JP2535195Y2 - パネルシャッター装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

この考案は、パネル駆動系スプロケットに噛合するチ
ェーンで吊持された複数のパネルでシャッター開閉用開
口を昇降開閉するパネルシャッター装置に係り、特にパ
ネルの横振れ防止対策およびチェーン切断時のパネル落
下防止対策を施したパネルシャッター装置に関するもの
である。

【従来の技術】

第４図は従来のパネルシャッター装置を示す概略的な
正面図、第５図は第４図Ａ部の拡大断面図、第６図は第
４図におけるパネル収納ボックス部分の拡大断面図であ
る。 図において、１は建物の出入口や窓等のシャッター開
閉用開口の両側に起立配置された左右一対のガイドレー
ルであり、これらのガイドレール１は、それぞれの対向
面部にパネル昇降ガイド用開口1aを有する中空部材から
成っている。 かかるガイドレール１の上部にはパネル収納用ボック
ス（以下、単にボックスという）２が配置されている。 このボックス２内には、その出入口上方に位置する左
右一対のパネル駆動系スプロケット３と、これらのスプ
ロケット３の上部近傍に前端側が位置して後端側が漸次
下降傾斜するパネル吊持収納用の支持レール７と、上記
スプロケット３を正逆回転駆動する開閉機Ｍとが配置さ
れている。 そして、上記スプロケット３には、両ガイドレール１
内に垂下してボックス２内の支持レール７側に移行可能
な左右一対のチェーン４が噛合している。 これらのチェーン４は、両ガイドレール１のパネル昇
降ガイド用開口1aに左右両側部が昇降摺動自在に嵌込み
係合されて両ガイドレール１間で垂直面方向に隣合う上
下複数のパネル５をそれぞれの上部両側方で連繋吊持し
ている。 さらに詳述すると、各パネル５の左右両側部には第５
図に示すように縦框51が一体装着され、上記各チェーン
４のパネル取付部にはそのチェーンリンク連結部を貫通
するリンクピンを兼ねたピン（ロングピン）Ｐが設けら
れている。 このピンＰの一端部には上記支持レール７上で転動さ
せる上部ガイドローラＲが回転自在に取付けられてい
る。そして、上記ピンＰの他端側は各パネル５の左右の
縦框51の上部にピンブラケット６を介して差し込み連結
されている。 従って、各パネル５は、スプロケット３に噛合してガ
イドレール１内に垂下する左右一対のチェーン４にピン
Ｐを介して吊持されている。 その吊持状態において、各パネル５の左右両端面より
も外側にチェーン４が位置し、該チェーン４の更に外側
に上部ガイドローラＲが位置し、この状態における上記
各パネル５の左右の縦框51が両ガイドレール１のパネル
昇降ガイド用開口1aに昇降摺動自在に嵌込み係合されて
いる。 次に動作について説明する。 シャッター全閉状態において、開閉機Ｍによりスプロ
ケット３が第６図中で時計廻り方向に回転駆動される
と、該スプロケット３に噛合したチェーン４の送り作動
で各パネル５が左右の両ガイドレール１間を上昇してボ
ックス２内に順次進入してくることにより、両ガイドレ
ール１間の所謂シャッター開閉用開口が順次開放され
る。その開放時において、左右一対のスプロケット３間
を支持レール７側に通過したパネル５は、その上部ガイ
ドローラＲが支持レール７上に順次移行することによ
り、各パネル６はそれぞれが垂直姿勢で隣合った並列状
態となってボックス２内に収納される。 そのパネル収納状態において、スプロケット３が第６
図中で反時計廻り方向に回転駆動されると、該スプロケ
ット３に噛合したチェーン４を介して支持レール７上の
パネル５がガイドレール１間に順次繰り出されてシャッ
ター開閉用開口を閉塞する。

