たとえ歪のほとんどない標準的な鋼板 の平坦度を計測する場合でさえも、第8図に示す ように、距離計の出力は、周期的な波形信号とな ってしまう。この波形は鋼板の幅、厚さ、長さと は無関係に現れること、しかもその周期は正確に ロール周長(データ数にして20データに相当) であること、これを受けて実際に距離計設置位置 前後のロールについてロール真円度を調べたとこ ろ非真円性が有ること、を出願人は確認している。
つまり、距離計の出力が周期的な波形信号となる のは、主としてロールの曲がり、偏心、摩耗等に 起因するロールの形状不良やロール軸受のガタツ キ等により鋼板のパスラインが変動することが原 因と推察できる。
結局、非接触式距離計を用いる等の種々の工夫 をしたところで、距離計の原出力波形から、鋼板 のパスライン変動の影響成分を除去しない限り、 高精度の平坦度測定は不可能というわけである。
本発明は、上記の知見に基づき、鋼板のパスラ イン変動やバタツキの影響を、設置した距離計の 出力から除去し、高精度かつ高速の平坦度測定を 可能にする装置を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記の目的を達成する本発明に係る装置は、 まず第一に、搬送される鋼板の平坦度測定装置 であって、隣接する一組の搬送ロール間で板幅方 向に等間隔で配置する複数の非接触式距離計と、 鋼板のパスライン変動の影響成分をこの距離計の 出力から除去する第1の演算器と、該第1の演算 器の出力に基づき鋼板の平坦度に関する指標、す なわち、長手方向歪、幅方向歪、最大急峻度、先 端または尾端の反り、2m歪、1m歪のうち少な くとも一つを演算する第2の演算器と、を備えた ものである。
第二に、第1の演算器が、搬送ロールの周長に 等しい周期の近似周期関数に係る基本波形を、非 接触式距離計からの原信号波形から除去する機能 を有するものである。
第三に、第1の演算器が、上記基本波形のみな らずその高調波成分をも、非接触式距離計からの 原信号波形から除去する機能を有するものである。
第四に、第1の演算器が、上記基本波形成分を、 差動くし型フィルタを用いて、非接触式距離計か らの原信号波形から除去する機能を有するもので ある。
第五に、第1の演算器が鋼板の振動の影響成分 を非接触式距離計の出力から除去し、しかもこの 距離計は、隣接する搬送ロール間に設けたアイド ルころ近傍の鋼板搬送方向前方に配置するもので ある。
最後に、上記隣接する搬送ロールの鋼板搬送方 向前方及び後方にアイドルころを設けたものであ る。
[作用] 非接触式距離計を用いることにより、接触式距 離計を用いる場合に起こる鋼板のパスライン変動 やバタツキに係る悪影響を回避できる。しかも非 接触式距離計を板幅方向に複数個等間隔で配置す ることにより、鋼板長手方向及び板幅方向におい て、所定のピッチで鋼板搬送中に鋼板面からパス ラインまでの距離情報を一度に、したがって高速 に得ることができる。
構造的観点から、非接触式距離計の設置位置を 隣接する搬送ロール間に設けたアイドルころ近傍 の搬送方向前方とし、しかも電気信号処理の観点 から、この距離計の出力信号をローパスフィルタ を通して演算することにより、鋼板のバタツキに よる振動の影響成分をほとんど問題のない程度に 除去できる。すなわち、鋼板の振動に起因して距 離計の出力に現れていたショックノイズ状の信号 がほとんど現れなくなる。
なお、アイドルころを搬送ロール間だけでなく搬 送ロールの鋼板搬送方向前方及び後方にも設ける ことにより、上記鋼板の振動の影響成分をほとん ど全部除去できる。
次に、鋼板の振動は搬送ロールの偏心、曲がり、 摩耗等によっても発生する。第7図は搬送ロール の偏心がある場合の非接触式距離計の出力画面の 一例を示すもので、第8図は第7図の或るチャン ネルの一区間を取り出したものである。第8図に みられるように、この振動波形はロール周長に関 係する周期T(この場合T=20データ分に相当 する)の規則正しい周期関数である。そしてこれ をスペクトル解析したものが第9図である。これ より、上記周期関数はロール周長を周期とする基 本波成分が主であり、高調波成分は高次になるに 従い減少することがわかる。
第10図は原信号波形が波打ち波形と歪信号波 形との重畳したものであることを示している。
そこで、歪波形(第10図(c))を求めるには、 非接触式距離計の原出力波形(同図(a))から 鋼板のパスライン変動の影響成分を現す波打ち波 形(同図(b))を差し引けばよい。