【考案が解決しようとする課題】

従来のパネルシャッター装置は以上のように構成さ
れ、各パネル５の左右両側部がガイドレール１のパネル
昇降ガイド用開口1aに昇降摺動自在に嵌込み係合されて
いるために、上記各パネル５は昇降動作時における前後
方向の振れを防止することはできるが、パネルの横振れ
を規制する手段を何ら有していないため、その横振れを
防止できないという問題点があった。特に、両ガイドレ
ール１に沿ったパネル５の昇降開閉時等において、該パ
ネル５を吊持しているチェーン４が万一切断されると、
パネル５の落下事故を招くという問題点があった。 そこで、パネルの落下防止対策として、実開昭63−14
793号公報には、パネルシャッターにおけるパネル安全
装置が開示されている。 この公開公報のパネル安全装置は、パネルを表面板と
裏面板とで構成し、表面板の上端には、パネルの横幅全
長に亘る係止片を、表面板と裏面板との対向間隔寸法
（パネル厚み寸法）内に収まるように水平状に折曲形成
し、且つ、その係止片の先端に立上り突部を折曲形成し
て上記係止片全体を水切板形状に形成すると共に、上記
裏面板の下端には、上記係止片と対称形状の係止受片を
折曲形成し、該係止受片を下位隣接パネルの上記係止片
の下方に臨ませてローラチェーンの切断時に上記係止片
と上記係止受片とが重合状に係合するようにしたもので
ある。 このような公開公報のパネル安全装置では、表面板の
上端全長に亘って係止片を、且つ、裏面板の下端全長に
亘って係止受片をそれぞれ対称形状に曲げ加工しなけれ
ばならず、しかも、上記係止片は立上り突部を有する水
切板形状に形成され、且つ上記係止受片は上記係止片と
対称形状に形成されているため、シャッター開放時にお
いて、パネルが上昇縦移動から収納方向への横移動に継
送される際に、該パネル下端の係止受片が後続パネル上
端の係止片の下方からスムーズに抜け出すように、パネ
ル相互間の間隔寸法を充分に配慮しなければならず、こ
のため、上記係止片と係止受片の曲げ加工精度が要求さ
れ、その曲げ加工が非常に面倒になるなどの問題点があ
った。また、上記係止片および係止受片はパネルの上端
および下端で該パネルの横方向に延びているだけである
ため、パネルの昇降開閉時の横振れを防止できないとい
う問題点があった。 この考案は上記のような問題点を解消するためになさ
れたもので、パネルの昇降開閉時の横振れを確実に防止
できると共に、チェーン切断時のパネル落下を確実に防
止でき、しかも、そのパネル落下防止のためにパネル相
互の間隔寸法を格別に設定する必要のないパネルシャッ
ター装置を得ることを目的とする。

【課題を解決するための手段】

この考案に係るパネルシャッター装置は、左右一対の
パネル駆動系スプロケットと、該スプロケットのそれぞ
れに噛合した左右一対のチェーンと、上記スプロケット
の回転駆動による上記チェーンの送り作動でシャッター
開閉用開口を昇降開閉する複数のパネルと、上記スプロ
ケットによる上記チェーンの巻き上げ時にシャッター開
閉用開口を縦列姿勢で上昇して上記スプロケット間を順
次通過する上記各パネルのそれぞれを並列姿勢で横移動
可能に吊持する支持レールとを備えたパネルシャッター
装置において、上記各パネルは、該パネルの上記チェー
ンに対する支持点よりも上方位置で各パネルの両側端面
から上記チェーン側に突出する左右一対の上部係止片
と、各パネルの両側端面から上記チェーン側に突出し且
つ各パネルの下端面よりも下方に垂下して左右両側で対
向し、該対向面側および前後方向が開放されたフック溝
を形成する左右一対の下部フックとが設けられ、シャッ
ター開閉用開口を昇降開閉する各パネルの下部フックの
フック溝に下位隣接パネルの上部係止片が係脱可能かつ
上下動可能に嵌入されるように構成したものである。