ところで、先に述べたように本課題の波打ち波形 は基本波が主なので、基本波のみを原信号波形よ り差し引けば、歪信号波形に近似した波形が得ら れることになる。そしてまた、より高精度の結論 を得ようとする場合には、基本波のみに止まらず、 より高調波まで考慮した近似を行えば足りる。本 発明は、より高調波まで考慮する場合を排除する ものではない。
そこで、いま、鋼板のパスライン変動の影響成 分を、(1)式のように近似する。
ここで、Aは振幅であり、 と する。ψは初期位相であり、tan-1(a/b) とする。a,bはそれぞれ(2)式、(3)式で 表される。
但し、f(i)は非接触式距離計からの原信号波 形であり、nは最初のデータ番号、nは最後 のデータ番号である。
Tは搬送ロール周長相当距離間で等間隔に採るデ ータ数である。第8図、第9図ではT=20であ ったが、これに限定されないことはいうまでもな い。iはデータ番号、すなわち、nからnま での総計T個あるデータのうちの任意のデータの 番号である。
すると、距離計により得られた距離情報から歪 信号波形h(i)は、(4)式により求めることが できる。
第1の演算器は、(4)式に基づいて演算を行い、 各距離計毎に所定ピッチで個々のデータ採取を行 う。
第2の演算器は、この採取されたデータに基づ き平坦度を求める。すなわち、鋼板の平坦度に関 する長手方向歪、幅方向歪、最大急峻度、先端ま たは尾端の反り、2m歪、1m歪のうち少なくと も一つを演算する。
以上により、距離計により得られた距離情報か ら鋼板のパスライン変動の影響成分を除去するこ とができ、高精度の歪信号の抽出が可能となる。
また、上記(1)式中のA,ψの値を求めるのに、 一般にはフーリェ級数法が利用されるが、公知の くし型フィルタを応用した差動くし型フィルタを 用いることもできる。
第11図に示すように、差動くし型関数g(i) を、i=0からT/2毎に値+1,−1,+1, …と交互にとる関数とする。これを一般式に書き 直すと次のようになる。
ここで、δはδ関数で、( )内の中の変数が 0の値をとるiの値に対して+1を与える関数で あり、それ以外は0となる。Int(x)は実数値 xを超えない最大の整数値を与える関数である。
そしてこの差動くし型関数g(i)と原信号波形 f(i)の相互相関をとると、 となる。これは、f(i)とg(i)のたたみ込 みでもあり、f(i)に差動くし型フィルタを作 用させたのと同じである。g(i)のフィルタ特 性は第12図のようであり(図中、Δはデータ採 取間隔)、基本波(1次)と3次、5次…等の奇 数次高調波をパスする。奇数次高調波成分は第9 図のように基本波に比して十分小さいので、 は基本波振幅Aに近似する。
したがって、求める基本波は振幅A,初期位相ψ を用いると、近似的にA・sin(2πi/T+ψ) となって、上記(1)式と同じになる。
よって、A,ψの値はそれぞれ(8)式、(9)式よ り計算することができる。
但し、nは最初のデータ番号、nは最後のデ ータ番号、Tはロール周長相当距離間で等間隔に 採るデータ数、m′は(8)式の{ }内を最大に するmである。
[実施例] 第1図は本発明に係る鋼板の平坦度測定装置の 一実施例を示す概略構成図、第2図は第1図の測 定領域の側面図である。
この実施例では、複数ある鋼板10の搬送ロー ルのうち所定の隣接する搬送ロール2a及び2b と、鋼板10のパスライン4と一致するように搬 送ロール2a及び2bの間に設置したアイドルこ ろ5aと、隣接する搬送ロール2a及び2bに関 し鋼板搬送方向のそれぞれ前方に及び後方に設置 したアイドルころ5b及び5cと、により鋼板1 0の搬送テーブル1が構成される。
測定領域3においては、複数個の非接触式距離 計6が鋼板10の下側で、鋼板の幅方向に等間隔 で配置されており、しかもその配置位置はアイド ルころ5aの近傍で、鋼板搬送方向前方である。
もっとも鋼板搬送方向後方の位置でもよい。なお、 それぞれのアイドルころ5a,5b,5cはロー ラ状のものを10個位に分割したものであり、搬 送テーブル1の全長にわたって設置する必要はな く、測定領域3及びその前後の所定範囲にわたっ て設置すればよい。
非接触式距離計6としては、測距精度、リフト・ オフ、測定レンジ、対象物体の反射率変化に対す る応答性等の点で優れている三角測距方式のレー ザ距離計を用いている。
なお、三角測距方式またはレーザ距離計に限定さ れるものではない。
非接触式距離計6は、250〜280mmの間隔で 16個設置している。この測定メッシュは、鋼板 の幅方向の歪の変化をとらえるのに必要かつ十分 な細さである。
各非接触式距離計6より搬送中の鋼板10の下 面にレーザビームを垂直に投光し、反射光を受光 することにより鋼板面からパスライン4までの距 離情報を得る。この距離情報は、各チャンネルご とコントロールルーム7内に設置したコントロー ラ8にそれぞれローパスフィルタ11及びアンプ 12を通して入力される。
ローパスフィルタ11を通すことによって、非接 触式距離計6の出力波形から、まず鋼板10の振 動の影響成分をほとんど除去できる。さらに測定 領域3及びその前後の所定範囲に設置したアイド ルころ5a,5b,5cにより、搬送されてくる 鋼板10の先端及び尾端が搬送ロール2aに直接 衝突したり、搬送ロール2bから急に脱落したり することがなくなるため、円滑な支持が可能とな り、これによって鋼板10の振動の影響成分がほ とんど完全に除去できる。
なお、ローパスフィルタ11は鋼板の常用搬送速 度において上限周波数が5Hz近辺となるように 設定している。ほとんどの場合、鋼板のバタツキ 振動数は5Hz以上であることによる。
各非接触式距離計6からの距離情報はコントロ ーラ8内の第1の演算器13に入力され、また測 定領域3の近傍にある搬送ロール2bに連結した パルス発生器14により、その搬送ロール2bの 1回転あたりの所定パスル数(例えば1回転あた り600パルス数)を発生するようにし、そのパ ルス数をパルスカウンタ15で計数し、ロール1 周期を決め、あらかじめ実測しておいたロール周 長の距離間を上記パルス数を基に等間隔に分周す ることにより、採取すべきデータ数T(実施例で は20データ分)を入力装置17で設定する。こ のデータ数Tは第1の演算器13に入力される。
そして第1の演算器13において、前記(4)式に 基づき演算を行うことにより、各非接触式距離計 6からの原信号波形f(i)から鋼板10のパス ライン4の変動に起因する影響成分を除去した歪 信号波形h(i)が個々に得られる。
第3図(a)はパスライン変動修正前の、すな わち任意の1基の非接触式距離計6からの原信号 波形それ自体を示すものであり、第10図(a) に相当するものである。
パスライン変動修正前は、搬送ロールの曲がり、 偏心、摩耗等に起因するロール形状不良やロール 軸受のガタツキ等による鋼板の振動影響成分が除 去されていないので、歪発生位置等の異常個所を 検知できない。
そこで、第1の演算器13において非接触式距離 計6からの出力からパスライン変動の影響成分を 除去する処理を行う。
この除去処理は、鋼板10のパスライン変動の影 響成分を、前記(1)式のように近似することによ って、行うことができる。すなわち、鋼板の振動 の周波数解析の結果、鋼板のパスライン変動の影 響成分は、ほとんどの場合第10図(b)に示す ような波打ち波形となって現れ、この波打ち波形 は、ロール周長を周期とする基本波 Asin(2πi/T+ψ) …(1) で近似できるのである。
但し、A:振幅(mm) i:データ番号 T:採取するデータ数 ψ:初期位相 (1)式はまた、 Asin(2πi/T+ψ) =Acosψ・sin2πi/T+Asinψ・ cos2πi/T …(1a) とも書ける。
目的は、原信号波形(第10図(a)参照)に含 まれる、波打ち波形のA,ψの値を求めて、(1a) 式の値を原信号から差し引くことである。
そこで、目的の歪信号波形をh(i)とすれば、 原信号波形f(i)は、 f(i)=h(i)+Asin(2πi/T+ψ) で表される。
この原信号波形f(i)は歪信号波形h(i) が加わっているので、厳密な意味での周期関数で はないが、波打ち波形のみを誤差少なく抽出する 方法として、フーリェ級数の第1項a,bを 求める方法を拡張利用するものである。
,bを次式で定義すると、 但し、n:最初のデータ番号 n:最後のデータ番号 ここで両式の右辺第1項は、cos2πi/T, sin2πi/T共に順次正負の値を取り、h(i) との積の和は相殺されて余り大きくならず、n −nはデータ数が大きいほど大きくなるので、 多くの場合この第1項は無視できる。したがって、 a≒Asinψ b≒Acosψ または ψ≒tan-1/b …(11) (10)式、(11)式により、a,bの値が求まれ ばA,ψの値が計算できるので、(1a)式の値が求 まる。