【作用】

この考案におけるパネルシャッター装置は、パネル駆
動系スプロケットの回転駆動によるチェーンの送り作動
でシャッター開閉用開口を昇降開閉するパネルの相互間
において、各パネルの下部フックのフック溝に下位隣接
パネルの上部係止片が嵌入しているため、上記チェーン
の切断時には上記フック溝と上記係止片との係合によっ
てパネルの落下が防止される。また、上述のように下部
フックのフック溝に係止片が嵌入していることにより、
パネルの横振れを確実に防止できる。さらに、上記フッ
ク溝はパネルの前後方向が開放され、そのフック溝に下
位隣接パネルの上部係止片が係脱可能かつ上下動可能に
嵌入されるようになっているため、パネルがシャッター
開閉用開口に沿った上昇移動から支持レール側への横移
動に継送される際、該パネルの下部フックのフック溝が
後続パネルの上部係止片からスムーズに離れ、且つ、パ
ネルが支持レール側での横移動からシャッター開閉用開
口側への下降移動に継送される際には、該パネルの上部
係止片に後続パネルの下部フックのフック溝がスムーズ
に嵌まり込むことにより、パネルの開閉動作を何ら支障
なく遂行させ得る。また、上記上部係止片および下部フ
ックは各パネルの両端面から外方（チェーン側）に突出
してパネル相互間には介在していないので、それらの上
部係止片と下部フックを設けるためにパネル相互間の間
隔寸法を格別に設定する必要がない。

【実施例】

以下、この考案の一実施例を図について説明する。第
１図はこの考案の一実施例によるパネルシャッター装置
のパネル要部を示す斜視図であり、第４図〜第６図と同
一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。 第１図において、10はシャッターカーテンを構成する
各パネル５の両側端面に設けられた左右一対のパネル落
下防止部材であり、これらのパネル落下防止部材10の上
端には、パネル５の上部両側端面からチェーン４側に向
って水平に突出する上部係止片８が折曲形成されてい
る。 また、上記パネル落下防止部材10の下端には下部フッ
ク９が折曲形成されている。この下部フック９は、各パ
ネル５の下部両側端面からチェーン４側に向って突出す
る上側水平片部9aと、該上側水平片部9aの先端からパネ
ル５の下端面よりも下方に垂下する垂直片部9cと、該垂
直片部9cの下端から内側に突出する下側水平片部9bとか
ら成っている。 従って、左右一対のパネル落下防止部材10における左
右一対の上記下部フック９は、各パネル５の下端面より
も下方の左右両側で対向し、該対向面側が開放され、且
つ、前後方向が開放された断面ほぼコ字状のフック溝9e
を形成している。 そして、第６図中のパネル駆動系スプロケット３に噛
合してガイドレール１内に垂下したチェーン４で吊持さ
れているパネル５の相互間において、各パネル５の下部
フック９のフック溝9eには、下位隣接パネル５の上部係
止片８が第２図に示す如くフック溝9e内で上下移動可能
な遊嵌状態に嵌入されている。 この状態において、上部係止片８の先端はフック溝9e
の底壁（垂直片部）9cの内面に上下摺動可能に当接して
おり、これにより、左右のガイドレール１間ではパネル
５の横振れが確実に防止される。 次に動作について説明する。 第４図中の左右のガイドレール１間をパネル５が全閉
している状態において、第６図中のパネル駆動系スプロ
ケット３が同図中で時計廻り方向に回転駆動されると、
該スプロケット３に噛合したチェーン４を介してパネル
５が引き上げられる。 これにより、パネル５は第６図中のボックス２内に上
昇進入してきて左右のスプロケット３間を支持レール７
側に向って順次横送りされるが、その横送り時には、当
該横送りパネル５の下部フック９が後続パネル５の上部
係止片８から外れる。 そして、上記左右のスプロケット３間を順次通過した
パネル５は、上部ガイドローラＲが支持レール７上に移
行することによって、該支持レール７で並列状態に吊持
収納される。 このようなパネル収納状態から、上記スプロケット３
が反時計廻り方向に回転駆動されると、該スプロケット
３に噛合したチェーン４を介してパネル５がスプロケッ
ト３側に向って順次引き寄せられ、該スプロケット３間
を通過してガイドレール１側に下降する。 この場合、左右のスプロケット３間を通過して下降す
る先行パネル５に対して、上記左右のスプロケット３間
を通過する寸前の状態で横移動してくる後続パネル５が
接近することにより、上記下降中の先行パネル５の上部
係止片８に対して後続パネル５の下部フック９のフック
溝9eが第２図の状態に嵌まり込み、この状態で各パネル
５が一連となってガイドレール１間を下降し、該下降時
の上記上部係止片８は上記フック溝9e内で浮いた状態に
表示される。 そして、各パネル５が左右のガイドレール１間を全閉
する位置まで下降してくると、下部フック９の上側水平
片部9aの内面に上部係止片８が接合した状態となってパ
ネル５間の隙間がなくなる。 以上において、ガイドレール１に沿ったパネル５の昇
降動作時にチェーン４が切断るうと、該切断個所よりも
上位のチェーン４で吊持されている上位パネル５の下部
フック９のフック溝9eに嵌め込まれている下位パネル
（チェーン切断個所より下位のパネル）５の上部係止片
８が上記フック溝9eの下壁（下側水平片部9b）に係合す
ることにより、チェーン切断個所の下位パネルは上位パ
ネルに吊持された状態となってパネル落下が防止され
る。