以上の方法で鋼板10のパスライン変動の影響 成分を除去して得られた波形、つまりパスライン 変動修正後の波形が、第3図(b)に示すもので ある。この第3図(b)は第10図(a)の非接 触式距離計6からの原信号波形から第10図(b) の波打ち波形を除去した実際の歪信号波形を示す ものであり、したがってこの歪信号波形に基づき 以下に述べる鋼板の各種の歪(平坦度)を測定す ることができる。
すなわち、第1の演算器13の出力は次に第2の 演算器16に入力され、この第2の演算器16に おいて第1の演算器13の出力から鋼板10の平 坦度に関する所要の歪計算を行う。
歪計算の事項は、第4図に示すように、次の5項 目のうち少なくとも1つである。実施例では全部 の項目について行っている。
(1)長手方向歪(第4図(a)参照) 長手方向歪は、各チャンネルの歪最大値と歪最 小値の差である。すなわち、 長手方向歪=|歪最大値−歪最小値| さらにその値のチャンネル間での最大値も求める。
(2)幅方向歪(第4図(b)参照) 幅方向歪は、各幅方向断面での歪最大値と歪最 小値の差の、全長にわたる最大値である。
幅方向歪=|歪最大値−歪最小値| (3)最大急峻度(第4図(c)参照) 最大急峻度は、山の高さを山のピッチで除した 値の全山での最大値である。
最大急峻度=[h/l]全山最大 (4)先端または尾端の反り(第4図(d)参照) 先端または尾端の反りは先端・尾端の不感帯を 除く部分での反り量である。なお、鋼板の先端・ 尾端では反りが発生している場合があるので、こ の部分は不感帯として測定の対象から除くように している。
反り=Δh (5)1m歪、2m歪(第4図(f),(e)参照) 1m歪、2m歪は、それぞれ1m,2mの区間 にある最も高い山2つの頂点の間に線分を引き、 その間の最も低い谷とその線分との間隔である。
全長について最大値を求める。
1m歪・2m歪=[h]全長最大 第2の演算器16の出力はオペレーションルーム 18のCRT19,プリンタ20等に出力され、 測定データを表示もしくは記録する。なお、鋼板 10の搬送中であることの検出はパスディテクタ 21により行われる。
第5図は鋼板の平坦度測定の処理フローを示す フローチャートであり、次にこれについて説明す る。
(1)まず、鋼板10が検査テーブル(搬送テーブ ル)1に進入してきてパスディテクタ21により 通検がONするとともに、プログラムが起動する (ステップ30)。
(2)鋼板−センサ(非接触式距離計)間の距離デ ータブロックと、鋼板−パスライン間の距離(歪) データブロックをクリアする(ステップ31)。
(3)先端がセンサ列上に達し、さらに先端不感帯 の間のデータは、測定データとして採用しない (ステップ32)。
(4)分周器パルス(50mm毎)があるごとに全チ ャンネルのデータをA/D変換し、上記2つのデ ータブロックへストアする(ステップ33)。
(5)通検がOFFし、尾端がセンサ列上に達した 時点から遡って尾端不感帯の間のデータは、測定 データとして採用しない(ステップ34)。
(6)全チャンネルについて第4図の各種歪項目の 演算を行う(ステップ35)。
(7)CRTに演算結果を表示し、裏画面のVRA Mにも画面情報を出力する(ステップ36)。
(8)プリンタに演算結果を出力する(ステップ3 7)。
(9)次材が来るまで待機する(ステップ38)。
第6図は上記の手順で求めた歪のうち、長手方 向歪、幅方向歪、及び急峻度についての測定結果 を示すものである。
なお、第7図と第6図の関係は、第3図の(a) と(b)との関係に等しい。つまり、修正の前後 を表す比較図であり、第7図ではパスライン変動 の影響成分が全く除去されていないので歪の実際 値を把握できないのに対し、第6図ではパスライ ン変動の影響成分が除去されているため、歪の実 際値を明確かつ正確に把握できる。
さらにこれについて説明する。第13図(a) はパスライン変動修正前の中央、両端の合計3基 の非接触式距離計6からの原信号波形それ自体で あり、第10図(a)に相当する。パスライン変 動修正前は搬送ロールの曲がり、偏心、摩耗等に 起因するロール形状不良による鋼板の振動影響成 分が除去されていないので、歪発生位置等の異常 個所を検知できないとともにその量も正しいもの とはならない。例えば、図中の…2…,…1…は それぞれ2m歪、1m歪の場所を示し、欄外に示 した1m,2mの値が1m歪、2m歪の値である が、鋼板の振動影響成分が除去されていない分、、 不明瞭、不正確なものとなっている。なお、第1 3図(a)はロール偏心が比較的小さく、振幅が 0.3〜0.1mm位の場合であるが、振幅が0. 6mm程度になるときもしばしばであり、その場合 には上記の悪影響はより顕著になる。