【考案の効果】

以上のように、この考案によれば、パネル駆動系スプ
ロケットの回転駆動によるチェーンの送り作動でシャッ
ター開閉用開口を昇降開閉する各パネルの左右両側に上
部係止片と下部フックを設け、その昇降開閉時のパネル
相互間において、上位パネルの下部フックのフック溝に
下位隣接パネルの上部係止片を係脱可能かつ上下動可能
に嵌入させる構成としたので、チェーン切断時に上記フ
ック溝と上記係止片との係合によってパネルの落下を未
然に防止できるという効果がある。 また、上述のように下部フックと該フック溝に嵌入し
た係止片とによって、パネルの横振れを確実に防止でき
るという効果がある。さらに、上記フック溝はパネルの
前後方向が開放されているため、パネルがシャッター開
閉用開口に沿った上昇移動から支持レール側への横移動
に継送される際に、該パネルの下部フックのフック溝が
後続パネルの上部係止片からスムーズに離れ、且つ、パ
ネルが支持レール側での横移動からシャッター開閉用開
口側への下降移動に継送される際には、該パネルの上部
係止片に後続パネルの下部フックのフック溝がスムーズ
に嵌まり込むことにより、パネルの開閉動作を何ら支障
なく遂行させ得るという効果がある。 さらに、上記上部係止片および下部フックは各パネル
の両端面から外方（チェーン側）に突出してパネル相互
間には介在しないので、それらの上部係止片と下部フッ
クを設けるためにパネル相互間の間隔寸法を格別に設定
する必要がないという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例によるパネルシャッター装
置のパネル要部を示す斜視図、第２図および第３図は作
用説明図、第４図は従来のパネルシャッター装置を示す
概略的な正面図、第５図は第４図Ａ部の拡大断面図、第
６図は第４図におけるパネル収納ボックス部分の拡大断
面図である。 ３……パネル駆動系スプロケット、４……チェーン、５
……パネル、７……支持レール、８……上部係止片、９
……下部フック、9e……フック溝。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】左右一対のパネル駆動系スプロケットと、
   該スプロケットのそれぞれに噛合した左右一対のチェー
   ンと、上記スプロケットの回転駆動による上記チェーン
   の送り作動でシャッター開閉用開口を昇降開閉する複数
   のパネルと、上記スプロケットによる上記チェーンの巻
   き上げ時にシャッター開閉用開口を縦列姿勢で上昇して
   上記スプロケット間を順次通過する上記各パネルのそれ
   ぞれを並列姿勢で横移動可能に吊持する支持レールとを
   備えたパネルシャッター装置において、上記各パネルに
   は、該パネルの上記チェーンに対する支持点よりも上方
   位置で各パネルの両側端面から上記チェーン側に突出す
   る左右一対の上部係止片と、各パネルの両側端面から上
   記チェーン側に突出し且つ各パネルの下端面よりも下方
   に垂下して左右両側で対向し、該対向面側および前後方
   向が開放されたフック溝を形成する左右一対の下部フッ
   クとが設けられ、シャッター開閉用開口を昇降開閉する
   各パネルの下部フックのフック溝に下位隣接パネルの上
   部係止片が係脱可能かつ上下動可能に嵌入されるように
   構成したことを特徴とするパネルシャッター装置。