この除去処理は鋼板のパスライン変動の影響成 分を前記(1)式のように近似することによって行 うことができる。
前記(4)式より であるから、 となる。ここで、f(i)は原信号波形、h(i) は歪信号波形であり、 である。(6)式の右辺第2項はh(i)に+1, −1をかけて総和をとったもので、右辺第1項に 比べて十分小さくなる。つまり、差動くし型関数 g(i)と原信号波形f(i)の相互相関をとる ことによって が導かれる。但し、m′は(8)式の{ }内を最 大にするmである。
第11図は本発明における差動くし型フィルタ の波形図であり、T=20の場合の差動くし型関 数g(i)を示すものである。また、第12図は この差動くし型フィルタの特性図であり、基本波 Wと奇数次高調波W,W,…のみをパスす る。第12図において、Δはデータ採取間隔であ る。
ここで、差動くし型フィルタを用いることとした 理由は以下のとおりである。
基本波が前記(1)式で示されるときのA,ψの 値を求めるのに、第14図(a),(b)に示す ような従来のくし型フィルタを通すこととしても よいが、しかしこれでは直流成分(DC)WDCも 拾ってしまい、微小な元信号のパスラインからの 浮き上がりがAの値の算出に影響を与えることに なる。
そこで、第15図(a),(b)のように従来 のくし型フィルタを変形した差動くし型フィルタ を用いる。つまり、g(i)をi=0からT/2 毎に+1,−1を交互にとる関数とする。これは、 そのような差動くし型フィルタ機能を持つアルゴ リズムをプログラムに組み込む。そうすると、差 動くし型フィルタを通過するのは、基本波Wと 奇数次高調波W,W,…のみとなり、直流成 分と偶数次高調波成分は拾わない。よって、より 高精度なAの値の算出が可能となるのである。
かくして、パスライン変動修正後の波形は第1 3図(b)のようになる。これにより、異常個所 がより明白に現れ、かつ測定精度も向上する。
このようにしてロール偏心を補正した場合の、 ほとんど歪の無い鋼板についての測定例を第16 図に示す。同図(a)はパスライン変動修正前、 同図(b)はその修正後の歪信号波形であり、同 図(b)にみられるように、ほとんど歪が無い場 合であっても、より高精度の平坦度測定が可能と なっている。
[発明の効果] 本発明の効果を列記すれば次のとおりである。
(1)非接触式の距離計を用いるとともに、第1の 演算器でその距離計の出力から鋼板のパスライン 変動の影響成分を除去するようにしたので、搬送 中の鋼板の実際の歪波形を高精度に得ることがで きる。
(2)したがって、複数の非接触式距離計を隣接す る搬送ロール間で板幅方向に等間隔に配置し、第 1の演算器の出力に基づき第2の演算器で所要の 演算を行うことにより、搬送中の鋼板の平坦度を 高精度かつ高速に測定できる。
(3)第1の演算器において、非接触式距離計から の原信号波形から、搬送ロールの周長に等しい周 期の近似周期関数の基本波形を除去することで、 鋼板のパスラインの変動の影響成分を正確に除去 できる。
(4)さらに、上記基本波形とその高調波成分、ま たは基本波形とその高調波のうち奇数次の成分を 非接触式距離計からの原信号波形から除去するよ うにしたので、鋼板のパスラインの変動の影響成 分をより正確に除去でき、測定精度が向上する。
(5)搬送ロールの曲がり、偏心、摩耗等のロール 形状不良やロール軸受のガタツキ等による鋼板の 振動の影響成分も第1の演算器により除去するこ とが可能で、さらにアイドルころを隣接する搬送 ロール間に設けることにより、鋼板の振動を軽減 することが可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による平坦度測定装置の一実施 例を示す概略構成図、第2図は第1図の測定領域 の部分の側面図、第3図(a),(b)は鋼板の パスライン変動の修正前及び修正後の波形図、第 4図(a)〜(f)はそれぞれ本発明の測定項目 である長手方向歪、幅方向歪、最大急峻度、先端 ・尾端反り、2m歪、及び1m歪を求める場合の 説明図、第5図は鋼板の平坦度測定の処理のため のフローチャート、第6図は長手方向歪、幅方向 歪、及び急峻度についての測定結果の一例を示す 図、第7図は鋼板のパスライン変動の影響成分を 除去しない場合の各非接触式距離計の出力波形図、 第8図は歪のほとんどない鋼板の平坦度を測定し た場合の非接触式距離計の出力波形図、第9図は 第8図の波形を周波数解析して得たスペクトル分 布図、第10図は非接触式距離計の出力から歪を 得る方法を示す波形図で、同図(a)は非接触式 距離計の原信号波形図、同図(b)は鋼板の振動 による波打ち波形図、同図(c)は鋼板の実際の 歪信号波形図、第11図は本発明における差動く し型フィルタの波形図、第12図は上記差動くし 型フィルタの特性図、第13図(a),(b)は 中央及び両端、計3基の非接触式距離計の出力か ら得た歪のパスライン変動修正前及び修正後の波 形図、第14図(a),(b)は従来のくし型フ ィルタの波形図及び特性図、第15図(a), (b)は本発明の改良に係る差動くし型フィルタ の波形図及び特性図、第16図は本発明のロール 偏心補正を行った場合の測定例で、同図(a)は パスライン変動修正前の歪信号波形図、同図(b) はパスライン変動修正後の歪信号波形図である。 1……搬送テーブル 2a,2b……搬送ロール 3……測定領域 4……パスライン 5a,5b,5c……アイドルころ 6……非接触式距離計 8……コントローラ 10……鋼板 11……ローパスフイルタ 13……第1の演算器 16……第2の演算器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B21B 38/02 BBK G01B 11/30 101 A (72)発明者 小谷 修一 東京都千代田区丸の内1丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 竹中 正樹 東京都千代田区丸の内1丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 前田 孝三 東京都千代田区丸の内1丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 搬送される鋼板の平坦度測定装置におい
    て、 隣接する搬送ロール間で板幅方向に等間隔に配 置された複数の非接触式距離計と、 鋼板のパスラインの変動の影響成分を前記非接 触式距離計の出力から除去する第1の演算器と、 該第1の演算器の出力に基づき鋼板の平坦度に 関する長手方向歪、幅方向歪、最大急峻度、先端 または尾端の反り、2m歪、1m歪のうち少なく とも一つを演算する第2の演算器と、 を備えたことを特徴とする鋼板の平坦度測定装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の演算器は、搬送ロールの周長
    に等 しい周期の近似周期関数に係る基本波形を、前記 非接触式距離計からの原信号波形から除去する演 算器であることを特徴とする請求項1記載の鋼板 の平坦度測定装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の演算器は、搬送ロールの周長
    に等 しい周期の近似周期関数に係る基本波形及びその 高調波成分を、前記非接触式距離計からの原信号 波形から除去する演算器であることを特徴とする 請求項1記載の網板の平坦度測定装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の演算器は、搬送ロールの周長
    に等 しい周期の近似周期関数に係る基本波形成分を、 差動くし型フィルタを用いて、前記非接触式距離 計からの原信号波形から除去する演算器であるこ とを特徴とする請求項1記載の鋼板の平坦度測定 装置。
  5. 【請求項5】 前記第1の演算器は、鋼板の振動の影響
    成分 を前記非接触式距離計の出力から除去し、 該非接触式距離計は、前記搬送ロール間に設け たアイドルころ近傍の鋼板搬送方向前方に配置す ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一 つに記載の鋼板の平坦度測定装置。
  6. 【請求項6】 前記搬送ロールの鋼板搬送方向前方及び
    後方 にアイドルころを設けたことを特徴とする請求項 5記載の鋼板の平坦度測定装置。
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